気まぐれ日記
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2004年06月30日(水) 絆創膏

 ばんそうこう(一応)。今日、試しに、傷の治りが早くなる絆創膏を購入。なんと、八百円以上する(四十円割引になったけど)代物。さすが、CMで三倍早いと歌われているだけあって、さぞや特殊なのであろう。厚さがある割にはぴったりと張り付いてます。

 ナーシャとその学者は名乗った。
 「もう少しで薬が切れると思う。でも、できるだけ穏便にあなたを開放したいの。意味、分かるかしら?」
 つまり、薬が切れたからといって暴れるなと言っている。彼にもそれは伝わった。返事をする代わりにうなずく。
 「ありがとう。飲ませずにすんだわ」
 彼女は右手をポケットに入れた。すぐにその手を出す。
 「あたしは、この城で生命学を研究しているけど……本来なら、もっと健康的に暮らすにはどうすればいいかとか、どんな食事を取ればより健康的か、ということを研究しているのだけど、今はあのユート=ジグルがこの城を仕切っていて……彼はなぜか、ドラゴンの涙には不老不死の力があると信じているの。本当に、そんな力があるの?」
 驚いたのは彼のほうだった。そんなこと、妖精主からも聞いたことがない。彼は首を振った。
 「そうよね? そんな力あるわけないわよね」
 少し残念そうな顔をしているが、彼女は首を振った。
 「あなたが、涙を流してくれれば用件は終わるの。そうしたら、何とか自由にしてあげられるのだけど」
 「私のように、歳をとってしまったらよほどのことがない限り涙は出ない」
 「そう……」
 ナーシャは牢を開けた。
 「じゃあ、ついて来て。あなたの同属にあわせてあげる。あんなもの、見せたくないけれど」
 「あんなもの?」
 「そう、かわいそうなドラゴンよ。ジグルの餌食となった」


2004年06月29日(火) 今更だが

 最近、ブックオフから森博嗣の理数系コンビシリーズのミステリィを読んでいる。結構面白いのだけど理解しにくいとこも多々あり。(難しいことは良く分かりません)あと、伸ばす音(「ー」のこと)、あまり好きじゃないのかなと……。(百年シリーズでも見れる)

 彼は動けない体を諦めていた。
 場所は薄暗い地下牢に移され、まきつけられた鎖が重くのしかかっている。今はどうすることも出来ないのでなすがままにされている。
 「どうですか? 気分は?」
 彼には質問の意味が分からなかった。もとより返事は出来ないが。
 「あなたが飲んだ薬は、人間よりもドラゴンに効く薬です。あの少年ならばもう、起き上がっているはずです。それと、あなたの仲間が出ましたよ」
 ロイタスが王都から出たと聞き、彼は安堵した。
 「あなたに会わせたい部下がいます。生命学者なのですが。話だけでも聞いてあげてもらえますか?」
 どうせ、会わせるつもりなのだろう。こちらに選択権はない。彼は、ただ、黙るだけだった。
 「今、連れて来ます」
 彼が去ってまもなく、一人の女が現れた。まだ中年と言うには早いくらい若さの女性だった。
 「ジグル様、席を外していただけるかしら」
 その女が言う。
 「分かりました。どうぞお気をつけて」
 ジグルは地下牢に入ってこないらしく姿はない。その女は彼に挨拶した。そして、小声でささやく。
 「ごめんなさい。こんなことをして」


2004年06月28日(月) 夜更かし

 あんまりしないけど、うちは早寝なんで12時前に就寝。(私はもう少し起きている)でも、早番前は10時前に就寝する私。部屋を代わったおかげで結構眠れる。

 「ヴィニー、気づきましたか?」
 ヴィニーが眼を覚ましたのは宿の部屋だった。ロイタスは人の姿に戻っている。
 「うん、もう大丈夫」
 酷い痺れだった。気を失うほどに。今は嘘のように消えている。
 「セルヴェスは?」
 「セルヴェスなら、大丈夫でしょう。彼は私たちを逃がしてくれたんですから、私たちはそれに答えないと。でも、今度は私たちが助ける番です」
 「うん」
 ヴィニーがソファーから起き上がった。
 「でも、どうやって?」
 「うーん、城ごと吹き飛ばすのは簡単ですけど……」
 「駄目だよ、それじゃ」
 「当たり前です。そんなことしたら妖精主からお咎めがきます」
 「妖精主? あの?」
 ヴィニーにとっては御伽噺程度だが、ドラゴンからその名を聞くと実在しているようである。
 「あの方は私たち……妖精たちの母ですから」
 「……妖精、ドラゴン?」
 ドラゴンは、妖精の仲間である。その存在から妖精とはつなげにくいのだが、そうされている。ヴィニーは知らなかった。
 「私は、ルヴィアにも協力してもらうように、頼みに行きます。あなたは、ここで待っていてください」
 「また、あの兵士たちがきたら?」
 「私は目立つように飛んで行きます。そうすれば、ドラゴンが目的ならばあなたのところには来ないはずです」
 「わかった。ありがとう、ロイタス」
 ロイタスが王都の上空を低く飛んで、ルヴィアの元へ向かった。 


2004年06月27日(日) 飽きやすい性格

 自分で、たまに「熱しやすくさめやすい」性格だと思う。たまに再燃するけど。今書いているぶらドラ(友人命名・ぶらぶらドラゴンの略)もなんだか飽きてきている。(面倒くさい)
 でも、書くとそれなりにのっているんで、微妙です。
 最近、休みなく書いてますからね。今日は、雑談ということで。


 過去を振りかえる。(ドラゴン編)
 ワープロには90年代後半の後半の日付で終わっていた。文書名は「ドラゴンちゃん」だった……。
 もともと、このドラゴンたちの話は、ブロード(弟)にかかわっていた話でした。(詳しい話を語ると長いので略)だから、セルヴェスもブロードと名乗って人間世界を満喫してました。(いつの間にか本名で通っていた)
 ルヴィアはオスドラゴンでした。ベルスウェヴという名前でしたが、とあることで人間の町を焼いた(気性が荒いのは今も変わらない)のでセルヴェスが人間の姿にしてしまいました。(そん時、いたずら心が働いて女の姿にした)でも、今は正真正銘雌ドラゴンです。名前もややこしいのでルヴィア。赤いイメージでルビーからきているのは言うまでもない。
 ロイタス。フローズンドラゴンっておいしそうな名前といわれたことあります。彼はサグヴェル。でも「ヴ」「ヴェ」など多いし、今ではそんな名前など忘れたので、ロイタス。読み返したとき、彼は全く動いていなかったので驚きました。(自分で書いたのに)
 ヴィニー。彼は実はブロードの話から生まれたキャラです。突然現れて、ドラグーンになりたいからといって、勝手に彼らを空想世界に巻き込んでいたっていう話。(彼らへの影響は、背筋がぞくぞくするとか、妙なイライラ感など、だった)すっごいアクの強いキャラだったのは覚えてるような……。(今、↑読み返すとわけ分からん説明だね。説明のしようないんだよ)


2004年06月26日(土) ハリポタ

 見てきました。初日と言えど、地元の古映画館は吹き替え版だったためか座って見れました。(前から二番目だったけど)どうして初日? 他に見る暇ないと思ったから。でも、二作目見てなかったり。(本は一応読破・あんまり覚えてなかった)三作目が萌えだから、ねえ……。(スタッフロール長ーい・と、思うのは私だけ?)
 「ハウルの動く城」の予告見て、やっぱり宮崎アニメ良いなって思う。(個人的には好き)でも、なんで木村拓哉?

 城の中にあるこじんまりとした応接間に案内され、ソファーを勧められる。
 「あなた方は、生命学をご存知ですか?」
 「生命学?」
 「聞いてそのままの意味なら、それは医学みたいなものですか?」
 「少し、違います。医学は病気や怪我を治しますが、生命学はいわゆる不老不死の研究です」
 彼は、久しぶりにその言葉を聞いた。不老不死。人間が未だ到達できないもの。
 「どうぞ」
 メイドが入ってきて、紅茶を並べた。
 「遠慮なく、どうぞ」
 ジグルが紅茶を手に取り、すする。
 「本物の不老不死は見つからなくとも、それによって有効な健康法が生まれたこともあります」 
 「我々には、人間を不老不死にすることはできない」
 彼は、きっぱりと言った。
 「セルヴェス?」
 ロイタスがびくりとする。彼の声が鋭かった。
 「そんなはずは。あなた方は知っているはずです。その涙には不老不死の力があるはずなのですが?」
 「あるわけがない。話すことはないようだ、ジグルとやら」
 「そうか。あなた方は知らないようだ。では、ドラゴンティアをどうしてもいただきたい」
 「ロイタス、ヴィニーを連れて逃げろ」
 「セルヴェス? ヴィニー!」
 ヴィニーが胸辺りを抑えてうめいている。
 「お前は、飲んでなかっただろ? うっかり飲むものじゃない」
 彼は、搾り出すような声で言った。
 「さっさと、逃げろ」
 ロイタスが吹き飛ばされ、壁を突き抜け外に投げ出された。とたんに元の姿に戻される。これも彼の力である。
 ロイタスはヴィニーを引っつかむと、
 「ずいぶんなものだな。ドラゴンに効く薬が人間も持っているとは……。ヴィニーは大丈夫か?」
 「死にはしません。ご安心ください。さあ、あなただけが残りましたが……。それにしてもドラゴンも仲間思いなんですね」
 「……」
 彼は動かない。身体が痺れて動けない。口も動かなかった。
 「しかし、まあドラゴンとは力がある」
 ぽっかりと開いた壁をジグルは満足そうに見る。ドアの外にいた兵士を呼んで伝える。
 「今のうちに、厳重なおもてなしをしてくれ。動けるようになればやっかいだからね」
 


2004年06月25日(金) ゲームを買いなおす

 以前にも書いたけど、「ヴァルキリープロファイル」はディスクが擦り切れるほどやっており読み込みも相当やばい。つーか、途中でとまる。
 とうとう初ゲームを買いなおしました。またまたブックオフ中古のジャンクゲームにて購入。(ちなみにきれいなディスクで四千円以上する。高い)
 PS2のドラクエ�后△笋蠅燭い覆隼廚い弔鎮傭焚爾�るの待ってます。

 「いつ、調べたんだろ?」
 ヴィニーは思ったが三人目の兵士に捕まってしまい、やむなく三人は兵士についていくことになった。
 「すまん、ヴィニー。お前は関係ないのにな」
 「気にしないでよ。水臭いなあ」
 「城の内部も見れそうですね、セルヴェス」
 きっとすごいですよ、とのんきなことをロイタスは言った。
 「しかし、我々に何のようだ?」
 「私たちは存じません」
 兵士の一人が言う。街の人々に奇異な眼で見送られ彼らは城に向かう。
 「ほら、あの、上の人と干渉できないんだよ。命令だけに従っているやつ」
 ヴィニーは小声で二人に伝える。
 「ふうん。じゃあ、この三人に事情を聞いたところで、分かることはないということだな」
 「人間らしいんですか? それは?」
 「僕は嫌だね」
 「正直ですね、ヴィニーは」
 「うん。僕もそんなようなことがあるから」
 「何をごちゃごちゃ話しているんだ? 静かに歩け」
 三人の兵士の中で、一番の年長者らしい男が言った。多分、この中では一番偉いのだろう。
 その後は何も話さず、城に着いた。華やかな表門からではなく、裏口から入る。
 「例の者を連れてきました。もう一人は行方不明」
 「ご苦労。下がってよい」
 兵士たちは、すぐにその場を去る。そして、彼らに向かって言った。
 「ご足労かけました。無礼は承知です」
 出迎えた男は、ジグルと名乗った。まだ若いがこの城の摂政を任されているらしい。
 「バンドン国王はまだ小さい子だったよね」
 と、ヴィニー。
 「ええ、だから私が摂政についています。よくご存知で」
 「僕は、近くの村に住む人間だから」
 「ジグル、と言ったか? 我々に何の用だ?」
 と、セルヴェス。
 「まずはこちらへ、どうぞ。そこでお話しましょう」


2004年06月24日(木) 霧

 今朝は霧でした。幻想的ですが、注意しなければならない。まじで先が見えないからね。親父の言葉「競馬の季節は霧の季節」だそうだ。地元に競馬場があるのに賭けたことない。でも、すぎやまこういちが東京中山競馬のファンファーレを作曲しているので嫌いではない。あと、馬は好きかな。(馬はせくしーだと思う)

 宿に戻っていたヴィニーはベッドに転がっていた。
 「お帰り。説明してくれるよね」
 「もちろんだ」
 これまでのいきさつをヴィニーに話した。彼は、話し終えるとヴィニーに尋ねる。
 「お前は、どう思う?」
 「どうって……きれいなものを売って金にするのは理解できるよ。でも、酷い話だよ」
 ヴィニーは逆に尋ねた。
 「人間が嫌いになった?」
 「わからん」
 「すべての人間を好きになる必要なんてないじゃないか? ドラゴンだっていろいろなのがいるんだからさ」
 「そうか……」
 彼は、そう言いながらヴィニーを見直していた。
 「誰か、来る」
 彼は、部屋のドアを見た。それがノックもなしに開けられる。
 「この二人か?」
 「はい」
 二人の兵士らしき男が入ってきた。
 「黙ってついてきて欲しい。我々は、君たちに用事がある」
 「なんですか?」
 ロイタスの声は冷たい。
 「何? このおじさんたち?」 
 「我々はバンドン王国に仕える者だ。君たち、人間ではないことは調べ済みだ」


2004年06月23日(水) 内職

 で、ゲームその他が出来ず、母上の二時間ドラマに付き合った。月曜日は「やとわれ女将」 火曜日は「六月の花嫁」 今日は「心理捜査官」……。 ここで問題です、殺人が起こらなかったのはどれでしょう? 

 ハバネロ。世界一辛い唐辛子。「暴君ハバネロ」に母上がはまった。酒飲みなんで辛いものは好きである。(その上甘いものもいける)飽きるのは時間の問題だが、ハウス食品ではそのハバネロをつかったレトルトカレーなんかを出している(出す予定?)だそうだ。

 ドアの先には男が一人、いらっしゃいませと声をかけた。
 「なにか、お探しですか?」
 「ああ」
 彼はつかつかと店の奥へ入る。続いてロイタスとルヴィアも。
 「困ります。お客さん。この先は関係者以外の方は……」
 「いるんだろ?」
 鋭い眼が男を貫く。男がひるむ。
 「ドラゴンの子供を返してもらおうじゃない?」
 「……ひっ!」
 ルヴィアが男に軽く蹴りを入れる。それでも、効き目はあったようだ。奥には大きな檻に入れられた子供ドラゴンがいる。子供でもヴィニーほどの体長がある。
 「ギネビアの子だね」
 彼らに気づき、ギーギーと鳴いた。子供ドラゴンの足元には淡く光る小さな球が転がっている。
 「可哀想に。今ギネビアのところに送ってやるよ」
 ルヴィアが檻をこじ開けようとする。
 「大事な金づるに何をする!」
 そんな怒鳴る声がして、ルヴィアは首の後ろに軽い衝撃を感じた。ナイフの刃が折れたのだ。
 「!?」
 さすがに驚いたらしく男が戸惑う。店先にいた男ではなく、もっとガラの悪そうな男だった。
 「あいにくですが、私たちにはこのようなものは役に立ちませんね」
 ロイタスが冷たく言う。
 「あたしはこの子を届けてくる」
 「頼んだ、ルヴィア」
 檻から救出した子供ドラゴンを彼女は外へ連れ出した。
 「さて、どうしたものか……」
 彼は、まだ驚いている男の顔を見た。
 「何故、子供ドラゴンを盗んだ?」
 「そ、それは……」
 「セルヴェス、これですよ。きっと」
 ロイタスが転がっていた光る球を拾って見せる。
 「涙だな」
 「これを宝石として売っていたんですよ」
 「……? 何故だ?」
 「我々の理解を超えているんです」
 「だって、きれいじゃないか! 自ら光る球だぜ?」
 「だから、どうした?」
 彼らにはやはり理解できない。
 「子供の涙は三日もすると崩れてしまうんですよ」
 と、ロイタス。
 「な、何?」
 人間が欲しがる理由は分からないが、とにかく欲しがっていることがわかった。だから、ロイタスは続ける。
 「誰かにこれを売ったのであれば、大変ですね。文句を言いに来るかもしれません」
 「そんな!」
 男が駆け出して机の中から箱を取り出す。箱の中はいびつな透明の小さな塊があるだけだった。
 「子供ドラゴンを泣かせて涙を売っていたんですね」
 「……」
 彼は、複雑な表情でしばらく黙っていた。そして、出よう、とロイタスに声をかけた。


2004年06月22日(火) 「またあんたか! じじい!」

 いーやもう、ここでぶちまけます。 


  自主規制(注・確かにこのスペース分の文句を書いた)



 ……いや、もう、気をつけましょう。世の中、正しい人ばかりじゃないんだから。車だと、ぶつかった方が悪いから。

 彼は時折立ち止まり、耳を済ませて確認しながら進む。
 「ここだ」
 彼は、店らしき建物の前に立った。
 「でも、遅かった」
 上空には、ドラゴンがいる。彼は、音をたどることで手一杯だった。
 「ギネビア! だめだって、落ち着いて!」
 ルヴィアが叫ぶ、その姿は本来の姿に戻った。空に飛び上がる。
 「もう、待てない! 私の子、返して返して返して」
 ギネビアと呼ばれた白いドラゴンは人間の言葉を叫んだ。後は、ギャーギャーとわめいて飛び回る。
 「ギネビア……スノードラゴン」
 「かなり、イラだってますね。雪が来ますよ」
 それまで晴天だったのが、暗い雲が押し寄せ薄暗くなる。それに併せて気温は一気に氷点下に下がる。ロイタスの言った通り、雪が、吹雪がどっと吹いてきた。初夏が、真冬に変わった。
 「私は幸い大丈夫ですけど、セルヴェスは?」
 「ああ、大丈夫だ」
 参っているのはルヴィアだ。一番不利な状況にもかかわらず、ギネビアの前にいる。
 「もう少し、もう少しだから……」
 ルヴィアの声は届かない。
 「私が、必ず、助ける」
 風の中を、彼は飛び上がってきた。
 「セルヴェス……」
 白いドラゴンがわめくのをやめた。
 「吹雪いているうちに帰った方がいい。私もルヴィアもお前も、姿が隠せる」
 「必ず、必ず、お願いね」
 「もちろんだ」
 しばらくして、吹雪がやみ、青空が見える。そのころにはすでに彼もルヴィアも人の姿となり、ギネビアは去って行った。
 「ご苦労様」
 「ああ」
 王都では、今のはなんだったんだと騒いでいるが、その内収まっていく。
 「まさか、ギネビアの子、あんたの子じゃないでしょうね?」
 ルヴィアが彼に聞いた。冗談のようだが、本当ならすごい剣幕になりそうだ。
 「まさか。私は五十年は寝ていたんだ。確かに彼女とは相手になったことはあるが、もうずいぶん前の話だ」
 ドラゴンは、その長い生のうち、夫婦であるのは一日だけだという。雌ドラゴンが何匹子供を産もうがすべて相手が違い、その相手とは二度と会うことはしない。雌は子供を育て放ししばらくすると、また次の相手を探す。それが、ドラゴンの生命のつなぎ方。
 「でも、まずいな。ギネビアと会ってしまった」
 別れた相手に会うのは彼らのタブーである。
 「仕方ないね。状況が違う。あんたも気になるならしゃしゃり出なければ良かったんだ」
 「あとで、弁解頼む」
 「あいよ」
 「私からも、一言添えます」
 「ありがたい」
 そのドアを前に、ずいぶん長くいたような気がしたが、ほんの少しの時間だった。
 「入るぞ」
 彼はノブに手をかけた。


2004年06月21日(月) ゆかわさん

 DCがある。ソフト一本のために買った代物(そのソフトもPSででたのだが)。近日ブックオフに売り出す予定だったりする。(笑)

 昨日久しぶりにワープロの電源を入れた。一年ぶりに。初期化され、設定を行ってくれと表示されました。

 ルヴィアは人間の姿で、そこに現れた。
 「この姿、覚えておいてよかった。一応礼は言っておくよ、セルヴェス」
 「戻ってきたのか、ルヴィア」
 「理由は、子供ですか?」
 「ああ、そうだ。セルヴェス、気づいていたんだな」
 ルヴィアが住んでいた山にはもう一匹ドラゴンがいた。それは彼女の友人だと言う。本来ならば別の山に住んでいるのだが、卵が生まれそうになったために彼女の山の洞窟に緊急避難した。無事子供が誕生し、育てている時にルヴィアの留守中、子供が盗まれたのだ。
 「全く、あの子もドジなんだから」
 どうして盗まれたものなのか分からないが、人間にさらわれたのは確かだった。
 「そういうわけで、セルヴェス。探してくれ」
 「今、やっているんだが……ここは人間の音で騒がしい。まだ、見つかっていない」
 「できるだけ早く頼むよ。あの子、かなり気が立っている。その内、この王都に仕掛けるかもしれない」
 「わかった。全力を尽くす。だから、少し静かに頼む」
 ルヴィアが黙ると、彼は集中して音を拾う。この音は違う、この声じゃない、これは足音か? 拾っては捨ててを繰り返し、それは見つかった。
 「あっちだな」
 セルヴェスはゆっくりを足を進めた。 


2004年06月20日(日) ひさしぶりに

 地元イベント行った。相も変わらず、イラコンなんぞやっているし……。狭い会場でマイク音量高くしてしゃべらんでくれよ、具合悪くなるよ、やめてくれ。だいたい、なんでイベント会場でイラコンせななるまい? 地元の悪い風習だよ。たぶん。いや、楽しかったけどね。久しぶりに友達に会えたし。

 ルヴィアは自分の住処に一度戻ったが、すぐに王都に向かった。それにはわけがある。彼女の友達の子供を、人間に誘拐されたと言う。今にも狂い暴れだしそうな母親を何とかなだめ、彼女は探しに行った。
 
 彼の言うとおり、勝者は細い男の方だった。小回りの効く体を生かし、巨体の男に一本取った。
 「へえ、本当に勝っちゃった」
 「セルヴェスにはすぐ分かりますよ。そういう眼があるんです」
 「じゃあ、今度は賭けようよ」
 「つまらん。勝つと分かっている方へ賭けても面白くない」
 ヴィニーの提案を突っぱねて彼は、席を立った。
 「どこに行くのさ?」
 「ロイタス。少し付き合え。ヴィニーは先に帰っていてくれないか?」
 「なんだよ、それ?」
 「すまん。どこか好きなところを見てきてもいい」
 「……わかったよ」
 ロイタスが、ヴィニーをなだめてから彼の後をついていった。
 「どうしました? セルヴェス?」
 外に出て、彼は道が開けた場所に移動する。そこで立ち止まって、耳を澄ませた。
 「泣き声だ」
 「あなたは耳がいいですからね。で、どこから?」
 「それが、よくわからんが……この街に入ってからずうっとだ」
 「……何の泣き声ですか?」
 「同族の」
 そして、彼は少し笑んだ。
 「ルヴィアが戻ってくる。あいつは飛ぶ羽の音に特徴があるからすぐ分かる」
 
 

  


2004年06月19日(土) カメオのブローチ

 おばあちゃんの形見分け。作った人のプロフィールを見たら、生まれた日が一緒だった。ちょっと運命を感じた。(いや、それだけのことなんだけどね。一応、366分の1の確率?)

 王宮の一般公開は無料で入れるため、観光客が多い。イベントがない日はほとんど公開している。優雅な作りは彼を魅了させるのに十分だった。
 「こんな細かい彫り物ができるのか」
 「お金があるからできるんだよ」
 ヴィニーが冷たく言う。彼にとってはあまり面白いものではないらしく、少し不機嫌だった。
 「だけど、これを彫る人は、どんな気持ちで彫るのでしょうか?」
 「さあね」
 ヴィニーのそっけない返事にロイタスは、仕方がなく黙った。ヴィニーよりは、ドラゴンの方が芸術作品に興味があるようだった。彼らには縁がなかった世界だから。
 一つ一つ、回廊に等間隔で並ぶ、複雑な模様が入った花瓶や彫刻を眺めてはため息をついた。その内、絵画の並んだ回廊に入り、それもまた一つ一つをもの珍しそうに見て回る。王宮内は美術館のようだった。
 「ねえ、中庭も見てこようよ。なんか、イベントがやっているんだって」
 中庭では兵士たちが練習試合の時間だといって、やはり観光客に公開していた。観戦は無料だが、賭けをする場合は当たり前だがお金がかかる。
 「見事ですね。人間はああやって武器を使い、自分の強さをアピールする」
 「うん。だけど……あれでは獣人たちにすら勝てんだろう」
 獣人は厚く硬い毛皮を持ち、剣の刃は通らない。すばやいし、力も強い。人間が武器を持って挑んだところで、犬死するのがおちである。幸い、この辺には獣人はあまりいないのだが。
 「ねえ、なんだか難しい話になってない?」
 もっと、試合を楽しむことをヴィニーは教えた。戦いあって何が楽しい、と彼は聞いた。
 「自分が痛いのはいやだけどね。自分もそれを見て参考にするんだ」
 「参考?」
 「僕も、一応自衛団に入っていたから」
 「自衛団?」
 「うん。あんな小さなとこでもあるんだよ。もっとも出動するのは畑泥棒が現れた時だけど」
 「へえ……」
 彼はヴィニーの話に感心したらしい。どの辺に関心を寄せたのかわからないが。
 「それよりも、どっちが勝つと思う? やっぱりあの大きい方かな?」
 ヴィニーが指したのは、大きな斧を持った巨人のような男だった。
 「さあ、もしかすると華奢な方かも知れませんね」
 ロイタスは相手側の細身の男を指す。
 「セルヴェス、どう思います?」
 「細い方」
 ロイタスを見ず、ひたすら試合に出る二名を見て言った。
 「やっぱり、そう思いますか?」
 「……」
 「え、なんで?」
 ヴィニーが疑問に思ったとき、試合は開始された。

 

 


2004年06月18日(金) 目撃!

 彼はまだ小学一年生(胸章で判断)なのですから、我慢できなかったと思います。だからといって、駐車場でどうどうとやるのはどうかと思いました。(近所のがきんちょの話)

 それは、小さな小さな球だった。薄暗い中、月のように淡く輝いている。貴族がそれを手に取り、じっと見つめた。ランプの明かりの下なのが少し残念に思っている。
 「確かに、これは……」
 「そうです。本物です」
 商人は言った。
 「きれいでしょ? 自ら光る宝石」
 「しかし、これをどうやって……。しかも、こんなに!」
 同じような球が、宝石箱の中に五つほど入っている。
 「それは、企業秘密です。さて、これを五つセットでいくら出せますか?」
 
 彼らはしばらく王都にとどまることになった。理由は、まだ行くところが決まっていないからだった。
 「こう、広いとどこを見ていいか分かりませんね」
 と、ロイタス。ルヴィアガいなくとも穏やかに話す。元の性分は大人しいらしい。
 「パンフもらってきたよ。見所は……」
 「あれが見たい。中を見てみたいものだ」
 彼が指差したのは王宮だった。
 「うん、一般開放されているところだったら見れるよ」
 そんなわけで、彼らは王宮に向かうことになった。


2004年06月17日(木) 父の日

 日曜日ですね。今年は小銭入れを。(去年はネクタイピン)毎年、誕生日すっぽかすので、この日くらいしかプレゼントしない父親不孝の私。(親父も娘不孝)

 「では、今は当てもなくふらふら歩いているわけですね」
 「まあ、そういうことだ。つき合わせてすまんな」
 「いえ、私は」
 「あたしは、戻りたいね!」
 ルヴィアがすかさず言う。彼は、ちょっと残念に思ったが、ふらふらしている旅はルヴィアの性に合わないことを知っていた。王都までは予定通りだったのだから、彼女をここで戻してもいいとも考えた。
 「そうか、悪かったなルヴィア。付き合わせてしまって」
 彼は、外に出るように促した。
 「セルヴェス、あたしを戻してくれるのかい?」
 「そうだ。自分で元に戻れないだろう?」
 信じられない、と言った顔をルヴィアがする。同様な顔をロイタスも。
 「ああ、そうだロイタス。ルヴィアがいなくとも温暖な顔で頼むよ」

 王都の空に、赤く輝くドラゴンを見かけた。
 人々は、驚くあまりずっとそれを見上げ続けていた。王都上空を一回りすると、南のほうに帰って行った。
 「いいのですか、セルヴェス」
 「ああ、いいさ。束縛するわけじゃない。今までは成り行きだ」
 「そう言って、さびしんでしょ」
 「お前をからかったところで面白くないからな」
 「なんですか、それは」
 ヴィニーが駆け込んでくる。
 「ルヴィア、帰っちゃったの?」
 「ああ、彼女は旅に付き合う気はないらしいから。ヴィニー、どこか行きたいところはあるか?」
 


2004年06月16日(水) 航空券

 買わねば。(超個人的。早割りきくかな……)

 翌朝、久しぶりにゆっくりと眠れたヴィニーは機嫌が良かった。奇妙な四人が泊まる部屋に朝の日差しが心地よく入ってきている。
 「さて、セルヴェス。旅の目的はなんですか? ちゃんと聞かせてください」
 ヴィニーが朝食を取りに行くといって食堂に行った時、ロイタスは彼に尋ねる。
 「……お前には、もう分かっているんだろ?」
 「いいえ、あなたのことなんて分かりません。ただ、例の彼女が目的なら少しは察しつきますけど」
 「彼女? 何? 気になるね」
 そうは言うが、ルヴィアは気になる風もなく窓を眺めている。
 わかってるじゃないか……彼はそう思ったが口に出さない。
 「観光……人間は行ったことのない土地や場所で遊ぶのが好きらしい。気に入っていた住処を離れるのは惜しいが、このように人間に触れてすごすのもいいと思ったんだ。飽きたら、やめる」
 「人間が訪ねてくるのが嫌になったんじゃないのか?」
 と、ルヴィア。少しからかっているような口調だった。
 「それも、あるな。でも、それはドラゴンの姿だから。幸い人間には本質を見抜く力はあまりないから、同等な人間の姿ならと思ったんだ」
 「同等ねえ……」
 人間には、あんなように貴族や王様がいるのに? と、ルヴィアが宿の窓から見える王宮を眺めた。


2004年06月15日(火) 一転して

 今日は涼しい。早朝から雨、雷!(うちのジュニちゃんは世間一般の犬と違い、雷を怖がってくれない) 午後になったら晴れ晴れしてました。

 「セルヴェスが優しい?」
 笑いこけたのはルヴィアだった。
 「あいつは……あはは、変わり者なだけだよ」
 「ルヴィア、笑うのはよしなさい」
 「だって、あはははッ」
 ロイタスのたしなめも聞かず、ルヴィアは笑っていた。今、ここに彼がいないのもあるようだ。ヴィニーから話を聞いたあと、ふらりと外に出て行った。どこに行ったのか、と聞くとロイタスが、夜の散歩でしょ、と教える。
 「でも、確かに変わり者には違いないですね」
 ロイタスがため息をつく。その点についてはルヴィアと一緒だった。
 「我々、ドラゴンは人間と干渉することはまずないのですよ。最近は特にね。昔は、人間と共に戦っていました。ドラゴンを得ることが出来た人間はドラグ−ン何て呼ばれてましたけど。しかし、人間に仕えて何が楽しいんだという考えが私たちに広まって、人間離れしてしまいました」
 「セルヴェスも、その中にいたんだ。だけど、急に人間の言葉を覚えたりして、あたしらも巻き添えを食ったんだ」
 「そう、急に。でも、彼を求めてくる人間たちは、皆……」
 「殺されちゃったの?」
 「そんな乱暴はしませんよ。追い返されちゃったんです」
 「あたしは焼き殺しちゃったけど」
 「……」
 「……」
 ルヴィアの言葉を無視して続ける。
 「じゃあ、やっぱりセルヴェスは優しいんだ。それとも、力がないとか?」
 ヴィニーの言葉に、ロイタスもルヴィアも固まった。数秒の沈黙の後、二人は口々に怒鳴った。
 「滅相もない! 彼は最強のドラゴンです!」
 「そうだよ、あいつはそれなりに本気を出せば、世界だって破壊できる!」
 「過去に、壊滅した王国は彼の手によることだってあったんですよ」
 「あいつは、普段ああだけど、怒りが頂点に達したら……」
 「わ、わかったよ。ごめんごめん」
 何に謝っているのかわからないが、ヴィニーは謝り続ける。二人が落ち着いたころ、彼は部屋に戻ってきた。
 「何をやっていたんだ?」
 当の本人が戻ってきたので、話はそこで終わった。
 「いいえ、別に。ただ私たちもヴィニーから人間の話を聞いていただけです」
 「ふうん、そうか」
 彼はそれ以上つっこまない。


2004年06月14日(月) 「まだ何かあんのか!」

 いえ、かなり個人的なことなんで。気にしないでください。この日記の最初は私の愚痴から始まること多いですね。

 札幌、暑かった。真夏日で三十度越したそうだ。さすが、盆地。妹がヘタってないといいですが。内地はもっと暑いのだろうな、と。先日京都の友人が帰りたいといっていたので。
 暑いからといって冷たいものばかり飲んじゃ駄目ですよ。せめて、お茶類にしときなさい。(糖類が入っているのは不可)

 バンドン王国、王都。はるか先に王宮が見え、目の前はレンガ造りの家が立ち並んでいる。王都の南玄関口はかなりの人であふれている。
 「人がいっぱいですね」
 「当たり前だよ。王都だもん」
 ロイタスにはそう言ったが、ヴィニーもこの人の多さには圧倒された。彼も王都は初めてだった。
 「そこは四人か?」
 門番の兵士が尋ねる。検問というほどではないが、どんな人が王都に入るのか、を見るのが仕事らしい。
 「はい、そうです」
 「何用だ?」
 「観光です」
 「四人の関係は?」
 親子には見えんな、と兵士は笑った。
 「旅先で出会っただけだ」
 と、彼は言った。兵士は少し驚いたがそれ以上は気にせず、通ってよしと言う。
 「昨夜はゆっくり休めなかったからさ、まず宿取ろう」
 と、ヴィニーは提案したが、三人のドラゴンはまわりの珍しさに目を盗られていた。
 「ねえ、聞いてる?」
 「あ、すまんすまん。宿をとるのだな? 任せてもいいか?」
 「うん。とにかく普通の宿をとるよ」
 「それと、あれを換金できるところも」
 「うん」
 
 数十分後、当たり障りない宝石商の店で、無事にダイアを換金できた。原石もつけ、ヴィニーには考え付かないような大金が入る。
 「これだけあれば、路銀は大丈夫だな」
 「ぼくらが一生遊びながら旅してたって、余るよ」
 「そうか」
 このドラゴンたちに金銭感覚というものを理解しろと言う方が間違っている。ヴィニーはそう思った。
 その日は普通よりちょっとだけいい宿を探し、そこで泊まった。

 「ヴィニー。そういえば、聞きたいことがある」
 「何? 改まって」
 彼は、食堂から戻ってきたヴィニーに尋ねた。
 「人間は、子供をすぐ手放さないのだな」
 なんのことか良く分からなかったが、思いついた。
 「それって、ドラゴンは子供が生まれたらすぐ手放すの?」
 「ああ、一年は面倒見る。しかし、我々よりはるかに寿命が短い人間たちはずうっと子供を見ているのだな」
 「うん、まあね。親が年老いたら今度は子供が面倒見なきゃなんないし」
 「ヴィニー、お前の親は?」
 「両親は、僕が小さいころ死んだんだ。育てたおばあちゃんももういないし……。もしかしてセルヴェス、それが心配してたの?」
 「まあ、連れ出したのは私だからな」
 それ以上は、何も聞いてこない。ロイタスがにやにやと見ていたので、彼が何故そんなこと聞いてきたのか、尋ねてみた。
 「彼はさっき、迷子とその迷子の親が再会するところを見たんですよ。そうしたら、あなたのことを考えたんじゃないですか? 我々にはあなたぐらいの歳でも親と暮らしていると思いもしなかったんですから」
 「ああ、そうなんだ」
 「子供が生まれて一年の間、雌は必死ですからね。人間も同じなんだな、と思ったんでしょう」
 「セルヴェス、優しいんだね」
 ロイタスが、きょとんとした顔になった。
 「優しい? まあ、思いやりがあるってこと、ですかね」


2004年06月13日(日) 下水が湧く湧く

 厨房で、下水があふれた、早番の朝。主任に連絡を入れ、水道屋に連絡してもらった。当然、汚水が厨房の床にあふれたので、昼食は作れず中止。床を水洗いしてエタノール消毒しました。どうも下水道が詰まってたらしく、たまりにたまった汚水があふれたらしい。(外のマンホールからも汚水、トイレの排水が……かなり臭ってました)
 こうゆうことも、起こるんですね。

 彼とヴィニーが隠れて見ていると、そこに雪が降った。
 「アニキ、雪だ……」
 「ま、まさか……」
 上空を見ると、大きな影が空を覆っている。
 「ま、まさか、ドラゴン?」
 「ひっ!」
 男たちが抱き合って空を眺める。
 『すべての悪事を置き、山を降りよ』
 そんな声が二人に耳に響いた。
 「あ、アニキ!」
 「あ、あうあうあう……」
 二人は盗んだものを物を置いて逃げ出した。

 「セルヴェス、いるのでしょ?」
 「久しいな、ロイタス」
 「いつの間に目覚めたかと思えば、そんな格好でどうしたんです?」
 冷たい声だとヴィニーは思った。実際は寒い。雪はやんだが。
 「いろいろ、だ」
 「後で、ゆっくり聞きましょう」
 「そうだな。お前も行くか? ルヴィアもいるけれど」
 「そうですか、彼女が……。よく着いてきましたね」
 「成り行きで、無理やりに」
 「……それなら、私もお供しましょう」
 ヴィニーから見ると、ロイタス優男風の、おっとりとした男に見える。
 「後で、鏡でも見て調整してくれ」
 「ねえ、これ、誰がモデルなの?」
 ヴィニーが彼に聞くと、三百年前くらい前に会った聖職者で性格もロイタスに似ているから、と返ってきた。
 「ルヴィアにも、あるわけ?」
 「ああ、あれは……」
 五百年くらい前、生贄として差し出された村娘だった。
 「生贄って、食べるの?」
 「まさか。人間が勝手に思い込んでいたのだ。そうだ、日照り続きで作物が育たなくて……。しかし、あの娘は駆け落ちするために生贄を買って出て、男が向かえに来て別の村に行ってしまったんだ」
 その後、彼は風を起こして雨雲を呼び、その村に雨を降らせた、という。
 「人間とは、なんでも利用するものだと思ってな。少し感心したんだ」

 ロイタスを連れ、宿に戻るとルヴィアは露骨に嫌な顔をした。
 「セルヴェス……なんでこいつを連れて来たんだ!」
 「付いてくるといったから」
 「ま、そう言わずにルヴィア、仲良くしましょ」
 「いやだってんの!」
 そんなやりとりをニヤニヤとしながら見る彼に、ヴィニーは尋ねた。
 「ねえ、ロイタスの雰囲気、さっきと違うような気がするんだけど」
 さきほどより、物言いが穏やかになっている。山にいたときに感じた冷たさはない。
 「ああ、それはルヴィアがいるからだ。ルヴィアが冷気を奪っている。反対にロイタスは熱を奪っている」
 ファイアードラゴンとフローズンドラゴンが力を打ち消しあっている。さらに、彼、ウィングドラゴンがいるためにルヴィアの力は弱くなっていっる。
 「彼女が元気なのはそれだけ、彼女の能力が優れているんだ」
 「そうなんだ……」
 全部は理解していないが、ヴィニーはうなずいた。
 


2004年06月12日(土) よさこい

 参加したことはなし。札幌の夏の風物詩。
 この時期、地下鉄乗ると、派手な衣装を来た参加グループがわんさか乗ってます。路上は人であふれてます。毎年、拡大しているような感じがします。
 かんじ、といえば新聞で読んで、「糞」とか「姦」とか「癌」とか「嘘」とか人名に使えるようになったとか……(つけられたら子供かわいそうだ)。でも、「撫(子)」とか「琥珀」って今まで使えなかったのは意外だった。

 「そういうわけで、セルヴェス、ヴィニー行ってこい」
 ルヴィアは頑として動かなかった。仕方なく、彼とヴィニーは、犯人のいる山へ向かう。
 「寒い……」
 夏が近いと言うのに、その山は雪が降りそうな寒さだった。
 「フローズンドラゴンが住んでいるからだ。それなりに寒い」
 「かなり寒いよ!」
 平気な顔をしている彼をヴィニーは恨めしそうな顔で見る。実際、フローズンドラゴンの側には霜が降りるくらい周りが冷える。それが山全体となると、そのドラゴンはかなりの力の持ち主だという。
 「でさあ、どこにいんの? 犯人」
 「さあ、こう暗いと無理だな」
 「……セルヴェス、本当にドラゴン? 何かこう、のんきだよ」
 「すまん。しかし、音は聞こえる。少し黙ってくれ」
 ヴィニーは、黙った。彼が耳を澄ましている。
 「声……人間の声がする。近い」
 「なんでわかるの?」
 「風が乗せてくるんだ」
 「ふーん?」
 ヴィニーには良く分からなかったが、そっと彼が指す方向へ向かった。森の中に開けた場所があり、そこで焚き火を囲う男が二人いた。
 「アニキ、この山めっちゃ寒いっす!」
 「我慢しろ。ここにゃ、ドラゴンがいるんでい。あんまり人が近づかねえからちょうどいいんでい」
 「でもよ、ここで夜を明かしたら凍死するっす」
 「ばかやろー! こんなダイア目の前にして死ぬ奴がどこにいるんでい!」
 どうやら、犯人に間違いなさそうだ。ヴィニーは思った。
 「セルヴェス、さっさと取り替えそうよ」
 ヴィニーが小声で言う。
 「どうやって取り返す?」
 「どうやってって……セルヴェス、なんか方法ないの?」
 「まあ、見てろ。多分、奴が来る」
 彼は、にんまりと笑った。


2004年06月11日(金) 落ち着かなかったのが

 だいぶ落ち着いた。ただ、接触事故が人身事故になったのが悔しい。あの爺は自転車で帰っていったんだぞ。でも、あとはもう保険会社に任せたのでほっとくことにしてます。祖母のことも骨納めしてしまったので今後、することといったら一周忌くらいだし。あと、去年まな板落として黒くなった爪が押し出されてはがれたので、すっきりしました。

 「どうすんのさ!」
 金が盗まれたことを知ってヴィニーの一声がこれだった。
 「どうするか?」
 彼は無表情に言った。
 「ここの支払いもまだだよね」
 「後払いだからな」
 「しっかし……」
 ルヴィアが彼に向かって言う。
 「セルヴェスの鈍感も、たいしたもんだね」
 「すまん……」
 「ともかく、盗んだ奴を捕まえないと」
 「そうだな……。ルヴィア、出来るか?」
 「ああ、待ってな」
 ルヴィアが、じっと部屋の中を見つめた。窓の向こうの山を指す。
 「北の方だ」
 「そうか」
 「なに? 何が分かったの?」
 「盗んだ奴の、居場所」
 「ルヴィアは熱を追うことが出来るから」
 「人間の体温がぎりぎり残っている程度だけど、ね」
 「はあ……」
 宿の主人は、話を聞きため息を着いた。
 「鍵はかけてもらわないと困るよ、お客さん」
 「すいません。今から犯人を捕まえに行くんで……」
 「そのまま、逃げられても困る。誰か一人残ってくれ」
 残れと言われ、三人は顔を見合わせた。
 「まず、ルヴィアは追うために必要だ」
 「セルヴェス、僕が残……」
 「私が残る。後は任せたルヴィ……」
 「やだ! 絶対やだ! あの山だけはやだ!」
 ルヴィアが、断固拒否する。
 どうしても、自分と合わない人がいる。それは、ドラゴンにもあるらしい。
 「ああ、あの山は……」
 土地感覚がまだつかめない彼は、ようやく気づいた。
 その山は彼の古い友人である、フローズンドラゴンが住んでいる。ルヴィアとの相性は最高に悪い、ロイタスが。


2004年06月10日(木) 今の仕事って……

 ここで書くことすらムカムカするので省略。何かあるとき限って、なんで面倒なことしなきゃならないわけさ。間違ったとこがあるならそこをきちんと示せってーの。
 もう、今請求書やって、学園祭の何とかあって、会議あってと、そんなことやってらんなかったんだよ。んなの後からでいいじゃん。 
(イライラ度 マックス前)

 ルヴィアのことは気にしなくともよいということで、部屋は一緒だった。三人部屋というのは広々としているが、三人入ると狭い。当たり前だが。
 「これは、なんだ?」
 彼もルヴィアもそれを差して言った。ベッドである。
 「これが場所をとっているんだが……」
 「寝るところだよ。人間の……」
 「これがか?」
 「うん。そうだよ」
 「やわからいぞ?」
 「そうなんだよ」
 「そうなのか」
 彼はベッドに腰掛けてみた。やわらかい感触に違和感があった。
 「僕、おなか空いたから下に行ってくるよ」
 「ああ、私たちはここにいる」
 「あたしは行ってみようかな?」
 「何しに?」
 「ちょっと、どうなっているのかみたい」
 「やっぱりあるじゃないか、興味」
 「違うよ!」
 ルヴィアは怒鳴ってからヴィニーについて行った。
 二人が出て行った後、彼はベッドに丸まってみた。やはり違和感がした。それでも、うとうとと心地よい眠りが促される。彼は眼をつぶり、うっかり本気で寝ないよう意識だけは起きていて、眠った。

 


2004年06月09日(水) 事実は小説よりも奇なり

 と、よくいいます。父方の家系(?)を聞き、そう思った。
 
 おじいちゃんは、めかけ(愛人)の子で親類の家で育ち(その恩は忘れず父方の墓の隣にその墓を立てている)、(本妻がなくなりそのめかけが本妻になったら元本妻の子供を可愛がったらしい)その後、看板業を手伝い、一家の大黒柱になった。(そして本妻の子供を養った? らしい)
 長男(父)が集金した金を使ったので勘当されたがその後家に戻され、その後を恋人(父の前妻)が追ってきて夫婦となるが、おじいちゃんの奥さんが亡くなって更に父の前妻も身体が弱いため家事が出来ず今回なくなったおばあちゃんが嫁に来た(このとき四十すぎだったらしい)。そのうち、前妻がなくなり母が嫁に来た。(父の前妻は席を入れなかったらしいが、母(と私)の時はすぐ入れたらしい)
 
 かなり、略されてますが(つーか、長くて打つ気がない)大まかでこうなんで、フィクションを交えて小説にしたら二冊くらいになりそうですね。(母の方も交えることにより)ちなみに、なき祖母が母にずうっと話していたらしい話。

 ちなみに母のほうは、
 まず、元父の父に、「おめえたちにやるもんはねえ」と言われた。(それでもいいから結構させてくれといった)
 母の兄(伯父)が「結婚式だけでもあげれ」と、会費制で結婚披露宴を行って、母の姉(伯母)たちからお祝い金をもらったが、父が「これ、(父の)母にやろうか? 金使わせたし」(まったく使ってないらしい)と、言ったらしい。
 私が生まれてから、毎週土日は実家に行って農業を手伝った。(母いわく「あんた(私)をどこにも連れて行かなかった」)
 ある正月、「これ、(父の)母に買っていく」とみかん箱を差す。(母方の母(おばあちゃん・健在)には何もなし)母はショックを受けたらしい。(お祝い金についてもいくらかショック)(かなり頭にきたようだ)
 結局離婚してから、父と会った母は食事に行って、その席で「今、何ぼ(いくら)持ってんの?」と胸倉を掴んで聞いて(脅すとも)、三万円を奪う。(それが、私の養育費……)
 私が就学するのに「ランドセルくらいくるべ」と思っていた母。結局来ないので諦めて、今の父と再婚するが(父親は必要だろと口説かれたらしい)、今の父は父で、ああゆう性格なんで別居中。
 
 これでも、かなりはしょったつもりだけど、こうして書くだけで今日は書いた気分。(自分としては、元父のことなどどうでもよく、面白い話だとおもうので笑ってください)


2004年06月08日(火) なんだか、

 疲れることが多いと集中力欠けてしまう。今日、自転車乗ってた爺さんに(車で)ぶつかったぶつかってないでもめた。ともかく早番の日というのはこういうことが多いので運転したくないのに必要になってしまう。(言い訳だよね、これ)
 
 王都まであと少しのところでヴィニーが疲れたと言った。手前の街は小さいが王都がすぐ近くなので人の行き交いが多い。
 日はまだ沈まないが午後の三時を回っていたし、いくら一番近いと言ってもここから王都までは半日かかるらしい。
 「だから、休もう」
 ヴィニーの提案にルヴィアが首を振る。
 「人間というのは体力がないな」
 ヴィニーに体力がないわけじゃないが、ドラゴンに比べたらないに等しい。それを最近理解したセルヴェスは休むことを決めて、宿を探すことにした。
 「ヴィニー、私たちにはどれがどういうものなのかわからん。だから、お前が決めてくれ」
 「いいけど、予算はどれくらい?」
 「予算? すまないが、金の単位はわかるが、価値が分からない」
 「じゃあ、ちょっと、全財産出してよ」
 彼はとりあえず金の入った袋を出した。当面の路銀を入れた袋は結構入っていた。
 「これだけあれば、スイートルームでもいいけど……長く旅するなら駄目だね」
 「お前にだけ食事がつけばいい。私たちには必要ないから」
 「そうだね。人間の食べ物には興味ない」
 「……そんなことないぞ、ルヴィア。人参というものはなかなか美味だった」
 「にんじん? あの根っこみたいのかい?」
 ルヴィアが情けないような顔をして彼を見る。
 「普通の部屋を探そう。うん、それがいい。普通に三人が泊まれる部屋に……ルヴィアは、部屋別にしなくいいよね」
 「なんでだ?」
 「一応聞いただけ。人間の女の人は、伴侶以外の男の人と一緒の部屋になるのは嫌がるもんだよ」
 「そうか……」
 なんでか、と尋ねないのは、どうやら理由が察しついたらしい。だから、ヴィニーもそれ以上は何も触れない。 


2004年06月07日(月) 気を取り直して

 日記はじめまーす。(忌引き休暇利用して)

 ルヴィアは膨れながら着いてくる。そのずっと先に彼とヴィニーが歩いていた。
 「セルヴェスもドラゴンなんだね」
 「そうだ」
 どうりで、変なことを言うと思ったら人間じゃなかったのか、とヴィニーは思った。貴族の路頭に迷った息子ではなかったが。
 「それで、これからどうするの?」
 「王都に行こうと思っている」
 「……なんで?」
 「とりあえず、路銀というものを確保したい。それには王都でこれを引き取ってくれる宝石商に会わないとならないらしい」
 彼はヴィニーに、ダイア原石を見せた。
 「うわっ、すげっ!」
 ヴィニーの声でルヴィアも駆けつけてそれを覗いた。彼女の方は、なんだという顔をしている。
 「それが何で金になるのかわかんないね」
 ルヴィアが顔をしかめて言う。仏頂面ばかりで美人が台無しだとヴィニーは思った。
 「不思議なもんだものだな。ヴィニー、なんでこいつが金になる?」
 ドラゴンたちには宝石の価値がわからないらしい。聞いた伝説によれば、ドラゴンたちほど宝石を手にして人間から守っていると言うのに。
 「欲しがるのは人間でも一部だよ。それでも人数がいるからそれだけで価値が上がるんだ」
 貴族の夫人らはこぞってそれを求める。どれだけ夫に愛されているか、どれだけ財力があるか、宝石はそのステータスの一つである。
 「自慢の話の一つにしたいためのネタに過ぎないけど、ね」
 「やっぱり、よくわからん」
 彼には理解できなかった。
 「第一、自慢するには、大きな獲物を取ったとか戦って勝ち残ったとかではだめなのか?」
 「女の人はそんなことしないよ。ともかく、それをたくさん持つということが自慢であって、喜びなんだよ」
 「……わからん」
 三人……一人と二匹は、バンドン国の王都を目指している。 


2004年06月06日(日) 両極端な日

 昨日は楽しかったし、結婚した友人も本当にうれしそうで幸せそうでした。でも、その日の朝、祖母が亡くなったという連絡が入ったのでそっちも気がかりでちょっと湿っぽくなっていました。(友人たちにはそのことは話せなかった)
 うれしいことと悲しいことが両極端な日でした。

 名寄は、札幌から特急で二時間以上かかるところだよ。旭川よりも北で、稚内より南。名物は、ひまわり畑、お米、鈴最中とか。かぼちゃもおいしいらしい。
 とてものどかなところだよ。住むには最適だけど、都会が恋しくなるようなとこかな……。
 


2004年06月05日(土) 名寄にて

どこかで聞いたことあるようなタイトル(笑)
 短大の時の友達とちょっと修学旅行気分。


2004年06月04日(金) 最近のはまりもの

 なんてことない。パソコンのおまけのようなゲーム「スパイダソリティア中級」 しかし気づくと寝る時間すんでいたり……。

 歩くとは何十倍も時間がかかることだ。よく人間はできるなと彼は思った。ようやくルヴィアの住む洞窟の前にいる。
 「おい、ルヴィア。私だ」
 洞窟の入り口に向かって彼は叫んだ。声が反射して響く。しばらくの沈黙後、地響きのような音がして、それは向かってきた。
 赤く輝くドラゴン……ファイアードラゴンだった。
 「その声、セルヴェスかい?」
 「ああ、そうだ。久しいな、ルヴィア」
 ヴィニーがあんぐりと口を開けている。ドラゴンの姿に驚いているのか、彼がルヴィアと話しているのに驚いているのか、その両方かもしれない。
 「なんだい、その姿は?」
 「ああ、これはな……」
 彼はここまで来た事情を話した。ヴィニーのことについても。
 「それは、自然に抜け落ちたものじゃないか。そんなもの、今どうすることも出来ない」
 ヴィニーが手に入れたうろこは、自然に抜けたものでそれはめったにない、という。
 「ああ、やっぱり」
 「それより、セルヴェス。人間になって楽しいか?」
 「まあな。少なくとも退屈はしない」
 「馬鹿馬鹿しい」
 「馬鹿馬鹿しいと言いながら、人間の言葉を使っているだろ」
 「お前が使ってくるからだ!」
 「どうだ、ルヴィア。私と一緒に……」
 「この、大馬鹿!」
 ルヴィアが彼に向かって火を吐き出す。すさまじい熱風が来たかと思えば猛火が彼らを襲った。
 「ぎぃやああああ!」
 ヴィニーが悲鳴を上げる。彼は少し笑った。
 「元気がいいな、ルヴィア」
 炎が収まると、彼らは火傷一つなくその場に立っていた。
 「セルヴェス……」
 目の前に、赤いワンピースを着た女性が、恨めしそうな声を出した。
 「これは、一体どういうことだ!」
 「似合うぞ、ルヴィア」
 「勝手に変えるな! なんだこれは」
 「人間の若い女の姿だ」
 「しかも、かなり美人だよ」
 と、ヴィニーが小声で言う。
 「人間の雌にだって?」
 「違う、ルヴィア。人間は雌といわない、女とか女性とか」
 「うるさい! 早く元に戻せ!」
 「しばらくは元に戻さん」
 彼はそこから立ち去ろうとする。
 「ヴィニー、うろこはもう、諦めろ」
 「えーっ! そんな……」
 「私と一緒に来るか?」
 「……うん。掃除当番よりはいいかもしれない」
 「じゃあ、決まりだ」
 「ちょっと待て!」
 ルヴィアの制止は聞かず、もと来た道を歩き始める。
 「……わかったよ! いけばいいんだろ、行けば!」
 ルヴィアの声がこだました。


2004年06月03日(木) なぜ書くのか?

 考えてみる。……実を言うと、貧乏性だからかもしんない。だって、この日記有料版なんだもの。もったいないじゃない。
 いや、でも、楽しいのもあるよ。書いていて。

 ルヴィアの山もあまり変わり映えはしない。休火山なので噴火することはまだないが、ファイアードラゴンらしい住処である。山の中は静かだった。
 「ヴィニーは見たことあるのか?」
 「何を?」
 「ルヴィアを」
 彼は首を振った。まるで知っているかのようにファイアードラゴンの名を口にするので、少しあきれた。
 「そんなわけないだろ……。遠くで飛んでるのを一度だけ見たことあるけどさ」
 「ふうん」
 「さっきからさ、ルヴィア、ルヴィアって。セルヴェス、知り合いなの?」
 「喧嘩友達だ。彼女の顔を見るとつい、からかいたくなってな」
 「それって、好きな女の子をわざといじめるみたいだね」
 彼はそう言われきょとんとする。
 「人間は、そんなことするのか?」
 「あんたがしてるだろ」
 「……そうかな?」
 「で、あのファイアードラゴンって雌だってこと?」
 「そうなる」
 「雌だったら、おとなしいかな?」
 「いや、それはない。雌だからこそ、気性が激しい」
 「……やっぱり帰ろうかな」
 ヴィニーの足取りは重い。山道がきついばかりではないようだ。
 「そんなに心配か?」
 「心配だよ。よくわからないあんたと一緒だしさ」
 人間の信用を得るには、時間がかかる。そう、どこからか聞いたことがある。彼は少し考えた。
 「……」
 「どうしたの? 黙っちゃったりして?」
 「いや、どうしたら人間の信用を得ることができるのかを考えている」
 ヴィニーがやはりあきれたような顔をする。
 「そんなの人それぞれだよ。さっきの奴らみたいに現物を見せたところで信じる奴一人もいないし、さ。うちのばあちゃんみたいに、泥棒に『俺はあんたの息子だ』って言われてころりと騙されて家の中荒らされちゃったりして……。信用を得るなんて人間同士でもうまくいかないときってあるよ」
 「そうか……」
 「ただ、一つ。絶対信用をされる方法があるよ」
 ヴィニーが人差し指を立てて言う。
 「それはなんだ?」
 「大金。お金だよ。でも、それでも信用できない人はいるけどね」
 「……」
 金が物を言う。実際、金はしゃべらないが金は人を動かすと聞いた。彼はなるほどとうなずいた。それと、金で物を言わせる者は嫌われやすいとも。
 「ヴィニー、ものすごく参考になった」
 「どういたしまして」
 ヴィニーは、からかわれていると思った。なんだってこの人はこんなことを聞くんだろう、と。もしかして、実は世間知らずなどこかの貴族が路頭に迷っているのではないかとも思った。 


2004年06月02日(水) 今週の土日は

 友人の結婚式があり、初めて行く土地に。名物は何か、と人に聞いたが「特にない」らしい。確かにその土地の名物を聞いたことがない。まあ、お菓子くらいはあると思うけど……。ちなみに道内なんですが、片道五時間かかります。(JRで)

 翌朝、眼を覚ました彼はすぐに王都に向かおうと思った。しかし、それは出来なくなった。
 村のはずれで子供たちが騒いでいる。子供といっても皆、十六、七歳くらいの少年ばかり。皆、簡易なレザーアーマーなどつけている。
 「約束どおり、行ってもらうぜ」
 中でもひときわ目立つ少年が気の弱そうな少年に言った。
 「俺たちは家で待っているからな」
 別の少年が言う。
 「でも、これは本物だよ。行く必要なんかないじゃないか!」
 「俺たちの分もとって来いって言ってんだ。それでなかったらそりゃ、偽もんだろ、一度行ってきたんなら平気だろ」
 「そんなの自分で取りに行けばいいだろ。もう、やだよ。あんな怖いとこ」
 「行けって行ってんだろ!」
 「でなかったら、お前、ずうっと掃除当番だ」
 「横暴だよ! それ」
 少年たちは聞かず、弱虫ヴィニーなどとはやしたて、去って行った。
 残された少年はため息をついた。
 彼は、話しかけてみることにした。
 「おはよう」
 まずは、挨拶からだと思い声がける。少年は知らない旅の男に挨拶され、どぎまぎしながら、おはようございますと言った。
 「今のは?」
 「ああ、あいつら、ドラゴンのうろこが欲しいんだ」
 「うろこ……なんでまた?」
 「昨日、偶然拾ったんだよ。落ちていたんだけど……」
 少年は話を大きくして自慢したらしい。ドラゴンの近くまで行って拾ってきたと。
 「でも、確かにあの山にはドラゴンが住んでいるんだ。その……ドラゴンの巣のそばには行かなかったけど」
 それで、あの目立つ少年にもう一度とって来いと言われたらしい。
 「今更、偶然落ちてたって言えないし……」
 「それで、それはどんなのだ?」
 「これ……」
 光沢のある真っ赤なうろこが少年の手に乗っていた。
 「ああ、それルヴィアのだ」
 歩いているため感覚がなかったが、そういえばここはルヴィアが住む山だということを思い出した。
 「へえっ? ファイアードラゴンのだよ?」
 この少年のためにはならないが、ルヴィアに会っておくのも悪くない。この少年に少しだけ協力しようと彼は思った。
 「私と一緒にそこに行かないか?」
 「何言ってんだよ? 相手はファイアードラゴンだよ。一瞬で骨すら残らないって……」
 「それは、心配することはない。私が盾になる」
 「ちょっと、正気かよ、おじさん?」
 「正気だ。そのかわり今後、そんな嘘はつくな」
 「でも……」
 「一生掃除当番をするつもりか?」
 当番という単語はよく知らない。どこを掃除するのかも知らないが、そう尋ねると、少年は渋い顔を作って悩んだ。
 「なら決まりだ。私はセルヴェス。お前は?」
 「……ヴィヌウィス=ガーター」
 戸惑いながらも少年は答えた。
 「ヴィヌ……?」
 「ヴィニーでいいよ。言いづらい名前だし。親もそう呼んでる」
 「そうか、では行くか」


2004年06月01日(火) 一周年でござーい!

 とりあえず、難航したものの一年欠かさず(?)書いた「気まぐれ日記」
。どの辺が気まぐれかと言うと、書くものが気まぐれである。これからも気まぐれに毎日書くぜ。

 歩くことは苦にならない。彼は山を降りた時と同じように楽しんで歩いた。いくつかの町や村を通りようやく王都に着くと聞いた。飛べばすぐなのだが、それでは意味がない。
 旅行とは、楽しむものだ。
 彼は、そう思っている。王都に近い村に着いた時、もう夕暮れだった。こういう時は宿をとる、らしい。
 「お兄さん、一泊かい?」
 「ああ」
 「前払いで、銀5だよ」
 そう言われ、教わった通り出す。金銭の使いかたも聞いておいてよかったと、彼はあの宝石職人に感謝した。
 「食事は朝食、夕食とも九時まで。部屋は二階の三号室」
 彼は、それにしたがって部屋に向かった。ドアを開けるとそこには、ごく普通の宿の部屋がある。ベッドがあり、簡易なテーブルとイス。クローゼットがある。
 彼は、それを見て思った。
 「これは、なんだ?」
 ベッドは初めて見た。部屋の半分をそれで取られている。
 「……?」
 彼の寝床は一枚岩であり、彼はそれがお気に入りであったが、ベッドとそれをつなげることはできなかった。
 食事を済ませ(食べなくとも良いが、興味があるので食べた)、部屋に戻ると他に何もすることがなく、彼は眠ることにする。ベッドの横の空いたスペースに彼は眠った。うっかり五十年も眠らないように意識は起きておく。床は冷たくて気持ちがいいと思っていた。ただ、贅沢を言うなら少し狭い。


草うららか |MAIL

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