気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
受けたい授業でやっていた焼きバナナ。オーブントースタだと、果汁(?)が落ちてべたべたになりそうなんで、やっぱり魚焼きでやりました。 あつあつでうまかったのですが、裏面もちゃんと焼くんだった! 「おい、アンタ」 八郎は話しかける。若い男は振り向いた。 「ん? 俺?」 「そうだよ、もしかして、アンタ別世界から来たんじゃないか?」 「そういうお宅も? いやーよかったよかった、仲間探していたんだよね。実はというと、この世界の隣の国にたどり着いたんだ。だけど、アイツ等、人を他所者扱いでよ......で、この国に着いたらお人好しばかりだろ? 笑っちまうよ」 「で、食い逃げなんかやっていたのか?」 「あはは、なんでわかったかな? そーだよ、だいたいこんなところで働く気はねーよ。だってそうだろ? 皆お人好しだから、食べるに困らねーし、食い逃げしたって追いつかれないし、だいたい、いつ元の世界に戻れるのかわからねーし。まあ、どっちかというと戻らなくてもいいかな」 へらへら笑いながら男は言った。 「いつまでも、そーいうわけにもいかない。戻れないと思っているならなおさらだ、仕事でもしてこの世界に住むんだな」 「じゃあ、仕事は強盗! いいな、それで」 「ちなみに、お前、名前は熊谷か? 熊井か?」 「惜しい! 猪熊だ!」 若い男は姿を変える。猪の牙をもった熊の姿。体長は2メーター弱。 「いや、これ、反則だろ?」 八郎の顔は強張った。
実際作ったものを載せていない。 これはフライパンで焼いたチキンソテー和風ネギソース。添え物はタマネギ。塩キャベツはおまけ。食いかけですいません。 こっちは魚焼きで焼いたグリルチキン香草風。細く切った長ネギの青いところ(黒くなっているけど)は前日にも使用している。で添え物はやっぱりタマネギ。だって、新玉は腐りやすいし......。網から落ちやすいのでタマネギは竹串でさしておきました。 明日から、またがんばろうと思います。
排水穴(?)が気になるチビララちゃん。もちろんその仕草はめっさかわいい。 そーいえば、日本の台所にはガスオーブンは少ないかもしれないが、だいたいのガスレンジには魚焼きグリルがあることを忘れている。 なのですが、じつは、アレを、魚焼きのアレを洗うのがめんどい。
レッサーパンダ、すっげー! 今夜の予定 風呂入る→テレビ見る→夕飯作る/食べる→ゲームやる→寝る 以上 妹と母は、ちはるさんのコンサート行きました。 今週の一言:サンライズなら簡単にやってくれますよっ!
フライパンで作るロールケーキでした。 ララさん、何しているのかな? もしかしてそのタイヤを縮めたいのかな? ちょっと無理あるんでないかい?
まず、生地を焼き ホイップした生クリームと切った苺を置き くるっと丸めれば完成です ......て、途中参入ですね。実はうちにハンドミキサーないので腕でやりました。 簡単ではなかったです。 1から撮りたかったのですが、うっかり撮り忘れました。
ので、買いました。 こちらはララさんではなく、キャンディさん。きれいな毛並みです、残念ながら今回は繁殖を断念。来年に期待。今年は涼しい夏を満喫出来るかな......札幌も結構暑いけれど豊橋ほどじゃないはず! 「さあ、ハチさん、出番だよ!」 「わかったって」 犬、それも真っ白い毛でかなり大型だった。八郎はこの姿を見た時、携帯電話のCMを思い出した。が、あの犬よりはもっと毛足が長い。ピンと立った耳、太く長いしっぽ。てっきり自分はもっと和犬を、例えば柴犬や秋田犬(忠犬ハチ公の犬種だから)を自分の名前から想像していた。 「さあ、匂いかいでレッツランチ!」 「いや、違うだろ」 それでもドッツェに押し付けられた袋に入った遺留品をかぎ、赴くままに街に繰り出した。匂いを感じる方向へ。 八郎の嫌な予感は犬になって更に強まった。 「ドッツェ、いざとなったら素早く逃げろよ」 「うん、わかった」 匂いが強まる気がする。段々臭くなって行く。 「ドッツェ」 八郎は元の姿に戻った。 「あいつだ」 小声でそっと指を指した。遠くの死角からだが、Tシャツにジーンズといった姿の若者がこちらに向かって歩いてくる。その姿から日本人と思えた。 「なんだか、あたしたちと同じ世界から来たような感じがする」 ドッツェは鼻を動かした。猫も犬ほどではないが嗅覚は人間よりも良い。 「そうだな。話が通じればいいんだが」 「ここに来て言葉に困った事はないよ」 「違う。言葉は同じでも、話が噛み合ないことがあるんだ」
地震がありました! オジロワシ。オオワシは子育て中で、たまにカラスが(檻越しに)ちょっかい出して来るんですが、オス(?)が羽根を広げたりして威嚇してました。って、オジロワシの話してない。 その日も穏やかに過ぎ去ろうとしていたが、夕方に客が一人入って来た。食堂の旦那だった。イメージするコックさんを裏切らない、白衣と赤スカーフ、メタボ決定のお腹の中年男性。でも、そこの定食は安くて美味しいと評判だった。 「ハチさん、あんたにお願いするよ。食い逃げなんだ。しかも証拠を残してね」 食堂の旦那ワッブルは何か毛を袋に入れていた。中を覗けば黒っぽい色が一塊。 「動物?」 それも、大型の物だと直感する。 「頼むよ。お礼はランチ3回分だ」 「わかったよ、ワッブルさん」 と、返事したのはソファーで眠っていたドッツェだった。
妹が貰って来たキリスト系の書物。どうも宗教お兄さんたちの話を三十分も聞かされたらしい。これが一度目じゃない事も付け加えておく。妹がそのため機嫌悪かったので、一つの家庭の和が乱れるのでもう話しかけないで欲しい。 『拝啓、キロルおにいちゃん。向こうは暑いようですけど、元気ですか? まだ名前はない妹より』 真夏の本州......ホッキョクグマには辛い季節じゃないか? 更にアレクは見る。八郎にとってはもう充分だった。亡くなった妻と行方不明となった娘のことを告げられたことでアレクの能力は発揮していると思える。 「これからのことですが、大きな事件が起きそうです。もしかしたら、あなたと同じ世界の方が何か起こそうとします。気を付けてください。私も、力になりますから」 アレクの占いは終わった。 「思ったよりも見やすかったです。ご協力ありがとうございました」 「ああ」 その時、寝室の部屋のドアが開いた。 「アレク来てたの?」 「ええ、おはようございます」 「おはよう、ハチさんもおはよう。お腹空いた」 「今日は昨日の残りのパンだ」 「じゃあ、いちごジャムたっぷりがいいな」 「そこ座って待ってろ」 「うん」 そんな仲の良い姿をみてアレクは羨ましく思った。
このように眠っている熊には近寄らない事。この日のとわさんは舌みせて寝ておりました。女の子な熊って、もしかしておてんばさんが多いのかしらん? 去年秋、どんぐり豊作ゆえに熊さんの出産率増加。で、今時期は食べる物が少ない→人里におりて「食べ物ないかな〜?」状態らしいので、山近くの方は充分お気を付けください。 椅子を一つダイニングから持って来てそれにアレクを座らせた。 「では、始めますか。まずは、あなたの過去から見ます。どうか正直に答えてくださいね。正確かどうかを確かめるので」 「わかった」 アレクはふっと目を細めた。水晶玉(?)越しに八郎を見る。 「あなたは、大事なものを二つ無くされてますね。一つはもう二度と戻らない。もう一つは、見えにくいですね。どちらも形のない物、つまり名誉とか権利とかではないです」 「......」 「どうでしょうか?」 「すっげーな、当たってるよ」 確かに、この世界に来た事によって仕事は首になっただろう。しかし、そんなの八郎には問題ではなかった。 「そうですか。実は私には、それがなんであるかわかります。一つ、一人はあなたの奥方はもう亡くなっています。もう一人は娘さん、もしかして生きているかもしれません。だけどはっきりと生きているとは言えません。はっきりと見えなくて。私はまだまだ半人前のようです」 「それだけで充分だ。死んでいる、ともはっきり言えないんだろ?」 「ええ」 「じゃあ、次はなんだ?」 「あなたの周りのことを占いましょう。探偵という職は向いているとは言えませんが、あなたにとって益をもたらします。あなたはきっと薄々感じていらしたのですね」 「うん、まあ、犬だし」 「必ず続けていてください。そして、ドッツェさん。あの子を守ってください。あの子はあなたにとって......不思議ですね、前世では恋人のような存在です」 「......娘とかじゃなくて?」 「ええ。こんなにはっきり見えるのも久しぶりです」
押し入れから季節ものを出してしまう行為。すみません、タンスの中にある季節ものを手前に移しただけで終わりました。 ふれあい広場なのに、ぜんぜんふれあってくれないうさぎさん。逃げる体勢。 今週の一言:エリーの中の人(アニメ作っているおっさん)が、あの長台詞を言うかと思うとちょっと心配ですが、アニメ作っているおっさんがやって欲しいと思います。 パンとミルクという簡単な朝食を済ませて、八郎は職場のディスクに着いた。ドッツェが起きるまでまだ時間がある。事務所は基本、朝昼晩問わず開けているが、朝から客が来る事はない。一息ついてぼんやりしていた。 「お邪魔します」 ノック後にアレクが入って来た。 「そういえば、占いをするって言っていたな」 「ええ」 「何を見てくれるんだ?」 「見れる事は全部です。でなければ、この世界でどのように作用されるかわかりませんからね」 『幸い、占い道具は身につけてましたから』と懐からカードやさいころのようなもの、水晶玉らしきものを机に並べた。
ネクタイを贈りました。(あと地ビールも) 子どもが欲しがっていたぼっこ(棒切れ)で遊ぶ母親ララさん。『こうやって遊べばお客さんも喜んでくれるんだよ』と教えているようにも思える?
バベルタワーのアクションに手こずりつつ、クリア。この手のアクション、めっちゃくちゃ苦手であり、一人で叫んでました。「うっきー!」とか。頼むからRPGにこの要素取り組むなら、もっと簡単なものにして欲しいと切実に願う。 ぼっこ(棒切れ)が欲しいチビララちゃん。水になかなか入らないのは客引きのため?
お母さんといっしょにまったり。こうして見ると大きさの違いがわかる。 「また、やっちまった〜!」 家に戻り、八郎は叫んだ。 「ふにゃ、どうした? ハチさん」 八郎の叫びにソファーで眠っていたドッツェが目を覚ます。 「また、無意識に犬に......」 「いいじゃん、ハチさんは犬の姿がかわいいから好きだよ。ふわふわのもこもこだし」 「かわいいってなんだー!」 彼は『かわいい』と言われるのが一番苦手だった。良い年した男が『かわいい』とは......。 「ハチさん、あたしもうちょっと寝るね」 いつまでも嘆いても仕方が無い。なるものはなるのだから。 「朝飯にしよう。そうしよう」 そう一人で言って、朝食の用意をした。
よく幸せ逃がすって言いますが、不幸せも追い出すつもりで、 まったりハイイロカンガルー。しっぽが少し網から出ていて、おさわりしちゃった。でも逃げないので背中もおさわりしちゃった。ふわふわでした。いいのかなぁ......でも、逃げないもんなぁ......。 「じゃあ、後で伺います」 「ああ」 アレクと別れ、八郎はまた歩き出す。歩くというよりは小走りしていた。 「!?」 鼻に刺激ある匂いを感じる。木や物が焼けて焦げるような匂い。 「火事か?」 匂いのする方角へ走る。その走る早さがどんどんは速くなる。現場が近くなるにつれ、黒い煙が見えた。嫌な匂いも強くなる。やがて家が燃えているのが見えた。 『大変だ! 火事だー!』八郎の叫びは遠吠えだった。 その遠吠えはまだ目覚めぬ住人たちを起こした。 「って、おいっ! 皆起きろ! 火事だ!」 元に戻り、水を探す。井戸を見つけて汲み始める。声を聞きつけた住人たちが火事に気づいてあわてて八郎の汲んだ水を運び、家にかける。バケツリレーを行う。誰かが消防隊を呼んで来て本格的な消火活動が行われ、ようやくその場がおさまった。どうやら小火で済んだらしい。 「ハチさん、ありがとう! 助かった!」 火事にあった家に住んでいた中年の男が八郎の手を握って振った。酔って帰って眠り火事に気づかなかったらしい。 「ありがとう、本当にありがとう」 「ああ、良かったな」
ちょっと遠出しただけで車の前側虫だらけ。洗車券があるのでスタンドで頼んだら1000ですっていわれました。千円もするんだ! 去年夏に生まれたレッサーパンダのリリィ(?)しっぽがちょっと貧弱(先が細い)なのですが、お手入れお手入れ。 少女の仕事は酒場に入り浸る男たちのお迎えだけじゃなかった。 「さあて、お掃除お掃除」 夜明け前、静かになった酒場にての大掃除を行う。少女の掃除対象はネズミや害虫なのだが、これらを手早く処理するという。まさに猫の性質を充分活かしていた。そこでも小遣いを貰って明け方に家に戻る。そして、朝はゆっくり眠り昼頃に起きるのだ。 朝、そんなドッツェがいることを確認して八郎は起きる。着替えを終えれば外に飛び出す。朝の日課の散歩。早足で歩き、変わったところがないかを見回る。 「おはようございます、八郎さん」 何かと声をかけてくれる街の人々だが、この朝早くには少ない。そんな中、彼に挨拶したのはアレクだった。 「おう、アレクか。早いな」 「ええ、今日は早速お仕事を、と思いまして。でも、探偵業は人が来ないとならないでしょ」 「まあな。だから副業はしているぜ」 「私も副業として占いをしようとしているのですが、この世界でも同じように占いは出来るのか、ちょっと不安で。試しにあなたを占ってもいいですか?」 「ああ、構わないけど?」
の、前に。 一歳になったばかりのシンリンオオカミのルーク。前日の仔狼たちのお兄ちゃんです。片目の色が違うのは光の加減ではありません、本当に違います。 冬毛が抜けてすっきりしています。 「ハチさん、あたしちょっと出かけてくるよ」 寝る前にドッツェは言った。昼間よりも生き生きとしている。 「気をつけろよ」 「うん、いざとなったら猫になって逃げるよ」 スラム暮らしだったドッツェは昼よりも夜に活動する事の方が多かったらしく、更にこの世界に来て猫に姿を変える事が出来るようになった事もあり、余計夜の方が元気になったようだ。 八郎には少女が何をしに行くのかはわからない。朝には小銭を握って眠っているところを見れば、何かしらのアルバイトだろう。それも子どものお小遣い程度のお金なのだから、この少女にしか出来ない、猫としてのバイト。身を売ればこの程度の金ではすまない、そう思って黙っている。そして目覚めれば、握った小銭を大事そうに八郎が空き箱で作った貯金箱に入れていたのでことさら黙っていた。 「じゃ、行ってきます」 「おう、気を付けてな」 少女を見送って彼は眠る事にする。明日は仕事が入りそうな予感がしていた。 ドッツェは今夜『おふくろ会』に呼ばれていた。 『おふくろ会』とはその名の通り、夫と子どもがいる母親たちの会だった。 「うちの亭主、今日もあの店で飲んだくれているんだよ」 「あら、うちのもよ」 などと口々に愚痴る母親たち。 「ドッツェちゃん、うちの旦那、明日は早い仕事があるっていうんだ。悪いけど、連れ戻してくれないかい?」 一人がそう言って、小銭を握らせた。他の母親たちからも頼まれる。 「うん、わかった」 そう言って、酒場街へと走って行った。 夜目の利くドッツェにとって、明かりの少ない酒場街へ行くのにランタンは必要なかった。暗い酒場の店内でも顔を見分ける事が出来た。 少女が「帰ろう」と言えば、男たちも帰らざるを得ない。それだけ少女の笑顔は可愛かった。
おねむなジェイさん。休日のお父さんみたい。 わんこみたい。でも、狼です。一年後にはジェイのようになってるわけです。 ゼニガタアザラシのお食事風景。お行儀良く見える。一番手前がまだ子どものさくらこちゃん。 二日目は雷が鳴って雨が降りました。通り雨だったのですが、ララは空を見上げて 移動します。そのあとをチビララがついて行きます。 チビララの傘になる。ララさん、眠たそう。でも、これがララ母さんの愛情なのです。 今後はゆっくり写真公開して行きます。 今週の一言:いまだ坂本の戦闘能力が未知数なんだよな。アニメのOPとかが捏造というオチとかないよな(笑)
探されなくとも帰って来ますよ、私は。 どこに行っていたかなんてわかり切っていることだと思います。 泳いで、遊んで ヒマしてみたり お母さんのお手本見たり おっぱいもらって 疲れたら寝ます 実は写真前後してますけれど、だいたいこんな感じ。
いつものごとく、失踪予定。 ひとまず、三人は食事を続けた。 「じゃあ、この世界の人たちには動物になるというようなことは無いのですか?」 「そうなんだ。この世界に住んでいるということ以外、なんの変哲のない人たちばかりだ」 八郎が一年住んで感じたが、この世界の人々にあまり変わった点はない。小中学校くらいの子どもたちは学校で学び、その後、就職したりする。高校や大学の代わりになるような学校もないわけじゃないが、一般的に行く子どもたちは僅かだった。尋ねれば、裕福な家庭や貴族階級の子どもが行くという。働いて生活をしていくという点は変わらない。仕事はやはり農家や漁師が多いが、このウルラは大きな街ということだけあって商売人も多い。能力的にはきっと日本人よりも体力があるだろうが、それ以外は普通なのだろうと八郎は思っている。ライトノベルなどでもある、魔法のあるファンタジーの世界ではないようだ。それどころか、異世界から来たことになる自分たちがファンタジーになっている。 「そうですか、では、ますます私たちがこの世界から帰れる方法がわからないかもしれませんね」 「そうなんだよな」 本当にここがファンタジーの世界なら魔法があって、召喚やら何やらで元の世界につながる方法があったかもしれない。しかし八郎はよく主人公が異世界に行き戻れなくなるファンタジー小説を読んだことがある。何冊か。 「悩んでいても仕方が無いことがわかりました。気長にやりましょう」 「そうだな」 「そうだね」 食事を終わり、アレクは自分に当てられた部屋へ戻った。八郎とドッツェは片付けをしてから眠る事にした。
「あああああっ!?」 アレクが絶叫する。変わり果てた自分の姿、尖った口先、まんまるの目、丸い耳、長いしっぽ。 「ど、どうしたら、これ、元に戻れるのですか?」 「戻りたいと思えば戻れるハズだ。慣れればコントロール出来るようになるから、たぶん」 「ええええええっ!」 アレクは必死に思う。元の自分の姿に戻れ戻れ戻れ〜! 次の瞬間、視界が変わった。目線は元の高さになり、八郎とドッツェの姿が見える。鏡にはネズミではない自分の顔が映っている。 「あの、じゃあ、お二人も、そうなんですか?」 「そうなんだ」 「ちなみに、何に?」 「俺、犬」 「あたし猫」 「......いいなあ、かわいくて」 アレクは嘆いた。
あっちゃ〜ってなもんです。 その夜は、エクレが作ってくれたシチューとパン屋から貰った売れ残りのパン、八郎がこっそり買って隠していた干し肉とチーズ(ドッツェに見つかれば食べられてしまう)、とっておきのビールが食卓に並んだ。 「ま、歓迎会ってところだ。酒は飲めるか?」 「え、ええ、まあ」 アレクのカップに注いで自分のカップにも注いだ。 「ドッツェはこっちな」 やはりエレクから貰った手作りの木いちごジュースをドッツェのカップに注ぐ。 「わー、かんぱーい!」 乾杯の習慣がないのかアレクは見よう見まねで二人に合わせた。 「こんなお酒は初めてです」 「そうか。俺の国にも似たのがあってな、もっと濃い味なんだけど、これはこれで美味いんだ」 ドッツェは大人しいと思っていたら早速干し肉に噛み付いていた。 「でも、本当に皆さんに良くしていただいて」 「まあ、とりあえずできることをやるんだ」 「でも、ハチさんが探偵業に向いているとは思えないけどね」 ドッツェはやっと噛み切った干し肉をくっちゃくっちゃと噛みながら、今度はパンにかぶりついている。 「私に出来ることと言ったら、占いくらいです。あ、いつ帰れるとかそういうのは占えません。失せ物を見つけることが得意なんですが」 「へえ、じゃあ俺の探偵事務所で働かね?」 「そうですね。私も一人よりは心強いから」 「ところで、今のところ、身体に変化はないか?」 「?」 「まあ、まだ出ないか」 「あの、何か?」 「アレクは何になるんだろうね?」 と、ドッツェ。シチューをすくって食べようとして、口から出した。熱かったらしい。 「もしかしたら、俺たちとは別世界から来たから、ならないかもしれない」 「? よくわかりませんが、コレおいしいですね」 アレクは先ほどからシチューを食べている。そしてチーズ。 「それが美味いのか?」 八郎もシチューを食べてみる。なるほど、エクレの作ったシチューにはクリームチーズも入っているようだ。 「俺、あんたが何になるかわかった気がする」 「え、何なに?」 「あのう、さっきからなんですか? なるとかならないとか」 その時、アレクの視界が急に広がった。しかし目線は低くテーブル板の裏が見える。 「あ、ネズミー!」 「そーいや、おもちゃのネズミが本物のネズミになる話があったなー」 八郎はアレクだったネズミに鏡を見せた。 「どうもな、異世界からここに来た人間は何かしらの動物になるようだよ」
変質者です。今晩は。この前から知ってはいたのですが、ここで書くのを忘れてました。
エクレアが......セイコーマートのCMのエクレアがおいしそうでならなかったので。
1巻で沢木がヒオチの中から見つけた菌が、一体いつどこで正体を現すのかと思っていたが、10巻にて衝撃の真実が! 「ハチさん、アレクさんの部屋が整ったよ」 近所に住む妙齢の女性だった。世話好きで八郎やドッツェも世話になった。五人の子どもたちがいるのでたまに子守りの依頼が入る。 「ありがとう、エクレさん。じゃあ、行こうかアレク」 「あ、ハイ」 「あたしは留守番しているよ、いってらっしゃい、ハチさん」 ドッツェはソファーに寝転がったまま、手を振った。 八郎の探偵事務所から二、三軒先のアパートの大家がエクレの実家だった。部屋の規模は小さいが、一人でなら不自由ない広さである。 「この四階の1号の部屋だよ。これはカギ」 「ありがとうございます」 カギを受け取りアレクは微笑んだ。 「いいってことよ。四階にはあまり人が入らないんだ。家具は要らなくなったものだから古いけれどね」 「充分です」 「じゃ、夕方にはハチさんところに食事を持って行くから一緒に食べなよ」 「ええ、すみません、何から何まで」 「困った時はお互い様っていうじゃないか」 そう言って、エクレは自分の家へ帰っていった。
アレク=マイクが正しいです。 事務所に戻り、とりあえず八郎はアレクにお茶を出した。彼にも親しみやすい日本茶に似たものがこの世界にあったのでそれを出す。 「ここが異世界だなんて、まだ信じられません」 お茶を飲んで顔をしかめたアレク。それでも『ありがとう』と言った。 「まあ、俺もそうだよ」 「あなたは『にほんじん』という世界から来たのですか?」 「あ、いや、世界から見たらドッツェと同じ世界から来たんだ。だけど、ドッツェとは国が違う。もちろん知り合いでもなかった」 よく『アメリカでは〜』とニュースなどで聞く。いろいろなものを輸入していろいろなものを輸出している。八郎にとっては近くて遠い国だった。 「ハチさんの国は小さくて大きな国なんだよ。車とかアニメとかいっぱいアメリカに来るってシスターから聞いたことがある。でも、アタシはニンジャがいいな」 「あー、ドッツェ、ニンジャは今の日本にはいないって何度も言ったよな?」 「でも、テレビで見た事あるよ」 「映画か何かじゃないのか?」 「なんだー」 ドッツェにとっても近く遠い国のようだ。 「お二人はここに来てどれくらい経つのですか?」 「俺はそろそろ一年くらい経つな。ドッツェは半年になる」 「そうなんですか。帰れる方法は探していらっしゃるのですか」 「いや、それがな......おいおい話していくよ」 その時、ドアがノックされた。
お前ら小学生か何か? と言いたくなる感じです。 「俺は柴山八郎。日本人だ」 「あたし、ドッツェ。多分、アメリカ人」 「ハチロウさんにドッツェさんですね。では、早速ですが、今後どうしたらいいんでしょうか?」 マイク=アレクは戸惑っていた。誰でも戸惑うだろう。少女、ドッツェはそれほどではなかったが。 「ハチさん、同じ異世界の者同士、この人の世話をお願いしてもいいかい?」 誰かが言う。 「ああ、部屋ならハチさんちから近いところ貸すよ」 「じゃあ、アタシはしばらく食事の面倒を見てあげるよ」 皆が口々に言う。この街のいいところだ。 「ああ、あのみなさん、ありがとうございます。でも、私はどうしたら元の世界に帰れるのでしょうか?」 と、マイク=アレク。ドッツェはどうかわからないが、八郎にも切実な願いだった。 「そいつは、誰にもわからないんだ。マイクさんとやら、済まないな」 「私たちは異世界から来る者は拒まないよ」 「では、帰れないのですか?」 そこで、八郎は言った。 「帰れないのかもわからないんだ。帰れる方法があるかもしれない。だけど、それを探すには時間がかかると思う。今は、この世界の住人の厚意を素直に受けるんだ。まあ、俺もそんな一人なんだけれど」 「わかりました。皆さん、お世話になります」
なんと、9年目となりました。まあ、ある事情で最近2003年6月分の日記を消してしまったのですが。 「はるかなるウラウスン?」 「ええ、ここは何処と言いました? なんだか似たような名前でしたが」 八郎やドッツェは頭の中で地球を思い浮かべていたが多分そんな土地名はない、と思う。 「ここには異世界から人が来るんだ。君も同じように違う世界から来たんだろうな」 「そうなんですか!?」 そこでやっと青年は驚いたような声を上げた。 「ここにいる二人もな、同じように来た異世界人なんだ。なあ、八郎さん、この人が来たところは知ってるか?」 「いや」 地球かどうかもあやしい。だが、こことは別で、地球ですらない世界も存在するだろう。 「なあ、お前が来た星はなんていうんだ?」 「星? 星とは夜になると天に散らばって輝いているあの星のことですか?」 「わかった、ありがとう」 どうやら地球人ではないようだ、と八郎は断定した。 「ところで、どうだ? 身体に異変はないか?」 「異変ですか? いえ、大丈夫です。確かに身体は打ちましたが、大した事はなさそうです」 「そうか」 「ところで、皆さんのお名前を聞いていませんでしたね。私はアレク=マイクと言います」
草うららか
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