気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
身体で覚えたことは忘れないといいますね。いや、そういうことじゃなくて。
そんなわけで、DSソフト『絵心教室』買いました。
以前、家で使っているシャンプー(マ○ェリ)が臭くて嫌だというようなことを話しましたが、試供品シャンプーも然りでした。 「なんだこれは?」 ベグゼッドは呆れつつ尋ねた。 「今日の宿題だ」 グオンはにべもなく言った。 机には山と本が積まれている。その高さはベグゼッドの身長を裕に越えていた。 「お前が書庫から自室に持ち込んだ本、全てだ。今日中に片づけろ」 「この中にまだ読んでない本が......」 「いいから片づけろ。全部」 「もしかしてグオン、それ父上の命なのか?」 「さあな」 グオンは、忙しいからと言ってその部屋を出た。 「......わかったよ! 片づけりゃいいんだろ!」 こうして、ベグゼッドは本日の宿題をすることになった。 フォーランズ城はやや小さめの城だった。中央島にあるビアソーイダの半分ほどだった。それでも、自室から書庫まで十分はある。また持ち出せる本の冊数も限られている。仕方が無いと、時間をかけて少しずつ本を運ぶ。自室から書庫まで何十往復もし、ようやく本を運び終わった頃には、自室の本は、自分個人の本と、以前ビアソーイダ城から借りた本のみとなった。 「ベグゼッド様、お昼にいたしましょ」 ここでお昼と休憩。それからは、書庫へ行って持ち出した本を棚に収めることにする。 全ての本が棚に収まる頃にはすでに日は傾いていた。 「おお、ベグゼッド。ここにいたのか? 夕食だぞ」 姉のバネッタが書庫を覗いていた。 「姉上、もう行きます」 ベグゼッドは書庫を閉めてバネッタの後を付いて行った。剣の稽古をしていたバネッタはすでに風呂に入って汗を流していた。対してベグゼッドは埃まみれだった。 「あの、姉上、俺も洗い場行って来ます」 風呂はともかく、手は洗わないとと思いバネッタから離れる。 「ついでに風呂に入ってくるといい」 そんな弟を見て、バネッタが言った。 姉の言葉を背で聞いたベグゼッドは仕方がなく風呂に入った。風呂上がりに着替えるため自室に向かう。机はすっかり片づけられていた。そして、そこに何枚かカードが添えられている。 父親から、姉から、グオンから、カシスから、城の侍女や兵士からの『お誕生日おめでとう』というメッセージカードだった。
午後4時頃からうとうとしていたら、6時になっていた。
なんと、三時半までカラオケやってた。
暑くなりました。どうも、冷夏と判断したのが一転、暑い夏になりそうです。
読み物日記になりそうです。
これで、もう逃げられない(?)。金を払っている以上、通い詰めて体力作りとダイエットしてやるぜ。
伯母から借りた「ゲゲゲの女房」
同じアパートのおじさんから、辛み大根もらった。
体重がどんどん増加傾向なんで、水泳通おうかと計画中です。
あとは髪型さえなんとかすれば、P4花村の文化祭ヴァージョンのコスです。(笑) これ、普通に伊藤ヨーカドーで売ってるもんだからな......。
「ゲゲゲの女房」を読む。 いつの間にかその店は、餃子定食と生姜焼き定食の店となった。 いつもそばを通るが入らない。有名となってしまったその店は、行列のできる店として街でも人気の有名店となっている。 まさか、こんなことになるとは思わなかった。 ほんの少し前、食い逃げをした。あの時は、ほんの試しだった。ゲームのつもりだったが今では申し訳ない気持ちでいる。犯罪には違いないのだから。 今となってはとうとう食べ損ねてしまった餃子定食の味も知らずに過ごしているだけだった。 「あら、あなた」 中年の女性に声を掛けられる。込み合ったスーパーでのことだった。長い行列が出来ているところで後ろから声を掛けられた。 「ああ、そうだ。お客さんだわ」 そう言われて思い出した。あの店の女将さんだ。 「こんにちは」 穏やかに挨拶されたので、こちらも戸惑いながら返した。 「しばらく来ていませんが、お変わりありません?」 「あ? ええ」 「また、来てくださいね。ああ、忙しくてもちゃんとレジは打ちますから、お金、カウンターに起きっぱなしにしないでくださいね」 「はあ?」 なんのことかわからず、曖昧に返事をした。しばらく世間話をした。自分が来なくなった後、客は少し減った事、ライターが来て、そのお陰でお客が増えたことなど。 「また、来てくださいね。お客さんにはサービスしないと。だって、お客さんが来てくれると必ずお客さんが多く入ってくれるんだもの」 なんだか許されてしまった。またあの生姜焼き定食が食べられると思うと悪い気がしない。うきうき気分で歩いて人とぶつかってしまった。その人が手にしていたケーキがぶつかった拍子に地面に落ちた。 「ごめん、ごめん。申し訳ない」 「私の方こそ、ごめんなさい」 「いや、私がよそ見していたから」 ポケットには980円が入っていた。いつか、店の前においておこうと思っていた。 「足りないかもしれないが、これで勘弁してもらえないかい」 それをその人にそのまま渡した。
やっとこさ地元に銀魂の映画来ます。 定食屋の女将です。 最近忙しくなった。前は暇で暇で仕方が無かった。あの人も最近はくたくたに疲れている。 そうなったのも、あのお客さんが来てからだった。 それまではこの店に居着くのは生姜焼き定食または餃子定食を食べたお客さんだけだった。あの人が作る生姜焼きと餃子は絶品なのだから。でも、それ以外のお客は居着かない。唯一あのお客さんだけが全メニューを制覇した......いや餃子定食だけは食べていなかった。どうも、餃子には興味がないようだった。 ともかく、あのお客さんが来てからというもの、この店はお客で繁盛した。お陰で店を構えた時に借りたお金も利子を付けて返せそうな勢いだった。 忙しいのを尻目にお皿の横にお金を置いた日から来ていない。あれはなんの意味があったのだろうか? あの人に聞いても首をひねっている。 あの人と会ったのはまだ小学校の頃だった。同級生だったのだが、その頃と言えばもう男女別れて遊んでいた。だからなんとなく記憶にはあるのだが、一緒に遊んだ記憶はない。 それからあの人がこの店を構えた当初、偶然私はこの店に入り、再開を果たした。そうしたら、あの人、私を覚えていてくれて、しかも初恋の相手だったと言った。ベタね。実は私もあの人が初恋の相手だった。これもまたベタね。 それでも私も悪い気はしなかった。しばらく付き合ううちに結婚し、今こうしてここで働いている。 会いたいと思った人なら、私はいつか再開出来ると思う。だから、あのお客さんが来たら聞いてみなければ。 もしかして、あなたがお客を連れてきたのって。
何故かというと、フェルトの色が限られているから。 縫い目で雑さがわかるだろう。 家庭科の先生に見本的なものをと頼まれて作りました。正直、型を起こしてまで作ったのは初めてかもしんない。(いや、ごく簡単なものだけど) 教えてもらった定食屋は閑散としていた。昼時もやや過ぎているのだが、これはないだろう。そう思って、カウンター席について生姜焼き定食を頼んだ。 「申し訳ございません、お客さん。生姜焼き定食は売り切れです」 女将さんは疲れた顔で言った。すでにもう一仕事終わっていたようだった。 「そうでうか、じゃあ、他にお薦めはありますか?」 「餃子定食はどうですか?」 「じゃあ、それで」 店を見渡すと『生姜焼き定食980円』と掲げていた。高いとも安いともつかない値段。餃子を焼き始めた店主に尋ねる。 「生姜焼き定食、人気なんですか?」 「ああ? ああ、そうなんだよな。不思議なもんだよ」 焼きながら店主は答えた。女将さんがお冷やを出す。 「なんか知らんけど、あんま流行んない店だったのさ、うちは。だけど、ある日混み始めたんだ。何かのブームかって思ったんだけどな。だけど、生姜焼き定食を頼んだ客だけはまた足を運んで来てくれるわけだよ」 「ふーん。こうなったら意地でも生姜焼き定食食べないと」 「ま、うちは餃子定食もお薦めなんだけどな」 そう話しているうちに餃子は焼き上がり、女将さんがご飯とみそ汁と漬け物、大皿にキャベツの千切りをのせていて、あとは餃子がのれば出来上がりだった。 「はいどうぞー」 目の前に置かれた餃子定食。値段と量を比較して、まあまあと思う。 美味しかった。いくらでも食べられそうだった。この店は餃子定食も行ける。 「そういや、しばらく来てないな、あのお客さん」 「ええ、そうですね」 店主がぽつりと言った。女将さんも頷く。 「それは?」 「ああ、そのお客さんが来てからなんだ。客が入るようになったのは」 広めることが自分の仕事だった。主に飲食関係の雑誌で記事を書いている。自分でいうのもなんだが、得意だった。多くは語らないがそれでもどういうわけか自分が書けば、その店は繁盛する。餃子定食を食べた翌日、生姜焼き定食も食べに行って、それから名刺を渡して、記事にしていいかと尋ねた。店主は、快く承諾してくれた。 「あの店主、これから大忙しだな」 そう、一つ付け加えるが、自分がいいと思った店ほどよく繁盛する。
思い出してみる。 教えることが好きだ。 五年ほど前に駅であったおじいさんに広告のポストカードのことを教えてあげた。ふとそのことが快感に思えた。その次は道を聞かれた。出来るだけわかりやすく丁寧に教える。ますます快感を覚えた。 それからだった、教えることが好きになったのは。 それからだった、なんでも知りたい。そして知っていることを教えてあげたい。 この街の事、勉強の事、遊びの事......なんでも取り込んだ。それが甲を成してある教室の講師となったりした。今は毎日が充実している。これ我が人生なり。 ある日、声を掛けられた。 「すいません」 そら来た。よく何かを尋ねられる。 「この辺に美味しい生姜焼きが食べられる店ありませんか?」 そう、よくこんなマニアックなことを聞かれる。 「ああ、ありますよ......」 でも、わたしにかかればこんなのちょろい。さっそく教える。尋ねた人は満足そうな顔をして去って行く。 教えてあげる事、それがわたしの至福。
特に題名が見つからない時に。 しがない爺である。 隠居して五年は経ったが、今でも毎日散歩は欠かさない。ゆっくり町内を一周する。それが出来るだけでも十分幸せだ。 毎日駅前に行き、絵はがきを見る。今の若い者はポストカードと呼んでいるものだ。ラックにならんだもので、初めは売っているものだとばかり思っていたが、ある時、若い者がそれを手に取って持って行こうとしたので尋ねてみた。 「それは売り物じゃないのか?」 出来るだけやんわりと。 「いいえ、コレ、こういう広告なんですよ。チラシのかわりにポストカードにして。チラシだったらすぐに捨てちゃうけど、デザイン良くしておけばあとで使えるし」 なるほど、と思う。なのでこの日以来、それを一枚ずつ貰っていく。そのうち全種揃えてしまう。そうなったら貰って行かない。そして、季節によりデザインが変わったら、また一枚ずつ貰って行く。そんなのを五年も続けたから絵はがきは溜まりに溜まった。 ためる事が得意だった。 何もかもためてしまい、ゴミまでためて妻にしかられた。金もためた、本もためた。お陰でビルを建て古書店を経営している。今は孫に任せているが、自分もたまに本を見かけたら仕入れている。 絵はがきもためるのも飽きた。今度は何をためようか。
『かえりみる』
遊んで来ていうのもなんですが、太陽の下が怖くなった。
対象年齢小学五年生くらい。 しがない古本屋である。 日がな一日、客もまばらに今日も一日店にいる。毎日のように仕入れて来た本の登録、整理。次に仕入れるべき本を調べ、在庫のある本は奥へしまう。店内は狭いので、雑誌類のかなり昔のバックナンバーは書庫へしまう。こちらは店内の十倍は広い。何しろ小さいながら5階建てのビル全部が所有しているのだ。爺さんの賜物である。 長い事古本屋をやっていると、別れの時がわかるようになる。この間も女子高生らしき子が入って来たときもそうだった。そろそろ、こいつとはお別れだと、音楽雑誌を下(一階)に持って来たときだった。 今日はやけにレジの前に置かれているオブジェが倒れる。これもさよならする時なんだろうか? 昔の漫画のイラストが描かれていて『いらっしゃいませ』と言っている。何となくずっと置いている物だった。 客が入って来た。そして、中に入って何かに気づいたのかコミックコーナーに立ち止まってその一角をごっそり手に取ってレジに向かってくる。 「すいません、これください」 「はい」 みれば、レジ前のオブジェに描かれている漫画だった。 こういうことか、と納得した。
リレー的な話です。 手に入れられない物は、ない。 花の女子高生ライフまっさかりな(言い過ぎたゴメン)私だが、実は何を隠そう狙った物は逃がさない、『物ハンター』なのだ。 物ハンターって何ってカンジだよね? いやいや、ハンターというか探している物をふと見つける事ができるってだけなんだけどね。 さっきもおばあちゃんが買っていた雑誌、アレ、ドコ探しても売り切れでやっと見つけたところにおばあちゃん買っちゃってるのよ。だから急いで追いかけて譲ってもらっちゃった。 人気があるから重版されると思うけれど、それを待ってるってやっぱつらい? あるのにないって何? きっと、私は買った損よりも買わない損の方がすごく辛いんだ。そんな私を見て、物を探して欲しいという友達もいる。 今日も探しているところだった。 十年前の音楽雑誌で特集が好きなバンド(デビュー当時)なんだという。当時はマイナーだったのだが、大ヒット曲を出して一躍有名、今では着うたダウンロードナンバーワンを誇るバンドだった。知らない人でもわかる、それくらい有名。 雑誌は大手の中古本屋でも置いてある。とにかく行ける範囲で探してみた。 見つからず。こうなると、小さな古本屋、中古CD屋なども探してみる。火が付く。友人のとはいえ、物を探すときの私は生き生きしていると思う。 それでも見つからず、次の日あまり行かない町にある古い店へ行ってみた。古い店ほど古い物ってあるじゃない? 確かに古く、入るとカビ臭い匂いがした。本が所狭しと並んでいる。 「いらっしゃい」 古い店のわりに若い店員が声をかけた。 「何か探してんの?」 「うん、ちょっとね」 ここで聞いては物ハンターの名が廃れる。いや、全然関係ないけれど私の無意味な意地だ。 その音楽雑誌はあったが、5年ほど前までのしかない。ここもやっぱダメか......。でも、私の勘はあるとまだ言っている。 「もしかして、その雑誌のバックナンバー探してる? もっと古いのならこっちにあるよ」 店員はそう言って段ボールを指差した。 かくて、私の物ハンターの称号は守られた。
サブカル系と申されてもピンと来ません。 物を買ったことがない。 誰かにもらったりするものだから。 日傘がなく困っていたところへ、日傘は降って来た。 「もしよかったら、コレ使って」 などと言われて受け取った。お礼に980円を渡した。 何となく買った雑誌に付録のバッグがついていた。生地も値段の割にいいものだったのでつい買ったのだ。そして店をあとにしたのだが、後ろから誰か追いかけて来た。学生らしいその子は私に声をかけた。 「ちょっとまって、おばあちゃん! 私にそれ、譲ってください」 なんでも、これが最後の一つだったようだ。何となく買ったものだからその子に譲る事にした。礼を言ってその子は雑誌の値段の980円を押し付けた。 そして、その980円で日傘を手に入れた。 わらしべ長者の話を思い出す。私はよくこのように物を交換して行き、最終的には欲しい物が手に入る。もちろん、昔話の様にわらから領地になるようなことはないのだけど。 手に入れた日傘は軽くてすてきなものだった。あの若い子には、少しばかり年寄りくさいかもしれない。 「も、もしかして、これ、超有名ブランドの限定品じゃないですか?」 そう尋ねて来たのは、やや中年の女性だった。 「今や、数十万の取引があるっていうくらいの......」 「わたしはこれがすごく気に入っているの。手放すつもりはないわ」 ひどく欲しそうにしている女性に釘をさした。
お披露目? 特に恵まれているというわけじゃないけれど、とにかくお金には困っていない。 まあ、今のご時世、普通に稼いで暮らして行ける事はいい事だと思う。 お金が振ってくればいい、と言うが、たまにそんな時がある。先ほども980円という半端な値段を貰った。おばあさんが困っていた時に助けた。ただそれだけ。日傘をあげただけだった。はっきり言うと日傘なんか使わないし、柄もあまり好きじゃない。それに別れた恋人から貰った物だった。ちょうど今日は雨が降っていて、雨傘を壊したのを忘れていたことに気付き雨傘にも使えるから仕方が無しにそれを持っていただけである。雨は昼には止んでしまい、今は強い日差しが降っていた。UVケアはばっちりだ。なるべく日陰をあるけばいいのだ。 自分には良くあることだった。たまたま拾った、ふと目をやった先にあった、風で千円札が張り付いて来た。 『小金持ち』 でも、そのお金は自分のためには使わない。誰かの為に使おうと思っている。悪銭身に付かずできっと自分の為に使おうなら悪い事が起こりそうだ。 お昼に定食屋に入った。混んではいるけれど、自分一人くらいなら入れそうだった。汗水垂らす女将さん生姜焼き定食を注文する。隣りで食べている人のが美味しそうだったからだ。ややして、隣りの人がいない事に気づいた。ぼんやりレジの方を見ていたので、お会計した様子はない。 食い逃げだ、と思ったがこの忙しい中では気づかないだろう。 なんて人だ。ふと、壁にかかっているメニューを見る『生姜焼き定食 980円』となっていた。さっきおばあさんからもらった980円をこっそり隣りの席に置いておいた。
今日の一言:悪党共演す。(先週と微妙に違うよ) これが、十数回目試した結論である。 今日も、不味い定食屋で昼食を取る。厳密には不味くはない。でも、値段や味や量を見れば、ここよりもずっと美味しくしかも安いレストランや食堂はたくさんあるという意味では、この店は流行るような店ではない。 「今日は生姜焼き定食で」 「あいよ」 ここのところ、通い詰めたせいか店主とは顔見知りとなった。しかし、世間話などすることもない。昼を外れた時間の割に、どんどん人が入ってくるのだ。 ここよりも、美味くて安い店が多いと言うのに。 自分の能力に気づいたのは何時の頃だろうか。とにかく、コンビニだろうが駄菓子屋だろうが自分が店に入れば、その後どんどん人が集まってくる。デパートなどで服を選んでいれば、そこに人が集まってくる。 『人寄せ』それを能力と読んでいいのかいまいちわからないが、今日はその実験をしてみるのだ。 とにかく、人は溢れ、注文は殺到する。それも今日までだ、頑張ってくれ、店主。 女将さんが汗だくになってお冷やを出して注文を受け、そしてやっと生姜焼き定食が目の前に置かれる。それを食べて、そのまま店を出る。 つまるところ、食い逃げだ。 案の定、忙しい店主と女将さんだけの店だから黙って出て行くのは簡単だった。二度と、この店には足を向けない。 ただ、ちょっとだけもう生姜焼き定食が食べられないのは残念だが。
昔、とあるところで本格的(?)なカウボーイハットをお遊びで買ってしまい、今までほとんど被る機会もなく、ただただ埃まみれになっていた。
と、言うほどのことはなかった。
最近は近くにプールのある学校があればそちらでお借りできるよう。(昔から?) 昨日の日記はあんまりあてにならないかも。 『本日、恒例の降霊会』 部室(一教室の内の半分)の戸にはそんな札が下がっていた。 「で、部長、今日は何の霊を降ろすんですか?」 と、貴乃が尋ねる。中等部二年の部員の一人。 「それが、誰にしようか?」 「決まっていないの?」 と、可奈が尋ねる。中等部二年の部員の一人。つまるところ、この部には三人いる。 「そうなんだよね」 「では、今日は私たちが決めましょう」 「それいい!」 「じゃあ、二人に任せるよ」 部長、良介の一言で二人は嬉しそうに笑った。 「私は、やっぱりベルゼブブとか」 と、可奈。以前に、ルシファー、サタンなど危険なものを呼び出しては学校を騒がせている。 「却下」 「私は、怪盗二十面相とか」 と、貴乃。 「いや、それ架空人物」 「じゃあ去年亡くなった裏に住んでいたおじいちゃん」 「何その栄螺さん的な? まあ、いいや、それで行きましょう」 貴乃の提案で『去年亡くなった裏に住んでいたおじいちゃん』を降ろす事になった。 「ところで、そのおじいさんの名前は?」 良介が尋ねる。 「上野百次郎よ」 「へえー、あの昨夜下着ドロボウして捕まった」 「うん、そう」 「......」
寒くて本当、どうしよう。 明日の為のどうでもいい知識 岡崎良介→オカルト研究部部長。 東可奈→オカルト研究部部員。 高山貴乃→オカルト研究部部員。 む、無理はしない......。
母と妹で話す内容。 「なんと、情けない」 アニムは思った。 アニムは二人とはぐれてしまっていた。それも、アニムが道を間違えて。 「ここは、どこだ?」 何もない平野のど真ん中。ぽつぽつと木が植えられている。もうどっちからどうここにたどり着いたのかわからなかった。 「二人とも、探している......と信じたい」 が、あの二人が探したところで見つかるかどうか。空が飛べるルイは意外にも方向音痴なところがある。なので、たとえ探しているとは言え、見つけられるかどうかの方が問題だった。 「ああ、こんなことなら二人に縄を付けておくべきだった」 はぐれてしまった理由が見当たらない。もう一度辺りを見渡す。 確か今頃なら港の近い街に着いている筈だ。ここには潮の匂いはしない。 「おかしいのう......」 不安になるほど彼は若くなかった。 「仕方が無い」 占いに使うカードを取り出した。もとはアニムの精神で出来ている。真実を見ろ、とカードが告げた。 「ほれ、お主にくれてやろう」 一番近くの木にカードを打ち付けた。 「アニム! よかった、見つかった!」 ルイが叫んでいた。 「おお、ルイ! バルクも」 「お前、ここで何やっていたんだ?」 大きな木のウロの中にアニムはいた。 「きっと、木精だのう。試しにエルフの贄が欲しかったのかもしれん。でも、やはり、エルフはまずいらしいのう」 「? まあ、いいや。シーフード、シーフード!」 潮の匂いがする。ルイが魚介類の料理を上げて行くのでアニムは腹を鳴らした。
こんな日記書き続けて七年でした。
草うららか
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