気まぐれ日記
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2005年04月30日(土) |
それでも明日はお休みで |
ちょっとゆっくり出来るかな、と思っている。 明日は、ちゃんと「退職願」を書くぞ。
「おばあちゃん、大丈夫?」 リタはレスティを心配そうな顔で覗き込んでいる。 「ああ、平気さ。それよりも、助かったよ。思った以上にね」 リタの分けた魔法力は、レスティを普段以上に回復させた。彼女はリタの能力に改めて驚いた。 「よかった。お姉ちゃん、いつ帰ってくるかなあ」 「すぐに帰ってくるといいね」 そう、なるべく早く。コウが食われないうちに。 「リタ、あのおばちゃんは嫌い」 「そうさね、お嬢ちゃんはここにいてくれるかい?」 今夜一晩、月の光の下で眠ればまた女王のもとへいけるだろう。
朝になってもリサは帰ってこなかった。 「お姉ちゃん、遅いね」 「そうだね」 昼を過ぎ、夕方になってもリサは帰ってこない。レスティは痺れを切らした。 「お嬢ちゃん。ちょっと出かけてくるよ」 「リタは?」 「お姉ちゃんが帰ってきたら、伝えてくれるかい? 城へ行ったってね」 「うん」 レスティは再び女王のもとへ向かった。 間違いなく女王は、今夜コウを食らう。そう思って。
な、葬儀一式でした。でも、本州では(都心の方だと思うけれど)お骨を箱に収める際、詰まっているため簡単に済ませてしまうと聞いたことがある。それはゆっくりだったが、日程二日、ばあちゃんが死んで三日で終了しました。(骨収めは初七日だけど)
彼は、ゆっくりと元の姿に戻った。表情は疲れていた。レスティに知らせようと窓のそばに寄ったところを女王に掴まれて、逃れようとじたばたして体力を使い疲れた。 「久しぶりね、コウ。三年ぶりだわ」 「……」 「元気にしていたかい? 病気はしていなかったかい?」 「そんな暇なかった。あんたに見つからないよう必死だった」 「そう。よかった。病気ならば食べるに食べられないからね」 女王は彼を食べる気でいる。 「早めに食べたいけれど……。明日の晩まで待つわ。今日はもうおなかは空いていないから」 女王はコウを部屋に閉じ込めた。
レスティの家にて、三人は疲れ果てて帰ってきた。レスティの場合、老婆の姿に戻っている。悪魔に襲われたことにより魔力をずいぶん失ったらしく、いつもより歳を取っているように見えた。 「あの強欲ババアめ!」 「コウ、助けられなかった……」 「お姉ちゃん……」 どうしようか……と、彼女らは思っていた。しかし三人はぼろぼろだった。 「私、応援を頼む。私の世界の悪魔たちは怖い存在よ。でも、この世界では女王だけが怖い存在だわ。だから、女王一人なら、何とかなりそうじゃない?」 「リサ、なんとか頼めるかい」 「なんとか頼んでみる」 「リタ。レスティに魔法力を分けてあげられるかな」 「うん。やってみる」 「これは、リタにしか出来ないことだから。お願いね」 「うん」 「この子は、意識で他人に分けることが出来るの。人の魔法力に合わせてね。あまり多くはあげられないと思うけど」 「ありがとう、リサ」 リサはまた、歌う。
列車の信号機が壊れ(雷らしい)、三時間以上の遅れ。私でなく、妹が乗っているんだけれども。でも、脱線とかそういった事故でなくてよかった。 うちの地域、JRしか鉄道(路面以外)無いんだからしっかりしてほしい。
レスティと女王の間には、冷たいものが流れている。レスティはそれにじっと耐えながら待っていた。 鳥が飛ぶのが見えて、彼女は腰を上げた。 「さて、あたしは帰るよ」 「そう、お帰りは?」 「窓から。飛ぶさ」 「そう、お気をつけて」 女王の手には鳥が握られていた。 「かわいいでしょ? さっき捕まえたのよ」 「……あんた、それが何かわかってるんだろ」 「ええ、もちろん。わたくしの手から逃げて三年も行方をくらませていたかわいい息子ですもの」 「息子?……笑わせてくれるじゃないか。あんたにとって息子でもなんでもない。あんたの欲の一部を満たす食い物でしかないんだろ!」 「うるさい姉さん。やっぱり黙らせないとダメね。行きなさい!」 女王が袖からぽろぽろとなにかをばら撒いた。それは大きくなってリサの世界で操っていた悪魔となる。 「ふん、このあたしにそんな人形が通じると思うかい?」 「さあ、でもたくさんいたらどうなるのかしら」 さらに、悪魔が増える。 「コウをお返し!」 「これは、わたくしのもの。さよなら、レスティ」 悪魔に囲まれ埋め尽くされ、レスティはその場から消えた。 「逃げたわね。でもいいわ。さあ、コウ。久しぶりに会ったんだ。何かお話しましょうね」 女王はぐったりとした鳥をそっと椅子に乗せた。
2005年04月27日(水) |
気には留めていたけれど |
母方の祖母が亡くなった。 いつ亡くなってもおかしくないと言われていたけれど、今日亡くなったと聞かされても信じきれないです。 何にもしてあげられなかったな、と……。
でもまあ、子供八人(母はその末子)で孫その倍以上だし、ひ孫もいるので幸せだったと信じたい……(嫁はともかく)
で、身の内話。 前にもここで書いたが、伯父(母の兄)の嫁は何かがおかしい。伯父もその嫁の言いなりになっているみたいで何かいやだった。 祖母が入院したとき、病院で追求するのはやめれ、とパソ書きの手紙をよこしたりと行動が変だった。 で、その嫁だが、母がその嫁の高校時代の同窓生にあったとき、「あの○○(嫁の名)が!」と驚かれた。「あの○○って、どんな○○よ?」と母は答えた。「あの○○は、あの○○だよ!」……その頃から、何かが顕在だったらしい。結婚する前、祖母のうちに何度か来ていて(小さい時に)私が泊まりに行って遊んでもらったが……。猫かぶっていたんですね。
母が生まれたときの話。 二十だった伯母(母の姉)は「また出来たのかい!」と怒り、「踏み殺すよ!」と怒鳴った。それも今では笑い話。 (ああ、なんか父方の祖母の方がドラマになったなあ……こっちはみのさん聞いて!ってやつ?)
2005年04月26日(火) |
ゴールデンウィークなど |
なくなっちまえ! と思っている草です。なぜなら、仕事の都合上めちゃくちゃ大変だから。(帰省をする際は連絡を早めに欲しいんだよ) リサは城内を探し回った。城に住むものとすれ違ったが彼女の姿に気づきもしない。好都合だが、移動は大変だった。小さな身体で広い城を回るのは時間がかかる。 「どこにいるの? リタ」 彼女はあせり始めていた。レスティが時間稼ぎするとは言え、長くは出来ないと言っていた。 城の中を走っていると、いい香りがした。香ばしいチキンソテーの香りだった。どうやら厨房らしい。若いコックが盆を差し出している。 「これ、あの部屋にお願い」 「わかりました」 視線を追うと一人のメイドが盆を受け取りどこかに持っていこうとしている。彼女はついていくことにした。 「お願い、リタの所に行って」 メイドは部屋の前で足を止める。ノックをする。返事が無いがドアを開けた。ドアを開けたとたん、大きな泣き声が聞こえた。 「うわああああん!」 しかしメイドは無表情に、食事を置いておきますと言って出て行った。 間違いなく、リタの泣き声だ。彼女はこの泣き声に弱い。リタのわがままを通す最終兵器だった。 「こら、リタ!」 彼女は思わず元の姿に戻った。 「こんなとこで泣いてちゃ、ダメ!」 リタがぴたりと泣き止んだ。そして、 「お、お、おねええちゃあああん!」 再び泣き出した。確かに、悪魔にさらわれて見知らぬ世界でこんな城に閉じ込められているのだから、泣き出すのは当たり前である。 「よかった、リタ。怪我はないようね」 「うん」 しゃくりあげるリタの鼻をハンカチでぬぐってやった。 「さて、リタ。ここから出るわよ」 「どうやって?」 「お姉ちゃんにまかせなさい」 彼女は窓を開けようとした。はめ殺しの窓で開かない、彼女は椅子を持ち上げて窓に向かって放り投げた。無論、音を立ててガラスは割れた。 そして、自分とリタの姿を鳥に変える。誰かが、ドアを開けたときには逃げ出していた。
2005年04月25日(月) |
意外に早く終わっちゃいそうな |
気がする魔女の話。いろいろ考えてたことがなくなったからかな?
リタを助けるために、三人は城へ向かう。 「人間は簡単に通してもらえないからね。鳥やねずみや虫がいいんだ。踏み潰されないようにするんだよ」 レスティは城から遠く離れたところで様子を伺った。 「それと、女王には魔法は効かない。何に変身しても見破ってしまうんだ。あんたたちを構ってあげられないから女王には会うんじゃないよ」 「じゃあ、レスティさんは?」 「あたしはあいつをひきつけるのさ。あんたたちに気づかれないようにね。うまくおやりよ」 鳥になり城に向かう。彼女はリタを探すためにねずみとなる。コウは鳥のまま見張り役をする。そして、レスティは女王に会うために女王の部屋に向かった。 「久しいね。三年ぶりだったかな」 女王はレスティの訪問に驚いた。 「お前が、禁断の魔法に手を染めているなんて……安易に考えられたけれどね。魔力を得るために人間を食べるなんてえぐいったらありゃしないね。ミルティーネ」 「姉さんになにがわかると言うのです? わたくしはこの国を治める者。それが美しくて何が悪いと?」 「国民は不信がるものだよ。何故、魔女が生まれると連れて行かれるのか……ってね。そして、お前の尋常ではない若さもだ」 「いいじゃない? 国民の中には、人知れず次の世代に移ったと思ってくれる人がいますわ。わたくしのことを孫だと思ってくれる人が」 「真実を知った国民はどうなるだろうね」 「レスティ、そろそろお帰りになったほうがよくってよ」 「せっかく来たんだ。もう少しいてやるよ」 レスティはそばにあった椅子を引き寄せてそれに腰掛けた。 「さっきまで、また異世界に悪魔を送っていたのかい?」 「……最近じゃ一つの異世界だけじゃ物足りなくて。つい最近連れてきた子もまだ小さくて食べられないわ。でも……」 女王ミルティーネは小さな引き出しから薬包紙を取り出した。 「成長剤よ」 レスティが目を見開いた。 「これを飲ませればすぐに食べごろになるわ。昨日できたの。先に誰かに試さないとね」 女王が笑う。レスティは背筋が寒くなったのを我慢した。
文も書きたいです。思いっきり。 でも、読んでの通り素人なんでやっぱ自費出版? それなら三冊ありゃ十分なんだけどな……。
「黒バラ」は目が放せません。今日は、良純さん(二児のパパになったそうだ。おめでとうございます)が「さきいか大使」になったしね。もう今度はくん蛸でも鮭とばでもなってくれ。
んでは、眠いので……。お休み。
が終わった。でも、やり直しが必ずつく……。さっさと辞めたい気持ち。 なんだか、四月に入ってから気分がどんどん落ち込んでいくような……五月病?
彼女は、また森にいた。目の前にはレスティの家がある。 「……あれ?」 「戻ってきたね、リサ」 レスティが優しく言った。 「だけど、どうしてここに戻ったか、分かるかい?」 「この世界にリタが……妹がいるのね」 「その通り。あの女王はとんでもないことをあんたの世界でやっていたんだよ」 女王は、魔力を得るためにリサの世界へ悪魔を送っていた。悪魔は女王の求める魔力を見つけるとそれをさらっていく。それが、リタだった。 「でも、悪魔を呼び出すにも魔力が要るんじゃないの」 「それは女王の能力だったんだよ。特質というかな」 「能力……特質?」 「女王はそれが得意なんだよ。悪魔の人形を作って別世界へ放る。悪魔は自ら動いて働く。自分に合う魔力を見つけてさらってきては食っていた」 「だから、いつまでも若いままでいられた、か」 コウはレスティを見ている。彼女も彼を見てうなずいた。 「リサ。妹を助けるかい」 「もちろんよ」 「なら、もう我慢はすることないね。あいつのところに行くよ」 レスティの姿が若い女性の姿に変わる。リサより少し年上くらいに。 「このほうが動きやすいだろ。それにあいつより若いし」 「ねえ、レスティ。ずっと気になっていたんだけど」 「何、コウ?」 「女王とは、知り合い?」 「ああ、あたしの唯一の家族で、妹さ」
2005年04月22日(金) |
ああ、妹の名前なんだっけ |
自分で考えた(決めた)はずなのに、忘れてしまう。 免許の写真は、まずまずな状態。気になっていた「手書き漢字」もちゃんと印字になりました。(昔の戸籍の字が手書きで、「嶋」の点々の部分を略されて横棒で書かれたため存在しない漢字になりコンピュータに入ってなかったため、真面目な方が手書きで入れたというバカげた話。悪いのは昔の役所の人) 題名の解答 A. リタ
彼女は故郷に戻ってきた。 「あら、早かったわね。もう戻ってこれたの?」 やや疲れた顔をした高位魔女が言う。そして、彼女の名前を聞いて納得したような顔をする。 「リサさんですか……早く、ご家族の元に行ってください。病院にいます」 よく見ると、その魔女は怪我を負っているらしい。足を引きずっていた。 「何が……悪魔が出たんですか!」 「ええ、それも酷く凶暴な……」 彼女は、家族がいるという病院へ駆け出した。すぐ近くだが、街の中は荒れていた。ほとんどの家は少し壊されている。しかし、無いに等しいほど壊されている家もあった。 「あの、ここに私の家族がいるって聞いたのですけど」 病院の受付は混んでいた。対応に追われている事務員が走り回っている。ようやく病室を聞き出し、彼女はそこに向かった。 「おお、リサ。お帰り」 「あなたが無事でよかった。リサ」 彼女の父と母はそれほど重症ではない。もう怪我は回復に向かっているので退院は間近だという。 「リタは?」 妹の姿はなかった。 「リタは……」 「あの子は……」 父も母も言葉を濁した。 「まさか……」 滅多に無いことだが、悪魔は人間をさらっていくことがある。そして、その人は戻ってきたことは無い。 「連れていかれたんだ、悪魔に」 さきほど、リサの顔を見て元気だった父の言葉は重く沈んだ。母も泣き出している。一人いなくなった、それが重症だった。 「そんな……」 彼女もつられて泣いた。でも、いつまでも泣けなかった。 「リタを助けてくる」 それだけ言って彼女は病室をあとにした。
彼女は歌を歌った。願いがかなう、あの歌を。
免許更新ゆくぞー。(明日) じじいのせいで、違反講習受けねばならんから時間かかるぞ。明日は身なりは正しくしていくぞー。目の下にクマができんようによく寝るぞー。以上。
数日経ってもレスティは戻らなかった。 「レスティさん、大丈夫かな」 リサは不安を覚えている。コウも同じだった。彼は、彼女に自分のこと、レスティのこと、女王のことを話したし、リサも自分のことを話した。お互い立場は違えど魔女だった。それで妙に引かれあっている。 「胸騒ぎがする。なんだろ……」 妹が作ってくれたお守りを握り締める。袋の中に入っている石の感触がある。 今頃、どうしているだろう……。 「心配しても始まらない。レスティなら大丈夫さ」 「レスティさんなら大丈夫よね……」 彼女はそう思う。しかし、彼女の不安は消えない。不安はレスティではない。そう思った瞬間、彼女は彼の世界から消えうせた。 「リサ!」 コウは目の前で消えた彼女に驚いた。しばらく呆然としていた。そこへ、ひょっこり鳥が入ってきた。それは、みるみる人の形になり、レスティとなった。 「ただいま。ちゃんと留守番していたかい?」 「レスティ、リサが消えた」 詳しい話を聞くと、レスティは納得した。 「虫の知らせだね。心配どころか何かあったんだろうね。あの子の大事な人に。でも、多分すぐ帰ってくるよ。あの強欲女王が何をやっていたのか、わかったからね」 レスティは笑っていなかった。何か、恐ろしいものを見てきたらしく表情は沈んでいた。
2005年04月20日(水) |
「本当にやめるの?」 |
と聞かれ、「はい」と答えた。 今では、怒りが収まり「どっちでもいい」感じがあるけれど、どうせまた、「やめてやる!」という気持ちになるのでやめる。もう、嫌々仕事やるよりはいいと思っているので。
森は主人を守る。 翌朝から、リサはレスティの手伝いをした。掃除や洗濯、料理。一通りこなすことは出来る。コウは、森の中で薪や木の実などの食料を探してきた。それが彼の仕事となった。 レスティは、彼らに魔法を教えた。リサにはなじみのない魔法もあったが基本が同じため、理解し使うことが出来るようになった。そのおかげで彼女の魔法力は高位魔女並みの強さとなった。 「たいしたもんだよ、あんたは」 「レスティさんのおかげです」 レスティは朝は少女の姿。夕方は老婆の姿となっていることが多かった。時には、妙齢の美女の姿にもなる。どっちが本当の姿かと聞くと、「こっちだよ」と老婆になる。 「月にあたっていると魔力が蓄えられるんだ。だからあたしは若い姿になれる。でも、夜になる頃にはそれが切れるんだ」 「でも、レスティに夜会う時はいつも若かったじゃないか」 「ああ、それはお前の魔力が放出していてそれを吸ったんだよ。それほどの魔力をお前は身につけているってことさ。今はそれをコントロールしているようだね」 「そうなんだ」 「じゃあ、コウは十分に高位魔女になれるんだ」 「リサ、お前さんの言う、高位魔女とは何かね」 彼女は、高位魔女について話した。自分の世界が、悪魔たちにより脅かされていること、高位魔女はそれと戦うためにあること。 「悪魔が……」 レスティは考え込んでいる。 「ちょっと調べてくるよ。お前さんたち、留守番頼んだよ。あたしが帰ってくるまでね」 レスティはその魔力で、自分を鳥に変えた。そして、羽ばたいていった。
でも、自分で内容覚えているはずもなく、読み返す。(2005年3月1日からお読みください。) 魔女と魔女の話……どっちかと言うと、魔女と魔女と魔女の話? さて、どんな話にする予定だっけ?
「そういえば、この森はレスティさんが守っているの?」 「今はね。でも、この森に迷いの魔法をかけたのは、あたしの婆様だよ。婆様はものすごい魔女だったからね。今も魔法が続いている」 「そうなんだ」 「レスティ、ここにいれば安全なんだな」 「今のところはね。あの女王が妙なことをしない限りは平気さ」 レスティは部屋を勧めた。こじんまりとした部屋。でもベッドなどの家具はそろっている。お客さま用とドアに書かれていた。 「年頃の男女を一緒にするのは悪いね。あんたはあたしと一緒の部屋だよ」 彼女は隣の部屋を開ける。魔女とは思えないほどのかわいいあつらえをした部屋だった。レースのカーテンやベッドカバーが見える。 「ベッドは使っていいよ。あたしは違うのがあるからね」 レスティはやっぱり笑った。 リサはベッドに入ると、数秒で眠りに落ちた。疲れていた。歌を歌い、森をさまよって別世界に来てしまった。二度目。 コウも同じだった。彼は一ヶ月間、別世界で過ごしたという疲れがあった。女王から逃れたという安心はあったが、見知らぬ世界は不安だらけだった。レスティは、二人が深く眠るのを見て安心した。そして、自分は暖炉の前にある大きめのソファーで眠る。窓から差す月の光を受けながら。
中を過ぎていた。なんかいろいろあったような……。 全然関係ない話だが、通勤中にあったパチンコ屋(けいおう)がつぶされておしゃれっぽい建物に変身した。なんの建物かと思ったらパチンコ屋(わしズ)だった。なんか、がっかりした。(パチンコやらんし。無駄に金を使うのは、お菓子を取るゲームぐらいでいい。負けること前提)
翌日、予定通りべグゼッドは犯人とされた。ただし、ゴシップ紙なんで誰も本気で受け取ってくれない。面白がって中傷したりする者が城に来たが、城ではもちろん取り合わなかった。 べグゼッドは待つだけだった。変装名人はどのようにして現れるのか、わからない。 「なぜなら、変装名人だから」 カシスがきょろきょろしている。 「慌てんなよ、カシス。相手はな、怪しまれない格好で来るよ」 夜になっても現れなかった。 「寝るか……今日は来ないみたいだな」 カシスが返事の代わりにあくびをする。部屋に戻ろうとすると、ノックが聞こえる。グオンが入ってきた。 「べグゼッド、現れたぞ」 グオンが、廊下を指差す。変装名人のことを言っているらしい。 「らしいな……。カシス」 「おう」 カシスが剣を抜く、そしてグオンに向けた。 「どういうことだ?」 「変装名人とはいえ、グオンを変装し切れなかったってことだ。まず、ノックなんてしない。そのくせ、人には「しろ」と言う。そして、自室ではともかく、グオンは部屋を出るときには襟元を締めるんだ。いつ、メイドとすれ違うかわからないからね」 「なんなんだ、それは」 「それが、グオンなんだ。あんたはまだまだ半人前だな」 「言うな、それを」 グオンの偽者が短剣を握りカシスに向ける。しかし、カシスがすぐたたき落とす。 「なぜ、あの男を殺した? そしてなぜ、俺に変装した?」 答える前に変装名人は、駆けつけた兵士に取り押さえられ逮捕、城の離れにある牢屋に入れられた。 「犯行の理由は、稚拙だな。変装名人として半人前と言われたからだってよ。被害者こそが変装名人であの犯人はその弟子。べグゼッドに変装したわけでなく、犯人の髪が赤毛だった。そして、子供のような身長なら疑われにくいとにらんだらしい。どうだ」 翌朝、ライスキーとブレングが城を訪れて兵士から話を聞いた。前にべグゼッドが被害者のことを聞いた若い兵士である。 「うーん、納得していいもんかなあ」 彼はなんだか拍子抜けした。カシスも同じような表情である。 「だがな、記者はそれを面白く書くんだ」 「しかし、記者はそれを深く書くのですよ」 二人の記者の声が重なった。二人はもっと詳しいことを兵士から聞き出そうとしている。べグゼッドは、ごゆっくりと言ってそこから離れた。 「それにしても、そっくりだったなあ。よくわかったな」 「わからない方が変だよ。長い付き合いだから。それに、足音も違ってたしね」 「足音?」 「グオンの足音は特徴あるからすぐわかる」 「……お前の方が変だ」 そんなの、聞き分けたこともないっと言った顔をした。
そのゴシップ紙は、久しぶりに真実を書いた。その内容が面白く載っていたことで話題になった。そんなわけで、そのゴシップ紙は、たまに真実を面白く書くことが多くなったという。
終わり
2005年04月17日(日) |
第七次日本人の栄養所要量 |
についての講習が昨日あった。(自分も忘れていたけど本職は栄養士)講義をしてくださった方がとても面白い方で、最初に「第七次日本人の栄養所要量はありません」って。なんですとー? そして、「食事摂取基準」という名に変わるって……。 まあ、言われてみれば、毎日全種の栄養素をきちんととっているかなんて皆無だわさ。そんなの栄養士でも無理だわ。 日本は、結構いい加減な所要量を作っていたのね……。何故って、実験体がネズミだから。 ここで、今回の講習で聞いた内容のわかりやすい見出し。(某健康番組風) 『実は間違いだらけの栄養所要量! あなたは自分の基準値を知ってますか? 推定基準値ってなーに? これで明日からあなたも安心して摂取できる!』
もう一つ。 妊婦さんは無理に牛乳飲むことはしないように。(好きだったらいいけどね。ほどほどに)一部の話だけど、牛乳嫌いの妊婦さんに一日三杯飲ませてたら生まれてきた赤ちゃんが脂ぎってた……らしい。よく、出産後歯が抜けるというけど、嘘です。 出産後、カルシウムの吸収率があがるので、カルシウム不足にはならないそうです。 ただし、もともとちゃんとカルシウムを取っているというのが条件です。日本人はカルシウム足らんのよ。 この話、ずっと前からあるらしいけど、世の栄養士たちに伝わらなかったという。(ので、「あなた方は被害者ですよ」っと講義で言われた)
と、思ったら、土曜日は受け付けていなかった。よくある話。
べグゼッドは父親と二、三言話しをして部屋から出てきた。五分も話してていないだろう。そして部屋に戻り便箋を取り出して、新聞社宛に手紙を書く。何回か読み直した後、封筒に入れる。そして、もう一通手紙を書いた。別の新聞社だ。こちらは正規といってもいいほど真面目な新聞社だった。それをカシスに頼んで郵便屋に届けてもらう。 数日後、呼び出されたライスキーはにやにやとして城にやってきた。しかし、もう一人の新聞記者がいることに首をひねる。 二人は、城の謁見間ではなく、直接応接間に通された。普通の応接間である。貴族の屋敷の方が贅沢ではないかと思うほど、シンプルなものだった。 「まずは、ライスキーさんって言っていたな。いろいろ書いてくれて礼を言う。おかげで犯人探しという楽しい暇つぶしができた」 しっかり初対面のライスキーに向かって言った。 「そりゃどうも、一応名乗っとくぜ。俺はライスキーだ。お目にかかれて光栄だぜ、王子様」 べグゼッドは次に、もう一人の記者に挨拶する。 「こんな茶番に協力していただいてありがとうございます。内容は手紙に書いたとおりです。よろしくお願いします、ブレングさん」 「ええ、僕は構いません。それに、お会いできて光栄です」 ライスキーとブレングは同じ記者であるが対照的だった。ライスキーは髪もぼさぼさで服も小汚い。ブレンドはどこもかしこもきっちりしている。書くことの内容でここまで違うのかとべグゼッドは見比べていた。見比べながら、二人にソファーを勧めた。自分も座る。 「で、ライスキーさん。あんたにお願いすることは、得意のゴシップで俺を犯人に仕立ててくれ」 「はあ?」 これにはライスキーも驚く。ブレンドは手紙で内容を知っているのか何も言わない。ただ、くすくすと笑っていた。 「そして、本当の犯人をおびき寄せる」 「それが狙いか。そしてこいつは後日に本当のことを書く、か」 「その通り。やっぱり一部始終を見ていたほうが書きやすいだろ」 「見かけによらず王子様は大胆だな」 「でも、驚きました。ご自分を使っての狂言をやらせるなんて」 「せいぜい、真犯人を悔しがらせるような書き方をしてくれ」 「あーあ、役に立たねえゴシップ紙を役立たせようなんて、なんて王子様だ。でも、面白そうだな。もし真犯人を暴いたら書いていいか」 「もちろん、構わない。まあ、迷惑なのはやめてくれ」
に行ってきます。
カシスが笑った。その笑いは乾いている。 「伝説だってさ、べグゼッド」 「ううっ……」 「しかし、伝説ではないかもしれない。何しろ」 「時間だから?」 台詞を先取りされたトルクはそれ以上何も言わない。黙って本を読んでいた。「時間だから」は、この老人の口癖だった。何の時間を指しているのかは、べグゼッドには経験済みである。魔族たちが動き出し不可思議なことが次々起こっている。彼はそれを嫌と言うほど経験した。 「ねえ、その変装名人一族ってどこに住んでいるの?」 「さあて、西に住んでいるとも東に住んでいるとも言われるが、一番近いところにいるかもしれないな」 「そうか。ありがと、トルク」 「べグゼッド、無茶だけはするな」 「うん」 二人はトルクの部屋から出た。 「今度は親父の部屋だ」 「なんか、変なこと考えてんのか?」 「だから、親父に許可とってもらうんだよ」 べグゼッドはにやにやしている。何かよからぬことを考え付いた証拠だ。 「あの記者を呼び出す」 「あの記者って、あの記者か?」 昨日、会ったとんでもない記者をカシスは思い出しただけで、ムカムカする。 「で、どうすんだ?」 「でっち上げてもらうんだ。犯人を、俺として」 「はあ?」 確かに、容疑者候補として名前は出されたが、はっきりと犯人とまでは書いていない。いや、書けない。ますます、カシスは混乱した。
そして、バッドエンディング……。次は超高速でやってます。めっちゃ早いっ!
変装名人。 その答えには、グオンも無言だった。被害者の家から帰ってきて、突然、「犯人は変装名人だ」とべグゼッドに言われ、少々混乱した。 「変装名人の一族は、確かにいるんだよ」 「聞いたことがない」 「当たり前だろ、そんな公には出ないんだから」 その古い事件帳には、変装名人の一族についても詳しく書かれていた。 まず、その歴史は古い。彼らは、変装を得意、特技とする。必ず、本人そっくりに変装する。身長や体重までをも偽装することが出来る。しかし、人前にはあまり出ることはない。 「考察、このように人の前に出ることすら稀な一族が殺人を犯すということは、非常に怨みがあるのではないだろうか? だってさ。ちなみに、この変装名人は捕まらなかったんだって」 カシスとグオンは、もう聞いてなかった。 「なんだよ、疑っているのか?」 「なんか、都合良すぎな感じ」 「いいよ、トルクなら何か知ってるだろ」 トルクは城お抱えの医者である。最近は暇なので、庭に家庭菜園を作っている。勝手に作ったが誰にも言われないのをいいことに、拡大を考えてい る。 「トルク、いる?」 「べグゼッドか。なんだ、腹でも下したか?」 トルクは自室にいた。かなりの歳にも見えるし、若くも見える。べグゼッドにはわからなかった。ただ、彼が物心ついたときから、トルクは変わっていない。彼は木のイスに座り植物の本を読んでいる。今度も何か野菜を植えるつもりのようだ。 「違うよ」 「お邪魔します」 カシスも着いてきた。グオンは仕事に戻った。 「ねえ、変装名人の一族って知ってる?」 「はあ、変装名人の一族……変装名人……それが、どうした?」 「知ってんだ」 「もちろんだ。とはいえ、地元フォーランズでもあまり知られていない伝説だよ」 「伝説?」 「だから、全然うそっぱちとも考えられる」 そう言って、トルクはまた、本を読み始めた。
「すべてがFになる」をプレイしているけど、なかなか終わらん。最初だからはしょるのが嫌だけど、どうでもいい文と台詞は飛ばしてます。ただいま八時間目……。
とにかく、彼はイスにどっかりと座り、しおりの入ったものから読んでいった。読むペースは早い。時々カシスが一冊しおりを挟むより、早く読み終えることもあった。そんなのは殺人事件の少ない年のものだが。ともかく、大した参考にならないものはしおりを抜いて平積みにしていく。最近になればなるほど参考にはならない。べグゼッドもさすがに疲れて、一度本をテーブルに置いた。カシスはやっと全てにしおりを挟んだ。 「あと、五冊か……ん?」 しおりを挟んだ本が五冊積み重なっている。そのうち二冊が、かなり古いものだった。 「なんだ、これ!」 「お前さ、新しいのから読んでいっただろ、上から取っていって」 歴史の古い事件帳に歴史の新しい事件帳をカシスが積み重ねたので、最も古い二冊を彼は読んでいなかったのである。 「くっそー」 「あ、俺、なんか冷たいものでも持ってきてもらうよ」 と、カシスはそそくさと逃げる。テーブルに置いた本からしおり抜き取って、積み重なった本の下から二冊取り出した。 一番古い方を読む。かなり殺人事件は多かったが、参考になるものはなかった。そして、二冊目。こちらもかなり多かった。カシスがジュースを持って入ってくる。が、彼は気づかない。 「あった、あった!」 べグゼッドが本を開いたまま抱えてにんまりする。 「変装名人だよ」 「へんそうめいじん?」 カシスからジュースを受け取り、一気に飲み干す。 「ああ、そういう一族がいたんだってさ。今でもいるかもしれない」 「それ、ホントにいるのか? つーか、それで大丈夫なのか?」 カシスは、やや不安げな表情をした。
2005年04月12日(火) |
タロット占いは当たる? |
自分のいいように解釈すると当たっている、と思う。 でも、不思議なことに同じようなカードが出るんだよね。
一方、べグゼッドは被害者について担当した兵士から聞き出していた。 「あれ読んだけどよー、無理だぜ子供には。まず、あの体格から言って子供に殺されることは無理だな」 まだ若い兵士の男は、無理を連発する。あれとはもちろんゴシップ紙のことだ。城でも回し読みされているらしい。 「どう殺されたんだ?」 「首に締め跡があった。でも、どう考えてもそのまま締められるってことはないだろ。あのおっさんだって相手が子供なら振りほどくだろ」 「……」 「あと、おっさんの服に髪の毛がついていたんだけどよ、長い金髪だったぜ」 「ふーん。ありがと。あ、それ、あのゴシップ紙に言うなよ」 「もちろん、あんなゴシップ紙ぎゃふんって言わせてやれよ、べグゼッド」 「うん」 べグゼッドは部屋に戻った。カシスが本を開いてはしおりを挟んでいる。 「進んでる?」 「いーや。でも十冊目だ」 「上出来じゃないか」 カシスにしては、というのはやめといた。もともと読むものは苦手であるのだ。カシスが一生懸命めくってはしおりを挟んで閉じているのはフォーランズ国で起こった事件帳である。今のところ全百二十三巻。その中には城内で起こったトップシークレット(先代フォーランズ女王が王位に着く前、怪盗シルバーに唇を奪われたこと)から、田舎の夫婦喧嘩(新婚夫婦が羊のオスメスについて言い争いになった)ことまで記してある。 その、殺人事件の項目にしおりを挟んでもらっているのだ。何か参考になればと思いべグゼッドが、許可なく勝手に持ち出した。
生きております。 悩んだ末、仕事をやめることにしました。もう、ついていけない。 ただいま、前向きに退職方向に進んでます。(自分の気持ちが) で、今日は遅いので、お休みなさい。
ゲームソフト千円引きだったので、「すべてがFになる」を購入。キャラデザの人、よく読んでないだろうなあと思いつつ。それともわざとなのか。取説では萌絵は一年生だが二十歳。ビール飲むからだろうなあ。
グオンは、いやいやながら仕方がなく被害者の家に訪問することになった。べグゼッドとカシスは留守番。余計なオプションはいらない。グオンはいつもよりも身だしなみに気をつけてその家に向かった。あらかじめ城から使いが訪れることを手紙で知らせてある。ただ、滅多に外に出さないグオンが行くことは知らせていない。 グオンはドアをノックした。 「はい……」 憂鬱な顔をした中年夫人が、顔を出した。その表情が固まる。ややして気を取り直す。 「もしかして、国王様の使いの方ですか」 「そうです。グオン=サルガリードと言います。お悲しみは承知の上で大変失礼ですが、泣くなったご主人のことについて、お話しを聞かせてください」 「あなたが、グオン様。……では、お上がりください。どうぞ」 なんの躊躇もなくグオンを招き入れた。それだけ彼は(女性にとって)無害に見えるのだろう。または彼にどうされてもよいっていう方かもしれない。 「主人は確かに自慢することが多いですが、人から恨まれる人ではなかったです」 グオンの聞きたいことがわかったのか、何度も事情聴衆を受けたからなのか夫人は最初に切り出した。 「自慢とは?」 「はあ、例えば自棄酒大会で優勝したとか、中年親父ぼっこりおなか最優秀賞とか」 「……」 「ともかく、自慢しても一部のマニアしか受け付けないようなものなんです。急性アルコール中毒なら納得いきますが、殺人だと聞きましてショックです」 夫人は目をハンカチで押さえた。 「お話はわかりました。ともかく、殺されるような方ではないのですね」 「ええ」 「ありがとうございました。これで、失礼します」 「何もお構いしませんで」 「いえ。それより、奥方。泣いていては始まりません。まだお若いのだから、第二の人生を見つけてください」 「お噂に違わず、ですわね。グオン様」 「では、このことはご内密にお願いします」 収穫は、なし。あるとしたら、犯人は無差別だ。ということしかわからなかった。まだ、捜査は難航しそうだ、とグオンは思ってため息をついた。
2005年04月09日(土) |
「仕事なんかやめちゃえ病」 |
「♪もともと販売員でしたっ! 今では趣味が仕事です!」 某誌のCM。何か、こう「喧嘩売ってんのか! 趣味で食っていけねえからこんな仕事してんだ!」と言いたくなるが、だいぶ上記の病の発作がおさまってきました。CM見ても無視できるようになったよ。多分。 嘘のようなホントの話……この間、友人に占いしてあげたら自分も占いたくなって占ったら、これから起こる事で「女帝」のカードが出た次の日、友人から結婚式の招待状が届いた。更に職場の職員が入籍するような話をしていた。確かに「女帝」は結婚・妊娠の意味があるが……自分の占いなのに……。
「で、どうやって犯人を捕まえるのかが、問題だ」 最初からそれにつまづいている。他の新聞では、もう忘れたかのように他の記事に精を出している。つまるところ、有力な手がかりがないということだ。城の兵に聞いても手がかりがない以上は動けないらしい。 「ねえ、グオン。ちょっとさ被害者の家族に会って話し聞いてきてよ。ほら、誰かに恨まれいたとかさ」 「なんで私が」 「グオンなら、未亡人でも気が許せると思って」 カシスも面白がる。 「お、本格的。面白くなってきたな」 「忙しい。遊んでる暇ない。断る」 グオンは立て続けに言って部屋を去ろうとした。しかし、ドアの前に立つと、それが開いた。 「話は廊下で聞いた。私からも頼もう」 国王だった。 「陛下、何故ここに」 グオンはいつもと同じ態度である。 「おじさん、お邪魔してます」 「なんだよ、親父。用あるなら呼べばいいのに」 カシスは元気よく挨拶し、べグゼッドはくだけて言う。謁見の間以外だからこそ、くだけていられる。「呼べばいいのに」とは、父親の足が悪いことを配慮しているからだ。 「まあ、たまには自分が動かないとな」 「新聞のことをご存知だったんですね」 「そりゃ、毎朝読んでいるからな」 そういうところは親子そっくりだ、とグオンはこっそり呆れた。 「新聞記者を呼び出そうとも思ったが、カシスのことも書いたからには、下手に呼べん。しかし、このまま黙って見ているのも歯がゆい。犯人をとっ捕まえるのが、気持ちがいいだろうと思って息子を訪ねたが、同じ事を考えてたようだな」 まったく何でこんなとこまで同じなんだ、とグオンは情けなくなった。
アンパンマンのキャラに「ナンカヘンダーさん」っていう人(?)いなかった? まあ、どうでもいいけど。昨日のカシスの台詞変だわさ。「外は晴天」って、外にしかないって、晴天は。(この文も何か変だ) まあいつも後から読み返すとツッコミたくなりますがね。
あ、そうそうまた一つ、歳を食ったよ。おいらもいい年こいて何やってんだか。
「俺が、何を言おうが知ったこっちゃないだろ。どうせあんたは好き勝手書くんだ」 カシスは掴まれた腕を振り解いた。 「うん。まあね」 「俺に会ったことすらネタにするつもりだろ」 「もちろんだ。君は頭がいいね」 「うわっ、ムカつく!」 カシスは頭のことでほめられたことがないので、イヤミとして受け取ったらしい。 「ともかく、あんたに話すことなんかない。さいなら」 カシスは走り去った。
その日の夕刊。そのゴシップ紙から号外が出た。べグゼッドはそれに目を通すと今度こそ床に打ち付けた。 「新聞に当たるな」 グオンは当然のように言う。 「わかってるよ」 内容は、『共犯者現る。島国の王子もグルだ』と。 「ばかばかしいのはわかる。でも」 「ああ、ここまでやられたら国王が出るな」 「あんな奴、引きずり出してやりゃいいんだ」 カシスが床にたたきつけられた新聞を踏みつける。かなり、みっともない。 「でも、そうなったら今度こそ面白がるな。書くことが想像つく。今度は、記者自らが国王に頼まれたとか、息子の無実を書けと脅されるとか、実は国家機密で殺されたとか……ネタにするに違いない」 べグゼッドの声がだんだん荒げて、最後の方は叫んでいた。それでも、グオンは冷静だ。この男が慌てたことは少ない。無いに等しい。 「全くだな。一番いいのは」 おとなしくしていることだ。と続くはずだった。 「真犯人を捕まえることだ。こんなバカなことになんで俺たちがやんなきゃいけないんだか」 べグゼッドが楽しそうにいう。なんだかんだと言って、犯人探しには興味があるようだった。 グオンはため息をついた。今月で何回目だろうか。まだ月初めだったなと思いながら。
旅行後の仕事は疲れます。今日は、特に……。 もう、何やっていいのかわかりません。
「雨でも振るかもな」 べグゼッドがぽつりと言った。 「何言ってんだ。外は晴天だぜ」 カシスは真面目な顔で言う。彼のイヤミに気づいていない。 「それより、たまに外に出たらどうだ?」 「行きたいけどな。でもな……」 「あんな新聞気にしているのか?」 「うん、まあ。グオンの言ったことも気になるし」 「しゃーねーな。俺だけ行ってくる。土産に菓子でも買ってくるからな」 「ああ、ごゆっくり」 そう言って、カシスはさっさと行ってしまった。べグゼッドはそれを見送ると、自室に戻った。 カシスは、城下町を歩いている。まだ朝ということあり、歩いている人はまばらだった。これが、朝市を行っているところとなると、道いっぱいに人がいる。ビアソーイダはいつも人がいっぱいだが、カシスは物珍しく見ていた。 露店で焼き菓子を買うと、彼は昨日殺人事件があった場所へ行ってみた。本当に目立つ場所で殺されたものだなと、彼は不思議に思った。十字路の真 ん中は立ち入り禁止となっている。 「おい」 不意に腕を掴まれた。無精ひげのやせた男だった。 「なんだ、おっさん」 「お前、ビアソーイダの王子だな」 「なんでわかるんだ?」 「その剣ですぐわかる。紋章でな」 うかつだったと言うべきか、彼はぎくりとする。 「俺はライスキーだ。よろしく。噂は良く聞いているからネタにしているよ」 「じゃあ今度、提供料もらうよ」 ライスキーは口の端だけで笑った。 「やろうじゃないか。べグゼッド王子のことについて話してくれたらな」
旅をしていると、小説を怠ります。 今回は、どういう話にしようか考えるつもりだったのに、忘れてまった。
朝食を食べ終えた直後、カシスはやってきた。 「おっはよ、べグゼッド」 カシスは顔パスで入ってこれるようになっている。 「珍しい。お前がこんな早く来るなんて」 朝はまだ早い。こんな早くに来ることができるのは、朝一で港に着いた船で着たということだ。更にその船は、おとといの朝一で出た船だということ。 「なんだ、家出でもしたのか」 「うん、まあ。モーサビットの兄貴におん出された」 モーサビットはカシスのすぐ上の兄である。短剣の扱いがうまく、投げナイフの腕も申し分ない。ただ、おかまで普段から女装状態である。 「化粧品に金三十支払って親父にチクッたんだ。親父は兄貴に叱られて、俺は兄貴から報復を受けたってところ」 「……で、いつものようにここに来たのか」 「まあ、ここにいるとご飯が出てくるし、ベッドもあるし」 「うらやましい性格だな」 「でもよ、ここに来てから、みんなから新聞読んだかって聞かれるんだ。なんでだ?」 カシスは新聞を読まない。安易に想像できる。 「ああ、しょうもないことをかかれたんだ」 「ふうん」 例のくちゃくちゃになった新聞をカシスに見せる。カシスは眉をひそめた。 「なんだか、書けばいいって感じの記事だな」 彼にしてはまともなことを言った。
実は、マニアックなお店の列だった。(あくまで感想です。神戸に住む皆さんごめんなさい)
三宮でポートランナーに乗りポートアイランドへ。入場料がただなんで乗る物乗って出ました。しかも、春休みというのに空き空き。待たずに乗れた。汽車形のジェットコースターが怖かったです。(友人は怖がってミュンヘンアウトコースターだけしか付き合ってくれませんでした。) 再び三宮。ポートランナーの広告で、「かつおふりかけ」の広告が、おいしそうでよってみようとした。見つからず。地元の親切なおば様に聞いて、見つけたら、改装工事中だった。 神戸でなに食べようかという話で、下調べばっちしな友人から飲茶を提案されてすぐに承諾。南京町まで歩く。その間、高架下のお店を通ることに。そこで見つけたのが。 なんて素敵な、刃物店だ。(そこかい) 難なく南京町に到着。そこで食ったものは、にら饅頭、桃饅頭、ふかひれラーメン、北京ダッククレープ巻き。多そうに見えるけどそうでもなかったりする。食い物だらけだけど、露店いっぱいでお祭りみたいなとこです。 さらに戻って、アニメイト三宮へ。その前に、マニア店はマニア店とまとめてるのでしょうか? (やたらとあった) ともかく、一日ではとても見て歩けないところです。(観光地を一日で見てくるのが間違ってるんだけども) とても、十年前地震があったと思えませんでした。 今回、日本南端新記録でした。(今までは大阪・京都だったので) また行きたいっす。今度は台湾料理ですか?
公衆電話前で熱烈に抱き合う男女が。二人だけの世界って感じだけど目撃者には赤面もの。
旅行に行ってきます。次の更新は六日。三日分書くつもり。
「仕立て上げられたと言うより、容疑者にされたな」 「どっちにしろ迷惑だ」 べグゼッドが握り締める手の中にその新聞はある。すでに握りつぶれている。そのまま床にたたきつけるのではないかとグオンは思った。その時は、新聞に八つ当たりはみっともないと諭すだろう。しかし、彼はそれをしなかった。代わりに新聞をねじり始めた。 「しかし、王族の名をダシにするのは問題だな」 「まあね」 貴族なら、なんでも構わない。相手によっては開き直るものもいる。しかし、王族の名は勝手に使うことは出来ないことになっている。ましてや、殺人犯にするなどはもってのほかだ。その記者は城を通して呼び出される。しかし、それはあくまで国王の目に入ったときである。最上のゴシップ紙をマジメに目を通す国王はいない。 「まあ、誰も本気で取らないだろうね」 もうねじることが出来なくなって棒状になったその新聞でべグゼッドは肩を叩いた。 「そうだな。しかし、民衆と言うのは特に王族のスキャンダルに面白がるだろう。身構えていた方がいいかもな」 真面目な顔でグオンは言う。 「グオン、最初と言ってること違う」
って、なっていた。タイトルと言うより文書名。 本当に、冒頭部分しか書いてないのよ。これは。
べグゼッドは朝起きてすぐに新聞を読む。 それが、彼の日課である。寝巻きのまま自室のイスに座り、国中の全部の新聞に目を通している。これで、大概の国で起きた事件は入ってくる。大きなものは直接城に来るが、誰かが小銭を泥棒したとか、宿屋が隣の宿屋と喧嘩したなどのは入ってこない。特に知りたいと言うわけではないが、それが国を治める者の勤めでもある。 一冊十分ほどで読み終える。内容は全部頭に入るが、特に必要ないものは順に忘れていく。 「全部の新聞に昨日の事件載ってるな」 夜中、少し騒がしかったのを寝ぼけた頭で覚えている。殺人事件など、滅多に起こらないのだから騒ぎになるのは無理もない。 そして、犯人もわかってはいない。 次々に読んだ新聞は積み重って行き、最後の新聞で手を止める。わが国でも、一番と言われるゴシップ紙。四行に一行は嘘と思えといわれるほどの噂のみの新聞である。これを読むのはお遊びだとも。 彼は、その新聞を開いた。いつものことである。内容はほとんど信じてはいない。ついでに読んでいるという感覚だった。 しかし、今朝はそうは行かなかった。その部屋には彼一人だったが、もし誰かがいたら彼の顔色が変わるのがすぐにわかるだろう。 「なんだよ、これ」 べグゼッドは立ち上がった。寝巻きのままグオンの部屋に向かって入った。 「なんだ、騒々しい」 グオンはすでに軍服をぴしっと着ていた。いつものことだが。 「これ、なんなんだ?」 「それ、か。気にすることもないだろう。その新聞なら」 彼も新聞を読んだらしい。面倒臭そうに答えた。 「そうだけどさ……」 新聞には、こうあった。 『……深夜の殺人事件。偶然わが社の記者がそれに遭遇した……酒場から出る際に、子供らしき人物とぶつかった……被害者の横には赤い髪。犯人は赤い髪の子供か? そういえば、わが国のべグゼッド王子は見事な赤毛だ……』 つまり、その殺人事件の犯人を軽い気持ちでべグゼッドに仕立て上げられてしまったのだ。
2005年04月01日(金) |
違うものを書きたい時って |
あるじゃない。やっぱり。 ところで、部屋が寒すぎて指が動きませんです。 打ち間違いは勘弁してください。
と言うことで、ちょっと違うの書きますわ。昔、途中まで書いてやめちまったものです。
ファーランズは治安が良い。しかし、夜の路地の酒場となると話は別だった。そんなところでも安酒を求めて人は集まってくる。 新聞記者、ライスキーもその一人だった。新聞記者といってもマジメな記事を取り扱わないゴシップ紙の記者である。だから、あることないことを適当に書くだけの記者。有名なオペラ歌手を追いかけては不倫相手を見つけたり(この場合、男なら誰でも不倫相手とする)、貴族が金を払っているのを見ては賄賂だとする。大衆は信じる信じないは別にそれを読み、話題にして、そして忘れる。 「なんか、いいネタねえですかねえ」 ライスキーは店主に愚痴った。このごろのネタ不足で、編集長に怒鳴られっぱなしである。似たようなネタばかりでマンネリ化している。 「おい、ライスキー。それよりツケはいつ払うんだ?」 「そう、ケチるなよ」 「いや、かなりたまってんだ。もう払うまで酒はださねえ」 「ちっ、じゃあ、この一杯で今夜は粘るからな」 グラスには水で割ったウィスキーが半分残っている。彼は宣言どおり、真夜中まで粘った。酔いも出来ない。だが、飲む酒がなく酒場にいてもつまらないだけだ。大衆のゴシップは、大衆にはつまらないからだ。彼は酒場をでた。 どん。 出た拍子に、誰かとぶつかった。体格は小さい。 「失礼」 「すいません」 子供か? 女か? 暗くてよく見えなかった。その人物は暗がりに消えていった。 なに急いでんだ? と、思いつつそれとは反対方向へ向かう。大通り出たところへ人が騒いでいた。 「人殺しだ!」 「死んでるぞ!」 彼はその場に走った。何か血が騒いだ。記者としての血。 そこに、人が血を流して倒れていた。死んでいるらしい。そのそばに、赤い糸が落ちている。彼はそれをつまみあげた。 「髪の毛?」 彼は、思いついてすぐさま仕事場に向かった。今日は酔ってなくて、助かったと心で思いながら。
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