気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
早いもので、今年も終わりが近づいていますね。
仕事納めで、その後正月休みです。 カスガたちが乗っている馬車はエシニップに着いた。正確にはエシニップを通り抜けた郊外の宿に着き、そこで一休みをするところだった。 「ここで一休みだ」 御者が言った。 「ミカサさんたち、大丈夫かな......」 「あの方なら大丈夫だ。さ、もうじきこの辺は寒くなる。早く入ろう」 三人は宿に入った。御者は馬を小屋に入れている。 「ようこそ、あなたたちは訳ありね。私はメー、ここの女主人。とりあえず何も聞かない」 「え、と」 「女の子たちは同室でいいかしら?」 「ええ、お願いします」 御者は既に女主人メーに会っている。旧知のようで彼が来たら当たり前のように小屋の鍵を渡していた。
ので、年賀状書く気も起こらないのです。 「ヒャクア、キョウ、ナデン、スズラ」 レンは唱えるように言った。 「ラン姉さんが教えてくれたわ」 「戻れない」 「そうだね」 レンの声は沈んでいる。 「......ナーロタスに着いたら甘い物でも食べさせてやる」 「やった! じゃあ、いっちょやりますか!」 「ほどほどに」 剣乙女の士気は剣にも影響される。飲まれた剣乙女二人がミカサとレンを襲った。 レンは素早くその場を離れ、ミカサは二人をなぎ倒した。 「さ、行こうか」 「そうね」 剣乙女たちは地に伏していた。その剣だけを拾い上げて、ミカサはそれを馬にくくり付けた。 「すまない。君たちは悪くないのに」 レンとミカサはまだ気を失っている剣乙女たちをその場において離れた。
オタク話は盛り上がる。
寒波です。
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って、大掃除を成功させたことはない。
たぶん、今までで一番長い題名かと。
お気づきかと思いますが、かなり変な方向行っているかもしれません。 カスガは他の剣乙女に向かう。剣乙女は剣を彼に向けてためらいも無く向かう。先の腹が裂けて倒れた乙女も踏みつけて。 カスガは苦虫をつぶしたような顔でそれに向かった。 やらなければ、やられる。 そう思って、刀を振り上げた。 ギッ! 振り下ろした刀が止った。 「さっすが〜! やるぅー!」 明るい女の声が聞こえた。 「もう、下がれ。任せろ」 反して暗い男の声。どちらも聞き覚えのある声。 「レンさん!」 キッカが叫んだ。そこには派手な衣装の剣乙女レンがいる。 カスガを止めたのは、もちろんミカサだった。 「これをやったのはお前か?」 「そうだ」 「キヨミズの情報は当てにならないな」 ミカサは剣乙女をなぎ倒す。気絶させただけで、殺してはいない。 「お前たちは先へ進め。この乙女たちの事は任せろ」 「そうそう。すぐ追いつくから待っていてねー!」
北斗星乗りてぇー!
だいたい、なにしようかなーとか、いつ弁当食おうかなーとか考えているうちに着きます。あとは寝てるとか。
お忍び旅中ですが、にんにくとリンゴの関係について。リンゴとはちみつといえば某カレーですが、実際はカレーは有名でなく、知らないと言う方が多いかも。リンゴを長期保存するためにはちみつづけにしたとか。
なんとなく思いついた言葉の切れ端。 エルギフまでは無事に着いた。天候も順調でエシニップへの道も軽やかに行くはずだった。しかし、もう少しというところで女たちが立ちはだかった。 「......」 女たち三人はにらむように馬車を見ていた。馬がすくんで立ち止まる。女たちは何も言わない。 「飲まれています。あの、ユリさんよりも深く飲まれています」 キッカが馬車から飛び出した。 「......」 女の一人が切り掛かった。それぞれ違う形の剣を手にしている。 「キッカ、いくぜ!」 「はい、主様」 カスガもキッカの妖刀を振り上げた。 「彼女たちは、剣乙女か?」 御者の男が尋ねる。 「そうです。彼女たちは飲まれてしまったのです。可哀想に。もう、元には戻れないかもしれないです」 「そうか、彼女たちが......もしかしたら、私の娘もそうなっているかもしれない」 男はうなだれた。 カスガが一人から剣を叩き落とす。更に妖刀はその剣を叩き折る。 「あ、ああ......」 女は折れた剣に近づこうとした。その前に女の腹が裂ける。 「ぎ、ぎあああっ!」 女の悲鳴が上がった。 「これが、私たち剣乙女です。剣が使い物にならなくなると、私たちもこのようになります」 キッカは無表情で言う。 「私はいやよ。死にたくないもの」 ヒナは馬車の中でうずくまりながら呟いた。
今更なんですが、もやしもんの作者の「純潔のマリア」がかわいいです。 ナーロタスへ向かう道は、馬車が通っていた。小さな女の子を歩かせるのは忍びないのでそれを利用する。キヨミズの勧めでもあった。被害者の会の息がかかっているという運送屋だという。 「馬車は初めてです」 キッカは馬を物珍しそうに見ていた。馬の方は素知らぬ振りでわらをむしゃむしゃやっていた。 「ナーロタスまで護衛がてらか? まあ、いいぜ。半額にしてやるよ」 「あんがと、おっさん」 「まあ、いいってことよ。この嬢ちゃんたち、剣乙女だろ? 俺も末の娘が剣乙女でよ、結局国王に獲られちまったクチだ」 「そうなんだ」 「だけどよ、報復が怖いがため、やすやすと娘を売っちまったんだ。情けない話、ウチに余裕がなくてよ」 キッカはその男に話しかけた。 「この子、かわいいね」 「ああ、大人しい馬さ。さ、そろそろ出発するぞ」 自由都市を離れて、しばらくは馬車旅だった。三日、四日はかかるという。そのため、エルギフとエシ二ップにて休憩、宿泊する。ただし、エルギフとエシニップはツプーテの中継都市であるという。 「大丈夫だ。郊外にも宿があるんだよ」 男はそう言って安心させた。
思わず思った。(アレ?)とにかく、おわたっ! 何がって、面倒くさいこと今月分。 カスガが思った通り、剣乙女ヒナは簡単にさらうことが出来た。カスガの言葉になんの疑いを持たず、素直に付いて来た。 彼女の家のポストには『娘は我々が預かる』とだけ書いた手紙を入れた。 「ねえ、お母さんは?」 「君のお母さんは、とても怖い病気になってしまったんだ。だから移るといけないから君はしばらく離れて暮らさなければならないんだ」 「お母さん、病気なの?」 「そうだよ。お母さんの病気が治るまでの辛抱だからね」 「......うん」 「そうだ、ヒナは何が好きなのかな? 甘い物は好きか?」 「うん、ケーキが好き」 「じゃあ、ちょっと食べていこうか?」 「うん」 こうしてヒナは無事誘拐された。 キヨミズの案内により、ヒナを連れて被害者の会、本部へ向かう事になる。本部は自由都市より北へ向かい、エルギフ・エシニップを通り抜けた先、ナーロタスの街にあるという。 「ずいぶん、遠くにあるもんだな」 「まあ、ツプーテに対立するんだからな。出来るだけ遠くに置くのが基本だろ」 キヨミズとユリと別れ、ヒナを連れて二人はナーロタスへ向かう。
寒いです。 宿の部屋にて作戦会議が行われた。会議とは名ばかりでカスガが作戦を述べるだけのものだったが。 「あの子をさらうのは簡単だろうな。多分、母親には何の注意もされていないだろうし。だから、誘うだけでいいはずだ。母親には手紙を送ろう。娘は預かっているってだけ。そうすれば、彼女は簡単に手は出せない。お金は払いたくないし、娘は死なせたくない。金づるだからね」 「わかった」 「で、ちゃんと保護できるんだろうな」 「もちろん。保護した中にはまだ赤ん坊の剣乙女だっているんだ。優秀なベビーシッターもいる。ただ、孤児が多いけどな」 剣乙女は無理やり連れられるのが多い。そのため、一人の剣乙女のためにその一家を潰すことも珍しくない。
今週の一言:なんか、山崎が本当に久しぶりだわ。(先週から出てるけど)久しぶりに見るとなんか可愛い。しかし、彼が表紙を飾る事は(作者曰く)ない。
明日からまた働くどー!(とりあえず、気合いだけは入れとく) キヨミズが惚けた顔をカスガに向けていた。 「お前、馬鹿だろ」 「でも、これで母親も殺さず、娘も無事だ。剣乙女は保護するんだろ?」 「まさか、人を殺したくないのか?」 「......出来るなら」 「なら、不合格だな」 「仕方が無いね」 「だけど、お前は被害者だ。お前の姉さんを助け出すのも自由だし、俺たちが助けてもいい。ただし、俺たちの邪魔をするのなら、その時は殺すからな。それと、今回だけはお前の言う通りにしてやるよ」 「ごめん」 「謝ることじゃねえ。多分、お前の気持ちは分かるから。じゃあ、まず作戦を立てるぞ」 「なんの?」 「あの子をさらう作戦だ」 「不合格じゃないのか?」 「提案者が作戦にいないなんて変だろ?」 ユリがカスガの手を引いた。 「どうやら、ユリもお前の事が気に入っているようだし。ほら、もう今日は遅いし宿にでも行くぞ」
この間の忘年会で飲んだ酒がかなり効いたので、今日の忘年会は控えた。
陽気が一転して、12月らしいというか、寒い。もう、雨でいいから雪降るなって、寒い。ヒューヒューいってんじゃないよ、寒い。 キヨミズはユリの顔をじっと見つめる。ユリもまたキヨミズの顔をじっと見つめていた。 「本当か、ユリ?」 「……」 少しだけ頷いた。 「でも、何の嘘を付いているんだ?」 「多分、あのお母さんは娘を売っていたんだと思います。娘が戻ってきたところでまた、売ろうと考えている。そして……」 「俺たちが助け出せば、また金が入るってことか」 キッカはそれ以上のことを口にしなかった。 「あの母親を殺すぞ」 キヨミズはきっぱりと言い、再び玄関の前に立とうとする。 「待ってくれ。いきなりじゃあの子が可哀想だ」 「可哀想? そんな母親と一緒にいる方が可哀想だろ?」 「だから、待てって。要はあの母親が娘を売らなければいい話だろ? 売れないようにすればいいんだ」 カスガは、すがるように言った。それでキヨミズは玄関から離れた。 「何か、作戦でもあるのか?」 「あの子をさらうんだ」 「ああ?」 「だから、さらうんだ。そうすれば母親は娘を売らない」
続きを。 「そういうわけだ。お前等は被害者の会に入る資格はある。だけど、さっきのようなこともやるんだ。それなりの覚悟はしないとならない」 キヨミズは言った。 「俺たちは、目的の為ならば人の命すら奪うんだ」 「じゃあ、俺がもし姉を助けたいと言うなら入ってもいいのか?」 「もちろん。覚悟があるのならな」 「じゃあ、その子を送り届けたら一緒に連れて行って欲しい」 「入会希望者は歓迎するよ。だけど、入会試験がある」 「入会試験?」 「そうだ」 その子を送り届けたら、母親はその子を抱き上げて喜んだ。 「ああ、よかった」 母親はひとしきり喜んだ。 「良かったな、お嬢ちゃん」 「うん」 しかし、キッカとユリは怪訝な表情をしている。 「どうしたんだ? キッカ」 「いいえ、別に」 「そうか」 少女の家を離れると、キッカはカスガに向かった。 「あの子を助けてください」 「はあ?」 ユリがキヨミズの顔をじっと見つめている。 「あの子の母親は嘘をついてます」
何故だ。
はーい酔ってまーす。
平日のお休みです。 「まあ、いいか。お前、いい眼をしているし。多分、旦那はあんまお前を巻き込みたくなかっただけみたいだしな」 キヨミズはカスガに語りかけた。 「俺たちは、簡単に言えば剣乙女被害者の会ってやつだよ」 「剣乙女被害者の会ぃ?」 「そうだ。アイツは、ミカサの旦那は妹を探している。俺はお袋と妹だ。お前は?」 「姉を。母もだった。ランさんによればもう亡くなったらしい」 「そうか。そうなんだ。お前のように家族に剣乙女がいるためにツプーテの王によってさらわれたり無理やり連れ去られたりする。そんな被害者の会なんだ」 「そうか。キッカ、お前も家族がいたんだろう」 彼女は首を振った。 「もう、いません」 「そうか。じゃあ、お前も被害者だな」 「ええ、だから、カスガ様と共に行きます」 「なんだか、のん気だな、お前らは」 キヨミズは呆れながら言った。それでも、この二人をほほえましく思った。
というのはそっちの話で、こちらは続きを行います。 少女の名前はヒナで、自由都市に住んでいる少女だった。老人に道案内を頼まれてからの記憶がないらしい。 老人はこの少女を剣乙女と判断し、声をかけて少女が一人になったところで眠らせてツプーテへ連れて行こうとしたようだ。 「良かったな、嬢ちゃん」 キヨミズは少女をおぶって自由都市を目指す。カスガとキッカもそれに付いて行った。少なからずとも少女を危険な目に遭わせかけたのだから、無事に送り届けたいという責に駆られた。 「おじちゃんはどうして私がここにいることを知っているの?」 「ああ、それはな。ランという姉ちゃんが教えてくれたんだ」 「ランって、もしかして、酒場の二階の?」 カスガ尋ねた。 「おお、お前等、ミカサの旦那の知り合いか?」 「ああ、そうだけど」 「でも、その様子だと、旦那たちが何をやっているのかまで知らないようだな」 キヨミズはじっとカスガを見つめた。
予告どおり、今日もお休みです。
意識してましたよ。VPのアンジェラことジェラード。彼女も木箱に入れられてその後は......。知らない方は中古屋行ってVP購入してこよう。冒頭(かなり長い)でご覧いただけます。 剣乙女だった。 「なあ、ジジイ。この娘をどうするつもりだったんだ?」 男は尋ねた。その声に怒りが含まれている。老人は黙ったまま狼狽えている。 「あの国王のもとに持っていって礼金貰おうとしているんだろ? そして、あの娘も一緒に差し出そうとしていたな」 ユリと呼ばれていた剣乙女は老人に剣を向けていた。 「お、老先短いんじゃ、頼む、見逃してくれ」 「ああ、いいぜ。俺はよ。だけど、ユリは見逃してくれないだろうな」 彼女は無情に剣を老人に振り下ろした。 老人の断末魔が響いた。キッカはぼんやりと聞いていた。 「さて、ゴミも片付いた。次はあんたらだ。見たところ、その子を城へ連れて行くわけじゃ無さそうだな」 男は名乗るように言った。カスガはそれに素直に答えた。 「私は、妖刀だから城から追われた身。この方は主と認めたから付いています」 男はにんまり笑った。 「じゃあ、俺と同じだ。俺は、キヨミズだ。彼女はユリ。見ての通り半分くらい飲まれていると 思う」 ユリは剣の血を払い、鞘に納めている。 「キッカはまだ話せるんだな。ユリはもう話せないんだ。だけと俺を主とだけは認めているらしい。俺がいれば食事をしたり眠ったりして、なんとか人間の営みをしている」 「飲まれるって、こういうことかよ」 「ああ、キッカは大丈夫だろうな。ユリは遅かった。俺が出会った時にはもうこうなっていたから」 キヨミズはユリの頭を撫でた。心なしか、彼女の顔がほころんでみえた。 「さて、この娘をどうするか、だ」 まだ眠っている少女に近づいた。 「おい、大丈夫か?」 少女は目を覚ます。何が起こったのか分からず、回りを眺めていた。 「お母さんは?」 「嬢ちゃん、うち分かるか?」 「うん」 「じゃあ、兄ちゃんたちが送っていくから帰ろう」 「うん、ありがと、おじちゃん」 少女は満面の笑みで答えた。
携帯に前の事業所から電話が入っていた。仕事終わった後に連絡したんだけども、誰が電話したのかわからない状態。誰が電話を? カスガとキッカは護衛で再びツプーテ国に向かう事になった。約半日という短い期間だった。大きな木箱と年老いた男の護衛。 「いやあ、若いのと一緒だと心強い」と男は言う。 二人は荷台の後ろについて歩いた。 もう少しで国に入るところでそれに出会った。 半日という短い期間にもかかわらず、それは起こってしまった。 「よう」 その男は軽く手を挙げた。その側には剣乙女がいた。自ら剣を背負っている。 「そいつの中身見せてみろや」 男は飛び降りて年老いた男を蹴飛ばした。 「う、うわっ!」 軽く蹴飛ばされた男は逃げ腰になり、あたふたと男から離れる。男は構わず木箱に手をかけようとした。それをカスガは刀を抜いて防ごうとする。 「!」 剣乙女はカスガを薙ぎ払った。 「カスガ様!」 キッカが叫ぶ。 「......」 剣乙女がキッカに気づいた。 「大丈夫ですか」 「ああ、大丈夫だ。避けたから」 「ユリの剣を除けるとはな。まあ、いい。剣乙女がいるのならこの中身を知っていた方がいいだろう」 男は木箱を叩き壊した。華奢そうにみえるその身体と裏腹に、かなりの怪力の持ち主らしい。 「これが、お前たちが運んでいるものだ」 そこには少女が剣を抱いて眠っていた。
だったっけ? カスガはうなだれた。 「そうか。いや、いいんだ。もう諦めていたんだ」 「しかし、あなたのお姉さんは生きています。まだ飲まれていない娘なので、早く救ってあげて」 「姉さんが!? 飲まれるって......?」 「剣乙女は自らの剣に飲まれる事があるの。それは自我を無くし剣の意思のみで生きる事になる。剣は血を求め乙女はそれに従う。よって、乙女は命が尽きるまで剣に血を吸わせる」 「じゃあ、キッカは?」 「その子は、とても不思議。食われているようで食われていない。大丈夫、その子は剣を支配出来るから」 ランはそれ以上話さなかったので、三人は部屋を出た。 部屋から出ると、ミカサは別れを告げた。酒場の前で待っていたレンも別れを告げる。 「バイバイ。またね」 「お世話になりました」 キッカは頭を下げた。 「いろいろ、ありがとう」 カスガも言い、ミカサとレンはまたツテープへ向かった。 二人と別れたカスガは自由市場へと向かう。 「ここはなんですの?」 「ここは、仕事を売る場所なんだ。真っ当なものからいかがわしいものまで売ってる。でもほとんどは護衛とかそんなのばかりなんだ」 「護衛?」 「ああ、そうだよ。俺たちもツテープへ向かうんだ」 「お姉様をお助けするのですね」 「ああ。キッカ、辛いだろうけど」 「大丈夫。私には主がいます」
怒りもおさまり落ち着いて対応出来るようになりました。多分。あとは上に冷静に伝えるだけです。(月初めに来ると思うので) 翌朝、ミカサはキッカとカスガを連れてランがいる酒場を訪れた。 「会いたいと言っていたから連れて来た」 ランはまだこちらを向かない。 「まあ、本当に連れて来てくださったのね」 窓に向かって言った。 「キッカ、お願い。私の側まで来て」 キッカはカスガを見る。カスガは頷いたので、ゆっくりとランの側まで歩んだ。ランは振り向いた。その顔は美しかったが眼は閉じていた。 「眼を明ける事が出来ないの。ごめんなさい。あなたの顔を触らせて欲しいの」 キッカはランの手を取ると自分の頬に当てる。 「まだ幼いのに、大変だったわね。でもカスガとは仲良くやれそうね。頑張ってね。剣乙女の幸せは普通の人間の幸せと同じなのだから。剣乙女は人間と変らないのだから」 ランはキッカの顔を撫で回し、やがて放してまた窓を向いた。 「眼を開けると、他の剣乙女たちを見る事が出来るの。でも、ツテープに捕われた剣乙女たちを見るのはとても辛い」 「そんなことが出来るのか?」 カスガが尋ねた。ややその言葉に驚きが込められている。 「ええ、あなたのお母様の姿も見た事があります」 「お袋は......」 「ごめんなさい」 後ろを向いたまま彼女は首を振った。
草うららか
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