世を忍ぶ仮の日記
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2003年12月31日(水) バァスディ

大晦日は私の誕生日です。
医者が元旦働くの厭だったから陣痛促進剤を使ったという説が有力。
除夜の鐘開始と共に産まれてきました。
煩悩と共に産まれてきた、煩悩の権現。


友人とケーキ屋で落ち合う約束をしていたら、背後からスクーターのクラクションで振り返ると友人は背後から私に気がついて呼び止めた様子です。
何故気がついたのだろう。
ケーキ屋で自分のケーキを買う。
怖ろしく虚しい行為であることを体感した。
「お名前はお入れしますか?」
「……いいです(←恥ずかしくて言えない)」
「ロウソクは大きいのと小さいのがありますが、何本お入れ致しましょうか?」
「………………」
人の誕生日ケーキを買う時にロウソクの数を言うのはなんだか嬉しいのに、自分の年を言うのだと思うとどうしてここまで自白を強要されている気分になるのであろうか。
もの凄い苦痛であった。
ケーキを食べたらしょっぱいものが食べたいねー、と移動をして、ファミレスでポテトやししゃもやバターコーン、チゲ鍋を酒無しで食べる。
塩気万歳!
友人から、誕生日プレゼントで一旦木綿(妖怪)の携帯ストラップにもなるおまもり(?)を貰いました。一旦木綿大好き。
ピロが後で「おねーちゃんの好み分かっとるねえ流石」と言いましたが、好みが似てるからだー!
ケーキ屋とファミレスでそれぞれ、さらこさん妹にメールを打って呼び出そうとしてみましたが、
「家にいないのでごめんなさい」
と返信が返ってきた。
「んじゃどこにいるのか秘密主義ー!」
と友人に突っ込まれていました。
な、慣れたけどね……。
あてどなく散歩をはじめる。
山を登りだし、あてどなく登りすぎて見晴らしが良くなってきたら、日が沈みかけたので、冬はあてのない旅は長くできない、と目印(出身中学)をめがけて歩く。
学校が見えたところで満足をして、下山。
脇道があると気になるので、茨道ばかり歩いて、何故か通学路へ辿り着いた。
その頃にはテンション上がりすぎて楽しくなっている。
「しかし大晦日に何やってるんだろー」
「しかも誕生日なのに何やってるんだろー」
「でも楽しいやーあははははは」
「何も無いところで遊べる私達は遊びの達人だね!」
その後ホームセンターで何も買わずに帰宅した。
とりあえずケーキだけはピロと食べて、祝った振りをしたけど、プレゼントは……?



はじめて友達と楽しく過ごした誕生日だったような気がする。
いつも鬱屈していたなあ……。
そしてそろそろストレスが溜まり、不眠ぶり返し。

予定ではKOKIAの「HAPPY BIRTHDAY TO ME」でも聞きながら過ごすつもりが、不眠で、気がついたら除夜の鐘がなっていた。


2003年12月30日(火) 妄想暴走

地元に帰ったので、みきさんに遊んでもらう約束を取り付けました。
お車で、最寄り駅まで迎えに来て貰う。うっしっし。
のほーんと食事を済ませて、それから本屋。
地元大手書店に行く。
「後巷説百物語は買いましたか?」
まだ、というみきさんにしきりに勧める。
「この本に於いて、百介さんの又市さんに対する愛が溢れていて、なんともステキなんですよ。百介さん回想ではじまるのですが、百介さんってば又市さんを思い出す度に胸がキュンってなって切なくなってるんです。又市さんに置いて行かれた寂しさを、『又市さんの優しさで、あちら側の世界に踏み込ませなかったんだ。実際自分にはあちら側へ踏み込む勇気は無かったんだ…』て悶々していて大変美味しい本になっていますけれども、いかがですかあ?」
「あちら側って!? 踏み込む勇気!?」
悶えるみきさん。
「先に後巷説百物語だけご購入頂いて、それから最初を読み返していただくと、その時百介さんや又市さんがどういう葛藤をしていたか、裏読みできてお得ですよ? ほら、帯にも、行き着く先はいずれ同じって。さ、どうぞどうぞ」
勧誘は一勝一敗。みきさんは後巷説百物語だけご購入でした。
私は、珍しく人文書院の本を発見し、誰にも勧められない本をみきさんに触って貰う。
「ハッ! 確かにこの紙は柔らかい。本でこんなに柔らかい紙は…」
「ほら、角っこの触り心地も最高なんです! そして絶版確実なこの題名。暇な年末年始。私は買う。けれども誰にも勧められないから私だけ買います」
高価な本を買いましたとも……。
その後、人文書コーナーで遊び倒す。
みきさんが案外恐がりさんであることが判明。
「キャー! みきさんこの魔術書、箱入り装幀布張り金模様でまがまがしさ満点! 惚れ!」
「カカカカッカ…ダメです…呪いはダメです」
「あ、呪い入門書ですって。迷いを断ち切るのが第一章です」
「丁寧な……」
その合間にみきさんはさりげなく錬金術の本を2冊手にしてました。
ハガレン読みたいー!
いざ、みきさんのお薦めの「アヤシイカラオケ屋」に向かってレッツゴー。
「カッカ、例のカラオケ屋、どうやら【ニューヨーク分館】なるものまで出来たらしいです」
ニューヨーク分館に想いを馳せてみる、師走の終わり。
昨日の私のスケジュールンを白状したら、同情されました。
暇やってん……。
カラオケ屋に行くも、年末の暇な人々等々で混んでしまって、直ぐには部屋に入れない模様だったので、ウロウロオロオロしていたら、隣にリサイクルショップがありました。
イントロドンが出来るくらいにしくまれたBGMに吹き出す。
「この店は我々を嵌めようとしてますな」
「……T.a.t.uでくるとは…」
「ガックンで来るとは……」
「ハッ、これイントロドンが出来ない……と思ったらヤッサイモッサイだ! これは分からない」
「ヤッサイモッサイ……?」
はじめて聞く渾名に首を傾げると、みきさんは
「やっさいは千葉の祭のわっしょい! という縁起のいい言葉。もっさいは、森山の顔がモッサイって感じだから。売れてなければただのモッサイ。売れているからヤッサイを入れてみた」
との事。
この日からうちの姉妹では森山=ヤッサイモッサイと定着する。

みきさんは着物を漁り出す。
「ほら! みきさん。こういう小さな模様のって、お人形さんにピッタリ! あ、でも金髪だとダメね」
「……カッカー! 私を罠に嵌めようとしてますね?」
「いやいやいやいや」
「でもちゃんと黒髪ちゃんもいますよ」
「んじゃ是非花魁風でお願いします! 帯は前結びで。ほらこの布は襦袢にね!」
「ダメー! ダメー!」
みきさんは最近本当に着物にハマっているのです、ということを真剣に力説をして、選び抜いた着物をゴッソリ買い込んで、お店の人に更に古着着物がたくさんある店をきいていました。
リサイクルショップの着物を漁っていたら、「ご結納」という箱が出てきて一瞬ヒヤッとしましたサー。怖いぜリサイクルショップ。何を売るー!
私は節約ガールを卒業して節約淑女になるので、買いませんでしたとも。ええ。


カラオケ屋に行こうとすると、アヤシイ呪文がスピーカーから流れていましたバリ館。
「カッカ、何語? 呪文? こここ怖い…」
「いやー私かれこれ2年は学校でこういうの聞いて育ったんで余裕ですガッハッハ」
しばし待機してから、部屋に案内された途端、新曲を漁ってKOKIAを発見。
最初こそヘタレ喉でキヨラカにKOKIAを歌っていましたが、段々妄想モードに入るわたくしたち。
嬉しかったのは、歌う前には敢えて言わなかった、DAIの『柊』でみきさんが悶えはじめて、
「さ、何を連想しましたか? どの話とリンクしましたかー?」
と嬉々として訊ねると、
「う、うさゆき」
と答えてくれた事デース!
『柊』は色んなカップリングで萌えられると思うので、是非。
まだ風邪が治りきらないので歌の練習をしていなかった為、どうにもこうにもダメ歌でしたが、そんな自分は嫌いでしたが、カラオケは楽しかったです。
何よりも妄想よね!
みきさん
「愛は無くとも生きていけるが、妄想が無いと生きていけないよ、ね? ね?」
同志が欲しいらしいです。
同志募集中!


2003年12月29日(月) 暇なのか否か

時間はあれども動く元気が無く、1日でビデオを3本観ました。他に、フィギュアスケートのハイライトと『ダーク・エンジェル』(1部最終回)を観た。
ダルかったんだもーん。
昨日観たのと合わせると計4本があっという間に消化されたことになります。
普段連続して映像観ないから疲れたよう。楽しかったよう。
『十七才のカルテ』
素朴な疑問なのだが、主人公やまわりも、十七才では無いように見受けられるのだが気の所為だろうか。
アンジェリーナ・ジョリーのキレっぷりの良さに感服しました。
やっぱ格好いいわあアンジェリーナ・ジョリー。いやみなく、気持ち悪さを出さず、キレていたので見てて気分が良かったです。ま、少数意見かもしれないけど。
ウィノナ・ライダーの演技が控えめ過ぎて目立たないっていう意見をどこかで目にしたようなしなかったような気がするけど、ウィノナ・ライダー演じる主人公は、どちらかというと「まわりを見て感じる」役で、アンジェリーナ・ジョリーは「見られる」側の演技だったのだからいいのではなかろうか、と。ウィノナ・ライダー可愛いし(←それかよ)。ただ、同じクラスターBの障害の役割としては、確かに大人しめではあったのだけれど、人それぞれ病状も違うしさぁ。
前半観ていて、「この話は一体どうやって落とすつもりなんだろう、激しく不安。どうせ治るのが落ちだろうけど、それだけじゃつまんないよー?」と思っていたけど、一応クライマックスにかけて盛り上がって、落ちたし。
ウィノナ・ライダー演じる主人公が、精神病院に入院し、まわりの患者達と友情を築いたり、壊れたりしつつも自分を見つけるまでの話。
簡単に纏めると寂しくなってしまうが、『十七才のカルテ』は一言で纏まってしまう。
ウィノナ・ライダーが最後に「ボーダーラインの治癒」と最後のカルテに書かれた、というところで終わったのだが、精神医学の言葉に治癒という言葉は使われない筈だ、とか退院しても通院するんじゃないのか? とか本当に自由連想法だけで診断を下すんかい、て色々疑問は残ったけれど、思春期から青年期に以降していく心の揺れを、敢えてストレートに描いたという作品は興味深い。
て、あんまり映画観ないから他にもたくさんあるのかもしれないけど。
アンジェリーナ・ジョリーの(多分)反社会性人格障害じみたハデな演技が、ダルいだけになりそうな作品を全体的に引き締めていて、ブラボー! ジョリー姐さん、でした。
金髪も似合うのね…。
一番下の妹が「ああ! 観たかった!」と言っていたのは「そうかー残念だったね」で済んだんですが、ピロが「あ、観たかったんよ!」と言ったのは非常に意外でした。
理解出来るんだろうか。
違う観点(というかピロという特殊な視点)から観た『十七才のカルテ』の感想も、ちょっと楽しみだったりします。
気になったのは、正常か、異常か、それがアメリカでは非常に厳しく線引きをされていて、その中での「ボーダーラインパーソナリティディスオーダー」診断だったのですが、日本にその概念をそのまま持ってきて、線が曖昧である日本でも同じように診断が下っているという状況でしょうか。
とずっと引きずっていたら、下の妹が「ああ、あの精神病院の話でしょ?」と言ったので、まだ精神病院=異常、退院=正常、というのが世間の見解なんだなあ、としんみりしました。
そんなに線を引いてどうするんだろう、と。
入っていない自分を正常だと位置づけしたいが為に異常の概念を作るのだな、人間は。
実際は線はあるのか無いのか、社会が決めるのか自分が決めるのか、もっと一人一人深く考えて欲しい。<映画に対しての感想ではありません。

『シカゴ』
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ凄い迫力。大画面で観ていたら押されていたです。
息を付かせない程の迫力でした。
それに比べてレニー・ゼルヴィガーの迫力の無さがまた天下一品で。
演技力のたまものだと思うのですが、白痴演技とか媚びる視線とか、キャサリンを逆撫でするのにビッタシな媚を入れてくるんです。
ハリウッド女優って迫力有り余る美人が多いから、ちょっと媚を入れると本格的に媚られた気になるんだけど、レニー・ゼルヴィガーだと、笑いを取れる上手い媚になるのが絶妙。
んでもって、前評判で私のまわりで悪かったリチャード・ギア。
いや、私はあれだけダメなムカつく男を演じられるのは天然でリチャードだけだと思いました。
一つ一つが神経逆撫でするのね! 凄いわ!
作品全体の印象としては、ミュージカル映画の為、音楽だけで血が騒いでしまって気持ちが良かったのですが、ミュージカル映画としての演出は、「ああ、舞台で観たらもっと楽しそう」というブロードウェイの宣伝のようになってしまっています。台詞の合間に歌と踊りが入る時に、舞台装置になるからそう思ってしまうのだと思うのです。主人公の妄想の場合だと比較的自然に入る事が出来ると思うのですが、ちょっと場所が飛びすぎると、違和感を感じずにはいられません。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の場合は、セルマの妄想として確固とたる妄想の世界として、場所で突然に踊ったり歌ったりなので違和感は無いのですが、突然に舞台演出をされるとちょっと変。ま、キャサリンが凄いんでそれは観て良かったですが。
そしてチョイ役でルーシー・リュウが出ていたのが私のツボにえらくハマりました。蹴られた人はマジで痛かっただろう……(笑)。
ミュージカル映画を観ると元気になりますね!

『スリーピー・ホロウ』
何もかもがツボでした。
ジョニー・デップ。
呪われた、閉鎖的な村。
忌まわしき首無し騎士の伝説。
西の森の、善き魔女、悪しき魔女。
魔女と呼ばれた母を、父に殺された過去を持つヘタレ刑事(ジョニー)。恋に落ちたのは魔女も信じる清冽な乙女。
何故かヘタレと分かりつつもずっと付いてくる少年!(←ツボった)
この呪われた閉鎖的な村の忌まわしき伝説が蘇るという筋書きだけでも血湧き肉躍る私の業。やっぱ魔女は西の森なのね! とガッツポーズ。
だって、だってジョニーってば、蜘蛛を見ただけで飛び上がって震えてるんですよ? 少年に「踏みつぶして殺さなきゃダメだー!」て震えながら。
か・わ・い・い!
西の森の魔女に会いに行く時も、拳銃構えてるのは良いけど、さりげなく少年を盾に使うというヘタレの極み。少年も素直に従うなー!(爆笑)
ベッドで首無し騎士に怯えてシーツ抱えてブルブル震えてるのはサイコーでした。
ジョニー……ヘタレをやると天下一品だって心得てやってるんだろうか、この確信犯め! 私をハメやがって!
ジョニーの失神演技は良いですね。ええ。心得てます。ハイ。
次は何のジョニーを拝もうかしら、ホクホク。
こないだ観た『ブロウ』のジョニーは格好良くなかった……!


『レッド・ドラゴン』
名作『羊たちの沈黙』の7年前の話、だったか? 朧気です。
ハンニバル・レクター博士が7年前なのにクラリスと会うよりも老けているのはもうご愛敬だとして、レクター博士から愛憎半ばする感情を受けているダメダメ追いつめられ刑事さんが良いですね。五條作品に出てくる、どこかの誰かに指図されたりヒント出されたりしてはキレつつ一生懸命操られて失敗しつつも最後に真実に辿り着きつつ、自分の身が危険にさらされたりする誰かに重ねてしまっしま(←石川弁)。
サスペンスの映画として作られた、という感触が一番強かったです。
前作の『ハンニバル』で、どこかラストに釈然としない感じがあったのは、サスペンス映画としての緊迫感や最後の盛り上がりが、映像美を意識しすぎてドキドキ感が少なかった(それはクラリス愛の賜物か)のに対して、これは徹底的にサスペンス映画として描かれていました。
一件落着と見せかけて、その実…という最後は、サスペンスの常套手段だし、それをうまく使っていると思われました。
もっとレクター博士を出してほしー! というのは我が儘なんですが、レクター博士のフレンチ料理堪能のシーンで、昔私が弾いた曲がチョイスされていて「キャッ! レクター博士もこの曲好き? 私も大好き!」て画面に向かって言っていましたが、だからどうしたっていう話ですね。
と、あと昔は嫌いな人間の肉も食べてたんですね←コラ。
ダメダメ刑事さん(FBI捜査官でした、失敬)が落ち込む様を見ると、なんか嬉しくなって危険です……。
レッド・ドラゴンさんが葛藤する姿は、思わず「頑張れ、正気君!」と励ましたりもしました。
一番、真っ当であることを目指した、ハンニバルシリーズの中で異色の作品かもしれないですが、どれも好きです。
ヘタレちゃんバンザーイ!

これだけ遊んでいるのに夜にはまた暇になったので、妹の部屋で倫理の教科書を借りて、読んでいました。
活字が……全集以外全部段ボールの中で漫画すら読めないのようおうおうおう。
妹の倫理の教科書に「この人ホモ」とか「この人もホモ」とか「この二人はホモだったんだけど喧嘩別れ」とかなんじゃらかんじゃら色々書き込んで勉強を憶えやすいようにしておきました。
多感な高校時代に2年も倫理の授業を取った成果。
哲学者のホモ率の高さ、でした。
未だに当時のプリントを読むと、自分(とその周囲)の阿呆さ加減に爆笑します。
フランシス・ベーコンはホモか否か。
まだ謎は解けていません。


2003年12月28日(日) イケバナー

実は週末金曜日には実家に帰らせて頂いておりました。パソコンは宅急便入りだったのです。パソコン禁止令を出されてまだ1ヶ月経ったか経たないかなのに、何を送ってまで触っているんだって、実は肝心のMIDI作成ソフト(平たく言うとコンピュータで音楽を作れるソフト)が使えなくなって早半年近く経っているのを放置してきたので、いい加減直そう、もとい、直してもらおうかと一念発起。果たして本当に使える日は来るのかクエスチョン。


今日は、生け花をしてきました。
最近は剣山で生けるのは古いのか、オアシスにぶっ刺すフラワーアレンジメントでした。
剣山にしろ、オアシスとやら(緑色のもわもわスポンジ)にしろ、幼き頃の私をトリコロールにした事に変わりなく、母に「花生けに行く?」と訊ねられた時には、「え? とりあえず私は剣山に夢中になるよ?」と答えたものですが、剣山はそこには無かった。
幼少のみぎり、華道をなさる母や叔母や祖母のまわりをせわしなく動き回り、それはもう「マジ邪魔、消えろ」くらい言われてもおかしくないくらいに剣山触ったり花を突いてみたり、華道と無縁な生活を送って参りました。
正月をテーマに生ける花は、案外手強いのか、まわりの方々はオアシスを破壊してやりなおしの目にあっていましたが、剣山と遊んでいた(花を生けた事は無い)私は、一発で全部決め、母親から
「直線的ね」
という冷たい一言を頂きました。
すんませんねーいつまで経っても可愛げが出てこない娘で。
フラワーアレンジメント教室のお茶室が、まるで『くらのかみ』に出てきそうな風情で大層ときめきながらぜんざいを食べてあられを食べてコンブももうええやろっていうくらいに食べた。もう少し風情も味わいなさい>母子。
あの家には蔵に神様いそうだなー。
でも蔵っぽいところで花生けたんだっけ。
ということは、実は母だと思っていた人はっ!?
くらいの妄想しないと退屈でやっとれん、実家生活。
暇ジャー。


2003年12月25日(木) ジーザス・クライスト・スーパースター

最近テレビの調子が悪くて、WOWOWが映りません。
画像が悪いなんてもんじゃない。音が無いと、自分WOWOW視聴料払ってないんじゃないかと思うくらいに見えない。
でも意地になって夜『ジーザス・クライスト・スーパースター』を観ました。ちゃんと言い換えると、聴きました、です。
クリスマスに、「クリスマスで良かったー」と思わせてくれる企画なぞ少なく、コバルトに至っては10年前に私を半死の目に遭わせたのだが(←根に持つなよ…)、WOWOWは良い企画を持ってくるな。
「クリスマスっつったらキリストが生まれた日じゃねえか。ここはいっちょ死ぬまでの物語」
てそれはとてもステキだな、と(敬虔なクリスチャンの皆様ごめんなさい)。
日本じゃなくアメリカで、しかも20年以上前に、これだけキリスト教に根底からの疑問をぶつけてきているミュージカルっていうのも凄い。内容が凄いし、曲も凄い。
真面目に観ている私も当然いる訳ですが、もう一人の自分というのが勝っています。
だって……みんなタンクトップが似合うマッチョがぼかしのきいた画面の向こうで動いているんだもの。
ユダが禿頭なのがちょっとアレだけどこのさいマッチョな体で良しとして、画像の向こう、脳内でより耽美化されたキリストとユダの、裏切りのキスのシーンがね。
「ギャー! キリストの手が! ユダを撫でっ撫でているように見えるのはぼかしの効果なの? 本当はなんにもしてないの? ていうかエロく見えるのはぼかしの所為? 私の脳が悪いの? うわっ、エローエロー」
10年前からイエス・キリストだのイスカリオテのユダというと、キリスト教のアレよりもむしろ太宰→ごめんなさいミラージュっ子です、な私は、もの凄い騒いでました。
観たい。
ニューヨークでナマでこれを観たい!
と思ったミュージカルは実は、はじめてです。割とミュージカルは初心者なもので。
『ジーザス・クライスト・スーパースター』は日本でも演じられているもので、その昔はカガタケシがジーザスでユダが滝田栄とか、ジーザスを山口祐一郎で、いまさん想像が沸かず、祐一郎はちゃんと痩せていたんだろうか、心配、など下らない心配をしてますが。私も一応日本では観た事あるけど、端役の人達の形相が怖かったのが一番印象的だわい。ユダのエロが無かったのう(←結局そこへ集約されたらしい、て違うんだ、それだけじゃないんだー!)。
画面で観た限りの感想(しかもほとんど見えてなくて、光過敏性てんかんを起こしそうになった)ですが、やっぱり日本人で、キリスト教を信仰していない土壌で演じられる『ジーザス・クライスト・スーパースター』と、キリスト教が土壌にあって、それをどう覆してやろうか、というエネルギーの差っていうのは全く異質のものであったな、という感じです。
怖いもの見たさで、その昔行われた『ジーザス・クライスト・スーパースター(ジャポネスク版)』ていうのも観てみたい気もするが、もの凄く怖い。



今日はクリスマスを味わった気持ちです。
人にものをあげた時に、相手が嬉しそうな顔をしてくれる、その笑顔が嬉しい、その為にプレゼントがあるんだな、て。
でも相手が病院の受付のお姉さんとかに「いつもどうもご迷惑おかけして…来年こそは倒れずにしますのでこれ皆さんで」っていうのがやっぱり私……はやく元気になれよ自分、人を喜ばせてる場合かよ、ていう感じですが。

コバルトのミラージュの新刊も、桑原水菜のは同人誌を商業誌にあげたみたいなほのかなウキウキ感があり、嬉しかったです(難を言うならイラストが付いて……ゴフッ)。
9巻あたりの緊迫感の中、高耶(待て、今何故か高耶が変換出来たぞ。何故だ)さんが実は直江がいなくなると何かが抜け落ちたような目をするって……想像して笑い堪えてむせちゃったよ、ごっつ可笑しいわ、それ。


2003年12月24日(水) クリスマスイブは何処で誰と

クリスマスイブデートをしてきました。
O井町の女ドンファンと。
丁度、大手弁護士事務所の仕事が休めたっていうので、ウキウキと誘いました。
なるべく人の少ないところが良いわねえ、と二人で丸ビルへ。
丸の内、仕事している人がほとんどだから、昼間は特に人が少なくて、空気が吸えました。
「なんかみんな仕事休まないから休んじゃったー」
理解ある(?)職場で良かったねえ。
「彼氏さんは?」
と訊ねたら、家で不幸があった、とのこと。
最近は彼氏さんと一緒の時間が薄いので、喧嘩もせず、貞淑妻(ぶっ)ている彼女。
昼食の最中も相変わらずの強気っぷりでウケました。
弁護士事務所の仕事はたいそう彼女にとって面白いらしい。
「なんか、みんなフツーの人が多くて新鮮」
いやだから私達は今まで一体どういう環境下で過ごしていたのかな?
「最近やっと日本語が漢字に変換されるようになってきた。『六法持ってきて』って言われて、最初は「ロッポー? 何それ?」て思ってたんだけど、最近は分かるよ」
スッゲー。それステキ!
「だってみんな短縮するんだもん」
弁護士事務所の人が「ロッポー?」で何か違うものを想像している風景って、新しい風が吹いているな。
「正規で採用する人は大抵、超マジメなの。中途採用だけ、変なのを入れようかなっていう方針みたいでね」
ああ、自覚はあるようです、センセー。
弁護士っていうのもやっぱり真っ当な職種のようで彼女には「感情が無い無機質な生物」に見えるらしく(私は現物と働いていないので触感が分からない)その辺がきっと新鮮だったのだろう。
予約しておいたレストランで、丸ビルの上の景色を見ながら優雅にランチを食し、いざ散歩。
本当にクリスマスイブの丸ビルは、下界の煩雑など無いかのように人が少なく(新規高層ビルとしてそれはどうなのか)、優雅にショッピングを楽しみました。つーか私は金が無いのも手伝って何も買わなかったのだが、今年の冬はときめく洋服が少ないのう。
洋服談義も過激である。
「今度銀座にエルメスのビル出来るんだっけ?」
「ああ、そうだっけ?」
「また路上に新聞ひいて並ぶ人達がいるんだろうねえ」
「あの辺が日本人の貧乏くさいとこなんだよね。もっとこうお店の人を来させてやろう!くらいの気概が無いものかしら」
……!
そうか。本来、貴族が洋服を買う時、わざわざ出向くものでは無く、向こうが「このようなものが出来上がりましたが、お客様に是非」と伺うものだったっけな?(←歴史無知)着物屋さんも、良い布は宅に上がり込んでナンボの商売だったっけ?
ようし、オレもいっちょお金無いけど、常にどーんとお店の人が来るのを待ってるわ!
一生来ないと思う(しょぼん)


丸ビルを出て、散歩。
若の店に誘導する私。
若の店に入るやいなや、スーツの男を捜す。だが若はいない。店長の癖にどこに行ったんだ、畜生逃げやがって、と思ったら、他の店員に紛れてコックコートの若を発見。
ヒィイイ、見事なまでのヘタレっぷり〜! ヨレヨレのコックコート〜。
私の腹筋は攣りそうになっている。
席につきつつ、若は何故あんなにもヘタレに見えるんだろうということを観察してみて、肩幅がある割に肩の厚さがあまりにも無いこと、細すぎ(好みじゃ)、えくぼ、などが全部とっくるめてお花ちゃんにさせているんだろうという結論に至った。
O井町の女ドンファンはその間、お店のポインセチアが可愛いとポインセチアに惚れていた。
若が来たので、O井町の女ドンファンにポインセチアの旨を訊ねさせてみる。
あわよくばくれないかね、ポインセチア、て思っていたのだが。
「ただいま調べてきますね」
とへっぴり腰で調べに去っていった。
「調べてきましたっ!(←この台詞が既にお花ちゃんだと思うの)あの……ちょっとお店の場所が分からなくて(ああああああ面白い)し、し渋谷? とかにもお店があるらしい? その辺がちょっと分からなくて。申し訳ありません。で、一応名前の方を訊いておいたんですけど、ローズポインセチアというらしい、です(すごく自信なさげ)。でも、花屋さんの方には訊ねれば必ず置いてあるので、って花屋さんから電話できいたので(←ものすごく自信なさげ)あると、思いますよ(笑顔)」
最後にお花ちゃんスマイルを浮かべて若は謝った。ちぃか、君は。
「今日はコ(ックコートって言わずに)、スーツじゃないんですねぇ」
「あ。そうなんですよ。これ、名前入りなんです」
見て見てっ! と自分のネーム入りの部分をつまんでみたり、指でさしてみたりと、ネーム入りであることを嬉しそうにアピールするのだが。
どんどんお花ちゃんをアピールしているだけってことに気がつかないのだろうか。
普通に店に入ってきたら絶対アルバイト店員だと思われるって、ネームが入っていようがいまいが。
ゆっくりしていたら、ミレナリオとかいう、ルミナリエのもじりみたいなイルミネーションがはじまる為か、警察が出てきて、人込みが列をなしはじめた。
日も、暮れてきている。
さて、若のお店の高い物々を見てから帰るかね、と二人で若のお店の物を舐めるように見る。
「ねえこのサンタチョコ、サンタの頭から囓るのかねえ」
「やだあ。あ、しかも高い」
「この店はね、意味不明に高いのよ」
高い高いと連呼しながらも、私はチョコ、女ドンファンは紅茶を買う事に。
だって超可愛かったんだもん、サイコロの形のチョコ。ええ勿論アホな値段でしたが。
「ありがとうございます」
まだ買って無いのに若がお礼を言うので、「まだ買ってないですよ」とツッコミを入れてしまう。……だって……だってツッコミ心を刺激しまくるんだもん若。
「可愛いですね、このチョコ」
「ええもう、中身も凄く美味しくて、お薦めなんですよ。食感がなんというか、キャラメルのような、トロッ……トロッ違うな……なんだろう……(ブヒャヒャヒャ)えっと、なんとも言えない食感で、凄く美味しいので、もしかしたら一箱くらいは一日でいっちゃうかもしれませんね」
「一箱一日は……ちょっと」
しかもこのチョコ、プレゼント用なので、そのトロッでもない何とも言えない食感というのを味わい損ねている。結局どんな食感なんだろう。


2003年12月23日(火) お・・・お! 掃除

結局、洗面所も風呂場もトイレも台所もリビングの掃除もせず、コップを洗っただけのピロに
「ありがとうぐらい言えないの?」
と言われてブチ切れた私は、キレた余り、起きたらピロの居なかった部屋の掃除に取りかかる。
「ねえ、共有空間の掃除は?」と問うたところ、」
「ここ(ピロ部屋)だって共有空間でしょ!」
と逆ギレされて、更なる逆ギレ返しなのかなんなのか、だがキレたからって掃除するってどうなのだろうって思いつつ、空調のフィルター(ピロは、この空調にはフィルターが存在しないと主張し、ガンとして掃除を拒んでいた)を掃除し、窓ガラスを拭き、カーテンも洗おうと思ったら、厚さ三ミリの埃、しかもその埃も只の埃では無いのか、ネロネロに解けそうな見るからにヤバい埃が裏面に付いたカーテンを洗う。ちなみにカーテンは洗った方が良いと主張したら、「買い換える予定(凄く未定な予定)だからいい」と言われてカチンと来ていた。カーテンを洗濯機に入れたら、洗濯機の中の水が真黒く染まった。思わず凝視してしまう。もしかしたら物珍しさも手伝ったのかもしれない。
鏡を拭き、窓のサンを拭い、ってところで、謎のビニール袋があったので、何かしら? ゴミかしら? と中を覗いたら、生理用ナ○キン(使用済み)がありました。声も挙げられぬショックを受けた私は、しばらく立ち直れませんでした(日記を書くのが遅れた理由)。
実際は換気扇をもりもり掃除したんで、自分の中で今回の大掃除は終わったのですが、道のりは遠いなあ。
換気扇の汚れより10倍ショックを受けました、ピロ部屋。
やっぱり任せておいたのが間違いの元だ。


夜半に、副寮長をやっていた友人とメッセンジャーで。今日は私がストレスをぶちまけていた。
「寮でさ、ノンちゃんのベッドからも、ピロと同じものが出てきてみんなで大騒ぎして、鼻つまんで火ばさみでつまんで片付けた。あと鳥のミイラ化したヤツもやらされた」
不幸な時代に副寮長にならされてしまったもので、彼女は副寮長時代に、年齢にあるまじき自家中毒に罹るくらいに精神的に追いつめられたりしていた。赤の他人の汚物処理はきついな。でも自分の身内に汚物処理も出来ない20前の娘がいるんだと思うと相当痛いよ。
「衛生面に問題があるんだねー。しかも逆ギレ? 内弁慶?」
言われてはじめて
「あ、確かに衛生面に問題あるかも!」
と気がつく私も鈍すぎると思うんだが、こんなことに感覚が鋭敏になっていたらやっていけないだろう。


2003年12月22日(月) 天然撲滅委員会…ノックダウン…

一通り大掃除もどきに突入できてきた感が自分の中であったので、午後にプレステ2にでも触ろうかとピロの部屋に入ったら、ムギューって人の感触があった。ベッドがあるのに布団を敷いて寝ている謎の宇宙人の感触だ。
今日はピロは実験の曜日。
「お前は腐っても曲がっても宇宙人でも化学やってるんなら実験だけは遅刻してでも行け。オレなんか60分のレッスンに40分遅刻して20分だけ受けたことがあるぞ。3分の2は遅刻だった。それでも行くのが専攻ってもんよ」
懇々と説教をしてみたが、起きる気配は無い。
ここは古式ゆかしい方法で起こそうと、昔ながらの方法でピロを起こす。
・布団に潜り込む。
・追い出す
・駄目ならくすぐる。
・頭を持ち上げる。
だいたいこれで起きます。
が、起きても行動しないのがピロ。結局学校は諦めた(レポートが出来上がっていなかった上に苦手な先生の授業で遅刻はイヤだという理由)ピロに、大掃除をしようと持ちかけた。
私はエプロンを出して、大掃除の準備に取りかかっていた。
「形から入るんじゃねえ」
……やっぱり。ここ数日丁寧に毎日地道に掃除をしてきたけれど、どうせそうだろうとは思っていたけれども気がついてくれてなかったんだ、私が今までピロが寝てる時間とか寝てる時間とか寝てる時間に掃除してきた事。
わっしわっし床を拭きつつ、窓ふきを提案したら
「やりたくないけーって人にやらせてから〜」
ブチッ。
「違うわー! 一番嫌いなのは換気扇! 今年換気扇に取りかかれるかが私のテーゼだバカモノ! 窓拭きは年に2回。カーテンは月に2回だ阿呆!」
「換気扇? おかんが来たらやってくれるのに、なんでぇ?」
大掃除とはそうしたものなのじゃ、と一生懸命言っても最後まで理解してくれなかった。
いっそ私が間違っているのだろうか。
床をわっしわっしと磨いていると、掃除が好きなのね、と言われた。
「あっしは掃除嫌いじゃ。カエルよりネズミより嫌い」
「私だって嫌いじゃバカタレー!(キレ気味)」
「うそじゃあ。だって好きそうにやっとるじゃん。ゴキブリとどっちが嫌いなん?」
「大嫌いなゴキブリを出さない為には掃除をするしかない(ぜえはあ)」
「この子なかなか頭切れますねえ。確かにそうなんですわ。でも掃除嫌いぃ」(←ピロ)
もう、つっこむのやめました。一人で掃除して、疲れてぐったりして買い出し行って京極の豆腐本買って家に帰ってもくもくと料理しおえて片づけを強要する頃には、ピロの余りのダメっぷりにいい加減本気でキレました。
いやあ、気持ち良い程何もやってなかったんだな、今日。
しかも「ありがとうの一言は?」てピロに強要されちゃったよ。
あなたはどうなのっていうのを、怒り過ぎて理詰めになっちゃったら
「なんなんもー理解できんわー」
だし。
やっぱピロは一日家に居るとダメやわ。心身が保たない。
ピロは元気で留守が良い。
はよ出てけ。
「今日はクリスマスイブイブイブ☆」
浮かれてるんなら、さっさと行けー!



2003年12月21日(日) 小春日和

その昔、ピロはテストで馬鹿正直に「しょうしゅんびわ」と書き、先生に唖然とされました。その話を友人にしたら「テストの問題だから捻ってある筈なのに。日和は分からなくても何か捻って返した方が」とコメントしてました。捻ったらピロ以外になってしまうような。
昨日外出しようと思っていたら、どうやら巷が寒いらしいとの噂をどこからともなく(テレビとか携帯電話の天気予報サイトとかで)知り、潔く外出を諦め、なんとか食いつなぐ方向で生き延びました。夜半空腹が過ぎて、バイトに行っていたピロに「イモとチョコ!」というメールを送って、夜食べ過ぎたので夕方までお腹が空かなかったですがそれは自業自得というものです。



外出は、計画的に。
という言葉が帰路、浮かんできました。
大掃除に向けて(本当に私は掃除にまでこぎ着けられるのか)の準備の為に買い込んだ掃除道具の数々、図書館で年末年始にかけて借りられる本の数々、本屋さんで豆腐小僧が無くてその代わりに買ってしまった本の数々、大掃除で電球を代えるので電気器具数々、今日はキムチ鍋で昨日ママンが「キムチ鍋のダシはアサリの味噌汁が美味しい」と宣ったのでキムチ鍋の材料とこれから先生き延びる為の食料の数々。
お、重たかった……。
あまり寒くない日で良かった。これで寒かったらキレてた。途中で何かを放りだしていたやもしれぬ。若合春佑の本も地元には無くて良かった。あったら買っていたやもしれぬ。



今日、怖いモノ見ました。幻覚である事を切に願う。
パソコンのスクリーンセーバに「とうとうこの日が来た」という文字が勢いよく流れている、という……。
アワワ、文字にしたらものっそ怖くなってきた。幻覚でも怖いよ。現実だったらもっと怖いよ、何が来たんだよ、この日。
あうーあうー。


2003年12月20日(土) 処女懐胎

予告:処女懐胎じゃちょっと違う。


うちは両親妹共に変です。私も変だっていう噂もよく耳にするんだが、それは被害妄想からくる幻聴だろう。凄く気にかけていると、反映した言葉が幻聴になるのよね。「あんた変わってるって」そんな訳無いじゃない、でもちょっと気にしているの、だから聞こえてきちゃったんだわ、いやあね。
こないだ叔母から電話があって、延々「結婚してはじめて人間は一人前になるんだ」とか「あたしだってピンとくる人なんて未だにいないわよ」だの延々聞かされて、そろそろ私もそういう結婚をまわりからビラビラさせられる年頃になったのねえ、としんみりしていて、
「出会いは無いの、学校とか」
と訊かれたので、
音楽やってる男にロクなのはいない
と返したら、その話でエラく盛り上がりをみせ、ゲラゲラ笑い倒した後、電話機に向かって私は叫んだ。
「ねえ、あなたのお兄さん、ていうか私の父、まんまと音楽やってましたよ、しかもピアノ」
よくよく考えてみたら、ガックンのような父なのである。トランポリンはしないけど。my滝の代わりにmyプールありますよ。
いーやーだー。あれは遠くからみてゲラゲラするものであって、身近に(しかも半分血が……!)いるもんじゃないよ、カムイガクトまがい。

まあ、そんなガックンみたいな人と結婚した母ですが。
ピロの部屋についてもう数え切れないくらい電話で嘆いていたら、母が言いました。
「あれ(ピロ)は宇宙人だから諦めなさい」
あんたは一体誰との交信によって何を産んだんだ! 
はた迷惑だ!
どっちにしろ腹から出したなら半分お前の血じゃねえのか。
てことは貴様アンドロメダ星雲から来たっていう私の妄想、マジだったんだな!?


ていう家族です。
まだ下に妹が居ますが、偏屈の一言で済むんで、まあいいや。


2003年12月19日(金) ジョニー…?

深夜気がついたら日付が変わっていて、『アナザ・ヘブン』も散々男性陣をけなした(格好いいんだが、数年前の映画の為、ファッションセンスが変わっている為に「前髪切りたい!」「江口、全カツラに見える…」など、深夜フィルターがかかって余計に変に見える)り女性陣を褒めちぎったり(ホラーの女性は綺麗ってお約束がある)、流石女の子だけの集団という映画の味方をしていると、段々、普段規則正しい時間帯に寝ている子達から脱落をはじめる。
音大生、全員目が爛々。
如何に普段から生活が荒んでいるかが手に取るように分かる。
それに学園祭で知り合った子達。
あの無茶な企画を乗り切った人間ていうのは限界を乗り切る睡眠の少なさに慣れているらしい。
私は単なる不眠症なのだが。
さて、次は『ブロウ』でも観ようか、とビデオを変える。
流れて直ぐに全員「ジョニー……これは違うよ」とジョニーのファッションにブーイング。
再び「髪の毛切りたーい」の言葉が霰のように降り注ぐ。一応、時代考証の上のあの髪型なのだろうが、ワンレングス? ジョンレノン風味? 
一度観たことがある人が「あ、後半は、まだマシだよ?」とアドバイスをくれる。
でも、でも私が観たかったのは、浴びたかったのは、フェロモン。フェロフェロフェロモン。ジョニーのフェロモン。
「ペネロペが観たーい」
後輩が眠気まじりに叫ぶと、これまた観た人が「あ、ペネロペは後半にしか出ないよ。しかも半分以下しか出ない」と。
ぺ、ペネロペのフェロモンは?
『ブロウ』はとてもフェロモンに枯れた映画でした。ジョニーはやっぱりヘタレ人間役だったけど、別にジョニーじゃなくてもいいじゃーん、ていうフェロモンの無さで、ペネロペもスペイン語っていう以外はペネロペの必要性は微妙にあるんだけど、魔性の女だから。でもペネロペ、金髪似合わねえ。やっぱりスペイン美女にはブルネットだろう、ということを勉強した。というか麻薬映画なので、華が無いのよ、華が。これならほとんどの人間が観ていたとしても『パイレーツ・オブ・カリビアン』をもう一度観ようと強く提案しておくんだった、と後悔したのは、映画が終わった5:30。しかもペネロペが出た頃には全員脱落眠りの中。眠れないのは私だけ。
さて、歩いて帰るか。
家を出たのは、朝の冷え込みとなって一番寒い、夜明けが来る直前で、思わず通りすがりのファミリーレストランで朝にスープを飲んでしまう程の寒さ。



なんとか家路につけたものの、余りの疲労に一日が丸つぶれ。
この年ではもう徹夜はキツい。
そして風邪がぶり返した。
もう無理は出来ない年になった。ゲッホゴッホ。


2003年12月18日(木) これはじかから生えてるもの(矢部警部)

夕方、久しぶりに同級生とお茶でもしようという話になり、学校最寄り駅にて待ち合わせ。
本屋で若合春佑の未入手本を2冊も見つけてしまい、発見した瞬間、思わず5歩よろめいて後ずさってしまう。
今月は、もう散財しないって決めたのに、お・・・お!(←ベルばら調)
此の、誰にも触れられず処女雪のやうに埃が本に積もって仕舞つて。私が買わねば誰が買うと云ふのでせう。
嗚呼、次に私が此処に来るまで、誰の手にも渡らないで居てくださいましね。
としばし若合節のようなものに浸り、後ろ髪をゴッソリと抜かれつつ、その場を後にする。
未入手の未練をハチクロ立ち読みで紛らわせていると、友人から電話があったので、コーヒーショップへ移動。
昔から行く場所は変わっていない。
他愛も無い話を延々した後、後輩達と「試験お疲れ様会」に試験を受けてもないくせに紛れ込んでくる予定だったので、お別れする。
そして、4才の年の差をものとしつつ、集団の中へ紛れ込む。おなごだらけおなごだけの打ち上げ会である。
1000円以内で胃袋を満腹にする。
ええ!? 私が君らの時の頃つーたらもっと荒んでやさぐれた生活を送っていて、850円で
「わあい、楽しいね」と食事を楽しめる程純粋にはなれなかった……よ?(←年の差以前の何かの隔たりを感じている)。
学校近くに住んでいる子の家に移動しながらの会話。
「今日、カズオキ(一興)君を見たよ、ドトで」
「あ! 今日レッスンだった、カズオキの」
「今日カツラズレてたよね?」
「そお! どっち向いてんのかよくわかんないくらいズレてた。あ、あっち向いて話してるんかなーと思ってると、顔はこっち向いてるの!」
「しかも、『これは大変です!』て騒ぎ出して」
「大変ですよ、ズレてますよ、音楽なんてやってる場合じゃないですよ! てピアノ同士が合ってない事を大騒ぎはじめたんだけど、そのカツラ…は? ていう」
「これはですね、じかから生えてきてるもんですからね、そんな、ズレるーなんてあーた」
「あ! 大変だー! トリック今日最終回!」
「わー! 録画ー!」
「今日は、カツラディだねぇ……」
「もっと親密に! 喧嘩してる場合じゃないですよ! て言われちゃったよ。こんなに仲良いのにぃ」
「喧嘩してるのは地肌とカツ……ゴホゴホ…」
酒とビデオを買い出しに行く。
『アナザ・ヘブン』と『ブロウ』。さりげなく私がホラーのように浸食しているのが分かるチョイスとなっております。
でも『アナザ・ヘブン』は映画公開時に一度観ているのだ。
何故か。
観て思い出した。京極夏彦が出ているんだな、分かりやすーオレ。
『アナザ・ヘブン』を観ている時に、松雪泰子に似ていると言われ、いたくご機嫌。
「なんていうかー、カッカがもっとお化粧とか決まっている時とか…」
ハイ! 以後お化粧、決めます! 気を付けます!
トリックの最終回を、大騒ぎしながら観る。エンドロールは何度巻き戻し再生を繰り返したことか。
トリック、終わっちゃった。くすん。寂しいのぅ。


2003年12月17日(水) チュッ!

この間ゴミを捨てるのが面倒だったので、ピロに
「ゴミを捨てておいて〜」
と頼んだら
「ゴミ捨てたらなんかしてくれるん?」
と見返りを求めるので、うーんと唸ってから
「チュッ!」
と言ったら、デヘヘと笑って
「うーん。許す」
とゴミを捨ててきてくれたので味をしめ、何かにつけて「チュッ!」で誤魔化して色々頼んでいたら、いい加減
「お姉ちゃん、チュッて言えばなんでもやってくれると思ってるじゃろ!」
と気づかれた。チェッ。
「じゃあ……ベロベロ」
「ベロベロかぁ〜……参ったなあ……」
と言いつつ、結局頼んだ事をやってくれたのでラッキー☆と味をしめそうになっていたら、自室へ帰ってからのピロの独り言が
「キャッ! 貞操の危機☆」
だったので、もうベロベロはやめようと心に決めた。
貞操もへったくれも、こないだ「レポート合宿。エリちゃん家泊まる」と家を出たくせに帰宅したらごっつでかいキスマークを首につけて帰ってきたくせに、何が今更貞操の危機だ、阿呆。
ところで世の男性のいくばくか、キスマークをつけたがるのは何故か、と不思議に思い、実際に男性に尋ねた事がある。
答が「自分の女だっていう証」というものだったので、思わず「え? 犬がマーキングするのと一緒か」と呟いたら、ものっそ怒られた。犬が「ここは自分のエリア」としょんべんかけるのと一緒じゃねえのか? 違うのか?



一日の予定が何も無かったので、大掃除をしようとしたら、小掃除止まりになってしまった。
何も予定の無いと決まっている休日、何をしたいかと言われたら、冬の休みにはぜんざいを作ると心地よい。
前日から豆を水に漬けておくのだが、そうすると起きたら絶対「ギャッ!」と悲鳴をあげずにはいられない程に豆が膨らんでいる。
それを友人に熱く語ったら、「ギャッ! は無いだろ、ギャッ! は」と否定されたのだが、後日、影響を受けた友人が同じようにぜんざいを作ろうとして、朝起きて、矢張り同じように「ギャッ!」と言ってしまったらしい。
……楽しいんですって、ぜんざい作り。


2003年12月16日(火) 逆ドクハラはあるか?

ここのところ夜眠たくて日記を書けなかった。
夜になると、一日の大半の出来事に関する考えを失ってしまう。
例えばこの日の夜に思い出せた事と言ったら
「昼間通りすがりのラーメン屋で食べた辛味噌ラーメン美味かったなあ」
程度だ。一文で終わる。


治りかけた筈の風邪が薬が無くなったら全快してくれなくなったので、観念して再び耳鼻咽喉科へ行く。
頼むから先生、今日は笛吹かないでくれよ、と祈りつつ、待合室のお供は『ヨリックの饗宴』。またハムレット読み返したくなってしまった。で萬斎ハムレットを拝むの♪
前の前の人が、歌歌いの人だったらしく、この季節(クリスマスシーズン)歌を歌う機会が多すぎて酷使の余り喉を痛めた人だったので、先生嬉々として喉を診ている。診察風景が丸々見える訳じゃ無くても、声のトーンで丸分かりですよ先生。
声帯は5つの筋肉で、閉じたり開けたり、ほらここが高音を出す声帯ね、それがどうのこうのと延々講釈つきで診察をした後は、薬は普通に出していた。アドバイスもそんなに無し。歌歌うなっていうアドバイスも仕事で歌っている人間には無理だしな。でも「寝る時に加湿器つけたら?」て私は思ったんだが。
「この季節乾燥しちゃってぇ〜、それもあってかなぁ? 乾いちゃうんですよねっ」
語尾上がりの患者さんに「暖かいものを飲むようにね」しか無いって……。マスクと加湿器……←拘るし。
この先生、単に診察が丁寧っていうのもあるんだろうけど、蓄膿症の人を診る時の声のトーンが低かったり、やっぱり喉が好きらしい。「鼻」とって「耳咽喉科」にしたら? とすら思う。
私の喉は、前回診てもらった時より少し良くなっているのだそうな。やった!
診察を受けている最中に、医者が好みかそうでないかで、こっちのトーンも全然違うんだな、ということをしみじみ感じる。好みのドクターの時はフェロモン10倍出るんじゃなかろうか、私の体。耳鼻咽喉科の先生には性的魅力をこれっぽっちも感じないので、私は自分が女であることを忘れて診察を受けている。
気管支、肺に炎症が起きてないか、ということで聴診器持って「ちょっといい?」と言われた時も、どこから手を入れたもんか戸惑う医師に向かってガバーって下からセーターたくしあげすぎて「あ、適当で…適当でいいから」と医師が、逆に照れる(←照れるなよ…)くらいにあっさり上げる。
「ちょっとリンパを診るから」
と首を触られている間も「腫れてるね」と言われても、「マジっすか!?」程度で、前に内科医に触られたようなあの燃え上がるような感情は何処にも無かった。
ああん、も一度あの内科医に会いたい〜、でも今は喉なの(しくしく)。
前回よりも治っているのに薬が増えた。すいませんね、面倒くさい体なもんで、薬出すにも随分迷られてました。
昔毎週行っていた処方箋薬局のお姉さん達と仲良く「今日は、風邪ですか? まあ大丈夫?」などという会話をかわしつつ、帰路につきがてら、逆ドクハラまがいってありかしら? などと考える。家につくとテレビで東大付属病院で医療ミス裁判の問題をやっていたのだが、色々どす黒いことを考えてしまったので無かった事にしよう。



帰宅して考えたドス黒い事は関係無いとして。
医師と患者に於ける関係とは、案外セクシャルなものなのじゃないか、と思う。
イケメン(という言葉、あんまり好きじゃないんだよな)サーファー風歯医者に口の中をガバーっと診られるのはやっぱちょっとイヤ、というように、治療、癒すという行為は、エロティックなもんだと思うのですが。そんな事考えながら病院行っちゃ駄目でしょうか。
実は同様に音楽に於ける先生と生徒、など「より良い状態にしていく」というのも、エロティックだと思うんです。いや、私ゃ一度たりとも、妖怪の類にエロを感じた事は断じて無いですこれだけは誓って言う。自分のピアノの先生にエロを感じた事は人生一度も御座いません。
医師の方に戻って言うと、外科だとあっさり「僕が治してあげるから」と内面を抜いて外側から治すので、治療する側が「いやあん先生格好いいっ」となっても余り問題は生じない。
ああ整形外科行きてえ。
例えば鈴木杏樹が盲腸の手術の時の医者と結婚したように、あっさりしている。外側に見えるものは分かりやすいのか、皮膚科の医者なども性格がサバサバしているのだが、内科など中に何かあるのか調べる類になればなるにつれ、隠されたエロスみたいなものが出てくるので、味わっていて大変面白い(←面白がって病院行ってて良いんだろうか)。
精神科や、心理学領域に於いては「転移:逆転移」など用語が出来る程で、外科で「僕が治してあげるから」の発言にトキメキの嵐を噴かせてしまった私としては、「何もそんな難しく考えなくても」と感じてしまう。まあ、外科ほど「治すから」と言えないっていうのもあるんだろうが。
と、グダグダ書いたが、結論は「耳鼻咽喉科の先生はあんま好みじゃないわ」という事なんでしょうね。
て、ヲイ。


2003年12月13日(土) 試食販売

お金が無い。
仕方が無いので、登録制の短期アルバイトに申し込んだKOKIAライブの前。
よく考えたら、KOKIAのライブチケット代が戻ってきたら、なんとか暮らせる程度だということが判明。絶対生きていけないと思った、ある日の私はとても途方に呉れていた。
しかもドクターもカウンセラーも「責任感はある程度あるみたいだから、どこか人目に触れる場所で何かした方が、案外良いのかもしれない」て話し合っても無いのに同じ事言う。
ああそうですよう、確かに私は家の中で一人でグレて、今度は援助交際とかなんとかやってましたよう。
………今の話はやっぱ無かったことに。
どっちにしろお金が無いっていう意識だったんでしょうかね、エヘ☆
うーんと、えーっと財布にお金が突然増えたっていうことは無いから、多分大丈夫だと思います、ええ、多分。
こゆ時に記憶が無いのは一番怖いね、あははあははあはははは。
実際に試食死因、違うだろう試飲のアルバイトをした間の記憶レベルが極端に薄くても、多分なんとかやったんだろうなあ、て思うし。そこで変な事はしてないだろう、多分。メイビメイビベイビ。レッツゴーカモン。



日記が滞った本当の理由は昨日の夜突然ド鬱に飲まれて、「あっち行けシッシッ!」てやったんだけどどこにも行ってくれなくて、仕方ないから飲まれっ放しにしていたからでした。
上記、今日の日記がヤサグレ暴露風味になっているのも、やけっぱちだからでしょう。


ところで若合春佑は、好き嫌いがとんでも分かれるだろうけど、私は好きだ。
1日で2冊読破しちゃった☆


本が無いー!
真っ当(……)に稼いで本買お…。


2003年12月12日(金) 夢から醒めた夢

夢で葉月ちゃんが「わあん森博嗣の『ZOKU』買っちゃいましたよう」と嘆く夢を見て目が覚めたら、後日気がついたのだが葉月ちゃんからそのようなメールが来ていた。
夢の機能は案外単純である。


目が覚めた私は、夢の余韻に浸るでも無く「うわあん、『真夜中の王国』を見そびれたよおお」と嘆くばかり。
『白い巨塔』も観られなかったし、KOKIAが出る筈の『真夜中の王国』もだし、踏んだり蹴ったりという気分だが、一つだけ良いことは、珍しくきちんと睡眠を摂った為、肌の調子が良くなっていたことである。一時的に。
ピロも家に居なかったから、ピロの使っている、私が本当は欲しい高い化粧水もふんだんに使い放題に使わせて貰ったし☆
ピロは、次の日友人が家に遊びに来るというのに、まだ箸も発見できない部屋の散らかりっぷりで、廊下にゴミを投げていた。
キレたら勿論逆ギレされた。
「だって臭いんじゃもん!」
今まで私が散々「君の部屋は臭い」と言っても「そお? 暖房が悪いんかねえ」と他の機械の所為にしていたくせに、何を今更臭さの原因に気がついているんだ。しかもゴミの日は全部過ぎている。
「でもなんとかなるっていう気がするぅ」
レポートを数種類抱えてレポート合宿に行って来ると、散らかした部屋を放置して旅立つピロ。
「うーん。こんだけ全部どうしようも無いのに、全部なんとかなる気がするん。自分でもこの自信がどこから沸いてくるのか不思議。でも自信満々」
よくピロが
「あっしみたいに生きんさい」
と自分を美化するんだが、やっぱり汚い部屋にはちゃんと「汚い」と気がつくことが必要だろう。
……せめて、せめて箸だけは……履き潰した靴下の中に無い事を祈る……(南無三)。


2003年12月11日(木) ズビズバー

本を読んでいたので日記を書く時間がありませんでした。



表参道で、葉月ちゃんと待ち合わせ。
この日の東京は大層寒く、関東甲信越地方の癖に「寒い雨」が降っていた。
放射冷却現象という単語を冬に連発する私としては、納得のいかない天気だ。雨が降るっていう天気予報で、すっかり暖かいもんだと信じ込んでしまった。
寒いのに葉月ちゃんを呼び出したのは、表参道でKOKIAがイベントに参加するっていう情報が流れてきたからだった。
既にKOKIA禁断症状か!?
日曜日に堪能した癖にまだ行くあたりが重症である。
何のイベントかも知らずに、会場とおぼしき場所に到着してみたら、そこは屋外だった。
……!
雨降ってるのに。
葉月ちゃんと歓談をしつつ待っている間にも、段々と体は冷えていく。
カンパリうんちゃらのイベントだったのだが、余りにも寒々しい赤い設営屋外ステージに「おのれ、マルクス・エンゲルスの手先か? ここはロシアか中国か」と呪いの呟きをし、葉月ちゃんに「雨やらいを行ってくれ」と頼み込む。
二人の気合いが通じたのか、イベントがはじまる頃には雨がやみはじめた。
しかし既に足先から冷え込んだ体、心も大層寒々しい。
そんな時に、「カンパリガールズ」なる女性達がステージに登場。白石美帆を囲んでいる。
足が出ている時点で、会場の客から「見てるだけで寒っ」という声があがったが、カンパリガールズ、ノースリーブに腹まで出していた。
キャンペーンガールっていうのも楽じゃなかろうとは思っていたが、私がもしカンパリガールズをやれって言われたら、治療費込みの値段じゃないと働かないだろうな。色んな病気になりそう、風邪は万病の元だし。
屋外だっていうのに何故かDJが出てきて「カモンレッツゴー」ばかりを繰り返したりしているのを見やりながら、KOKIAを待つ。DJの姉さんも「カモンレッツゴー」の最中に上着を脱いだのだが、パッツンパッツンになったパンツから肉がはみ出ていた。うーぬ。でも緩くても格好悪いもんなあ。難しいね、ステージ衣装。

てまあ寒すぎてツッコミマシーンが暴走しすぎた感はあったのだが、KOKIA登場でようやく落ち着く。
KOKIAは黒いファーを羽織って、赤いドレスを着ていました(カンパリイメージらしく、全員赤い衣装だった)。赤いドレスに安全ピンを一杯留めて飾ってあるの。髪の毛の巻き髪度はやっぱりライブよりちょっと落ち着いていたけれど、全体的にふわふわ髪の毛。
アメイジンググレイスとスパークリングクリスマス(今年限定クリスマスソング☆)とRemenber the kissを歌ってKOKIAは去っていきました。
今までずっと籠もった音だったマイクが「わあ、僕ってこんなに響けるんだ、知らなかったー!」とばかりに突然突き抜けて音が良くなった。
ていうかキーボードの兄ちゃん、ライブでも転けてたけど、今回もまた思い切りノリよく転けてたなあ。しかも必ず「あっ! ヤベッ!」ていう顔するから丸分かりだ。
KOKIAが終わったらすこたら退散。
寒いんだもん。
新宿に移動して、二人で「消化に良いもの…」とスープを食べ、青山ブックセンターへ。
葉月ちゃんから誘ったんだよ? 私が「本屋さんに行こうぜ? ちょっと行くだけじゃんいいじゃん行くくらい」と誘った訳じゃあ無い訳だ。私はむしろ「ええい、紀伊国屋だってどんと来いだ、むしろ人文書院」くらいの腹は括っていた訳で。ええ。
文芸書ハードカバーのコーナーだけで手が一杯になりました。
だって若合春佑は絶対欲しいって直感が騒いだし、他にもまあねえ。
私は別に葉月ちゃんに何かしたっていう訳じゃあないんですよう。
ただ
「どうせ買うんなら分けても今でも一緒」
と自分に言い聞かせて呟いただけでねえ。
それにほら、葉月ちゃん、頑張って1冊だけにして帰宅していったし。
電車の中で大層本談義に盛り上がりました。
そういえばここのところ、口に出して本談義してなかったかもしれない。
ええわあ、本談義。


一日に2食以上食べたので、体が疲れていたらしく、トリックを観て眠りについた。


2003年12月09日(火) UN SOSPIRO

ちょっと話題に乗り遅れた感はあるが、乙一の新刊の表紙はとても綺麗だ。
フフフ。
本屋で勝手にかけられたっぽい(←自分がかけてくれって言ったのかどうか知らない)カバーを剥がす体力が無かっただけなのだ、許してちょうだいセニョール。
剥がした瞬間に「ハッ、これはリストの『溜息』」と脳内が気がつく。
考えるより先に気がつくんだから、イヤ。
懐かしいなあ、この曲弾いた時に、外人の先生に
「これはただの溜息じゃないんだ、の溜息なんだ…!」
と溜息まじりに言われ、黙って頷きながら腹筋だけ攣っていた高校1年生。
あの時からあんまり変わっていないヒネクレっぷりだが、多分高校時代の私の方がヒネクレていた。
若人よ。
どんなに「私ヒネクレてる」と思ってもその内丸くなるさ。爺婆になるのを待とう。
私はだいぶ婆になったぞ。わはは。
目を通す前に、一本弾いてみるか、と久しぶりに『溜息』(原題がUN SOSPIRO)を弾いてみた。
弾いていると、昔の苦労が走馬燈のように流れるのだな。
なんでそんなことで悩んでたんだろう、悩んでる意味すら自分でもわかんないよ、単純なことなのに何故そんなに裏をかこうとするんだ我。
そう思いつつも、きっと昔の方が繊細な音を出していたんだろうなあ、
今の自分はなんて無神経になってしまったんだろう、
愕然として日記をつけているのだった。


2003年12月08日(月) 私はここにいるよ

目が覚めて、自分がここにいる、という感情を実感できたのが余りにも久しぶりでびっくりして息が荒くなった。
些細かも知れない。
でも、例え小指一本でも落ちないようにひっかかってればそれでいい。
久しぶりの自分は慌てて今までの荒れた自分の処理に取りかかった。


しばらくメールは届きません。ポスペの直江、もしくは携帯電話のメールに連絡下さい>皆様
お手数おかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いしまーす。


2003年12月07日(日) Remenber me?

KOKIAのライブでした。
普段薄い生活を送る私には、とても濃度の高い一日でした。
今日の日記は長いよ?


まず折角東京国際フォーラムに行くなら、近くにある、若がやっているカフェに行っちゃいたいようと、エセさんとみきさんと蒼生さんに誘いをかけて、エセさんに連れていってもらう。
丸ビルにあるっていう情報で、丸ビルで変な人々観察をしながら待ち合わせをしていると、丸ビルの中の表示レストラン&カフェ看板に若のやっているお店が無く
「わー! 若のお店が(案の定?)潰れちゃったヨー!」
と嘆いた。
エセさんがそこに、明日提出の卒制の「材料」を買ってきたーという袋を持ってやってきて、
「若のお店は丸ビルの中じゃないんだよ」
と教えてくれるも、全員どこか
「若のお店は潰れてないかなー」
という不安はぬぐえない。
理由:若だから。ではないだろうか。いや本当は意味不明に高いからなんだが。
みきさん登場して、いざ出陣。
コンクリートジャングルをちょっと歩いた、次に「行け」と言われても無理な同じビル風景を通り抜けたところにさりげなく若のお店は主張していた。
入って席に案内されるやいなや、「若はいねがー」と若を探し、奥でひっそりと眼鏡をかけ、スーツを着た若を発見する。
「あ、若コックコートじゃない! ヘタレ感が足りない! 若のくせに!」
若のコックコート姿を見たエセさんがコックコート姿の若のヘタレ感について教えてくれる。
あいかわらず、ninja系列の意味不明な値段の高さにメニューを見て「はあああいはい」と思いつつ、注文を終え、食べ始めたところで若登場。
最近はninjaに行かれているんですか? など普通の会話をした。でもよく考えたらのっけから「またお痩せになられました?」など女性に太った痩せたを言うのは客商売のトップの会話じゃないと思うよ、若(笑)。
「あ、お料理冷めてしまいますね」
と去ろうとする若に
「ではまた」
と営業妨害のようにさりげなくまた来るよう強制するわたし。ウヒャヒャ。
「スーツなんて着おって!」
とエセさんは言うが、はじめて若としゃべるみきさんですら
「大丈夫、充分ヘタレ感が漂っているよ、しっかりしているよう振る舞ってはいるが」
とヘタレを見抜く。みきさんの審美眼はちゃんとお花ちゃんも見抜いていたようだ。
若の面白いところは、一見もの凄く頭の切れるしっかり者に見えるところだ。しゃべらせればしゃべらせる程にボロッボロ何かお花ちゃんとかヘタレとか出てくる。見事だ。
食し終えた所に、今度はサービスの(!)フルーツのジンジャーソルベあえを持ってきて若が登場。
「すごい手抜きで、すいません」
だからそういうことポロッと言っちゃうあたりが……(ププッ)。正反対で悪いがKバーテンならものっそ偉そうに無言で持ってくるぞ、これ。だってどっちにしろサービスで持ってきてもらってるんだから有り難い一品じゃん。
テーブルの上のものを「下げますね」と持った時に「ちぃちゃん」状態で皿三枚でもう動けなくなるんじゃないだろうかとウキウキしながら見ていたら、店員さんがやってきてヘルプしてくれていた。もしかしてやっぱりちぃちゃんになっていたんじゃなろうか。ちょっと「どうしよう…」ぽい動きになっていたし。やった! やっぱ!
そして左手薬指の指輪を発見してしまった。ええん畜生、若のくせに! うわあん。
そして店の主らしく、お店のクリスマス限定商品を紹介してくれた。
エセさん、クリスマスの予定をここで過ごしたいと駄々をこねはじめ、みきさんから「卒制をしろ!」と怒られ、蒼生さんから「ここでクリスマス過ごすのはカップルばっかりだよ?」と諭されるが、どうやら卒制をやる気配にはならなかった(笑)。
ライブに向けて良い時間になったと思われたので、移動。
「今日はお花ちゃんな日だね」
「そうだね、KOKIAもお花ちゃんだもんね」
会場入り口でみきさんの弟くん登場。登場は、会社から電話を受けてめっさ動揺をしつつ折り返し電話をしている深刻なみきさんに向けて挨拶の一発のつつきをかまそうとしている姿で分かった。
つつくのは、血のなせる技だった、竹河の家の血は人をつつく。
それから、京都出張帰りの「サラリーマン出張コス」の佐藤さんとも落ち合い、パンフレットを買って席に到着!
8列目ど真ん中。ワハーイ☆
みきさんが「KOKIAのライブはどのくらいではじまるんですかねぇ」と。
「うーんと」
「あ、今バクチク考えましたね?」
「いやいや、今までのKOKIAを反芻していたんす。バクチクのような事は一度も無いっすよ、ええ」
ライブ始まる前に軽く仮眠を摂って(笑)、あっという間にライブ開始。
全員座りっぱ。
最初はなんと『調和』ではじまりました。
シルエットが見えた時点で「うおお、今日の衣装は可愛い、絶対可愛いっすよ!」と騒ぐ私とみきさん。
どわーっと歌って、MC入った途端、もんどりうちはじめるみきさん。
ああ、そうだね、生KOKIAの愛らしさははじめてだと吃驚するくらいだもんね。免疫ないともんどりうっちゃうよね、可愛いよね。ウヒャ。
白いふわふわの素材の洋服に、白い皮っぽい素材を巻き付けたりした衣装。全身白。姫!
前半は全員座りのコンサートだったのだが、後半
「…ね? 誰かが立ってたら、「お、私も立とうかな?」とか、みんな好きにしてくださいね」
と言って衣装替えに歌の間に上手に去って行ったKOKIAの言葉に素直にみんな立つ。
ていうかライブなんだから立ちたかったんだよー。
みきさんなんて、もんどりうちが足りなくて大変よ。←人を勝手に。
立って、ライブっていう感じが強くなって、KOKIAのお花ちゃんはっちゃけはじけっぷりも強くなり、みきさんのもんどりうちボルテージも上がっていく。
ちなみにKOKIAは円周率は途中で言えなくなって「誰か……助けて……」とか呟いてました。あうー可愛かったよー。
特別企画クリスマスソングとか、デスペラードっていう曲(佐藤さんが詳しい)を歌ったりして佐藤さんの動揺を誘ったりとか、KOKIAはサービス一杯でした。ていうか佐藤さんは何故動揺したのだろうか。さ、みんなで問いつめてみようね!
あっという間にライブは終わりすぎ、アンコール。KOKIAのアンコールは毎度怖ろしく拍手が揃うのう。そして間を開けず登場するのうKOKIA。
「ありがとー! KOKIAにとってアンコールはご褒美なのー! 「わ、今日はアンコールつきか?」みたいな。だから本当に嬉しいー!」
みきさんが悶えてました。後の男達が雄々しい声で「だったらダブルアンコール」と呟いていました。いくらでもええご褒美をあげたいですわいよKOKIAにアンコールというご褒美。こっちもありがてえ。
帰りしなにアンケート用紙を書き込んでいたら、学校の先輩らしき人を見た、と振り返ったら後輩君が居た。
「これで明日からの試験もがんばれるかなって」
ちょっとこやつも顔の割にヘタレ感が強すぎるが、がんばろう! がんばってくれ!
学校の先生(サトコウ)に会って「せんせー」って言ってたら楽屋パスくれた。この先生、甘えたがりのかまわれたがりさんなので、「いやん先生好きっ」て言っていれば割となんでもやってくれる。チョロイ部類である(四年習って感想がそれかよ)。
楽屋パス貰ったけど、顔見せした後はKOKIAも忙しそうに挨拶回りをしていたので、慌てて東京駅に行って合流して、新宿で御飯を食べようっていうことになった。
駅を降りて流れていったら、ピロのアルバイト中の店に近くなってきたので、行ってみたらやたらと混んでいた。
ピロは帰宅後「行ってくれたら席用意したのにぃ」だそうだが(余裕が出てきたらしい)これは予告無しに行くからたのしいのではないか。
席が無いので、階下の別の店に行って食べる。ハイエナの様に食を消しつつ、佐藤さんの鞄の中身チェック(半分くらいしかチェックできなかったと思うのね、きっと。あ、違う4次元部分から適当にチョイスされちゃったのね)をしつつ(みきさんの弟くんが頑張って鞄を強奪しようとしてくれたんだけど、すんでのところで取り押さえられちゃったのね)飯を食う。第一弾が落ち着いたところで、「佐藤さんの冬のお衣装は?」と私に背中を押されてみきさんが尋ねる。
「あのサイトは一体どうやって」と。
「いや。ヤフー検索で探していって、や、やましいところは何一つ無いです、無いですよ」
「やましい……」
「やましい……」
「やましい、とは」
「佐藤さんにとってのやましい、とは?」
更に波紋が広がる。水の中に水滴を一滴落とした時に徐々に広がる波紋のように、心に一滴落とされた。
佐藤さんにとってのやましい、はどこにあるのか?
第二弾の食事と飲み物がくる頃には、佐藤さんとみきさんの弟くんも仲良くなってきた模様で、一緒に「ああ私の恋は南の風に乗って走るわぁ〜」と歌っていた。
仲良き事は美しきかな。
みきさんの弟くんはこないだ舞台で若様をやった時にすね毛を剃ったらしい。
「なんか、少年の役だったから…」
「少年だとすね毛無いの?」
女姉妹で育った私が素朴な疑問をぶつけると、逡巡した後佐藤さんが
「……ない、です…」
と言った直後におとうとくんが
「演出家の意向」
と言って、ダブルで来たので爆笑してしまった。
少年には、すね毛が無いのがイメージとして演出されるものなのか。
その後少しすね毛談義などをしつつ、時間が来たので駅へ行って解散。
電車の中で「今日は、デスペラードなどもありましたし」と佐藤さん。
「ああ、デスペラードって……本の?」
「…あ、いや。あのっ、デスペラードって言ったらデスペラードですよ」
「それじゃ分かりません」
「ねえ、佐藤さんが何言っても全部やましく聞こえるんだけど」
蒼生さんが的確に指摘する。
「……間の取り方?」
「ハッ! 今日勉強した事は間の取り方だ。若も、間の取り方がヘタレ感を出してるっていう事だったしね。ようし今日から私は何一つやましいことの無い間の取り方にしてやるぞう!」
みなさん、間の取り方には充分気を付けて、ヘタレ感を出してみたり、やましい感を出してみたり、自由自在に操れるようにしてみましょう。


2003年12月06日(土) 危機一髪

ヨークシャーチーズ!
と叫びたくなるタイミングで気がついた。
フー、こないだ見ちゃってさー(ウソ)。やけに大きいなと思ったら顔がマルチーズでサー(いつまで森田さんを続けるつもりだ)。
ドラマのように「ふと我に返り」というアレでしょうか。
でもまあ、多重人格さんとは言え、ドラマのようにはいきませんな。いっちゃイヤンです。


自己破壊衝動がとても活発ていうのは自覚してるんだけど、危機感が足りてないのも自覚あったんだけど、やっと戻ってきたよ、危機感。
でも自己破壊衝動が暴走してるよぎゃふん。
ヤバイよこのままじゃホントに私が壊れちゃうよ。



でも明日KOKIAのライブだからいいんだー1日は平気なんだー(限定かよ…)。


2003年12月05日(金) !

ありきたりな事書きます。
寒いですね。
一言で書いてみましたが、やっぱり「ぐおおおお寒い! 寒いんだよ!」と大騒ぎしたいくらいに寒いです。気象が変わると大騒ぎをしたいタイプ。躁病に気を付けよう(両極性だったんだー)
暑いに比べて寒いを感情として受け止めるのが鈍かったので便利に過ごしていたのですがここ数年、妙に寒さが感じられるようになって、嬉しくないことこの上ないです。
感じられるお陰様で微妙によくなった事は冬の風邪はこじらせてないことでせう。


昨日は精一杯記憶を保って生きようとしていたら、御飯食べるの忘れてた。
嗚呼、生活が成り立ってない。
ごはん……なんかほかほかした美味しいものが食べたいのに、気がついた時にはもう真夜中。
僕にも久留米が欲しいなあ、とぼんやりと、真夜中に発見したクッキーをもそもそ食べながら魚住君みたいにサリームが隣に居てくれたらなあ、マリちゃんとかもいい、とのんびり思ってみたけど、魚住君の過去は共有できる類のものではないので、うーん。どうなんだろう。
私は一応占い師に「何もかも、環境やまわりの人々全てがとても恵まれているわ」と言われて「はあそうですね」と言えるくらいには恵まれているが(横で友人が「そう言えばそうなんだけど、何かが違う」と言った。そういうのは自分で思うから悲劇性が増すんであって、他人に言われるといっそ喜劇だ)、魚住君とは真反対だもんな。あ、でも悲劇性の自覚が無いとこが被ってるじゃん、今気がついた。
朝起きたらやっぱりまた市場最安値を更新していたので、駅でゼリー食料で栄養を摂った。
このままでは、洋服のサイズが合わなくなる。
なんか落ちるなあジーパンとは思っていたが、くそう。



ところで京極の新刊と乙一の新刊が出たので買っていたんですが、しばらく封を開けてませんでした。
前代未聞の鬱状態。
今まで、どんなに「あら鬱こんにちは」と思っても本だけは読んでいたのに。
未開封の本が泣いている。
今日、電車の中でついつい分厚い方を持って歩いたら、その所為か腕が痛いんですが。
1)単に腕力が無さ過ぎる
2)単に京極の新刊が重たすぎる(もうこの説は京極読みにとっては今回普通の分厚さだろうと考えても良いから、この説は弱い)
3)指先が治ったので昨日「治ったあああ!」とピアノをちょっと触ったのでその所為
4)寒い時、左半身を力みすぎる傾向がある。
どれでせう?


この微妙なテンションは、buck-tickの新曲をBGMに書かれました。
新曲のまったり感が伝われば本望。
でもステキさ伝わらない方に1000点。
ちなみに子供の頃からはらたいらさんにかける傾向がありましたので。
倍率ドン更に倍。えい。


2003年12月04日(木) もしかして……

もしかして今私精神的に重症じゃ無かろうか。
指を切ってヒステリックに鬱状態に陥り、挙げ句声帯を痛めて声楽のレッスンも休んだ。
風キリ羽(だっけ?)を切られ飛べない、歌えないカナリア。
フッ。
自分をカナリアに例えてる愚の骨頂が此処に。カナリアって声かよテメー。
あ、やっぱやさぐれてる(笑)。
指を切った時はちょっと本当に落ち込みすぎて我を忘れましたが(て我は何処にあるつもりでいるんだ、ケッ)歌はまだやさぐれるくらいで済んでいるようです。


余りにやさぐれてふて寝のしすぎで退屈になったので夜いきなり家を飛び出して(途中記憶無く)CDを買って家でグルグル聴いてました。
aikoとbuck-tick……取り合わせからしておかしい。いっつも自分のジャンル分けに困るし。
水曜日、新曲が出る日のダブルポイントのタワーレコードは異常に混んでいました。
クラシックのコーナーも同じように混んでいるかどうかを見忘れました。
万引きが横行しているからっていうのは分かるが、階ごとに支払いを済ませねばならない制度は真面目に購入している無分別ジャンル好きにはとても不便だ。
夜にbuck-tickの新曲にウットリし、深夜にaikoのニューアルバムを流し、夜更けに、みきさんから
「あっちゃんが昔金髪美女だった時のDVDが」
という情報を元にずーっと昔のあっちゃん(バクチクボーカル)を眺めてました。
いざ眠らんとする時には既に太陽が昇っていた。


風邪って、治って、素晴らしいもんだな。
治るっていいな!
些細な幸せを今噛み締めては、自分に憐憫を投げかけてみてます。
人からまだ「大丈夫?」といわれる声を出してますが、「治っていっている」という確かな感触が、体の隅々に感じられて、痺れそう(痺れちゃいかん)です。
他の全部もついでに一緒に治ってくれんだろうか。
くれないだろうなあ。
しょぼん。


2003年12月02日(火) 笛吹ドクター

耳鼻咽喉科へ行って来た。
ご、誤解しないで欲しいんだ。
決して昨日「薬は飲まないでね、体に悪いからね」と言われてデヘーっとしすぎて風邪の申告をし忘れたとか、小声で風邪ですと言ってもつい笑顔になっちゃって薬下さいって言えなかったとか、そういうことじゃないんだ。
はうーん。医者が魅力的過ぎるって、罪。
学校近くの耳鼻咽喉科に行って来ようと思ったのは、次の日声楽のレッスンがあるのに喉が一番ヤバそうだったからだ。
かかりつけ耳鼻咽喉科の医師は喉フェチ。声楽と狂言をこよなく愛し、声帯を愛しすぎて気がついたらうちの学校の先生になっていたという強者。あんたいつの間に学校に入ったのよ。
吃驚して以来、その先生が単位に見えるようになった。
学生の頃の悪癖はまだ抜けない。
丁寧な診察なのだが、やっぱり鼻には興味無いらしく、適当にシャッと処置して、喉にうつる。
丁寧さ、5割増し。
君、考えてる事露骨過ぎだから。
も、面白すぎるから。
「明日の声楽のレッスン、なるべく受けたいんです」
キラン☆と光る医者の目。
私も勿論それを狙って言ったのだが、打てば響くその態度にもう、腹筋よじれそう。
しっかりと声帯の炎症を見るまで容赦無しに喉を開けさせ、炎症をしかと確認し、それを丹念に書き込む。
トドメの私の一言。
「ここのところ、ちょっと声楽のレッスンで痛めたりしたから……それもあるのかもしれない」
「何歌ってたの?」
打ったら響くなあホント。
ポン。
「トゥーランドットとかトスカとかつばめのドレッタとか、プッチーニを主に」
にへら〜と顔が緩む医師。
「ああ。あれって喉にきちゃう人っているんだよね。曲はいいんだけど」
「本当に。曲は良いんですけどね…」
ますます嬉しそうな医師。
ていうか面白いから、あんた。
結局、あんま歌わない方が治るの早いよ、という感じでしょんぼりしながら蒸気を当てるブースに行って、エステみたいに蒸気が出るところに顔を当ててひたすら息を吸い込んでいる間に、次の患者さんを診はじめる。
……狂言の話で盛り上がっているつぽい?
ハルオさんだかなんだか師匠の話でやたらと大盛り上がりをしはじめ。
私が喉に蒸気を当て終え、振り返ったそこには。
和の笛を構えて
ピューっと気持ちよさそうに笛を鳴らしている医師の姿が!
私のあまりの「え?」という表情に、医師も私もお互い動揺しながら、私は診察室を後にした。
待合室では、「まただわ、困ったわねえ」という表情の受付の人と、素直に「何事?」という表情の人と、変に盛り上がりすぎて混みはじめた為「いいからはやく!」という表情の人が居た。
先生、人生、欲張りに楽しいのはとってもよいことだと思いますけど。
でも診察中にあんまり遊び過ぎちゃダメですよ。
ちなみに割と格好良かった(今は太った)んだが、若い頃からハゲてた。普段帽子被って分からないようにしている為、逆に帽子取られると誰だか分からない。


で保健室で眠った。


2003年12月01日(月) 治癒力

今日は検査の結果を聞きに病院へ行く日でした。
一昨日から風邪をピロに遷されたものの、微熱の出方に違いが余り見られないあたりが面白いです。
普通の風邪をひいて、俄然精神的に元気になる。
原因が分かっていると、スッキリ!


さて、何はともあれ愛しのダーリン、目下オヤジスキーの私のランキングぶっちぎり一位の内科医の先生に会いに行きますよー! 待っててダーリン今行くわ!
だから元気なのか?(笑)
結果が何も無いっていうことは分かっています。いますけれど。けれどもね。
会いたかったのー。ラブ☆
今日もリンパあたりに触れられている辺りでほわ〜んとなりつつ、幸せを噛み締めた。
だって……このままいくと、次に私が体調を思い切り崩さない限り会えないんですもの。
ああん切ない。
「内科的には、もう何も無いです」
困ったように笑うその笑顔が可愛いです素敵です最高ですかー? 最高でーす!
「また何か、高い熱が出るとか、あったら来て下さい」
とお別れの際言われ、思わずとっさに熱を出そうかと狙ったくらい会いたい……。
昨今、病院通いで盛り上がる友人と「せめて院内の華になるべく頑張る大作戦」を盛り上げているが、どうにも婦長さんが美人過ぎて敵わない……しくしく。だって美人で気だてが良くて頭がよさそうなんですもの、めそめそ。
病院通いの友人は、身近にいる友人が揃ってオヤジスキーで、私もオヤジスキーなので染められてきたかも、と呟く。
「将来筑紫さんみたいになるような人がタイプ」
と言う彼女のかかりつけ医が筑紫さんっぽいらしい。
「オヤジスキー連盟があったら入りたい」
というので
「おう。オヤジスキー同盟ならあるぜよ」
と勧誘しておいた。
共に、フェロモンシャワーで頑張って生き抜こう。


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