TALK TO MYSELF IN MIDNIGHT 

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夢の中でキッス

天(そら)が
泣いている

紫陽花の葉を歩く
蝸牛のような

危なげな足どりで
辿りつくのは

あなたの夢の中


あのひの君に4

いつだって
(いつだって)

切ないのは
(切ないのは)

あなたの
(君の)

くちづけ


あの日の君に3

きっと
彼は気づいている

私の裏切りに

どちらからも
別れをきりだせないでいる
哀しい二人

黙る二人の心の中には
憎しみを残したくない
それだけのこと

納得して
離れるのなら

そんなことを
心配しなくてもいいのに


あの日の君に2

けれど
こうも思ってしまう

その瞳のすべてが
偽りであったなら

何を信じて
生きていけばいいのだろうと

この世に
信じるに値するものなどないと

そう言われるだろうか


あの日の君に1

もう 帰るね
そう言って
玄関に向かう
小さな背中
そっと
抱きしめた

窓の外
小鳥が
桜の実を
ついばんでいる
初夏の朝

きっと
たくさん
つらい思いを
させているね

だけど

どうすることも
できないでいる僕を
君は
昔と変わらない瞳で
見つめてくれる

愛している

それは
まぎれもない真実



author:蒼井冬星 HOME  
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