気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
日本語でこんな言葉を使うのはとっても申し訳ないのですが、この表現がものすごく的確なんじゃないかと思います。
DSのどうぶつ森初めて一年以上経ちます。 「放浪の旅?」 「ああ、まあ。賞金首を捕まえたりしてさ、路銀を手に入れて、あちこち放浪してんだよ。オリオ兄はここから離れないけど、グリバッカス兄とモーサビット兄とコルト兄は年に一度帰って来るくらいだから」 「ふーん。なんか、すごいね」 「俺はまだ出してもらえないし、ハイネ......ハイネーケってんだけど、女だからな、きっと出ないと思う」 「そうかなあ? 女だからってていう考えは止めといた方がいいよ」 「なんで?」 その問いにグオンが答えた。 「男と女に思考の大差はほとんどない。人によって物の好きずきがある。生まれた環境が似通っていれば、ハイネーケ王女もいつか旅に出たいとおっしゃるだろうな」 「......まあ言われてみれば、お転婆だしなあ」 そんな時、扉が開いた。 「お転婆で悪うございました」 カシスと同じ金髪の軽くウェーブかかった、十二歳ほどの少女が入って来た。部屋着ながらもフリルの着いたワンピース姿である。 「ノックも無しに失礼しました。でも、聞き捨てならなかったので」 「ハイネーケ王女ですね」 とグオン。 「はい、ハイネって呼んでください」 「私はグオン。そっちのがベグゼッドだ」 「お世話になるよ、ハイネ」 「ベグゼッド様、グオン様、ごゆっくりどうぞ。カシス兄様は頼りにならないと思いますが、よろしくお願いしますね」 そう言って、彼女はぺこりとお辞儀して、部屋を出て行った。 「なかなか出来た妹君だな」 グオンは感心して言った。
肩も腰も腕も痛い状態です。
チケットぴあのIDとかほんと忘れる。 「その辺は込み入った事情があるんだけど、な。俺にもよくわからないんだ」 と、カシス。「私のことは気にせずに」とラナは笑った。 『127』と『131』が二人の部屋だった。 部屋は日当り良く、広い中庭が見える。円形となっており、観客席がある。 「なんか、競技場みたいだな」 「年に一度兄弟たちで剣技大会をやるんだよ。明日じゃないけどな」 カシスがつまらなそうに言う。 「ふーん。でも、さっきオリオに会ったけど、他の兄弟は? 多兄弟だって聞いたけど」 「ハイネには会えるけど、他は、ちょっと」 「ちょっと?」 「旅に出ているんだ」 「旅?」 「うん、放浪の旅」
読む本がたまっているせいか、急いで新刊を買う必要がなくなっている。(読みたいものは除く) 「なんだ、これ?」 部屋の番号は1、3、5、7、11......と振られていた。 「素数だね。なんでこんな事するんだ?」 「さあ、古い建物ですからね」 ラナはそう言い、部屋の前まで案内する。 「こちらがお客様用のお部屋です。ベグゼッド様、グオン様、どうぞごゆっくりなさってください。何かございましたら、この鈴を鳴らしてください。私が駆けつけますので」 小さな鈴をベグゼッドとグオンに預けた。 「ラナ嬢、早速で申し訳ないのだが」 と、グオン。 「何でしょう?」 「お休みの日があれば私と一緒にランチなどどうでしょう?」 「ごめんなさい。私に休みはありません。ここで働く事が私の生き甲斐なのです」 ラナはそう言って笑った。グオンは首を傾げる。 「貴女は、メイド協会のメイドではないのですね」 「はい」 コンファイアにあるメイドの育成、派遣を行う機関メイド協会ではメイドの派遣期間から休み、給料まで決められている。休みのないと言ったラナはビアソーイダ直属のメイドだった。
って、聞くと銀魂の(以下略)。 「では、食事の時間まで。今夜は宴会だ」 と王は嬉しそうに言った。 謁見の間を出る。 「さてと、じゃあまず部屋に行こうか」 カシスが言った。すると、ショートヘアの若い娘が現れた。音もなく。 「ラナ」 「お部屋の準備はできております」 ラナと呼ばれた娘は言った。 「うちのメイドだよ」 「ベグゼッド様、グオン様、こちらです」 ラナは前を歩き始める。 謁見の間からまた扉の並ぶ廊下に出て、そこから五番目の扉に入る。そこは上に上る階段だった。 「下への階段の隣りがこの階段にです」 そして、また廊下に出る。三階に当たるこの廊下もまた扉が並んでいた。違うのは番号が振られていたことだった。
先日見た「きょうのりょうり」でホットケーキを紹介していたので、作ってみた。 絵に描いたようなホットケーキになりました。 この間(だいぶ前のこと)、タワー登った。伯母が無料券もらったんで......。無料でなかったら行かないわ、地元の人は。 例の三角の部分。 うん、まあ、一緒に写真でもいかがですか?ってことで。 そーいえば、ドラえもん展行ったとき、のび太の部屋が記念撮影用になっていて激写しまくってた。(すげー変な人と見られたに違いない) 個人的に、ライオン仮面あるところがお気に入り。
なんか、よく聞き間違いをします。昔からなんだけどね。 広い謁見の間。扉から約十メートルほど奥に玉座がある。 「おお、帰ったか。カシス。迷子になってないかと心配した」 ビアソーイダ王はゆったりと言った。歳はベグゼッドの父と同じだが、それよりも年を重ねているように見える。 「親父、連れて来たぜ」 「初めまして。ベグゼッド=オウルです。お世話になります」 「ほう、お前がロソニアの息子か。メクリアとよく似ておる」 「母上と?」 「ああ、メクリアも美しい女性だった。まあ、お前の父親は恋敵だったな......」 ビアソーイダ王は咳払いをして、グオンに目を向けた。 「グオン=サルガリードです。軍術家ですが......」 「ベグゼッドの教育係みたいなものなんだって」 と、カシスが言う。 「それならお前も見てもらいたいものだな。それはともかく、長旅お疲れだったな。夕食までゆっくり休みなさい」 「ありがとうございます」
忘れてたけど。北国特有の行事、タイヤ交換しました。 私信:多分へろへろなんで二次会など無理だ。どら焼きを切望します。でも、今度こそケーキおごれる?(本当に地元以外の人に言ってるな、この台詞) そんなわけで明日早いので、ここで失礼します。
近頃の陽気で、桜が咲きました。 狭い階段を上るとまた扉があり、それをカシスは開いた。そこからは幅広く長い廊下が続いていた。廊下の両側には等間隔に扉が並んでいる。階段の扉を閉めると、それも同じ並びにあった。方向感覚や記憶力が優れているとしても、一度でその扉の位置を覚えられないだろう。 「こっちだ」 カシスは指を指した方向は更に幅の広い廊下へ続いていた。 「謁見の間だ。親父がいる。規則だから、とりあえず午後三時までは謁見の間にいなけりゃならないんだ」 休日以外の日は、午前九時から午後三時まで。昼食もそこで済ませる。 大きな扉の前に立つ。古めかしいが金属は錆びてない。手入れがいいのだろうとベグゼッドは思った。 カシスはノックをした。そして耳を澄ます。 「はいりなさい」という小さな声がした。 「コレやんないと、親父寝てるときあるんだ。側近が起こしてからじゃないと入れない」 取っ手に手をかけて、力を入れる。 「ただいま。親父」
早いんですよ。
こちらをご覧ください。 「それじゃ、帰るかな」 カシスは二人を連れて人や店で賑わう大通りを抜けて、ビアソーイダの中央に向かう。そこに大きく古い城が建てられていた。少し高い丘にあり、街を見渡す事が出来る。 その城の入り口は人々が自由に行き来していた。 「なんでこんなに人の出入りが激しいんだ?」 「ああ、そりゃあ一般公開してるからね」 中に入ると、すぐ広間があり、至る所に看板が立てられている。『一般図書館』『大浴場』『博物館』となっていた。 「大浴場? 図書館? 何、これ?」 グオンは黙っていたが、それは呆れているといった様子だった。 「まあ、代々の王の趣味らしいよ。大浴場は夜には閉めるから、後でゆっくり入るといいよ」 「図書館......」 「ここに来てまで本読む事ないだろ。それよりも、こっちだ」 カシスが二人を引っ張り、図書館への入り口の脇にある、小さな扉の前に立った。その横に椅子があり、青年が一人座っていた。こちらには気づかない様子で本を読みふけっている。 「お帰り、カシス」 本から目を離さず、青年は言った。 「オリオ兄、ただいま。ベグゼッド、連れて来たぜ」 やっと、本から目を離してオリオと呼ばれた青年は立ち上がった。 「失礼しました。フォーランズ王国の王子、ベグゼッド殿ですね。そちらは?」 「ベグゼッドの家庭教師みたいなことやってるグオンだって」 「初めまして、グオン殿。紹介が遅れました。私はビアソーイダ第ニ王子、まあカシスの兄のオリオです」 「お世話になります、オリオ」 ベグゼッドが手を差し出したのでオリオは軽く握手をした。 「長旅、お疲れ様でした。自分の家と思ってゆっくりしてください」 「じゃあ、兄貴。親父に会ってくるよ」 「後で」 カシスは懐から鍵を取り出し、扉を開いた。そこに階段が続いている。 「オリオ兄はあそこで本読みながら見張りしているんだ」
好き嫌いなくなんでも食べられます。お酒も多少飲みます。的な事を書いた。 鐘が鳴る。 陸が見えて来た合図だった。それを聞いてベグゼッドは甲板を出る。そこはすでに懐かしい陸を見ようと人が集まっていた。 「慌てんなよ、ベグゼッド。今度は嫌って言うほど陸にいられるんだぜ」 「うん、そうだね」 ビアソーイダはすぐそこまでだった。 ビアソーイダの港はにぎやかだった。ビアソーイダは中央に位置するだけに船の出入りが盛んだった。それ故に人の出入りも品物の輸入、輸出も多い。 陸に足が着くと、ベグゼッドは一気に力が抜けた。 「オフィーリス嬢はこれからどちらへ?」 「北の方へ」 「北ですか。お気をつけて」 「ありがとう。もう、船が出るらしいの」 「お見送りします。お前らはそこにいろよ」 「いいわ。見送られるとちょっと寂しいもの」 「そうですか」 グオンは少しがっくりしたような表情をしたが、一瞬で笑顔が戻る。 「いってらっしゃい。オフィーリス、またね」 「ええ、ベグゼッド。またね」 オフィーリスは人で賑わう中を一人入って行って、すぐにまぎれて見えなくなった。
五日勤務だ〜! あははは〜! (いや、普通だろと言うと思いますが。その辺は諸事情があるのでカット) カシスは続ける。 「だけど、一説じゃビールはビアソーイダのためにティママンが作ったものだから、他の国に持ち込んでは失礼に値するってことらしい」 「ふうん。それ、あの本に載っていたことだな」 「バレたか」 ベグゼッドが貸した本にそのような記述があった。 「と、言う事はお前、知ってて聞いたのか?」 「うん、まあ」 「結構、ヤな性格じゃないか?」 「そうか?」 「まあ、いいや。それより残ってる菓子でも食っちまおうぜ。グオンがオフィーリスにおだてられてまだ茶を入れているから」
しまったあー! 最終回撮るの忘れた!
ソウルイーター、前代未聞のレイトショーとの連動放送。内容は、ちょっとオマケ入って放送してますよ的なもの。夜だけ見ようかなと思いますが、夕方放送が一週間早いのでそっち見ちゃうんだろうなー。 茶の苦さはともかく、それを舌に残さない。香りだけがすっと鼻を抜けて行く。 美味かった。カシスは素直に思う。 「ごちそう様。とてもおいしかったわ」 オフィーリスがそう言った。 「後で来てもいいかしら? またこのお茶が飲みたい」 「是非いつでも」 「じゃあ、後でね」 「ええ」 明日の午後にはビアソーイダに到着する。 次の日は、晴天だった。旅慣れない者たちはそわそわとして甲板に出ている。ベグゼッドはそんな一人だった。グオンはオフィーリスとまたお茶を飲んでいる。まだ、到着まで二時間以上あった。 「ベグゼッド、日焼けするから中入ろうぜ。あんまり日に当たっていると返って疲れるんだぞ」 「ああ、うん」 「いい、天気だ。これなら明日の祭も順調だろうな」 「祭があるの?」 「ああ、だからこの日にしたんだよ」 「どんな祭?」 「火の神と麦の神を讃える祭だ。まあ、要はビール祭」 「......何それ?」 ベグゼッドが吹き出した。 「大人たちが、ビールの飲みまくる口実だよ」 「なるほど。でも、ビールって確かビアソーイダの特産品で持ち出し禁止なんだよな?」 「そうだ。まあ国で独り占めしたいだけだと思うけどな」
ソウルの声がめっさ低いなーと思いました。 「うん、なかなかいいんじゃないか? 匂いも見た目よりキツくないし苦くもないし。何よりも飲みやすくりんごジュースとレモン汁が入っているところがいい」 やけに緑色の濃いジュースをベグゼッドは平然と飲んでいた。 「そんなにうまいのか?」 「うん、どっちかと言えば好きな方」 「ちょっと一口」 ベグゼッドからカップを受け取り、一口飲む。いっきに顔が青くなったような気がした。 「お前、舌......味覚大丈夫か?」 「なんだよ? 変なのか?」 「お前、絶対味覚オンチだ」 「いや......でも同じものを食べて、美味しいって評価できるけど」 「ああ、えーとだなぁ、お前の場合はきっと美味しいものの評価が幅広いんだ。そうに違いない」 「......どういうことだ?」 「つまりは人が美味いと評価できるものも不味いと評価できるものも美味いって評価できるんだよ、多分」 「それはいいことなんじゃないかしら? 好き嫌いが少ない事はいいことよ」 オフィーリスが口を挟む。だが、カシスは認めようとしない。 「だけど、コレは別だよ」 「何を話している?」 グオンが入って来たトレイに人数分のカップとポットを置いている。サイドテーブルに置き、カップに紅茶を注ぐ。 「どうぞ」 「ありがとう」 「お前らも飲め。せっかくいれて来たんだ」 「なんだよ、偉そうに」 ベグゼッドがカシスをそっとつつく。小声で言った。 「あれでも、茶をいれることには長けてるから。美味しいんだよ」 グオンにカップを差し出され、カシスは黙って受け取った。
この話、作ったのは高校の時ですから。 「女の人を逃すなんて珍しいじゃないか?」 「ああ、私としたことが......オフィーリス嬢、今からでもお茶を飲んでいっていただけるかな?」 「ええ、いただくわ」 気づくと、オフィーリスの右頬と額から入れ墨のようなものは消えていた。 「ベグゼッドはだいぶ顔色良くなったな」 「うん、だいぶ」 「なんか冷たいものでも飲むか? ジュース売ってるし」 「じゃあ、なんかすっぱい果物のジュースを」 「酸っぱいのはやめといた方がいいんじゃないか?」 などと言って、カシスはさっさと部屋を出て行く。グオンもまた、お茶を入れるため共同の給湯室へ行っていた。 「いい人たちね」 「うん」 カシスのことはまだあまり知らないが、素直だと思った。あまり考えないところは少々難点かもしれない、と。 「人払いしたの?」 「いいえ。だけど、ひとつ伝えておくわ。あなたはこの先......」 「ベグゼッド、これなんか良さそうだ。船酔いなんか一発だってよ」 やけに緑色の濃いジュースを持ってカシスは戻って来た。
こんな時間になってしまいました。
いや、別に面倒だなんて......。横文字どころかカタカナ並べただけの名前なんで一部の友人には読んでもらえません。 一方、グオンはぼんやりとテーブルに着いている。カシスが声をかけて我に返ったように振り返った。 「何やってんだ?」 「何って......」 グオンは訝しげな表情をして、後で納得したように言った。 「どうやらオフィーリス嬢の美しさに時を止められてしまっていたようだ」 「頭わいてんのか、あんた」 「ふん、お前に女性の美しさを理解できんだろ」 「ああ、そうだな。腑抜けにゃあならないね」 「まあ、いい。部屋に戻ろうか。オフィーリス嬢はそこにいるんだろ」 「? なんで知っているんだ?」 「彼女は最初からそう言っていた」 部屋に戻るとベグゼッドは今朝よりは調子が戻っているように見えた。先ほどオフィーリスが施した術によって、いくらか和らいでいる。 「グオン、今までどこに行っていたんだ?」 グオンが女を見失うことはない。だが、相手は魔族だと思えば、もう不思議はなかった。
やっぱりいろんな種類を食べてみたいので、バラで買ってもらいました。 日向夏のタルト美味しかった。 ちなみに、左から日向夏、桜タルト、白桃とゼリーのタルト。下に移って、チョコレート。マンゴータルト、ミルクレープ。
やることやって来た。 ドラえもん展に行く。 あいらぶドラえもん! 夜、ぱんださんに写真送る。 なんて充実した休日なんだろう。 そんな一日。
「やっぱり、そうなんだ」 オフィーリスはベグゼッドの手を取る。 「魔族なの。でもね、人を捜しにきたのは本当なのよ」 彼女の右頬と額に文様のようなものが浮かび上がる。その昔、強力な魔族に必ず浮かび上がるものだと言われたものだが、ベグゼッドは知らない。 「船酔い。少し楽にしてあげる。口止め料よ。私が魔族と言う事は口に出せなくなる」 「そんな事しなくても、誰にも言わないよ」 「どうかしら?」 「グオンの影響受けててね、女の人には忠実な方だよ」 「ふうん。ちょっと額を触らせてね」 一瞬楽になった。次の瞬間には吐き気は治まったが、まだ身体にはだるさが残った。 「どお? 少しだけ感覚を鈍らせたの」 「少し楽になったよ。ありがとう、オフィーリス」 「どういたしまして」
友人から結婚パーティーの招待状来ちゃった。 オフィーリスとともに部屋に戻る。ベグゼッドは具合悪そうな顔で寝ていた。 「あらあら、辛そうね。可哀想に」 「今朝、酔い止めの薬を飲んだらしいけど、効かないみたいなんだ。船を降りるわけには行かないしなあ」 「そうよね」 「そういや、グオンは?」 「彼ならまだ食堂にいるわ」 「ふーん。ちょっと様子見てくるよ」 カシスはふらりと部屋を出る。ドアがばたんと閉じられ、しーんとなった。 「やっと二人っきりになれたわね」 「うう......、何もこんな時にじゃなくても」 ベグゼッドは船酔いであまり動かしたくない首を上げ、絞り出すように言った。 「あなたは何者なんだ?」 「何者って、オフィーリス」 「姓は?」 「......ないわ」 「姓がない者は、育て親の姓をもらう。それでもないのは神か、魔族かだ」 「そんなの、神話のお話よ」 「そうだね。俺も信じられないよ」 「魔族でも神でも、姓がある者もいるのよ」
たまには携帯から。
休みはだらりだらりと過ごしてしまう。
四月にやること。 グオンとオフィーリスはゆっくり茶を飲みながら話をしていた。食堂は夜以外は解放されているので会話をする乗客もいる。しかし、菓子を食べるにも飽きたカシスは席を離れて甲板に出た。 行きの船でも見たが子供の退屈を紛らわす為に道化師が手品をやったりジャグラーを披露している。日陰では占いを生業としている旅人が婦人や娘を占っていた。 退屈だった。 手すりに肘をつき頬杖をついて海を眺める。見事なほど何もない。青い海、青い空、白い波。 しばらくぼんやりと眺めていた。 「こんなところにいた」 突然声を掛けられて驚く。オフィーリスだった。 「ベグゼッドのお見舞いに行くの。一緒に戻らない?」 彼女は笑顔で言った。
二十分の余裕。十分早く出て二十分って......。 「おはよう。あら、ベグゼッドは?」 食堂は開いたばかりで空いていた。その一席にオフィーリスは一人座っていた。 「おはようございます。オフィーリス嬢」 「ベグゼッドなら船酔いしてるよ」 オフィーリスは相変わらず、黒のワンピース姿だった。 「そう。後でお見舞いに行ってもいいかしら」 「何にも面白くないと思うけど」 そう言ったカシスを押さえつけ、グオンが続ける。 「ぜひいらしてください。お茶を用意しますので」 「じゃあ、朝食の後で伺うわ」 パンと紅茶という簡素な食事でカシスは満足できず船に乗る前に買った菓子を食べた。 「紅茶のおかわりはいかがですか?」 支給人がテーブルを回り尋ねる。 「ええ、いただきます」 オフィーリスがカップを差し出した。
今朝はちゃんと起きて予定通り行ったにも関わらず、意外に信号待ちに時間を食いギリギリだった。 翌朝、ベグゼッドは寝込んだ。 船酔いだった。昨日までは初めての船旅に興奮していたらしく、それを感じなかったという。 「やはり、子供か」 「俺はなんともないけどな」 「お前は多分、馬鹿なだけだろう」 「なんだと!」 不毛な言い争いをしている二人をベグゼッドは羨ましそうに見る。とにかく吐き気が収まらず動きたくもなかった。 もちろん、朝食を食べるのも無理だった。 「しばらくすると慣れる。それまでの我慢だ」 グオンはそう言って、カシスと朝食をとりに食堂へ向かった。
この間(今日ではない)やってきました。 メニューはいまいちだったが、食事はおいしいし、オフィーリスとの会話を楽しんだ。彼女は満足した笑みを浮かべていた。 「もう少しおつきあい願いますか?」 食堂としてはここは閉まるが、小さいながらバーもある。そこへ誘うつもりだった。 「じゃあ、もう少しあなたとお話ししようかしら?」 「ということだ。ベグゼッド、先に部屋へ帰っていてくれ」 「わかった」 「おいおい、いいのか?」 「いいんだよ。オフィーリスは賢いからグオンの魂胆なんて見えてるし、グオンももちろん無理強いまではしないし」 部屋に戻る。朝張り切って起きた為かベグゼッドはすぐに眠りについた。カシスもまたしばらくして眠りにつく。グオンがいつ戻って来たのかもわからなかった。
草うららか
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