気まぐれ日記
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紅白もレコード大賞もかかってません。 なぜか、「テレビタックル」がかかってます。 止める気もありません。 明日は早いので今日はお休みして、寝ます。
では、みなさん(と、いうほどの人は読んでいないと思うけど)良いお年を。
明日は新年特集しようかしまいか、ちと考え中。
大したことしてねえなあ……。 でも、今年は京都も東京も行ったし横須賀の友人にも会えた年だった。友人が結婚して祖母が亡くなった年でもあった。 毎年、「今年こそは」と思うけど、今年こそ何をやる? という疑問もあり。 とりあえず来年の目標は、九月の札幌キタラのドラクエコンサートにいくべ! あ、それと、この日記の整理なんかもしたいわ……。(消極的)
「して、どうするのだ?」 「疲れるけど、やるしかない。こうするんだ」 ブロードはやる気なさそうに、右手の指を前に出した。何かを描くように指を動かす。そうすると、光が文字を描いた。それが、かなりの魔力が消費されているのをアニムでもわかった。 更にブロードが、まだ宙に何かを書く。それは光の線となり文字をつづっている。 「……行け」 ぼそりとつぶやくと、リビングデッドとかゾンビとか言われているそれらがまわりを囲っていた。 「ちょうどお出ましだね。うん、タイミングばっちしだね」 何か寝ぼけてることを言っているが、その周りの異様さと異臭でアニムはつっこむとこはなかった。ブロードも表情は真面目だった。 そして、魔法は発動する。ぼおっといきなり火の手が上がり、動く死体やら腐りかけたものとか呼ばれていたもののみを片っ端から焼き尽くした。 ふと、アニムは感じた。 「熱くない……」 「うん、かなりうまくいったから。一歩間違えるとこれ、俺たちも骨一本残らず焼いちゃうからね」 全て焼き尽くした後ブロードはやっと表情をくずした。アニムはなぜか照れくさくなった。が、それもつかの間で、ブロードがばったりと倒れた。 「のわっ!?」 アニムが慌てふためこうとすると、アプリが覗いた。 「終わった? あ、ブロード君また」 「? また?」 「魔力消費しすぎて眠っちゃうのよ。魔力ないと生きられないだって」 それは、アニムも同じだった。 人間には、魔力に関して三種類いる。一つは魔力のない人間。バルクなんかがいい例だ。魔力はあるがなくなっても生きることが出来る人間。そして魔力がないと生きられない人間。エルフは人間ではないが、そのほとんどは魔力なしでは生きられない。 「まあ、仕方がないわ。アレを対処できるの、ブロード君だけだしね」 確かに、アニムは思った。自分ではあんな鮮やかな魔法はおろか魔術も使えない。 「運ぶの手伝って」 アプリとアニムはブロードを馬車の中に入れた。 「今夜は交代で見張りましょ。ブロード君がこれじゃ獣はごまかせないしね」 その夜は、そうやって更けていった。アニムは、何故アレらが彼らの前に現れるのか、明日尋ねることにした。
ちょっと、余談。(話とは関係ないが)ドラクエのモンスター「腐った死体」って、そのまんまというか、なんというか……。そんな気持ちで昨日と今日の文を書きました。
終えました。きっと自分の部屋はやらない。ごちゃごちゃしすぎてるから。でも、いらない本を売りに出してしまおうかと思っている。何も、この忙しい時期にやんなくてもいいかと思っている自分もいる。 とにかく明日休み。大晦日、元旦、二日はお仕事さ。
その日は夕方になるまでブロードは手綱を握っていた。アニムは話が終わるとで中に入った。途中何度か休憩を入れたが、ブロードが休んだのは食事ぐらいだった。 「ご苦労様、ブロード君」 「ん、じゃあアプリさん。夜はよろしく」 「うん」 夕食を済ますとブロードはすぐに馬車で横になった。寝息をほとんど立ててないので死んでいるのかと思うほど静かである。 「昼間はずうっと馬車を動かしてもらったから、夜は徹底的に休んでもらうのよ」 「夜はお主は何をしておるのだ?」 「普通は寝てるけど。昨日はあなたがいたから起きていたけどね」 「この辺は、大丈夫なのか?」 外は外敵がいる。こんな街道の真ん中では何があるかわからない。それを聞いた。 「野犬とかはブロード君が寄せ付けなくしているから大丈夫よ。強盗なら私が気づくわ」 「……そうなのか?」 「だから、アニム君は眠ってていいわよ」 正直に狭い馬車の中に一日中いたので疲れていたアニムはそうさせてもらった。 「では、遠慮なく……」 と、アニムが馬車に入りかけた時、突然ブロードが起き上がった。 「アプリさん、来たよ」 「来たって……アレ? いやああ!」 アレ? 「やっぱり、私たちについてくるようになっているんだわ〜」 「アレって、なんだ?」 「死体」 アニムの質問にブロードがきっぱりと答える。 「つーか、原形とどめていないような死体。はたまた白骨となった死体」 「アンデッドか?」 「と、言うよりリビングデッドかな。ゾンビなんていう言葉もあるけど」 「あーん、もう。ブロード君。さっさと何とかして!」 「アプリさん、ほんと苦手だね」 「苦手に決まってるじゃない! あんなの気持ち悪くて反撃もできないわ」 「彼らは何もしないよ。それに元は生きていた人間だから気持ち悪いなんていったらかわいそうだよ」 「だったらブロード君、あんな腐ったようなのに抱きつかれてもいいの?」 「いやだ」 「でしょ。はい、ちゃっちゃっとやっちゃって」 と、言ってアプリは馬車に引っ込んだ。
って、テレビ番組が特番になることで感じるようになった。 いいのか、それで?
「話の続きなのだが……」 ミルクを飲み終わったアニムがブロードに尋ねる。 「なんの話だっけ?」 「人間が魔法を使えないのは感情のせいだというところまで聞いた。では、お主はどうやって魔法を使っているのだ?」 「ああ、それはね。純度だよ」 手綱を握りながらブロードは答えた。 「純度?」 「俺のは感情に影響されないほど純度が高い。純粋に近い魔力だから威力もある」 「……純魔力。人間にはないはずだが」 「そうだよ。でもね、俺がもっているんだからしょうがない」 「……」 妖精主になれたのはそのせいでもあるのだろうか、と彼は思った。定かではないが。 「では、小生には魔法は使えないのか」 「エルフなんだからってそう考えるのは良くないよ。昔聞いたことがあるけど、エルフは成人になって初めて魔力を使えるようになるっていうくらいだから、あんたはまだ早いのかもしれない」 「そんなことは、初めて聞いた。確かに、幼い頃に魔法の使い方を教えてもらったことはないが……」 アニムが魔力の使い方を教わったのは、彼を拾って育てた老人だった。 「エルフには、人間の倍くらい魔力を持てるはずなんだ。だから、そのうち扱えるようになると思うよ」 ブロードは、そう言ったがその表情は別のことを考えているようだった。
大掃除の季節。 整理整頓、片付け。もっとも苦手だ。 何故なら、物が捨てられないから。 いつまでも手元におきたいという気持ち。いつか値打ちがつくんじゃないかという気持ち……。が、実際時がたって値打ちがつくようなものはもってないかも……。やっぱり本などは素直にブックオフにもっていこうっと。
アプリの威勢の良い声でアニムは目覚めた。しかし、彼女が起こしたかった人物はまだ寝ている。 「ブロード君、いつまで寝てるのよ! もう日はとっくに昇ってるわよ。起きなさい!」 毛布をひっぺがえし、肩をぐらぐらと揺らす。そこまでしてやっとブロードは目覚めた。 「おはよ、アプリさん」 「もう、さっさと出発するわよ。朝ごはんは馬車を動かしてからね」 「はいはい」 彼は立ち上がって伸びをした。そして、アニムが起きていることに気づく。アニムは自分が妙な感覚に捕らわれる気がした。 「おい、あんた。大丈夫だったか?」 「……まあ、なんとかな」 アニムの知るブロードではない。この男は、妖精主だとわかった。彼はブロードの弟(同じ名なのだ)で、どういういきさつがあったのか今は妖精主として存在している。アニムは妖精主である彼に会ったことがあるが、それだけで、他のことはわからない。妖精主も人間であったことを思えていないのだ。 「結構衰弱してたから、びっくりしたぜ。治癒魔法も効くかどうかわからなかったしよ」 「治癒魔法……だと?」 アニムの知る限り、治癒魔法を扱う人間は過去にもいない。それだけ稀な能力だと教えられたことがある。 ブロードはアニムをじっと見る。アニムはなぜか緊張した。 「あんた、エルフだよな?」 「そうだが……」 「それにしては人間の感情が入り混じっているなって思って」 「人間に育てられたようなものだからのう」 「魔法、使えるか?」 「いや、魔術なら」 「やっぱり」 「やっぱりって、なんだ?」 そこで、アプリにまだ出発しないのかとせがまれて、ブロードは御者台に座った。アニムも話の続きがしたくて一緒に御者台に座る。 「感情が多いと魔力は使いにくいんだ。特に人間のはね」 「では、お主はどうやって使っておるのだ?」 そこに、アプリがサンドウィッチを差し出した。 「はい、ブロード君」 「ありがと、アプリさん」 「どうぞ、アニム君も」 「すまんのう」 「今日までに食べないと、明日からはもう干し肉とか乾パンとかカタパンとかばかりだかね」 「そうだね」 「もう、ちゃんと今のうち味わってよね」 アプリが引っ込もうとすると、ブロードは呼び止めた。 「あ、アプリさん。なんか飲み物」 「はい、ミルク。これも今日までよ」 アプリは二人に瓶に入ったミルクを差し出した。
はじめます。アニムの話、どうしようかな……。(まだ悩んでいる)
アニムの章
アニムはただ歩いていた。そこがどこなのかもわからなかったが、街道に沿って歩けばいつか、町か村かにたどり着く、と思っていた。ただ、賭けに近い。食料も水も少ない状態だった。早く町か村かに着かなければ、彼は野垂れ死ぬことになる。 三日目。まだどこにもたどり着かない。 「時間障害を受けて、どこともわからないところで野垂れ死にか……」 水も底をついているし、食料も底をついた。それよりも、同じところを何度も歩いているような気がした。実際そうだった。まっすぐな一本道を歩いているはずなのに……。 気づいたら、馬車の中だった。狭い幌馬車で寝かされていた。馬車は動いていない。 それから、徐々に思い出した。結局めまいを起こして野垂れ死にするところを助けられたらしい。 「あ、気づいた?」 黒い髪の少女が声を掛けた。 「お水飲む? 何か食べる?」 答えは、両方だったが、とりあえず水をもらった。身体を起こしてカップに入った水を受け取った。 「すまん」 「いいのよ。彼が見つけてくれなかったら、あなたあのままだったわ。今、寝てるけど」 彼女が指差す方に馬車の端に座って寄りかかって眠っている男がいた。馬車の中が暗くて顔がよく見えない。 「あとでお礼言ってあげてね」 「もちろん」 「それにしても、エルフが姿も消さないで倒れているなんて、初めて見るわ」 姿を消す? 確かかなり昔のエルフはそうしていた、と聞いたことがあった。 「すまんが、ここがいつで、どこでなのか教えてくれるか?」 少女は、眉をひそめたが教えてくれる。約六百年ほどまえのミレンディ……妖精主の大陸だった。 「ミレンディ?」 「ええ、正確にはジョウロフェンツァからミレンディに向かうところよ」 「なるほど」 どうりで、行けども行けども何もなかったと彼は思った。妖精主の大陸は、村や街が少ないし、大陸のほとんどを妖精主の森が占めている。 「あなた、これからどうするの?」 と、少女が聞いた。 「あてのない旅をしている。ミレンディまで同行したい。そこで何かお礼が出来ればいいのだが……」 「お礼なんていいのよ。でも、ミレンディまではご一緒しましょ」 「ありがと。自己紹介がまだだったのう。小生はアニム」 「わたしはアプリ。そっちにいるのはブロード君よ」 「ブロード?」 「お知り合いかしら?」 「いや……あまり聞きなれない名だったからのう」 「そう。今日はもう、休んでね。明日は早いわよ」 アニムは、男のほうを見る。やっぱり暗くて見えないので、あのブロードなのかもわからない。そうこうしているうちにアプリはランプを消した。
で、終わるかな……。 ドラクエ�爾離┘鵐妊�ングその二を見ました。いい感じです。つーか予想通りってな感じです。
「そういうわけで、兄貴に伝言終わり」 家にて、良介がめったに来ない優介の部屋に来ていた。優介の部屋は、部屋と言うより一つの家に近い。食事は家族でするが、仕事などで一人遅く帰るときなどはこの部屋で簡単なものが作れるようになっている。自炊部屋だった。そんな自炊部屋に折りたたみテーブルを広げて良介に茶菓子などを出している。 「番茶でいいか?」 「うん」 まるで客扱いなのだが、良介も気にしない。 「へえ、玲子ちゃんがねえ……。明日は仕事で遅くなるかもしれないけれど……どうせならみんなを誘ったらいいのにね。うん、それがいい。良介、返事は俺からするからいいよ」 「うん。任せるよ。俺、玲子先輩はちょっと苦手だし」 「良介にも苦手なものがあったのか……」 優介が少し感心した。 「おじいちゃんには内緒だぞ」 優介はスーツの内ポケットから携帯電話を取り出した。 「あ、携帯」 この岡崎家では、携帯はご法度である。家長である祖父が使えないからだった。 「えーと、玲子ちゃんのメアドは……ちなみにこれ会社の」 「ふーん。でもなんで玲子先輩のが?」 「入れてくれたから」 「……」 良介は初めて優介の何かを知った気がした。
そして、クリスマス当日。 「どうして、こうなるんですの?」 玲子の下に集まったのは、田学最強メンバーとも言える面々だった。 「先輩、誘っていただきありがとうございまーす」 昨日、メールにて優介から人数がたくさんいると楽しいというメールが来て、じゃあ、お友達を誘ってくださいと返した結果である。 「なんで、あんたまでいんのよ」 と、玲子が春季に言った。 「いや、誘われたから」 中野四兄弟は全てそろっていたし、優介の弟二人もいる。倉本綾名、オカ研部員の可奈と貴乃。冬季に誘われて晴仁にその従兄弟で良介のクラスの河上空也、あと、優介の同期で田学高等部保健医の上田明までいる。 説明はしないが、ともかく迷惑極まりないメンバーであることは確かだ。 「で、あの優介さんは?」 「仕事で遅くなるっていっていたよ……それに今日は梅子さんとデートだろ?」 と、上田明。もちろん、優介のことはよく知っている。 「うめこさん?」 「知らないのか? 優介の婚約者だよ」 「……」 後日。中野双子姉妹と倉本綾名と東可奈と高山貴乃。ファミレスにて、話をしていた。と、言うより、中野姉妹が聞き込みのため、千円ずつならおごると言う条件で協力をしてもらっている。 「でさ、玲子先輩どうなったの?」 「その時は、まさにXディーでした。悪魔たちも飛び上がってましたよ」 と、可奈。 「えーと、可奈ちゃん。何が飛び上がっていたのかな?」 「ふふっ。載せるも載せないも先輩たちの判断に任せます」 「でも、すごかったわね。先輩の泣き崩れ方。天変地異でも起こったのか思った」 貴乃は二杯目の煮込みキムチうどんを注文する。 「だけど、あの後秀介さんが慰めたのよね。なんかあの人も失恋がどうとかでああなっちゃったらしいから玲子先輩の気持ちがわかったのかしら。最初は、なんで最初に教えてくれなかったのって秀介さんを責めてたけど、秀介さん、じっと耐えていたから……」 「今度は秀介さんに惚れちゃっただよね、玲子先輩」 と、夏季。 「第一一度惚れたらガツンと振られるまで眼の見えない玲子先輩に、婚約者がいるから無駄だなんて、ああいうタイミングがなきゃ聞かないわよね」 と、秋季。メモを取りながら。 「そうそう」 「それにしても、結局玲子先輩も変人なのね」 夏季はまとめるように言った。 全員がうなずく。 そう、秀介は変な人に惚れられるのであるからだった。
終わり
今年は、妹と二人で過ごします。妹はドラクエやってます。(笑) はなまるで見たチキンがおいしそうだったんで、それ作ってみようと思います。 で、今日はクリスマスってことなんで、ウォンテッダーをちょっとやめて違うことをやります。前編、後編ということで。
「クリスマスというのは……」 岡崎良介、オカルト研究部部長。田中学院高等部二年で、学内で一、二を争う変人だった。 「だから、クリスマスの由来その他はもういいですの! あなたにお願いしたいのは、優介さんに伝えて欲しいからですの!」 そう怒鳴ったのは、田中玲子。この学院の理事長の娘である。 「こうして、わたくしがじきじきこんな辺鄙な部室に足を運んだのは、信じられないけれどあなたが優介さんの弟だからなのよ」 「はあ」 気のない返事を良介はする。今日はクリスマスイヴということもあり、二人の部員、東可奈と高山貴乃は自由とした。貴乃は同じクラスの野田晴仁をクリスマスストーカーするために意気込んでいて、可奈は黒ミサ出席のために鶏十羽を絞めるなければならないと忙しそうにしていたので、自由と聞くとそそくさと帰っていった。 「じゃあ、秀兄貴のとこ行けば?」 「秀介はあのバカがとりついているからダメなのよ」 「ふうん。今日がそんな特殊には思えないけどね。で、兄貴になんて伝えるんだ?」 「わ、わたくしが、クリスマスパーティを開くのでご招待したいと……」 玲子がガラにもなく、ちいさく上ずった声で言った。 「それだけ?」 「ええ、明日夜六時にわたくしの家までお願いします、と」 「わかったよ、玲子先輩」 「あ、ありがとう」 そこへ、タイミングよく倉本綾名が入ってきた。 「良介、話し終わった?」 「ああ、今ね」 「ねーねー、良介。今日クリスマスイヴだから、トンデン軒でクリスマスフェア実施中でラーメン二割引なのよ」 「へえ、じゃあ行こうか」 「それでね、三軒隣のケーキ屋で食べ放題やってんの」 「どっちに行きたい?」 「両方」 「よし、じゃあもうでるか」 「うん」 この二人は、田学の七不思議に入るカップルだった。 「何よ、クリスマスが特殊じゃないってよく言うわね!」 玲子の怒鳴り声は無視された。
トンデン軒。田中学院の近所にあるラーメン屋である。ここにはよく田学の生徒が集まるので経営は潤っている。そしてなぜか生徒のことを教師よりも知っている屯田麺造が運営している。 「こんにちわ〜」 「お、綾名ちゃん、良ちゃん。今日も元気だねえ。でも、「こんにちは」であって「こんにちわ」じゃないんだよ」 「ごめんなさーい。以後気をつけますって、おじさんったらもー。あたし、味噌ラーメン大盛り、チャーシュー三倍で」 「今日は少ないねー」 「うん、だってケーキバイキングあるから」 「なーるほど。さすがにおじさんはケーキは作らないからなー。良ちゃんは?」 「塩バターで」 「はいよ」 「ねえ、おじさん。ちょっと異様なんだけど」 「ああ、あまり気にしないで」 異様なのは、店の奥の一角。そこには四人席で二人が座っている。中野春季と岡崎秀介だった。暗い……。 「秀兄貴、何やってるわけ?」 「ラーメン食ってたら、こいつがいきなり座ってきて……抜け出したい」 だけど、春季がにらんで放さないらしい。 「なに? クリスマスを一緒に過ごしたいからじゃないの?」 と、軽く綾名は言った。 「さいわい、子供が出来るわけでなし、一晩ぐらい付き合ってやったら?なんだか、ココまで来るとかわいそうな気がするし」 「おい、良介。彼女の教育ちゃんとしろ。かわいそうなのか?」 「兄貴の方がかわいそうな気がしないでもないけど、でも人に愛されるって素敵なことだと思うよ」 「冗談じゃねえ……」 「なら、ちゃあんと断んなさい」 「ああ、そうしてるさ。いいか、春季。俺はおめえとなんか付き合う気もましてや、一晩たりとも付き合う気はねえからな」 「……」 「気持ち悪ーい。泣き出しちゃったよ」 「俺が知るか。ラーメン食べたから帰る」 そう言って、秀介は店から出た。 「綾名ちゃん、先にいいかい?」 と、麺造。 「ええ、構わないけど」 「ほら、春ちゃん」 麺造が肩を優しくたたき、ラーメンを差し出す。 「失恋は辛いなあ」 「あうう……」 「うわあ、鼻水入ったよー」 二人はこれ以上春季を見るのをやめ、そそくさとラーメン食べて帰った。
ケーキ続きで肥えそうです。一年うちでケーキが嫌いになるとき。 ああ、しょっぱいものが食べたい。
「引き止めて、本当にごめんなさい」 マルアニアが淋しそうに、もう一度言った。 その言葉が、全ての呪縛を解くような気がした。ヘネシーは身体が軽くなるのを感じた。 ガシャン ガラスが割れる音が聞こえた。ヘネシーは無意識に手が柄に伸びる。 「なんでしょう?」 「ここで待って」 ヘネシーは音のするほうへ駆けて行った。 「あ、お父様は……」 マルアニアも結局へネシーの後をついていく。 「誰だ?」 ヘネシーは数人の影を見て、叫ぶ。ついてきたマルアニアは幸い父親の部屋に入って行った。 「ここはロクなもんがねえな」 強盗だった。数は少ない。二人のようだ。 「当たりめーだ。目的はここのお嬢さんだとよ」 誰かの差し金なのか、ただ単に人攫いなのかわからなかった。ヘネシーは剣を抜き、向かっていった。強盗はまさか相手が剣を振るってくるとは思わず面食らった。そして、一瞬で片が付く。マルアニアが縄を差し出したのでそれで縛った。 「マルアニア、その部屋から出るな」 マルアニアを部屋に押し込めてヘネシーは玄関から外に出た。やっぱりいた。女の勘ではなく、自分の強い者を求める勘。 「大盗賊の頭、だな」 何か物語のように、雲が晴れて月明かりが降り注ぐ。影がはっきりとした。クセの強い長めの髪を一つにまとめ、右目のしたあたりには傷らしきものがある。 「おや、俺の部下たちは?」 のんきな口調でヘネシーに聞いた。 「悪いが、倒した」 「あ、そう。強い女は好きだけど、強すぎるのはちょっとな……」 「何か、この屋敷に用か?」 「落ちぶれた屋敷に盗るものはねえな。でも、興味があるんだ。その落ちぶれ貴族の娘に。噂じゃ、大貴族と王様に言い寄られているってな。で、あんたは何だ?」 「護衛だ。この家のものではないが、仕事はきっちりする」 「頼もしいなあ。でも、女だからって俺は手加減しねえぞ」 「構わん」 女だからと手加減するものに、彼女は手加減しない。 盗賊頭が剣を抜いて向かってくる。ヘネシーはそれをかわした。そして、今度は彼女が切りつけようとする。剣がぶつかり鋭い音を立てて交わる。 「おい、あんた。ずいぶん重い剣を使うんだな」 「お前もな」 「腕悪くしないか?」 「鍛えてるから」 一度剣を解き、二人は離れる。今度は彼女から踏み込んだ。盗賊頭のわき腹を掠める。 「うわ、早っ!」 盗賊頭が逃げるように身を引いた。 「こりゃ、出直したほうがいいな」 「もう、終わりか?」 「残念だけど、あんたの相手してれば朝になっても決着つかねえだろうし、今夜は仕事だ。割の合わないことはしない。じゃあな」 今度、ゆっくりお相手願うよ、と消える間際に言った。 屋敷に戻ると、手下二人の姿は消えていた。助けが入ったのだろう。部屋に閉じこもっていたマルアニアとその父は無事だった。 「ありがとう、ヘネシー。助かりました」 マルアニアがにっこり笑った。 「でも、そろそろあなたを自由にしないといけませんわ。あなたの大切な方が待っていますものね。だから……」 マルアニアは、一度言葉を止めてから続ける。 「あなたを、解雇します」
ヘネシーの章 了
楽しいペチカ〜ペチカ燃えろよお話ししましょって、今日ドカ雪が降りました。交通状態は最悪です。トロトロ運転は必須スキルなのですよ。(意味不明)
「ゼオナード様、どうぞ」 マルアニアはゼオナードに紅茶を差し出した。 「ありがとう。とてもいい香りだ」 「どういたしまして」 しばらくマルアニアと話をした後、ゼオナードは帰っていった。 その夜、各自がとこに着く前、マルアニアはヘネシーを自室に呼んだ。 「お父様のことだから、あなたにお話したでしょ? わたくしが二人の殿方からプロポーズを受けていることを」 「ああ、聞いた」 「わたくしは父のことが心配でどこにもいけません。ゼオグラード様は、父も一緒に迎え入れると言いますが、母の思い出もあるこの屋敷から離れないでしょう」 「……じゃあ、好きにすればいいと思う。あなたが幸せであればいいと言っていたから」 「そう、父がそんなことを……。ありがとうヘネシー、聞いてくれて」 「そんなの構わないさ、お休み」 「ちょっと待って。ヘネシー。あなたにも、大切な方がいらっしゃるのでしょ?」 そう言われて、最初に浮かんだのはイーリスだった。 「うん……」 「やっぱり。あなたを見たときからそう思いましたわ」 「え、あ……」 マルアニアは少し意地悪そうに笑う。 「うらやましいですわ。あなたが思う殿方ってどんな方かしら」 「とっても無口な奴だ」 「寡黙な方も魅力的ですわ」 「そうか?」 「そうですよ」 そろそろ眠ります、と言ってマルアニアはヘネシーに挨拶をする。 「お休みなさい、ヘネシー。引き止めてごめんなさい」
やっと見つけることができました。 さあ、ここからが本番(?)ですね……。
日当たりの良い部屋に安い紅茶の香りが漂っていた。悪くない。テーブルには、多種のクッキーが並べていて、三つのカップが置かれていた。マルアニアは、それに紅茶を注ぐ。 「はい、お父様」 マルアニアの父の前に置いた。 「ヘネシーもお座りになって」 言われたとおり座ると、紅茶が目の前に置かれた。湯気が軽く頬をくすぐる。マルアニアも残ったイスに座ると早速クッキーをつまんだ。 「遠慮はしないでね、ヘネシー」 「どうも」 ヘネシーもクッキーをつまむ。素朴な味でおいしかった。彼女が作ったのだろうか、とマルアニアに尋ねたら、メイドが作ったと答えた。紅茶もおいしい。入れ方は一流だった。とは、言ってもヘネシーにはその区別がつかないのだが。 呼び鈴がなった。玄関から近い部屋なのでよく響く。ヘネシーは動かなかった。 「誰かしら?」 マルアニアは席を立って、玄関に向かった。程なく、中年に近い男性が部屋に招き入れられた。 「おや、お客様ですかな?」 きちんとした身なりのその男は、愛想の良い笑みを浮かべた。ヘネシーは、軽く頭を下げた。 「ええ、わたくしの護衛です。お気になさらないで。ゼオナード様、今日はどのようなご用件です? ああ、その前にイスにおかけになってください。お茶をご用意しますわ」 ゼオナードと呼ばれた男は言われたとおり席に座った。そして、マルアニアの父に挨拶をした。 「フィランド殿、お久しぶりでございます」 「ゼオナード殿。こんなむさい屋敷へうこそ。すまないが、私は年でね。身体があまりゆうことを聞かん。こんな姿で申し訳ない」 「いえ、気にしてはいません。それより今日こそはいい返事をいただきたいのですが……やはり、国王からの申し込みを受けるのですか?」 「そのことについては、私からはご返事できません。娘に決めてもらいたいのでね」 「……そうですか」 男は数枚のクッキーをつまんだ。ヘネシーはだまって見ていたが、多分この男はクッキーの味などわからないだろう、と思った。少し上の空だったからだ。 「私は、あの子が幸せならどこでもいいのだがね」 マルアニアの父は、一人つぶやくように言った。
昔、青春アドベンチャーで聞いた「レッドレイン」という話。最近ブックオフにてその本を見つけたら、作者が思っていた人と全く別の人だった。(笑)ラジオドラマやっているとき、よく聞いてなかったんだなあ……。
ヘネシーは剣を抜いてまっすぐに立つ。だらりと腕を下げる。 「何をなさるの?」 と、マルアニア。 「少し、訓練をさせてもらう。危ないから下がって」 「まあ、やはり訓練は毎日必要なのですね。拝見していてもよろしいかしら」 「構わない。ただ、もう少し下がって」 マルアニアは興味津々で、ヘネシーの言葉に応じた。剣の切っ先は地面についていて、腕も楽にしている。実際、彼女の剣は大剣でかなり重い。それを片手で持ち上げるのは、歴代のビアソーイダ王族の特徴でもある。 目の前に、敵がいるように……。 妹のフレクアは、実にうまいんだがな……。 ヘネシーはそれが苦手だった。何故なら、想像通り敵が動くわけではないからだ。 それでも、剣を振り上げた。想像なんてものは想像でしかない、と思うとばかばかしくなるのだが、実際フレクアはそうして強くなっているのだ。ゆっくりとだが確実に。 一通り素振りをしたが、あまりぱっとしない。不満足だったがもう剣を想像で振るう気がしなかった。 「いまいちだな」 「ここでは、だめですの? 見ていてとても楽しかったですが」 「そうか?」 「ええ。踊っているかのようでした」 剣術を見たことのないマニアニアには楽しかったらしい。 「そういえば、大盗賊の若頭シトロンをご存知ですか?」 「知らんが」 「彼に剣を持たせれば無敵とかと聞きます。まあ、世間の噂話ですけどね。さあ、お茶にしましょう。喉が渇いたでしょ?」 彼女は、そう言ってお茶をする準備をするため屋敷に入っていった。 「大盗賊か……」 ヘネシーは、少し興味を持った。そういわれてしまえば一度手合わせしてみたくなる彼女だった。
| 2004年12月19日(日) |
「あの世界では、たしか……」 |
鳥、お前、あの鳥だったんかい。全て、納得いったよ……。
てなわけで、ドラクエ�璽�リアしました。(笑)おまけダンジョン見つかりません。(泣)
今日は夜も遅いのでお休みってことです。 昨夜、クリアしたんで夜更かししたんで少し眠いです。
マルアニアは、どっかで日記書いていたと思います。
彼女について説明すると、べグゼッドたちより更に五百年位前(とてもあいまいなんで気にしないように)の話で、べグゼッドの時代では「実在していたけれど、謎の多い人物」、イーリスの時代では「伝説級の人物」になります。 彼女は、「国王と結婚して国の実権を握った」「大貴族と結ばれ幸せに暮らした」「大盗賊の若頭と国を築いた」などなど、「聖女」とも「悪女」とも言われ、いろいろな逸話を残しているので歴史研究者を泣かせているのです。(ちなみにビアソーイダの博物館では彼女のドレスを展示しているが、レプリカと書かれている) そんな彼女ですが、真相は「まだ決めていない」なんで、勝手に想像してください。
ゼデューの話も、めちゃくちゃだなあ、と思いつつ。 彼が、母親を見ても何も感じなかったのはうろ覚えだったからなのか、興味なかったのか……。どちらにしろ、自分の生き死にがかかっていたのでそれど頃じゃなかったのかも……。(いい加減な筆者です) まあ、あれが本当の過去か、と言ったら、違うかもしれないということであまり気にしないほうがいいです。
| 2004年12月18日(土) |
そーゆー展開かい!? |
ちょっと好きな漫画の展開のこと。そっちに行ってしまうんですね……ちなみに続きは、来年の四月。(笑)
「私からの話はこれだけだよ。娘の手伝いをしてもらえんかな」 マルアニアの父はそういって、また本を読み出した。 ヘネシーは、仕方がなくマルアニアのところに戻った。 「あら、お父様は?」 「本を読むから、こっちを手伝ってくれといわれた」 「そう……。なら、これを干してくださるかしら?」 「干す?」 彼女は洗濯物が干されている場面を思い出した。しかし、水洗いされて絞られた洗濯物から、その場面まで考え付かない。とりあえずは開くことしか分からなかった。 「もしかして、お洗濯は初めてかしら?」 「すまん、私は……剣しか習ったことがない」 「そう、ならお教えしますから」 マルアニアはシーツを開き、二つにたたんで、物干し竿にかけた。シーツをたたいてしわを伸ばす。最後に洗濯バサミでとめる。 「なるほど。ではこれは?」 彼女が手に取ったのは肌着だった。マルアニアはそれを、ぱんっぱんっと伸ばしてハンガーにかける。その他の洗濯物もマルアニアが付き添って干していった。 午前中は洗濯することで終わった。天気は良い。マルアニアは満足そうに空を見た。 「よかった。午後からはゆっくりお茶ができますわね」 マルアニアは満面の笑みを浮かべて、ヘネシーに言った。 「今日はもう、お仕事はございませんわ。ヘネシーもゆっくりお茶を楽しみましょう」 ヘネシーは驚きながらうなずいた。短時間なら耐えられる。しかし、長い時間、黙ってお茶を飲むことは彼女には辛い。じっとしているのはあまり性に合わない。 恐怖のお茶の時間の前に、彼女は庭で剣を抜いた。彼女は訓練というものは一人でしない。するときは必ず相手が欲しい。それも、腕の立つ者でなければならない。が、彼女の相手をしてくれるのは、ビアソーイダでは父王一人、フォーランズの騎士団長くらい。いつか、叔父であるバルクとも相手をしてみたいとも思っている。 それでも、訓練しようと踏み切ったのは、一人でも訓練しないと次のお茶の時間には耐えられないと感じたからだ。
と、我ながら自己嫌悪に落ちた日。 間違えて絹豆腐を頼んでしまい、木綿豆腐を買いに行ったら、絹豆腐を買ってしまい、返品してもらった……。
翌朝、ヘネシーは早く起きたが、マルアニアはとっくに起きていた。 「まだ、寝ていらしてもよいのですよ? とりあえず家の中は安全でしょう」 「いつも、このくらいの時間に起きるのだが……早いな、あなたは」 「ええ、今日はメイドが休みなので家のことはわたくしがしますの」 そういって彼女は台所に引っ込んだ。そして、手軽な、パンとミルクの朝食をとった後、彼女は洗濯をはじめる。 「手伝おうか?」 しかし、ヘネシーは洗濯などやったことはなかったので、「いいえ、お父様とお話ししてあげてください」と、言われてほっとする。言われたとおり、マルアニアの父と話をすることにした。 「お父様は、身体が弱くなってしまって、出かけることをなさらなくなってしまって退屈なのです」 いつも、自分の部屋で本を読んでいるということなので、彼女はその部屋に行くことにする。昨夜、明かりが灯っていた部屋だ。 一応、ノックしてから入った。 「マルアニアから聞いたと思うが、うちはこの通り落ちぶれた貴族でね、多分、食事ですら大したものはだせん。それでも良いのなら、ここにいても構いません」 「ああ、それでいい。私は、どこへ行っていいかわからない人間です」 彼女は言ってしまってから、これじゃあ、犯罪でも犯してきたみたいな言い方だった、と思ったが、マルアニアの父は、穏やかに笑った。 「そうですか。では、お願いします。私も老い先は短いでしょう……。それに」 「それに?」 彼は声を潜めた。机には、手紙が散乱している。たくさんあるが、封筒は二種類で、一つはきれいな封筒だった。もう一つは、王家で使われるような立派なものだった。 「あの子には幸せな結婚をしてもらいたいと常々思っています。気になるのが、娘に求婚しているのが、この国の王と大貴族の家長なのです。当然、他の貴族たちにねたまれるのは眼に見えています。酷ければ、暗殺ということもないことはないかもしれません」 「わかりました。娘さんはお守りする。ご心配なく」 「ありがとうございます。よろしくお願いします」 彼は、手をヘネシーに伸ばした。ヘネシーは握手をする。乾いた、冷たい手だった。
ケーキが焼ける。昨日の「はなまる」にてやっていたらしい。が、印刷したら、用紙がずれてるし……。やり直し。
夜道を二人はならんで歩いた。月は出ていない。頼りのランプも頼りなさげな光で足元を照らしている。 「たまに強盗がでるのですって。幸いお会いしたことはありませんけど」 「それは、運がいい。会わないほうがいいな」 「そうね。それにわたくしから盗る物などないですわ」 その夜は、静かで何事もなくマルアニアの屋敷に変えることが出来た。かなり大きな屋敷だが、明かりは消え入りそうな光がぽつんと一箇所だけあるだけだった。 「お父様、まだ起きていらっしゃるのね。さきに寝ていらしてもよかったのに」 マルアニアは急ぎ足で屋敷に入った。 中は真っ暗でやはりランプが必要だった。 「帰ったのか? マルアニア」 「ええ、お父様。今、帰りました」 「そちらのお嬢さんは?」 「わたくしが雇いました護衛です。ヘネシーというんですよ」 「そうか。娘を守っていただいてありがとう。大したもてなしはできませんが、よろしくお願いします」 「お父様、今日はもう遅いですわ。明日、朝にゆっくり話しましょう。ヘネシー、こちらへ。お父様、お休みなさいませ」 マルアニアは自分の隣の部屋をヘネシーの部屋とした。 「護衛ですもの。近くにいらっしゃらないと不便ですわ」 使っていない部屋の割りに掃除されている部屋だった。ベッドもいつでも寝れるように整えている。 「亡くなった母の部屋ですわ。今ではいつなんどきでも使えるようにしている部屋なんです。だから、遠慮なく使ってください」 ヘネシーは、ありがたく使わせてもらうことにした。
年の瀬がせまっている。なのに、そういう気がしない。さらに、クリスマス? もう? ぜんぜん、迫っているという感じがしない。
ヘネシーの章
この世界がだいぶ昔だと思った。 貴族がギラギラしたドレスや服を着ていて、我が物顔で歩いている。 彼女の時代の貴族はおとなしく日々を送っているというのに。 どこかのお城のそばに彼女はいる。真夜中、夜会に疲れた貴族が帰ってゆく中に彼女はいた。 彼女は、とりあえず、適当な貴族に護衛志願をした。そうしたら、答えはこうだった。 「あなたは女性ですからね、結構です」 女性だから断られたのは初めてではない。それに、こんな真夜中に護衛というのも変だとわかっていたが、このままでは飢え死にする。そんな時、一人の品の良い若い女性が、声を掛けてくれた。 「あなたのような若いお嬢さんが、何故ここに? 貴族ではなさそうですけど……不思議ですわ、あなたから品があふれている」 そんなことを言われたのは、初めてだった。グオン以外に。 「私は、護衛をしたいのだが、女と見て誰も雇ってはくれない。こんな時間だからでもあるが……。正直、食べるものにも困っている」 「……そう、おかわいそうに。わたくしは、落ちぶれましたが貴族の一員です。あなたにお金は払えませんけど、寝るところと食べることの世話ならなんとかできるでしょう」 彼女にとっては、願ったりかなったりだった。当分の居場所が出来たのだから。 「ぜひ、やらせてほしい」 「ああ、よかった。一人で帰るのは心淋しいですから」 「落ちぶれた貴族とはいえ、帰りの馬車もないのか?」 「ええ、売ってしまいました。うちには、父と一人のメイドとわたくししかいません。その内、屋敷も手放すつもりです」 落ちぶれ貴族であるその女性は、笑っていた。淋しげであるが、幸せそうである。そして、誰かに似ていた。 「ああ、そうですわ。わたくしは、マルアニア。あなたは?」 「ヘネシー」 どこかで聞いたことのある名前だった。イーリスがちらっと言っていたことがあったが、忘れてしまった。 「そう。では、ヘネシー。よろしくお願いします」 マルアニアは頭を下げた。貴族らしくない行為だった。
が、地元に開店。期待して行ったら欲しい本はなかった。でも、専門書とかは、多そうだなあ。
赤ん坊は母に返され、ゼデューはやっと神殿から出られることになった。 「お世話になりました。皆様には本当によくしてもらいまして」 「あなたは我々の同胞です。もし、また近くに来たら、立ち寄ってください」 「ありがとうございました」 神殿が見えなくなるまでゼデューは振り返らなかった。
彼は当てもなく歩く。もとよりどこに行けば良いのかわからないのだから当たり前なのだが。とにかく、町を目指せば宿もあるし、食事も出来る。仕事にありつくことも出来るだろう。そう、ぼんやり考えていた彼の前に馬車が止まった。 「君は、あの神殿の者かな?」 馬車の窓から、男が聞いた。 「いいえ。僕は旅のものです。あの神殿では足止めをさせられました」 「そうか。では、乗りなさい」 「はあ?」 「君を足止めさせてしまったお詫びだ。一晩招待させてもらうよ」 馬車に乗ると、あの母親が赤子を抱いて乗っている。そして男は、儀式中急に入ってきたお偉いさん、であることがわかった。 「!?」 「驚いたようだね。当たり前だと思うけど」 「これも作戦だったのよ」 と、母親。 「作戦?」 「ああ、悪魔祓いなどばかげた儀式をやめさせるね。この赤ん坊は借りてきた子なんだ」 「借りてきた?」 「ああ、生まれたばかりの子が必要だったからね。悪魔祓いをするとき、おとなしかっただろ? それは神殿側が睡眠薬を飲ませて眠らせたんだ。そんで、儀式が少しでも失敗すれば天に送るといって殺す。それをやめさせるために一芝居打ったんだ」 と、男はうれしそうに言う。 「この子はちゃんと本当のお母さんにお返ししますから、ご心配なく。おとなしい子ですから、薬もそんなに飲ませなかったみたいだから、身体の影響もないでしょう」 「妻には怪我をさせてしまったが、おかげで効果はあったようだ」 男は満足げに言う。 ゼデューは複雑な気持ちだった。正直、怒りが芽生えていた。しかし、それをあらわにしなかった。婦人の腕には自分が眠っている。 「ちょっと、いいですか?」 ゼデューは自分を抱き上げた。よく見ると、自分ではなかった。 「この子は?」 「この子の本当の名は、フェーシー。女の子よ」 「……」 ゼデューはほっとしたような、がっかりしたような。やっぱり複雑な気持ちになった。
ゼデューの章 了
今年度はなぜか12月な監査。今日無事に終わった。
「送る……殺すのですか?」 「しっ、言葉に気をつけてください。あくまでも天に送るのです」 僧が人差し指を口に当てて、言う。神殿主は僧たちに部屋に戻るように伝える。そして、突然の来客をもてなした。 ゼデューはその来客を見ることはなかったが、この辺を統治しているお偉いであるという。 「神殿主にとっちゃ、赤子よりもあのお偉い様だよ。寄付もたくさんくれるしね」 そんなことを言った僧もいた。
八日目。 その赤ん坊は、天に送ることになった。母親から適当にごまかして赤ん坊を取り上げる。 祭壇に載せられた赤ん坊はきゃっきゃっと笑っていて、これから起こることなどまるで知らない。 「罪は、私たちにはない。この赤子のことを考えればやむ得ないことです」 神殿主の言葉は通り抜けていく。 ゼデューはぼんやりと考えていた。この赤ん坊……自分がここで殺されてしまったらどうなるのだろう。何かで読んだ似たような話では、過去の自分が殺された時点で今の自分が消える。 「では、この役目を次の神殿主である……」 現れたのは、ゼデューが知る神殿主だった。彼を首にした、彼のよく知る神殿主だ。 きれいに装飾されたナイフを持たせ、震える手でそれを握り、次期神殿主は赤ん坊の前に立った。 「神よ、この子があなたの身元へいけますよう、お導きください」 ナイフを大きく振り上げ、振り下ろした。 ゼデューは眼をつぶった。悲鳴が聞こえた。赤ん坊ではないような気がした。でも、眼は開けられない。なんだか気持ちが悪い。
気づいたら、床に寝かされていた。心配そうに僧が顔を覗き込む。 「大丈夫ですか?」 「ええ、まあ」 気絶したのは、ほんの一瞬だったようだ。しかし、彼には長い時間だったような気がした。周りはざわざわしている。 「何が、あったんですか?」 「ああ、母親が赤ん坊をかばったんだ。突然現れてね」 「じゃあ……」 あの悲鳴は、母親だったのだろうか? 「ああ、幸い、致命傷じゃなかったんだ。今、手当てを受けてるよ」 神殿主は、声を張り上げる。 「あの赤子は、母に守られ助かりました。これも神の思し召しです。ですから、あの子が大きくなったら、この神殿に迎い入れ、悪魔から守りましょう」 神様って、そんな都合よいものだっただろうか? 彼はそう思った。それでも、自分は殺されずにすんだのだから、その疑問はそのまま胸にしまった。
暇人で、免許証とった妹はやることなくてドラクエやっている。 妹よ、とうとう姉である私より進んでくれたな……。
愚痴はここまでにしておいて、休憩ということで。
その1 最初に言っておくこと。 ゼデューが喧嘩好きなのは、悪魔に取り付かれているからではないです。あーゆー性格なんです。 以上
その2 フレクアを元の世界に返したグオンが、何故彼女が人生を走りとおしていたかを知っているのか?
あの世界のグオンも、魔界に通じてるし極度女性主義で、何が起きているのか把握まで出来なくともたじろぐことはないから。あと、女性の顔を見るだけで、なんでも分かってしまうから。 省略すれば、グオンだからわかる。
その3 ちょっと、自信ないこと。(また、グオンがらみだけど)
オフィーリスを「オフィーリス嬢」と呼んでいたのは確か。でも、イーリスの代になって、果たして、呼び捨てで呼ばせていたのはどうだったかなあ、と。 あー、この辺いい加減だなあ……。
その4 ホントは
バルクの剣が、時間をさかのぼってセルヴェスがよみがえる……なんてことも考えたんですが、いつもいつもストーリーが成り行き任せなんで、あーゆー話になりました。剣をアニムに預けて、アニムが過去のアニムに返しておく、ということも考えたけど、バルクは預けもせずちゃんと持って帰ったので、それもなし。
それじゃ、また明日。
半年に一度のお楽しみ、ボーナスです。(嬉) でも、来年の車検で見事に吹き飛ぶことでしょう。(泣) それでも、酒買ってお祝い。
七日後、今日で悪魔祓いは終わる。 「やっと、今日で終わりですね」 「はい」 この儀式に慣れつつあるが、皆疲れた顔をしていた。日中一日中祈るのだから疲れて当然である。まだ、何か仕事をしていたほうがいいのかもしれない。それでも、今日で最後だということで僧たちの顔には笑顔がこぼれている。 「悪魔よ、今日を持って、その心が天使になるよう、お祈りする。そして、この子をお守りください」 七日間、祈ることにより、悪魔は天使となりこの赤子を守る。神殿主はそんなようなことを言って、祈り始める。 ただ、静かに時が流れる。ゆっくりとゆっくりと。 今日が最後なので余計にそう思うのかもしれない。 それでも、悪魔に取り付かれたという赤子のために僧たちは祈りつくす。 その時間が、後数分というところで、静寂が終わった。 バタン! 神殿の扉が開いた。誰が開けたのかもわからないうちにことが起こった。赤子から何か黒いもやみたいなものが、すごいスピードで離れて扉から飛び出した。それは風のように出て行った。 「な、なんということだ……」 神殿主はがっくりとした声で言った。他の僧たちも、力が抜けたように呆然としている。 「こうなると、どうなるんですか?」 「一度逃げた悪魔は、力をつけてまたこの赤ん坊に戻ってくるんだ。必ず、どんなに手を尽くしてもね。そうなると、もう手の施しようがない」 と、僧が言い、声を潜めた。 「だから、その赤ん坊は私たちで天に送らなければならないんだ」
災害に備えて、職場でも備えることに。(監査が近いから)利用者の三日分なんで白飯二百食! 味噌汁缶三百食! パンの缶詰百缶! その他いろいろ。
「どうしました?」 さっきの僧が話しかけた。あまりに驚いた顔をしていたのだろう。ゼデューは適当に言いつくろった。 とにかく、妙なことに自分の幸福を彼は祈っているのだ。長い時間、神殿主も僧も一身で祈り、夕方までそれは続いた。 「本日はここまでです。また明日、よろしくお願いします」 神殿主は、清めのための水を赤ん坊の周りに振りまき、一礼をする。赤ん坊は儀式中、泣いたりしなかった。おとなしく寝ていた。 普通なら生まれたばかりの赤ん坊は母を求め泣き叫ぶはずだと、彼はおかしいと思ったが口にはしなかった。 赤ん坊は一度その母が待機しているという部屋に送られ、僧たちは仕事に戻った。夕食の準備をするものや掃除を行うもの、その他の雑用をするものもいる。ゼデューも、部屋の掃除をするように頼まれた。 翌朝も同じように、赤ん坊の悪魔祓いが行われた。 「これはいつまで続くんですか?」 ゼデューが聞いた。その日の悪魔祓いが終わったあと、僧に聞いた。ゼデューの身の回りのことを世話(世話というほどではないが、案内など)をしてくれる、年もゼデューと同じくらいの僧である。 「七日間続きます。七日もやるということは、かなり大掛かりです。でも、この赤子が幸せになれるように、精一杯やらないといけませんからね」 その僧は、笑って答えた。 聖職者は、人の幸せを願うようにできている。と、いうか人の幸せを願わなければならない。ゼデューはそれが嫌いではないし、むしろ好きだった。物心がついたときから、神殿にいたからそういう考え方が当たり前になったからかもしれない。ただ、神殿では厳しいしきたりと、質素で簡素な生活を要求されるため、彼は完全にはなじめなかった。
早いのでさっさっとやります。
「よかったら、何かお手伝いしましょう。ただ、こうしているのも辛いですから」 僧はそれに感激し、ぜひ手伝ってくださいと言った。ゼデューは、その赤ん坊に会うことになった。 「この赤子が、問題の子です」 生まれたばかりの赤ん坊は、今はすやすやとおくるみに巻かれて眠っていた。 「この子の母親は罪を犯しまして……悪魔の子を産みました」 「悪魔と?」 「ええ、だからこの生まれたばかりの力が目覚めないうちに払っておかなければならないのです」 赤ん坊は祭壇の上に寝かされ、すぐそばに神殿主、その周りを囲むように僧たちが並んでいる。 「赤子の幸せを祈るように、お祈りください」 隣にいた僧が小声で話しかけた。それから、神殿主が言った。 「この子が、悪魔に負けぬように、そして幸せになるように、名をゼデューと名づける」 ゼデューは、声を出さないでいるのが精一杯だった。
年月日というのが、世界にあるんですが、それを確定してしまうと、つじつまがあわせにくくなってしまうので、省いてます。(ダメなとこ) 前にも説明したね。そういえば。 この世界の人たちは、年月日あんまり気にしてないんじゃないかな、普段。(のんきだから)
スープとパンのみの食事を終えて、彼は眠った。はっきり言って空腹だが、彼は満足だった。旅をしてからというもの、よく食べたので胃が大きくなったのだと思った。フレクアもよく食べるし彼も食べる。食べる物もいろいろなものがあった。神殿暮らしが長いためか彼には珍しいものばかりだった。神殿にいた頃は、数種類のスープがパンとともに日替わりで出されていた。年に一度の祝いの日に、ワインが一口と菓子がだされたのだ。 彼には、この神殿で出される普通の食事が与えられたのだ。 翌朝、彼はこの神殿と同じ時間に起きて、朝の祈りを済ませた。これは身体に付いた日課で、今でもやっている。 「旅の方、おはようございます」 僧の一人が挨拶をしたのでゼデューも挨拶をした。 「一晩泊めていただき、ありがとうございます」 「いや、あなたは我々の同胞ですからね。当たり前のことをしただけですよ。それに……もう少し、あなたにここにとどまって欲しいのです」 「はあ?」 「実は、ここだけの話ですが……朝一で大掛かりな悪魔祓いを行うことになったんです」 「悪魔祓い?」 彼の時代ではもうそんなことはしていないのだが、昔はよくやっていたという、一種の厄払いのことだった。 「昨日……生まれた赤子の悪魔祓いなんです。はらった悪魔が逃げないようにしばらくこの神殿の出入りが禁じられます。申し訳ありませんが、旅の方にはしばらくここで暮らしていただきます。もちろん、お食事とお部屋は用意しますので」 そういうことなら仕方がない、ということで彼はそれを承諾した。どうせ、どこへ行けばいいのかわからなかったのもあった。
次のことをなにも考えてないです。ゼデューの番なんですが、何も考えちゃいない。本当。
ゼデューの章
ゼデューは、門の前にいた。 忘れもしないあの神殿の前にいた。 「これは……」 神殿の門が開いた。 「これはこれは、我々の同胞ですな。こんな雨の中、巡礼ですかな? せめて雨がやむまで中にお入りください」 確かに雨は降っていた。どうやら、この僧は彼のことを知らないらしい。 「すいません、では」 その言葉に甘え、ゼデューは教会の中に入った。間違いなく、彼が出て行った神殿だった。 「今、神殿主に話をしてきますので、ここでお待ちください」 しばらくして、神殿主が現れたが彼の知らない男だった。ふと、時間障害を受けていることに気づいた彼は、この神殿主が、過去の人であるか未来の人であるか、はたまた別世界の人なのかを考えた。 「旅は長いのですか?」 「ええ、今の年月を忘れるくらい。今、何年ですか?」 年を聞くと、彼が生まれたころの年だった。少し、ほっとした。この神殿に彼を知るものはいないからだ。 「よかったら今日はお泊りださい。部屋と食事くらいだせますから」 「ありがとうございます」 彼は、見知った神殿を丁寧に案内されて、それから部屋に通された。神殿とは同胞の者に優しい。それは彼も十分に知っているし、そうだった。
やっぱり、これ年明けまで終わらないや。あははは……はぁ……。
「なんで、こんなことをするんですか!」 魔王が叫んだ。 なにが、時間時間障害なんだ。そんな危険で意味のないことを! その叫びはむなしい。彼は、蓑虫のようにぶら下がっていて(更にどこから吊り下げられているのかもわからず)身動きできない。 「あの偽者めぇ、とっちめてやる!」 暴れて宙をぶーらぶーらとさせ、彼はむなしくなった。 つまりは、あの妙な連中団体十人は魔王の偽者により、時間障害を受けることになった。しかも、命の保証は一応付いているという条件で。魔王は、見ていることしか出来なかった。 時女神がさらわれたのは、本当。それによって時間障害(偽者の言葉だが)が起こるのも、本当。しかし、特定の人物(?)たちに自ら受けさせても被害は少なくならない。時女神を(本当に誘拐されたのなら)救出させるのが一番手っ取り早い方法なのだが……彼なら、時女神を探させることを頼む。 「だいたい……」 彼は、大声を張り上げた。張り上げたところで誰も聞きはしない。 「時女神も気まぐれすぎるんだ!」 彼は、この騒動が時女神の自作自演と見ている。
気づけば、十二月も五日目。どたばたしているうちに年が明けるのね。早いわ〜。
アニムが何とか起き上がる頃には、男たちはばたばたと倒れていた。全部バルクがやったのだ。 「ひっさしぶり見た。バルクのその剣」 「ふー、俺だってこんな疲れるのたくさんだ」 手下全員を地に伏せ、村長だけが残っている。 「あ、あなたは一体……」 「おめえさんのいうウォンテッダーだ。そうそう命もやられねえ」 「もう一度言う。孫のために山のドラゴンは目を失ったんだ。感謝するんだな」 「さ、アニム行こうぜ」 「ああ」 村から出ようとして、村長に呼び止められる。 「そうは行きません。おとといの朝、何を食べたかご存知ですか?」 「それなら心配ないだろう。ドラゴンがご馳走してくれたのは、毒消しの効果のあるものばかりだった」 アニムはそう言って、笑った。 しばらくして、もとの道が見えてきた。バルクがアニムとあった場所だった。 「どうやら、バルク。お別れのようだ」 バルクがそう言われて、初めて気づいた。身体が透け始めていた。 「多分、自分の存在しない時間には長くいられないのだろうな」 「ああ、しゃあないな」 「さびしくなるな」 「だけどよ、俺の孫とかいんだろ?」 「まあ、まだ生まれたばかりだがな……」 「今度はそいつらと一緒に行けばいいだろ。俺がちゃんと遺言残しといてやる……」 「ありがとう、バルク。頼んだ」 バルクが、消えていった。アニムはしばらくそこから離れなかった。
バルクの章 了
百円ショップが近所にオープンした。なんか、無駄にいろいろなものが売ってます。
山のふもとまで戻ると、村長のお付が何食わぬ顔で待っていた。ずうっと二人の後を追っていたにもかかわらず、疲れすらないようだった。 「待たせたな」 「いえ。それで例のものは?」 「確かに話し合いで解決した。あのドラゴンの片目はしばらくないからな」 「わかりました。そっとしておくようにします」 それから、村までもと来た道を歩く。行くときに比べて、三倍も早いように感じた。 村に着くと、村長があのにこにこの顔で迎えてくれた。 「ご苦労様でございます。お怪我などはありませんか?」 「いや、ない」 「そうですか。それはよかった。して、例のものは?」 「ここにある」 アニムは包みを村長に見せた。村長は満足そうにうなずいた。アニムはそれを渡した。 「ドラゴンが快く渡してくれたんだ」 「ありがたく、ちょうだいします」 村長は包みをゆっくり開ける。その中のドラゴンの眼は銀色だったが、急に光を失い、鈍い色になっていった。 「曇った……」 バルクは嫌な予感がした。多分、最初から感じていたと思うが口には出さなかったのだ。 「あなた方には感謝します。しかし、この村は隠れ家です。申し訳ありませんが、死んでいただきます」 「やっぱりそう来たか」 「ああ、残念だ……」 アニムがよろける。すでに動いた男の一人が、アニムに当て身を食らわせたのだ。 「エルフは魔法を使うから、先に封じておく」 「お前は動くな」 と、別の一人。 「動くなだと? どうせ殺すつもりなんだろ?」 バルクは叫んだ。彼の怒りはほぼ頂点に達している。 「頼むぜ、ドラゴンの長。相手は殺すなよ」 彼は抜いた剣にそう頼み、向かってきた村長の手下をなぎ払った。 「バルク……」 アニムが床にうつぶせになりながら、その様子を眺めていた。バルクは気合の声すら発しず、ただ静かに向かってくる男たちをなぎ払っていた。
ラムしゃぶも。今晩の夕食です。もう、腹いっぱいです。(書くことこれくらいしかないのか……)
「どうぞ、お座りになって」 ドラゴンは言った。そうすると、目の前にソファーが出来た。 「すげっ!」 バルクは思わずもらした。 「ここまでわざわざいらっしゃったのはわけがあるのでしょ? お話を聞きましょう」 アニムはほっとした。どうやら、本当に話だけですみそうだ。 「単刀直入に言えば、あなたの眼が欲しいんだ」 「あの村の人たちに頼まれたのね」 「そういうことだ。ただ、俺は朝食分しか働かないつもりだし、無理なことだと思っている」 「いいわよ」 ドラゴンは言った。 「だろうな……って、いいのか!?」 「ええ、眼は再生できますもの。ただし、この眼が曇ればあなた方にも危険が及ぶの。覚えておいてね。さあ、今日はあなた方を帰しませんよ。楽しい話がたくさん聞けそうだもの。眼をあげるのは明日の朝ね」 そういって、ドラゴンは立ち上がった。その姿が変わり若い女性の姿になる。 「こういうときは気持ちが若返るわ。さあさ、おいしいものをたくさん作らなきゃね」 二人は手伝わされて、台所に立った。言われたとおりのことをしたが、包丁を握ったことのない二人なので、うまくはない。ドラゴンは手馴れた様子で料理を作り上げてテーブルは料理でいっぱいになった。 「さ、聞かせて頂戴。その剣についてね」 バルクの剣を指す。 「ああ、これか?」 「ええ、それ、ドラゴンでしょ」 「そうだけど、よくわかったな」 バルクは、そのドラゴンに話を聞かせた。 「セルヴェス……偉大なドラゴンであり、人間だったって聞いた事があるわ。そんなことがあったのね」 それからは、旅の話を二人で話した。話をしているうちに夜はとっぷり更けた。ドラゴンは、もう眠るようにとベッドを用意した。
次の朝、ドラゴンは老婆になりロッキングチェアに腰掛けて眠っていた。テーブルの上は片付けられていて、宝石のような銀色の玉が置かれていた。それが、ドラゴンの眼だった。 「ありがとう。無理を言った」 寝ていると思われたドラゴンは、 「気にすることはないさ、一年もすればまた再生する。楽しい話をありがとう」 と、言った。そのままの姿勢を保ったままで。 アニムはドラゴンの眼をやわらかい布で丁寧に包んで、礼を一つしてほら穴を出た。バルクも一礼してアニムについて行った。
バニーさんでしゅう……。堀井氏の野望がここでも! 踊り子の服だけでは終わらないですね、やっぱり。天使のレオタードもあるのかなあ。
「このまま、逃げようかとも思っているんだが……」 アニムは突然言い出した。 「山歩きをしたら、腹が減った。故に、仕事はココまでだ」 バルクは気配を感じて、首を振った。 「そういうわけにもいかねえだろ、アニム」 眼で合図する。それに気づかないアニムではない。だから、木々に隠れる気配を感じた。つけられている。 「真面目だなあ……」 「お前よりは不真面目なつもりだが……」 アニムは鞄から果物を取り出してそれを食べた。おなかが空いたの本当らしい。 それから一時間ほど歩き、ようやくドラゴンが住むというほら穴が見えた。あいかわらず、ついてきている。 「いよいよだぜ、アニム」 「話だけで終わればいいな」 ほら穴を見ると、扉になっていた。 「?」 「なんだ、こりゃ?」 頑丈そうな木製の扉だった。人間サイズである。 「とりあえず、ノックしてみるか」 どん、どん、どん。三回ノック。はーい、という声が聞こえた。 「どうぞ、お二人さん」 アニムは扉を開けると、ほら穴とは思えないようなものが広がっていた。はっきり言えば、部屋の中だった。 「これは、いい住まいだな」 「ありがとう」 ロッキングチェアに座っていたのは初老の女性だった。 「あなたが、この山のドラゴン?」 「そうよ」 声も年相応の声だった。
の、ですが(今朝4時起き)、今寝てもどうしようもないので、がんばります。
村から一時間ほど歩いた山はそれほど高い山ではない。とてもドラゴンが住んでいるような気配はない。ふもとまで村長を従えていた男二人が無言で案内した。山からは、二人で行けと言ってその場で野営の準備をした。二人をここで待つという。 バルクたちは怪しみながらも山を登っていった。山登りも中間に差し掛かった頃、アニムが声を掛けた。 「なあ、バルク」 「何だ?」 返事をして、はっと思った。もちろん遅い。バルクは、どう説明しようかあたふたした。しかし、アニムはくつくつと笑って言った。 「やっぱりそうか。はははっ!」 さっきまでの不機嫌はどこかへ行ってしまったようだ。腹を抱えて笑う。 「何から何まで同じで、別人と言うことはないと思っていたよ。やっぱりバルクなんだな」 「アニム、お前……。いつから気づいた?」 「最初の方から」 アニムはまだ笑っていた。 「でも、何故、ここにいる? もしかして、あの時のことか? 時間障害がどうとかの? 六十年以上も前のことだから思い出すのに苦労したよ」 「あー、その通りだ」 更にアニムは大笑いする。近くにとまっていた鳥が驚いて飛び去った。笑いがおさまるのを待ってバルクは話しかけた。 「その時間障害のせいでここいいるんだ、俺は。どうしたら戻れる?」 「知らんよ、そんなこと。お前は、全くそのことについてしゃべらなかったんだからな」 「そうか……。それと、なんだよ。六十年も立つと口調も変わるのか?」 「お前が死に際に、かっこ悪いからやめれと、言ったんだ」 「そうか……。でも、さっき戻ってなかったか?」 「たまに、戻るんだ。しかし、バルク」 「なんだ?」 「会えてうれしい」 「なんだよ、気持ち悪りいな」 とは言ったものの、そう言われて悪い気はしなかった。
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