気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
何しろ、死にすぎだし。 「私は飲まれた。だから、もう元には戻れない。剣はもう私を使うことしか考えていないし、あなたの血すら欲しがっている」 「ラン……」 「ごめん、ね。辛い事ばかりさせて」 ミカサが剣を振り上げた。 「あり、がと……」 崩れ落ちるランをミカサは支えた。 ツプーテ王はランの剣によって死んでいた。 ほとんどの剣乙女はランの剣で亡くなっていた。 逃げ延びていたエンリャクとその部下たちは城の有様に驚きつつも、遺体を丁重に葬ることを約束した。 生き延びた剣乙女たちの中に、カスガの姉もキヨミズの妹もいなかった。亡くなった剣乙女たちの中にいると思われるが、顔すら覚えていない。 また、生き延びた剣乙女たちはほとんど飲まれかけていた。何を聞いても解からないが、被害者の会本部に預けることになった。 ミカサはまたレンを連れて旅に出るという。レンが塞ぎこんでいるので元気にさせたい、と言った。しかし、ミカサもまたダメージが大きい。 リンは本部へ預けられることになった。本人は不服だったが、ミカサに説得され、本部まで送っていくことで納得した。 ユリは相変わらずで、あの現場を見ても動じなかった。心なしか、ランの死によって元気が無さそうだった。キヨミズは無駄に元気だった。無理をしていた。だから、ミカサと同じようにユリとともに旅に出る。ツプーテと同じように剣乙女を利用する国や組織があるというが、しばらくは旅そのものを楽しむつもりでいる。 カスガとキッカもまた、旅に出ようとしていた。 「カスガ様、私はどこまでも付いて行きます」 「キッカ……じゃあ、うまいもんでも探しに行くか?」 「はい」 この二人もまた、元気なく歩んで行った。 「ごめんね、こんな事になるなんて……」 母親は泣いていた。生まれたばかりの赤子を抱きしめて。 「お父さんも助けてあげられなかった。あなたのお兄ちゃんも助けてあげられなかった。ごめんね、あなたに名前も付けてあげなきゃ」 母親は考えた。出来るだけこの子が幸せになれるように祈りながら。 「そういえば、あなたにはお兄ちゃんが一人いるんだよ。お兄ちゃんを探してね」
この話、ほんと、どうしよう? 「ラン」 ミカサが呼びかける。 「ミカサ? ミカサなのね。どうして、ここに?」 その目は開いていた。しかし、何も見えていないようだった。 「店主から聞いた。どうして、こんなことを?」 「わからない。私はどうしてここにいるの?」 「目は?」 「見えない。ミカサ、側に来てちょうだい」 ミカサは一歩、ランに近づいた。 「顔を触らせてちょうだい」 ミカサは側まで歩く。ランが手を伸ばせば届くところまで来た。血に濡れたその手はミカサの頬に触れた。頬が血で汚れる。構わずランは頬を撫でた。 「ミカサ、私を殺して」 ランははっきりと言った。
では、はじめます。 ツプーテ王国に入る。とは言っても複数の剣乙女を連れて入るのは困難なので王国に入るのは夜中、警備の薄い裏門から入る。 「おかしい」 カスガが思わず呟く。 あれほど厳重だった警備はいない。それどころか、街全体がひっそりとしていた。 「どうなっているんだ?」 リンが震えているのを見て、ミカサは声をかけた。 「リン?」 「兄さん、ここ危険」 おびえている。 「ラン姉さん......」 レンが城の方を眺めている。 「カスガ様......」 キッカは震えながらも手を引いていった。 ツプーテの城の中は、すでに閑散としていた。立ち向かっていったという兵士であろう者たちが所々に折り重なって倒れている。おびただしい血があちこちに飛んでいた。 夢でも見ているような光景だった。 「こっちだと思う」 奥へ行けば剣乙女たちも倒れていた。 「きゃ」 リンが悲鳴を上げかけた。口元を抑えて堪えている。 歌が聞こえて来た。それまでしいんとしていたところへ歌が流れて来た。 「ラン」 ミカサが呟いた。 「ラン姉さんの声よ」 レンが言った。 歌を追っていく。歌が大きくなるほど、剣乙女たちは震え、怯えていた。 歌が止ったころに、そこへたどり着いた。 白い服は血に塗れ、大きな剣を抱えた剣乙女はぼんやりとこちらを振り向いた。
寒さは続いています。
いや、信じられないくらい部屋が寒い。
カーニバル〜カーニバル〜!
寒い。
会った友人とご飯食べに行きました。
理由:今の携帯のSDカードが、電池を取り外さないと取り出せないので非常に不便です。 自由都市ニリンジョースはいつものように賑わっていた。しかし、ミカサがランを訪ねると、酒場は荒らされ、もぬけの殻だった。 「これはどういうことだよ」 キヨミズは二階へ向かう。ランがいた部屋はそれほど荒らされていなかった。ランは大した抵抗も出来ず、連れ去れたのだと皆が思った。 「ラン姉さん......」 レンが元気無く落ち込んだ。 「酒場の店主はどうしてんだ?」 ミカサは宛があるらしく、その近所を走り回った。そして、何かを聞いたのか病院へ向かった。 病室には頭や腕に包帯を巻いた店主がいた。 「おう、ミカサの旦那」 「ランは?」 「ああ、ツプーテだ。俺もこの様さ。奴ら、何考えているんだ? この自由都市すら手に入れようとしているのか?」 「さあな」 焦っている。カスガにはそう思う。 「ミカサ、早くエンリャクのところへ行きましょ」 「ああ、あんなのさっさと片づけようぜ」 ハーマスの言葉を無視し、キヨミズが言う。 「怖い」 そう漏らしたのは、キッカだった。 「怖い?」 カスガ聞き返す。 「怖いです」 キッカはおびえていた。 「何が怖いんだ?」 「嫌な予感がするんです。それが、怖い」
非常に寒いので、さっさと終わらせるに限る。
昨日、本屋に雑誌買いに言った時のこと。
そういうわけで急ぎ足。 本部から出るまで半日。いろいろ準備があるとミカサは言った。その間、簡単に旅支度を終えたカスガとキッカは子供たちが集まっている部屋へ向かった。 「あ、カスガお兄ちゃん」 ヒナだった。 「ニリンジョースへ行くんでしょ?」 「ああ」 「これ、ヒナのお母さんに渡して」 白い封筒を手渡す。 「私は元気だよってお母さんに教えたいの」 「わかった。必ず渡すよ」 「ありがとう」 少女がまた子供たちの輪に戻っていく。ハーマスによればヒナの母親のような境遇の少女もいるという。 「ヒナさん、元気になりましたね」 「そうだな」 「剣乙女も普通の人間なんです。私も、人が傷つくところはみたくありません」 「俺もさ。だけど、誰かがやらないと、剣乙女が犠牲になるんだ」 「そうですね」
雪は降り積もり、またかとため息。 「まずは、ツプーテに乗り込む。自由都市ニリンジョースにて待っている」 エンリャクはそう言って、本部を後にした。 「ふむ。私も行きたいところだが、ここを離れるわけにはいかん。キヨミズ、怪我は?」 「大したことねえ」 「よろしい。カスガ? 頼めるか?」 「ああ」 「ユリ、レン、キッカ、剣を頼む」 「まかせなさい」 「そして、ミカサ。皆を頼む」 「わかった」 「私も行く!」 リンがしがみつく。 「よし、いいだろう。リン、無茶はするな」 「はい!」 「では、皆、頑張ってくれ。あ、そうそう、キヨミズ、エンリャクが妙な動きをしても手をだすな。ミカサ、頼んだ」 「ちぇっ」 キヨミズは舌打ちした。
もうね、何も書くことなんかありゃせんのよ。 「じゃあ、俺たちは何をしたらいいんだ?」 キヨミズが尋ねた。ケガを負った腕には包帯が巻かれていた。 「国王を改心させることですね」 「んじゃ、殺すか」 「キヨミズ!」 ハーマスが声を上げた。 「君は血の気の多いようだね。君の乙女は......そうか、ユリか」 「ユリを知っているのか?」 「ああ、彼女がああなったのは私のせいだ」 「へえ、そうかよ」 キヨミズの剣がきらめく。しかし、ユリがキヨミズの前に立ちはだかった。 「なんだよ、ユリ」 ユリは首を振った。 「わかったよ、そいつは生かしておく。よかったな、おっさん」 「キヨミズ、ここでは剣を振るな。床が汚れる」 ハーマスが言った。 「エンリャク、もしお前が妙な動きを見せたら、私が自分の剣で始末する。キヨミズも、私の獲物に手を出すな」 「そっちかよ、おばさん」
どんどん踊らされている気がします。菓子会社に。
テレビを見ていて、
何がいいって、
ダラダラ休み、FF12を久しぶりに進めて(なんか葉っぱもらってくるやつ)、画面に酔って具合悪くして、寒くて身体機能低下気味になりつつもやっぱりゴロゴロしてました。 キッカはそのツプーテの宰相、エンリャクを見る。ユリ、ヒナ、レンもその男を見る。 「違和感は感じません」 「大丈夫そうよ」 「このおじさん、嘘ついてないと思う」 「……」 言葉を発しないユリは特に動こうとしないところからハーマスは頷いた。 「良かったな、すぐに殺されることはなさそうだ」 「嘘など吐いていない。本当にもう嫌になったんだ」 「まあ、それは信じてやろう」 「そうしてもらえればありがたい」 そしてエンリャクはキッカを見た。 「妖刀のキッカだね。君は追放となったんだ。でも、昔だったら妖刀でも利用していたかもしれない」 「私はもう妖刀ではありません」 「そうか、主を見つけたか。良かったな」 「はい」 「君がそんなに笑ったのを初めて見た。ハーマス殿、やはり笑った姿を見るのはいい」 「当たり前だ。剣乙女とて、人間と同じだ」 ハーマスは怒鳴った。彼に怒りをぶつけていた。
昨日の嘘、間違い。多分、こっちが正解だったと思う。 ツプーテ国の宰相は神妙な顔つきで言った。 「我々は、剣乙女を解放する事にした」 ハーマスの眉毛が跳ね上がった。 「我々のほとんどは耐える事が出来なくなったんだ」 「どういう事だ?」 「剣乙女に関われば、剣乙女が生まれる確率が高くなる」 「なんだって?」 「その言葉の通りだ。長年、剣乙女に関わった部下のほとんどが娘が剣を手にして生まれたという。私の娘もそうだ。だから、同じような目に遭わせたくない」 「ずいぶんと勝手な言い分だな。今までどれだけの剣乙女を剣に飲ませて来たと思っている?」 「許されないことをした。私のもとにも剣乙女が生まれたのは天罰だな。娘を暗い檻に閉じ込めることなどできん。無論、もう剣乙女を閉じ込めることも出来ん。部下も泣きついて来た。内緒で剣乙女を檻から出している部下を見てみぬ振りをした」 「私も、そんな一人だった」 「知っておる。何しろ」 「そうだ、お前が私を暗い檻に入れ込んだんだからな」 「ああ、そうだ。酷い事をしていた」 「......それで、どうしたいんだ?」 ハーマスは静かに尋ねた。 「残念ながら、剣乙女を解放することは私にはかなわん。どうか、ハーマス殿のお力を借りたい」 「いいだろう。ただし、お前が本当のことを言っているかどうかだけは確かめさせてもらうぞ」
某副署長のお言葉。
いろいろ企んでいたのに、さっぱりでした。
本当ですが、実は三択だったのであてずっぽうです。 「だめ」 レンが言った。 「だめだよ。リン、あなた、一度ツプーテに戻って情報を引き出すか私たちを城内に入れてくれることを考えてない? そんなの、駄目」 「そうだけど、どうして?」 「ツプーテは、抜けた者を許さない。剣乙女といえど、命が無いかもしれない」 「そうだ」 ミカサも言った。 「力になってくれるのは嬉しい。だけど、そのためにツプーテへ戻らないでくれ」 「兄さんがそう言うなら。私は何をすればいい?」 リンがそう尋ねたとき、ドアをノックする音が聞こえた。 「これはこれは、エンリャク殿」 ハーマスはその男を迎え入れた。 「いやはや、これだけの剣乙女をよくぞ集めた」 エンリャクと呼ばれた中年の男は、薦められたソファーに座った。 「よくも、今まで騙してくれたわね」 リンはエンリャクに向かって言った。 「リン、他の仲間はどうした?」 「知らないわ」 「そうか。もう戻るといい」 「戻らない」 「まあ、いい。ゆっくりしておいで。ハーマス殿、この子をお願いする」 「ああ、いいでしょう。しかし、何しに来たのですか? ツプーテ国の宰相が」
ただのしかばねのようだ。
今日は休んじゃおうか?
ああ、もうコレどうやって終わらせようか? 現在この場にいるリンは名前もつけられない内にツプーテに連れて来られた。名無しの剣乙女はツプーテへ来ても名前は無いままだった。 そこへ弱った剣乙女がその名無し剣乙女を世話する事になった。弱った少女は自ら命を絶とうとしていた。剣に飲まれる前に自分を殺そうとしていた。それをさせまいとしたのか、彼女に世話をさせようとした。それが、リンだった。ミカサの妹だった。 それでも一時は命を絶つことを忘れ、名無しの少女の世話をした。しかし、日に日に弱っていくリンは生きる事を諦めた。 「貴方の剣、貸してちょうだい。その代わり私のものを全部あげる」 こうして、名無しの少女はリンという名前と、兄、ミカサを貰い受けた。 「私、代わりになるかな?」 「ああ、もちろん」 リンはミカサの顔を見て、にまにまと笑った。 「そうだ! 私、皆を助けるよ」 ミカサに向かって言った。 「私も手伝いたい」
イカール星人再襲! 「そういうことで、正真正銘お前の妹だ」 ケガを負ったキヨミズはリンを連れて本部へ戻った。 ケガの手当をハーマスがしながら、キヨミズはミカサに向かって言った。 「リン.....なのか?」 「そうだよ、リンだよ」 リンがミカサに抱きついた。 「すまない。もう顔も覚えてない」 「いいんだよ、兄さん。だって、私、兄さんの顔もなにも分からないうちにツプーテに行ったから。私は兄さんの顔を知らない。ただ、名前だけ姉さんから聞いていた」 「......姉さんは、いない」 「うん、だって、リンは姉さんの名前。姉さんが死ぬとき私にリンという名前をくれたの。だから、姉さんの兄さんは、私の兄さん」 「......そうか」 ミカサはリンの頭を撫でた。
メモをみたら、 「キヨミズ」 乙女は答えた。 「じゃあ、お前、クチナ」 「ええ、そうよ!」 クチナは剣を振るい上げてキヨミズに斬りつけた。 「おまっ......!」 「残念ね、キヨミズは私の兄じゃない。その子のなんとか心を読んで知ったのよ」 「くそっ!」 キヨミズが剣を落とし、地面に倒れた。斬られた肩から血が吹き出る。そこにユリが剣を拾い上げる。 「大丈夫よ、この子は助かる。私が逃げる為にやったんだから」 「......そいつの言う通りだ、ユリ。ムカつくけど、手を出すな」 ユリは無表情に剣を下ろす。ただし、放さない。 「本当の兄の名前は、ミカサだよ」 「ミカサかよ......」 「坊やのような子じゃない」 「ああ、あんな奴と一緒にすんな。あんな朴念仁」 「知ってるのか?」 「知ってるも何も、アイツが会長だからな」 「じゃあ......」 「お前は体よくツプーテに使われていただけさ」 肩の傷口を押さえて立ち上がる。 「本当に殺すつもりじゃなかったんだな」 ユリが心配しているのか駆け寄った。傷を眺めて自分の服の袖を破って肩に押し当てた。 「ごめんな、ユリ」 そして、乙女を見る。 「じゃあ、お前はリンだな」 「どうして、知っている?」 「ああ、ただ、ラン、レンと来たら、リンだろ? ユリの心を読めるんだったら確かめてみたらどうだ?」 「残念。その子からはあなたの名前しか読めない。でも、飲まれているのに不思議ね」
余計なお話が始まりますよ。
草うららか
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