気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
十一月が終わる事を、とある行きつけ(?)のサイトで知った。
1、だいそーで買った軽くて手につきにくい紙粘土で作った。 デブ! 雰囲気は出てるんではないかと思います。 ああ、ちょっとすっきりした。
この間、某女史が遊びに来てくださったとき、「アレ(掃除人の話)面白いよね」とか言われたんですが、自分には「どこが?」という思いで、読んでくださっているのに、ほんに申し訳ない気持ちでいっぱいになります。 「掃除人VSお掃除レディス その4」 結果は同じだった。 それは、道具も洗剤も同じ技術的にも大差がない。 「両者、一歩も譲りません。これは引き分けか!?」 しかし、綺麗に掃除したところへ、親子連れがトイレに入って来た。父親らしい男性は男の子を連れて、母親らしい女性は女の子を連れて。 「すみません、掃除中に。どうしても我慢できないって」 男性は言った。 「ええ、どうぞ」 と、高橋。 「ごめんなさいね、掃除したばっかりなのに」 「いいえ、気持ちよく使っていただくために掃除をするんですよ」 「この子、下手だから汚しちゃうかもしれないわ」 「また、お掃除すればいいことです」 と、青木は言った。 高橋はその一部始終を見て、女性アナウンサーに告げた。 「勝者! 青木掃除人!」 アナウンサーは青木の腕を高らかに上げる。青木は何がなんだかわからず呆然とする。 「あの、何故?」 「あなたは、お子さん連れの客が入っても嫌な顔せず対応した。その笑顔に僕は負けた」 「そんな、掃除に関しては大差はないはず」 「あなたの笑顔で十分差をつけられました。僕はあなたに忘れかけた初心を思い出されました」 「そ、そう」 こうして、第二ラウンドは終了した。 「まあ、どちらにしろ両者のアピールにはなった。良しとしよう」 社長、宮島は結果には満足しなかったものの、機嫌は良かった。 「しかし、お前がフェミニストだったとはな」 「別にフェミじゃないですよ。僕は僕の主義に正直なだけです」 「まあ、それはそれでいい。お陰で今日は新たに契約が取れた」 「そうですか。じゃあ、今日はこれで」 「待て。新たに契約したうちの二件、早速清掃の依頼が入っている」 「......分かりました」 それでも高橋は苦い顔を作らなかった。先ほど教わったばかりなのだ。どんな状況であれ、お客は神様であることを。
いや、ネタ的なもの探し中。 「掃除人VSお掃除レディス その3」 こうして第一ラウンドを突破した高橋。次なる相手は、辰巳次女の会社の掃除人、青木=グリース=ミドリだった。 「お手柔らかに」 「どうも」 女性アナウンサーの声が響く。 「さあ、第二ラウンドはトイレ掃除です! 除菌もしっかり行いましょう! ......えー、映像的に見苦しいというので、お二人にはこのビルのトイレに移動していただきます。そして、私が審査します」 女性アナウンサーはまず青木が掃除する女子トイレへ移動する。 「えー、実況だけですからスタジオの皆さん、我慢してくださいね。さすがに結構綺麗です。毎日、掃除のおばちゃんが掃除していますからね。ああ、でも細かいところにはカビがあったり、あらあら、トイレットペーパーの切れ端が落ちていたり、ああっ! 大便がこびりついているところもありますね......では、男子トイレの方も見てみましょうか」 しばらく、静かになり、 「男子トイレ。私、入るのはもちろん初めてです。やっぱり見た感じは綺麗なんですが、同じように(以下略) さあ、掃除人たちはどのように掃除してくれるのでしょうか!」 戦いの告げる鐘が鳴った!
今まで、「もやしもん」の一話と「モノノ怪」の一話と二話を見ていました。
今更なんですけどね。
某女史が訪れたので、おもてなししました。 まさか、こんな喜んでもらえるとは......。しゃがみ込んだのは、海が怖かったそうです。大丈夫、私もなんか怖いから。 彼女を虜にする船。 普通、このくらいのお嬢さんは、なんか土産屋のかわいいもの見て喜びそうなんですが......。 とにかく、これだけ喜んでいただいのなら、ドライブした甲斐があったもんです。 つーか、無断でのせちゃってすんません。絶対わかんないだろうから大丈夫だと思います。
さっきまで、私の就職事で軽い親子喧嘩してました。(この歳になって)
季節ゆえ、こんなことになってます。皮膚科でもらったクリームつけてます。 「高橋VSお掃除レディス その2」 どちらにしろ、結果は同じだった。それでもプロはプロ、家庭でやるよりは少しばかりきれいになったというところ。 「どうやら、この勝負、おあずけのようね」 「そうかな」 高橋は柿崎の手を取った。 「何するの!」 素早く手を振りほどく。 「綺麗な、手だな」 「ば、馬鹿にしないでよ! こんな洗剤で荒れてしまった手なんて」 「綺麗に掃除する、綺麗な手だよ」 高橋は懐から、何か取り出した。ハンドクリームらしい。彼女の手を取りそれを塗った。 「これ、あげるよ。うちの社長は悪い物は作らない」 そして、高橋は観客(ほとんどは清掃会社利用顧客)に向かって言った。 「我が社では、社員のケアも充実しています」 会場がシーンとする。どこからか、客席で「ナウシカか」というツッコミ。 鐘が鳴った。女性アナウンサーが高橋の手を高々に上げた。 「勝者! 高橋掃除人!」 観客の拍手が鳴り響く。そんな中、社長は呟いた。 「うちの会社、ゴム手も作っているんだがな......」
え、と。今日の標語みたいなものです。 「高橋VSお掃除レディス」 なんだかんだで当日、高橋は会場のステージの上に立っていた。そして、対峙するは辰巳長女の会社のエース、柿崎=ラジー=ダイワだった。 「よろしく、坊や」 「よろしく」 高橋よりも背の高い彼女は握手を求めた。その手は、洗剤によりカサカサしている。 「さあ、第一ラウンドは、魚を焼き続けて一週間! このグリル受け皿にこびりにこびりついた焦げを落としてもらいましょう!」 実況する女性アナウンサー。解説席では。男性アナウンサーと評論家が座っている。 「あれは酷いですね。素人は完全にきれいには出来ないでしょう」 「そうですね。一般家庭では無理ですよ。いくら洗剤が開発されて良くなったとしても、あれだけこびりついていたら。一晩洗剤に漬けていても完全にはむりでしょうねえ」 などと解説する。 「第一ラウンド、初め!」 カーン! と鐘が鳴った。 「高橋掃除人、まずは洗剤をつけました! 同じく、柿崎掃除人も洗剤をつけます! ちなみに公平な試合をするため、お二人には同じ洗剤、同じ用具を使っていただいてます」
冬に入り始めるこの時期が辛い。一番寒いと感じる。でも、雪降っちゃうとそうでもなくなる。寒さに慣れちゃうんですよね。
わあ、雪だ〜! すごい積もった! わー! きれい......。 「社長VS四姉妹 その2」 「そうだわ」 と、切り出したのは辰巳長女だった。 「会社PRを含めたプレゼンしない?」 「プレゼン?」 と、宮島。 「ええ、掃除のPRをするのよ。まあ社員の掃除を披露するってこと」 「くだらん」 「そんな事はないわ。キチンと掃除をする姿を見て一安心するだろうと思うし。それとも、私たちに勝てないからかしら? 妙な薬品に頼ってばかりで社員自身のお掃除はご家庭レベルなのかしら?」 「よし、やろう。プレゼン」 「そーゆーわけだ。リチャード頼んだぞ」 「わかりました、と言いたいところですけど。その日は予定が......」 「破棄しろ」 「俺、デート......」 「別れろ」 「わかりました。そのかわり勝てなんて」 「絶対に勝て」 「でも、どうするんですか? ここを読むと使用できる洗剤は限られているし、道具も大会で支給されるようだし」 「大丈夫だ。自分を信じろ」 「......」 高橋は不安になった。宮島は相変わらず自信ありげに笑っていた。
とうとう来やがりました。雪です。 アパートの駐車場前。うちの車のタイヤ跡です。 夜だったので誰も歩いてないまっさらな雪積もった地面。それに足跡付けるのは好きです。 んが、忘れてはならない。 まだ、冬は始まったばかりである事。 まだ、ここより北の地があってより寒い事を。 そーいや、初雪は15日でした。
人の基本であるお片づけが出来ない人間(らしい)私です。 「社長VS四姉妹」 宮島はとある会議に出席している。しかし最初から彼女は会議に乗り気ではなかった。何故なら、宮島が運営する清掃会社と他清掃会社四件との会議。タイトルを見る通り、他四社は姉妹社で、社長らも実の姉妹である。 「宮島さんのところはやり過ぎですよね」 と、長女の辰巳=スカイ=アオイ。 「この間も、何かの薬品で肌を溶かしたという事件があったとか?」 と、次女の辰巳=ベイク=クレナ。 「一体どのような薬品を使用していらっしゃるのかしら?」 と、三女の辰巳=スノー=マサラ。 「あー、怖い怖い」 と、四女の辰巳=クロウ=スミ。 「我が社は依頼内容と環境を優先しているのでな。それよりも貴社では現在使用禁止の洗剤を使ったとか?」 「うっ」 「まあ、勘違いもあるだろう。互いに気をつけようじゃないか」 四姉妹は悔しそうに宮島をにらむ。
って、なんですか?
納豆、空豆、ピーナッツの略です。
頭痛というか頭が重い。
はあ、掃除人の話です。
そーゆーわけで、予期せず今週の一言拡大版です。
昨日のお出かけレポートです。 まあ、無事目的達成です。(10分弱)これでいつJRで帰ってもいいそうです。 取材を受けた時の番組を見ましたが、お店の(テレビ番組の方も)認識がいろいろ間違っているので、誰か正してください。(いや、面白いからこのまま放っておいてもいいかも)店を後にして お昼だったこともあり(当初は「何か美味しいものでも食べて」という提案があった)、ハンバーグで有名なあの店を見つけて、初めて食しました。 ここ 値段的には観光地仕様だと思っており、十年ほど前に行った時もサンドイッチしか食べなかったんですが、うまひ......熱々ハンバーグがほんとにうまひ......デミグラスがまた最高......。 羊蹄望めないなんていってごめんなさい。これを食べに来るだけでもここまでくる価値がございます。 その後、湖の周辺をぶらーっと散策(と言うほどでない)して、こちらへ。二年前、若狭さんという方が作ったものと知ったんですが、原材料が大福豆(おおふくまめ)で、芋がいっさい使われていない事を判明。 友人曰く「騙された」 ともかく、そこで少々お土産購入。何故かせんべい類をお土産にする。(わかさいもは北海道内どこでも買えると思う/道南までくらいか?) 別の定食屋さんでその大福豆を使った白いお汁粉を食す。 ああ、身体あったまります。牛乳で伸ばしたもので、うまいです。 その後、バスに乗り駅まで。なんかね、消火栓の凍結防止(どうゆう風にしているかまでは不明)をしている消防士さんたちに地元のおっさんが「何やってんだー」とか話しかけて、消防士さんたちも「凍結しないようにしてんだー」って言っても「遊んでるようにしか見えね」とか言って笑って行く、そんなのどかなところです。 で、五時前に帰って来て、友人と本屋とか回って夕飯食べながら「薬売りのうなじ」についてとか、「何かネタないか」というグダグダな会話をして十時回りました。 あ、いや、所詮、おたくですから。
一日いっぱい外出してました。
友人とちょっとお出かけしてきます。
呆れてくださってもよろしいです。(何、この上目線)
行きますですよ。 高橋は夢を見ていた。 「ああ、ここが三途の川か。これって、殉職でいいのか?」 目の前に広がる綺麗な川。さらさらと流れてる。臭いもない。周りは闇で覆われていた。 「高橋! 何やっている!」 社長、宮島の声がした。はっとして目を冷ます。下水道だった。しかし、浄水器を取り付けられたのと社長の怪しい薬品により、下水は清流となっていた。 「高橋、どうした?」 「ああ、すみません、社長。社長の薬の臭いで気を失ってました」 「ああ、すまん。言い忘れていた。合成中に発生するガスは有毒だからあんまり吸うな」 「遅いです、社長」 「ま、無事で良かった」 「あんまり良くないです。あ、清掃完了です。今からそちらに戻ります」 高橋が戻ると。町長とすれ違った。高橋に気づくと町長は親しげに声をかけた。 「やあ、キミが掃除をしてくれた清掃員かね? ご苦労さん」 そう言って上機嫌で会社を出て行った。 「ただいま戻りました」 「おう、大変だったな、高橋。お前が下水の臭いで倒れたと言ったらあの町長、料金を少し上乗せしてくれたぞ」 「そうですか。それにしても、なぜ下水の掃除を?」 「ああ、趣味だそうだ」 「趣味?」 「それ以上は言わなかったが......察しはついている。アレは鯉マニアだ」 「恋マニア?」 「恋ではない、鯉だ。あの狸は下水で鯉を飼うつもりだ」 「はあ」 高橋は情けなくなった。 「町会費で清掃、会社の機器をレンタルし、町の衛生を保つ反面、自分の好きな鯉を飼う。うふふ、全くかわいい狸だ」 「で、社長は何企んでいるんですか?」 「あれだけ広い範囲で鯉を飼うのだ。一匹や二匹、頂戴しても大丈夫だろう」 「一匹や二匹で済まないでしょうね」 「それに鯉は薬品の開発に使ういい材料なんだ」 宮島は笑いが止まらない。高橋は鯉を少し可哀想に思った。ほんの少しだが。
訂正:なんかね、モノノ怪と妖(あやかし)がものすごく混同して、さらに「妖奇士」もはいっちゃったので、この辺が間違ってる。つーか、私の漢字変換力が着々と堕ちている。 「下水道」 高橋は暗い下水道を掃除していた。 とある町長から依頼で、下水道の清掃を依頼された。それも半径一キロ弱という町内のみだった。彼は地図で範囲を確認しながら掃除を行っていた。 薄汚れた下水道の壁などは掃除されたが、流れる汚水は隣町からも流れておりどうにもならない。町長の依頼は「下水まできれいにするように」という内容だった。 「仕方がない。これを使うか」 彼は鞄から薬の瓶を取り出した。ふたを開ける。彼の鼻はすっかり麻痺して下水の匂いなど気にならなくなっていたが、その薬品の匂いにむせた。 「この匂い、どうにかならないもんか?」 彼は頭の中で社長の作る薬品への文句を述べた。ちなみに各所から流れる汚水を真水に換える浄水器は掃除の際に設置している。この装置は社長ではなく、社長の旦那である宮島=ボブ=ノブが開発、製造している。 薬品を下水に入れた。しゅわああーという炭酸飲料のような音がする。そして、下水の匂いと薬品の匂いが入り交じった。 「しまっ......」 高橋の意識が遠のいた。
そう思って、こないだ降谷女史のところで見たコレを試して見る事にした。 メニューは、そう、大人も子供も知っているプリンですよ。 プリンと言えば、カラメルソースですね。いっつもこげ過ぎちゃうんですよ。 牛乳を温めます。沸騰させないように。砂糖で甘みをつける。 卵を溶きます。ケーキと違って泡立てさせる必要ないから楽。 少しずつ牛乳と卵を合わせる。で、バニラエッセンスを加えるよ。あんま入れると臭い。合わせたら、一度はこしておこう。 オーブンで一時間以上焼いて(器の大きさにより)一応出来上がり。卵ケチったから、 ドロドロのぐちゃぐちゃ。そして、カラメルは相変わらず苦い。教訓、今度はプリンカップで作ること。卵はケチらない。 こちらが、最初のアレで作ったモノ。プリン? 「ゲロマズ」という評価は正しい。なんかパチパチ音がする。 つまりは、水を固めるでんぷんのようなもの、スキムミルクとかの粉で乳っぽくするもの、そしてよく分からんが空気を含めるためドンパッチのようなものと水でプリンじゃないけど、クラシエはプリンと称する。 チョコクリームも絵を描けるほど量がないが、チョコクリームで無理矢理口に押し込む事しか出来なかった代物です。私が親なら「アンタ、こんなの買っても損するだけだよ」と言う。 今週の一言:女にはちょっと分かりにくいけど、土方さんはちゃんと手を洗ってました。(無駄なこととされていたけど)ぶっちゃけると、一番汚いのは人間の手です。(漫画はともかく) 昔、じいちゃんに「お金は誰が触ったかわからないものだから汚い」と言われたことがあり、硬貨を洗った事があります。
再び、げおにて。
めっきり寒くなりました。
ちょっと寄り道したら間違って消しちゃった。 「ねずみ 2」 高橋は一時間で家全体の掃除を終えた。あと、一時間、ねずみ退治に当てる。 ねずみ殺しの薬の瓶を取り出し、特注の特殊プラスチックで作られた水鉄砲に薬を詰める。特注である理由は「触れるだけで人間もイチコロ」なねずみ殺しの薬が漏れてこないようにである。特殊プラスチックで作られている以外、縁日などで売っている水鉄砲と同じような作りなのである。(ただし、引き金部分や継ぎ目部分から液体が漏れてこないような作りにはなっているが、つっこんでも私は無視するのでこんなところはさっさと読み流してしまってください) 「ねずみ殲滅作戦開始」 彼はそう独り言を言って屋根裏に上がった。暗視スコープを掛けてねずみを狙い撃つ。どんどんねずみが撃たれ、薬品により皮膚を焼かれ死んで行く。ちなみにもう一つのねずみ住処、下水にもそれ専用の薬品を使い、ねずみ除けの器具も取りつけた。さすがにこの「ねずみ殺し」を下水に流す訳にはいかない。 そして、照明を持ち込み屋根裏全体を薬品「ねずみ殺し」の中和、消毒、掃除を行う。 彼が照明を取りに戻ろうとした時、どたっと誰かが転び、ぎゃあと悲鳴が上がった。男の悲鳴だった。 「ん?」 死んだねずみが散乱する中、男が一人倒れてバタバタと手足を動かしている。 「た、助けてくれ! 痛い! 痛い!!!」 痛いと叫ぶ男は、彼を見つけて彼にすがるように這って来た。 「あんた、何だ?」 「なんでもいい! 早く助けっ! ぐあっ! 助けてくれ......!」 「ねずみ殺しは本当に強いな。さすがに人間にはイチコロってわけじゃないけど」 とりあえず、彼は応急処置を施した。その間、男は倒れたまま、動かなくなった。死んではいないが、病院に連れて行かなければならない状態。 「悪いね。僕は仕事熱心だから、きっちり二時間仕事しなきゃならないんだ」 それでも彼は救急車を後回しにして、急いで屋根裏の掃除に取りかかった。照明を持ち込み、薬品の中和、消毒、掃除......。薬品によって死んだねずみは、これもまた特殊なビニール袋に入れられる。そして、きっちり口を縛る。すべてが終わると彼はやっと救急車を呼んだ。 「ご苦労様。これは代金です」 外出から帰って来た婦人は家を一回りして、すっかり掃除されている事に満足した。そして、事前に約束されていた代金を支払った。 「毎度ありがとうございます」 「それから、屋根裏で見つかった方ですが、この事はどうぞご内密に」 男は救急車で運ばれたが、そういうことがあった事は婦人に報告している。婦人は驚いて、男が運ばれた病院で身元を確認、警察にも届ける。 「ええ、分かりました」 彼は掃除用具の入った鞄と、多量のねずみの死体が入ったビニール袋を持って掃除屋に帰って行った。(ちなみに特殊な部分は、丈夫で匂いが漏れない。そして抗菌仕様) 「で、社長。病院から何か連絡は?」 「いや、ない」 社長と呼ばれた女は即答した。白衣に身を包んだ彼女は、掃除屋の女社長、宮島=グレイス=アキ。まだ三十代の彼女がこの掃除屋の社長なのは後の話で明らかになるだろう。(ならないかもしれないが) 「良かった。ねずみ殺しの薬品、ちゃんと中和されていたようですね」 「ああ。私が作った薬品と中和剤だ。完璧だ」 宮島はにやりと笑う。この会社で扱う薬品のほとんどは彼女が作っている。 「アレが世間で公表されたら、我が社はマスコミの餌になりかねんからな。ところで、屋根裏にいた男はなんだったんだ?」 「はあ、なんかあの家の人に騙されて借金背負わされた人みたいですよ。それで嫌がらせにねずみを放って、それから金目のものを盗み出そうとしてたようで」 掃除中、電話などに盗聴器を仕掛けておいた。それがこの会社の黒い部分であり、この女社長の趣味であり......。 「ふうん。なるほどなるほど。あの家、叩けは面白そうだな」 悪趣味であった。 「まあ、只でさえ、成金の家は叩けば埃だらけだろうけどね」 「で、リチャード。今度はこれ、人間に使うなよ。人間にもイチコロとは言わんが劇薬だからな」 「使ってませんよ。死んだねずみ踏んで転んだ時に、床にこぼれた薬品が素手で触れたんですよ」 「今度は他所の人間がいない事を完璧に確かめてからやれって言ってんだ」 高橋=リチャード=スズキ。彼はバツの悪そうな顔をした。 「回収したねずみは?」 「もちろん、いつものように私の部屋へ」 ねずみ殺しの薬を作るには、ねずみの死体が必要だから。女社長宮島、無駄にするのが嫌いである。
とある友人は「外国名は覚えづらい」とのたまうので、田中学院が読みやすいという。 「ねずみ」 (いるな) 彼は家に入るなりそう思った。 (一匹、二匹、三匹......たくさん) 「お待ちしてました。掃除屋さんですね」 玄関先で、いかにも高飛車そうな婦人が彼を迎え入れた。 「はい。僕が掃除屋の高橋です」 「そう。では、さっそくお願いするわ」 「わかりました。とりあえず、お困りなのは、ねずみですね」 「......! さすが、掃除人さん、入るなりわかるなんて」 「ええ、一応、プロですから」 高橋が依頼を受けたのは、市内でも有名な資産家の家の掃除だった。普段は使用人を雇って掃除をしているようなのだが年に何度かは掃除屋に依頼して掃除をするらしい。彼は初めてこの家の掃除をする事になる。深い意味はない。ただ単に担当だった掃除人が定年退職したからだった。 「ねずみには、コレだな」 彼はゴム手袋をはめて、リュックサックから瓶を取り出した。茶色の瓶でラベルには英語で何か書かれている。 「なんですの?」 「ねずみ殺しです」 「一体どんな薬品ですの?」 「ねずみ殺しです」 「薬品の名前は?」 「ねずみ殺しです」 「......市販されています?」 「いいえ。でも効果はすごいですよ。この薬品をねずみが触れるだけでイチコロですから。あ、人間もイチコロなんで気をつけてください」 「......」 婦人は思った。 (この人、大丈夫かしら) 「とりあえず、私たちはこの家を開けますので、その間に掃除をお願いします」 「ええ」 「二時間でよろしいのですよね?」 「ええ、充分です」
草うららか
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