イブの流した涙
▼▼▼今回の一言▼▼▼
財布の中身(レシートとかカードの類ではない)がみるみる減っていく

○そのうちに、2003年12月27日(土)「注文をとらない料理店」を完成させる予定

http://d.hatena.ne.jp/Da-Z/
↑というページができました
感想専門の日記です

▼▼▼森博嗣▼▼▼
☆「大学の話をしましょうか」が中央公論新社から発行!
☆「τになるまで待って」が講談社ノベルスより発行!
Gシリーズ第3弾
☆「朽ちる散る落ちる」が講談社文庫から発行!
Vシリーズ第9話
☆「森博嗣の浮遊研究室5 望郷編」がメディアファクトリーから発行!
完結編だそうです
☆「ダウン・ツ・ヘヴン」が中央公論新社より発行!
スカイ・クロラシリーズ第3作
文庫になったらよもうおかな(「ナ・バ・テア」も未読)
☆「君の夢 僕の思考」がPHP文庫より発行!
☆「迷宮百年の睡魔」(スズキユカ画)が幻冬舎コミックスより発行!
◎オススメは「MATEKI−魔的−」(詩集、PHPより発行)です
というより僕が好きなだけ

宝生出演の舞台観ました!(7/26)
詳しいことは月曜の日記にて
・・・と思ったけど
やっぱり水曜の日記分に書きます
と言ってて、未だに書いていない
そのうち書きます
それにしても、もうすぐ一週間経つのか
・・・もうすぐ三週間か
・・・もうすぐ四週間か
・・・一ヶ月越えたな
・・・それどころか二ヶ月経ったな
・・・もうすぐで三ヶ月だよ
・・・経ったな、三ヶ月
そして四ヶ月が過ぎ・・・
半年が過ぎ・・・
七ヶ月が過ぎ・・・
そして八ヶ月(一年の2/3)が過ぎ・・・
驚いたことに十ヶ月が過ぎ・・・
もうとっくに一年経ち・・・
一年と二ヶ月が経ち・・・
二年と二ヶ月が経ち…

2003年12月31日(水) 今日のテレビ欄を見ての感想

5:30 テレビ愛知 映画『弟切草』:朝からホラーとは…

ところでテレビ愛知の午前中がゴルフづくしなのは何なんでしょうか?
そして大抵のSP番組とは、いつもより時間が長く、単なる総集編に過ぎないことが多いです。

13:00 テレビ愛知 山田花子・光浦・松嶋のモテたい女のゆく年くる年:松嶋(オセロ)がモテないのはオカシイ。
13:05 NHKテレビ 年忘れ漫才: あぁ、もう<いとし・こいし>の新作は見られないのか…
13:45 中京テレビ 開会式: え?何の!?その後に放送の『全国高校サッカー』の?
13:55 メーテレ 初体験天使ベスト: なんのこっちゃわからない
18:00 メーテレ ドラえもんスペシャル: 映画『のび太の結婚前夜』というタイトルは面白そうなので見たいけれど、えー、他にも見たいのがあるので…
18:00 中京テレビ 生放送!!お笑い年忘れ:<生放送>というのが何だかうれしい。必視!
19:30 NHKテレビ 紅白歌合戦: いつ、爆笑問題が出るのか?それだけを…

それにしても何で三種類もの格闘技番組が!!?普段それほど放送してないでしょうが。三つは多いでしょ、三つは

0:50 テレビ愛知 生放送!お笑い大格闘: Wこうじ(今田と東野)が司会をやるそうですが、この局でやるのは珍しいのでは
1:00 中京テレビ ブラックワイドショー: 妙に気になります

うーん、今日は特にお笑いのネタ見せ番組が多いです。できるだけ見ようと思います
それでは今年も年末の今日はテレビ漬けでいってみたいと思います
そして来年のいい番組に期待したいと思います

―END―



2003年12月30日(火) 元剣道部の集い

今日は毎期恒例の、高校の時の剣道部の集いに行ってまいりました。
普段しないような話題を皆さんと語ることができ、刺激になりました。
その中で、高校の時は古文が苦手であったという話が出た時、みんながそうだそうだとなって、何だかうれしくなりました。
集いには顧問だった先生も一人いらっしゃったのですが、僕が「古文ってなんであんな読みにくいものをわざわざ読めるようにさせるんでしょうかね。英語みたいに誰かとコミュニケーションできるわけでもないし、昔のいい物語を現代に伝えたいなら海外の小説のように翻訳しといてよって思いますもん。よっぽど興味を持った人が大学でやれば…」というようなことを言うと、先生が「全くその通り」と相槌を打ってくれたのが(※1:本当は<撃ってくれたのが>)

(※2:偶然かもしれませんが、下の<撃ってくれたのが胸に響き、僕は死にながらにも感動を覚えましたがもう死んでしまったので>の部分まで文字を打って<忌む>の意味を辞書で調べたのち、キーボードをたたくと、<このプログラムは不正な…強制終了します>というコメントが出てワードのウィンドウが消えのたので驚きました。そしてワードを再び立ち挙げると、なんと<相槌を打ってくれたのが>と変換されており、その後の<胸に響き、僕は死にながらにも感動を覚えましたがもう死んでしまったので>の部分が消えておりました。まさに不謹慎な文を打ったが故に強制終了されたのかと思いました。はぁ…)

胸に響き、僕は死にながらにも感動を覚えましたがもう死んでしまったのでまったので覚えても忌みがありません。死んだら忌むこともないのです。何もかもが無に帰すのであります。あぁ、無いものがここにあります。そうなんです。僕はこの世の人間じゃないんです…ってもうすぐ新年が明けるっていうのにこんな冗談言ってる場合じゃありませんね、はい。まぁ僕はこの世の人間ですが、この文章が地球人のみなさんにちゃんと伝わっているのか不安です。たぶんまるで地球人が打っているような文章であることを祈ります。ね、<祈る>とか地球人以外しないのにわざわざ使ったりしてますからね、はい。祈るってね、誰に祈ってるのでしょうか?神様って何?仏様って誰?それにしても今の地球人にとっての<古文>も私から見ればいやはやまあ<外国語>やら<方言>やらと同じに思えるんですけどね。それにしても<外国語>って何ですか?あれ、ええと…あぁ、えぇ!!?地球人ってみんな同じ言語を使ってるんじゃないの?だから戦争なんてのも…

―END―



2003年12月29日(月) 言葉の魔法

以前、アルバイト中にズボンのポケットから、入れておいたはずのシャチハタを取り出すべく手をそこに入れ探り出すと、目にしたそれはリップであった。
目にするまではてっきりシャチハタだと思っていたので驚いた。
今度こそはとまた手をポケットに入れ、それらしきものの感触を探り当て取り出すと、それはまたもやリップであった。
これには笑った。
ポケットに二つも入っていたとは。

あとで探してみると、シャチハタは結局控え室の机の上にあった。(控え室というのは、アルバイトの休憩中に使う畳三畳ほどの部屋のことである。)
ということはその控え室は僕のポケットだということになるのだろうか。
僕はシャチハタをポケットに入れたはずなので、きっとそうなのだろう。
その日から、アルバイト先の休憩中に使う控え室は、僕のポケットになった。
随分便利で広いポケットだなあ。

ポケットには大きくわけて二種類ある。
便利なものと、そうでないものだ。
便利でないものは、ただ袋の機能が備わっているだけだが、便利なポケットは人が何人も入ることができるほど大きいし、電気も点くので都合がいい。

僕にはテレビタレントの友人がいる。
先日、僕は彼にこんなことを言った。
「ポケットには二種類の意味があって使う時紛らわしいね」
すると彼はこう指摘した。
「いや、会話の前後から判断したらどっちの意味かはわかるからそうでもないよ」
「まあそうだろうね」
「それにしてもアルバイトの人が使う控え室のことをポケットというなんて知らなかった。今度昼の番組の収録があった時にでも豆知識として披露するか」

今日、朝のニュースを見ていると、こんなことをキャスターが言っていた。
「昨晩、○○スーパーでアルバイトをしていた吉岡恒彦さん(22)が休憩中に誤ってズボンについている方のポケットに入ってしまい、圧縮死したということです。えー、昨晩、○○スーパーでアルバイトを…」

―END―



2003年12月28日(日) M−1グランプリ

「M−1・・・」は今年一番期待していた番組でした。
それは期待通り、一番面白い番組でした。

―END―



2003年12月27日(土) 注文をとらない料理店

その店に入るのは初めてだった。
着いた席にはメニュー表らしきものがなかった。
もっともメニュー表らしくないそれがあったのかもしれないが、私にはそれが認知できなかった。
よってメニュー表をよこすように店員に言わなければいけなかった。
私は先程席を案内してくれた店員に尋ねた。
「すみません、メニューはありますでしょうか?」
店員は僅かに驚いた表情をつくったがすぐに冷静になり、私の目を見てこう言った。
「この店では注文はとりませんのでご了承下さいませ」
そんな断りの書かれたポスターがどこかにあったろうか?
まあいい。
それではきっと、コックがその日仕入れた材料から適当に見繕って調理をするのだろうと思い、私はしばらく待っていた。
やがて料理が幾品か運ばれてきた。
どれもまずかった。
料理としての出来ばえはともかく、それらは日本人には馴染みのないような味と見た目のものだった。
あとでコック長が出て来て「今日は珍しい材料も手に入り、いつもより一層力の入った調理をさせていただきました」と嘘ではないような口調で言っていた。
私はそうですかとか珍しい食べ物ですねと言って自分の気持ちが外に漏れない様に気を配った。
とにかく多くの料理が運ばれてきたので食べきれないものもあった。
一通り口にして食べ終わり会計をしてもらおうとレジのところへ行った。
すると支配人だと言う男がやってきて、「お代はいりません。またのお越しを」と言ったので驚いた。
いくら払うと言ってもいりませんと聞かないので私は諦めてその店を出た。

その注文を取らない料理店に行ってから二週間ほどが過ぎた頃。
仕事から自宅に帰りしばらくすると、その店から電話がかかってきた。
なぜ最近来ないのかと言う。
外食はそんなにする方ではないし、なにしろあの店にもう一度行こうなんて気はさらさらなかった。
そのうちなぜうちの電話番号を知っているのだろうという疑問が頭の中を渦巻いた。
あの店でアンケートのようなものを書いた記憶はない。
謎だ。
そして薄らと怖い。
仕方がないのでちょっと僕の好みの料理ではないのですみませんと正直に電話口で答えた。
こういう場合、はっきり言っておかないと催促の電話がひっきりなしにかかってくる怖れがあるからだ。
これでもうその店から電話がかかってくることはないだろうとその時―そう言って電話を切った時―は思った。
そう、その時は。

更に一週間ほど過ぎた頃。
家にいた私は呼び鈴が鳴ったので玄関に向かい覗き穴から外を覗いた。
誰もいなかった。
それは夕方の出来事だった。
恐る恐る玄関を開けてみると、視線を右斜め下に落とした辺りに頼んだ覚えのない出前の料理が置かれているのを確認した。
私はドアを半開きの状態に足で固定させたまましゃがみ込みそれを両手で持ち、次に上半身をゆっくりと慎重に持ち上げながら玄関に滑り込ませ、徐々にドアを固定させていた足を内へ引っ込めた。
ドアが閉まった。
なぜ私はこの頼んだ覚えのない料理を家の中へ持ち込もうとしているのだろう。
そんな疑問が頭を掠めた。
やっぱり玄関の外へ置いておくことにした。
間違えて置いていったなら取りに来るだろう。
と、その時は思った。
同時に前にも似たような気分になったことを思い出した。
しかしそのことは深くは考えなかった。



2003年12月23日(火) 活躍

今日はお昼に「ごきげんよう」を見ました。
すると今田耕二と明石家さんまが出ていてこれは面白そうだと思いました。
案の上面白くないわけがなく、他に井川遙が出ていたものの、司会者の小堺を含めコメディアンが三人で終始トリオ漫才のようでした。
以下に、その番組での面白いと思ったコメントなどを箇条書きで書いておきます。

・「さっきから喋ってる割にはもう三つ食べてるじゃないですか!」
これは、今田のコメント。
さんまが登場時から喋りっぱなしなのは言うまでもないが、トークがゲストの井川(さんまもゲストだが)の回にも関わらず主導権を握っていたさんまは、今田がこのコメントを言った時に開始早々にも関わらず、おやつとして出されていたいちごを三つ、既に食べていたらしい。「食べることに集中していたのに僕はまだ二つですよ」というその後の同じく今田のコメントも相俟ってナイスな指摘!

・「ホイットニーがスローモーションのところで・・・」
これは小堺のコメント。
百年の恋も覚めるのはどんな時か?という話題の際、今田が「レストランで食事中に虫にたかられている女性が凄い表情で格闘しているのが覚める」というようなことを言った時、小堺が映画「ボディ・ガード」のホイットニーもスローモーションになって倒れるシーンで凄い顔をしていると言いながら顔マネをしたのである。顔マネ&倒れるアクション込みで面白かった。一回それをやった後、さんまが「エンダー・・・♪」とその映画のテーマ曲をふった際にも同じアクションを機敏に反応してやっていたのも良かった。

・「喜んでいるのは芸人だけですけどね」
これは今田のコメント。
井川がホリケンと噂になっている話を本人(井川)の前で嬉しそうに話す三人(さんま、小堺、今田)。どうやら芸人同士の間では女優が芸人と付き合っていることは喜ばしいと盛り上がっているらしい。よく女優さんは企業家などと付き合って小さくまとまるが、井川さんは凄い、と三人のトーク盛りあがる中、最後に今田が上のコメントを言ったのがちょぴり物悲しくも可笑しい。

―END―



2003年12月22日(月) 名言

年賀状は情報ではない。
情報は必要なものは必要であり、そうでないものは必要でない。
したがって年賀状は必要なものではない。
ただ必要だと思い込んでいる人には必要なのかもしれない。
それでも年賀状が不必要とも言いきれない。
しかし不必要だと思っている人にはそうなのかもしれない。
まあ皆さん、己の自由意志により送ったり送らなかったり受け入れたり受け入れなかったりして下さい。
それにしてもダイレクトメールのアホーっ!!
うちのポストはゴミ箱か!!?
ここで一句。

情報は 自分で選択 これ基本 (ダーZ)

―END―



2003年12月21日(日) インパダナゴイズ風味のネスカレッチェはいかが?

さんまとスマップが出演するSP番組をほとんど見損ねた。
いよいよ年末の特番が目白押しの時期である。
何と言っても笑っていいとも特大号のモノマネコーナーとM−1グランプリは見逃せない。

あーそれにしても寒い。

ところで、短編小説をひとつ書いてみたいと思っているのですが、なかなか書き上げるまではいかないのが現状です。
小説というのはどう書けば正解とかいうのがないので、自分の発想を信じてただひたすら書くしかないのでしょう。
もっと既存の小説も読んで、なお且つここの日記でショートショートなどを書き、早く懸賞に応募したいと思っています。

昨日の日記のストーリーはこじ付けがましいかなと思い、少し不満があります。
理屈っぽいところは会話の部分でやったほうがいいような気がするので、昨日のストーリーを主人公(<彼>と彼)の目線にして書き直そうと思います。
それを日記に載せるかどうかは未定です。

―END―



2003年12月20日(土) 時をかける<彼>

○プロローグ
一卵性双生児の外見がそっくりなのはみなさんご承知のことだろう。
ただ外見はそっくりでも、それぞれはお互いに孤立した肉体を持っており、たとえ同じ部屋にいたとしても全く同じ場所に同時に存在することは不可能だ。
それだけで彼女らは違う存在であると言えるし、瞬間瞬間の動作だって全く同じであるはずがない。
そういうことからだけでも、一卵性双生児はSFの世界の一個人とそれのクローン人間のように、お互いがお互いを同じ存在であるとは認識しないはずである。
ただ、こういうことが起こったらどうだろう。
地球を初めとする今判明しうる範囲の宇宙をまるごと、コンピュータ内の仮想空間にコピーできるとする。
するとどうだろう、仮想空間内の世界は、まさか同じ世界が外側に存在するとは知らずに、
現実の世界と同じ様な動きを示すのではないだろうか。

○第一章
<彼>はある日突然、不老不死の身になった。
この目で地球の滅亡を拝みたかったからである。
いや、不老不死の身になったからこそ、地球滅亡の日を拝みたくなったのかもしれない。
ただ、不老不死の身になった理由や原因などはわからなかった。
ついに、<彼>はその時を迎えた。
あっけないものだった。
地球滅亡の直前までに生きていた他の人類は、当然地球外に脱出を試みるだろうと彼は思っていたが、なんと約半数の人達は地球と運命を共にした。
まぁそれは彼の知ったことではなかった。
とにかく自分が生きていればいいのだと思っていたからだ。
彼は宇宙空間に一人、宇宙服も着ないでプカプカと浮いていた。

○第二章
よーし、地球滅亡までのシュミレーションは終わった。
そう博士が言うと、研究メンバーらも感慨深げにうなずいた。
あとでこれを参考に人類滅亡の危機対策への具体案をまとめる仕事が待っている。
博士は、息抜きにシュミレーション内の<彼>に対する悪戯を思いついた。
そもそも<彼>にそれが悪戯であると認識されるおそれはない。
それでは悪戯にならないか、と博士は思った。
彼はシュミレーション内に、誕生した頃の地球を登場させた。
ところでシュミレーション内の<彼>はどうして不老不死の設定にされたのか。
それは、彼には地球が滅亡していくまでの地球の観察者としての役割を担ったもらいたかったからである。

○第三章
突然目の前に現れた地球に<彼>は驚いた。
<彼>は誕生したばかりの地球にフワフワと降り立ち、<彼>が不死身になった時代までを体験した。
彼にとっては一瞬の出来事のように思えた。
<彼>には何十億年と生きたという認識はあったのだが、まるで頭の中には不死身になる前に小学校や中学校で歴史の教科書で習った内容がそのまま頭の中に取り残されたような気がしていた。

○第四章
博士は何度も<彼>に世界の滅亡と誕生を見せた後、シュミレーション内を現実の世界と同じ時間にセットし直した。
のちにわかったことだが、シュミレーション内の<彼>に何度も、彼が不死身になった時を起点として地球滅亡、地球誕生を通して再び起点に戻すと、彼は起点から起点までの旅を常に初めての旅だと思っていることがわかった。
彼は、次第に薄れていく自らの出生から不死身になるまでの記憶を引きづったまま、常に同じ時を流れているのだ。

○第五章
やがて、シュミレーション内外で異変が起こっていた。
外、つまり現実の世界では、シュミレーション内の<彼>と同じ情報を持つ実在の大学生に異変が起こっていた。
彼は、シュミレーション内の<彼>に呼応するかのように、本当に不老不死の体になりかけていた。
そしてシュミレーション内ではある日突然、<彼>が遠い日の出生から不老不死になるまでの記憶を頼りに仮説を立て、自分が仮想現実の人間であることを突き止めた。これは明らかに、博士ら研究所の人間が遠い日の記憶を消さなかったミスによるハプニングであろう。
シュミレーション内の<彼>は、常々手を伸ばせば届きそうな気がしている星空を見上げ、凝視した。
そしてついに不老不死になった現実の彼もまた、常々手を伸ばせば届きそうな気がしている星空を見上げ、凝視した。
その瞬間、現実の彼は気づいた。
彼は自分たちの存在というデータが知人の勤めている研究所で使用されていることを知っていた。
だからすべてを悟ったのだ。

○第六章
彼は知人の研究メンバーを脅迫し、シュミレーション内の<彼>を探し、モニターに拡大させた。
するともう1人の自分に別れを告げた。
すると、シュミレーション内の<彼>も、彼とまったく同じようにしていた。
彼は知人に教えてもらい、コンピュータを操作し、シュミレーション内から<彼>を消滅させた。
その後、彼の知人はシュミレーションシステムと現実とがまったく呼応していることに気がついた。
その知人は、そのシステムが今後悪用されることを懸念して、決意した。
シュミレーションシステムは崩壊された。
そして世界も滅亡した。
地球どころか宇宙も。

○エピローグ
地球が元あった場所からは遠い遠い彼方では、隣接していた宇宙が突然消えた拍子にある生命体が発生した。
それが、何年も先に人間のように進化するのかどうかはわからない。

―END―



2003年12月19日(金) オススメ映画は何ですか?

一昨日放送された「爆笑おすピー問題!」では、司会者とゲストらがオススメの映画をそれぞれ幾本づつか挙げていた。
やはり趣味趣向がそれぞれ異なっているのが面白く、それにほっとしたりもした。
やはり太田のオススメ作品はどれもメジャーなものでなく、癖も強そうで、僕が未見のものばかりを挙げていた。
田中やゲストの真鍋かをりのオススメ映画はほとんどみ観ているものばかりで何となくさっきとは違う意味でほっとした。
さすがおすぎやピーコは新旧様々なものを観ているようであった。
やはりまだ観ていない映画がたくさんあるのだなあと思い知らされると同時に、改めて映画は僕にとっての強力な娯楽であることを再認識した。
つまり、まだ未見の映画を誰かが挙げる度、ないものねだりをする子供のようにその作品を自分が観ていないことがもどかしく思い、いつか観てやると心の中に認(したた)める僕であったのだ。
さて、みなさんもオススメの映画がありましたら私にお教え下さい。
人にすすめられて何気なく観るのもまた面白いものです。
つまんなかったらつまんないって言うけどね。

―END―



2003年12月18日(木) にぎやかな未来

年齢は大きければ大きいほど若くはないけれど、生年の数字が大きければ大きいほど若い。
年齢を認識することは、時が流れていく中で何とか生きていることを実感したくて
そうしようとするのだろうか?

ところで友達が骨折し入院したのでお見舞に行った。
個室ではないといってもカーテンで終始区切られているのでお互い大きな物音をたてなければプライベートな空間は守られている風だった。
だが一日のほとんどをベッドで寝たままで過ごす生活は、お見舞いに来るサラリーマンなんかには羨ましい光景のようにも一瞬映るかもしれないが、やはり当人にとっては相当精神的に参るものであるらしい。

「にぎやかな未来/筒井康隆」という本を買った。
中古で100円だった。
250pほどの短編もしくはショートショートの集で、一晩で200pくらい読んでしまった。
中には5行のショートショートもあった。
一日で200pというのは僕にしては珍しい。
まあ長編よりはそういうのは読みやすいものだけれど。
ところで表題作の「にぎやかな未来」は、裏表紙にそれのあらすじが書いてあるのだが、それを読んで何か懐かしい感じがし、「あれ?」と思ったらそれはどうやら中学のときに通っていた学習塾の入学試験の国語の問題に出題されていたもののようである。
確かではないが。
それにしてもそのタイトルが面白い。
<にぎやかな未来>と聞けば何だかワクワクするのだが、内容はそうではなく、むしろ未来への警告めいたものなので、そのギャップがいい。

―END―



2003年12月17日(水) 箇条書き以外禁止令発令中

「箇条書き以外禁止令発令中」
・広末結婚

・結婚

・結婚という選択

・それ以外の選択

・独身

・老後

・一人ぼっち

・それにしても一人ごっつは面白い

・法律

・イラク法案

・フセイン大統領身柄拘束

・どう裁く?

・イラク復興

・イラクという一つの国

・一つの国であることに無理があるのではないか?

・歴史

・慣習

・宗教

・<一つにならなくていいよ〜♪・・・>

・ミスチル

・チャートナンバーワン独走中

・一人勝ち

・アメリカ

・アメリカ人なんていない

・人種のサラダボール

・ニッポン州

・島国

・自殺率

・日本は先進国の中では自殺率が一番だとTETSUYA(ドリアン助川)が言う

・特に女性が

・大変だ

・メキシコだ

・穀物だ

・チョコだ

・インゲン豆だ

・肉の摂取量が多いと自殺が多い・・・かも

・不景気

・呪文

・「最近は不景気だと言われてますが・・・」と言ってる人に限って不景気の煽りを受けていない

・女性もタクシードライバーになる時代

・カワイイ女性タクシードライバー

・映画「Short Films」の一編に登場

・演ずるは麻生久美子

・私的には<エロチック女優>と命名

・「エロチック街道/筒井康隆」

・書店に注文

・「すみません、在庫がないということなんで・・・」

・それならヤフーオークション

・ヤフオクで筒井本の探索

・出るわ出るわ・・・

・一生で読み切れるか?

・読書

・低予算の娯楽

・貧乏

・学生

・就職

・偽矢唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖・・・・・・

・未来

・未来など幻想に過ぎない

・ないものなどないのだよ

・いや、あるよ

・ないものがあるよ

「世界接近」
偽矢唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖・・・・・・
世界が急に、接近し始めた。
人口爆発が起こった。
人が溢れかえった。
一軒に3家族が住むようになった。
1人の人間のテリトリーが狭くなった。
他人が常に、近くに存在するようになった。

やがて人はもっと接近することを強いられた。
これ以上ない接近だろう。
私の隣には常に誰かがいる。
もうそれにも慣れた。
それにしても、私は黄色人種なのだが、同じ黄色人種が近くに固まってると目立っちゃうから、どうせなら黒人の人か白人の人が周りにはいて欲しい。
それに、見た目が私と同じような人が周りにいると、気が狂ってしまいそうなのだ。
つい、偽矢唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖唖・・・・・・って叫びそうになってしまうのだ。
まるで自分のアイデンティティーが崩壊していくような、そんな錯覚に陥ってしまいそうなのだ。

ちなみに私のお母さんはチリ系人、お父さんはネパール系人、私はイタリア系人だ。
私は白い。
お母さんは黄色。
お父さんは茶色。
まとめるとまるで白い皿に盛られたステーキと添え物のトウモロコシのような家族だなと私は思う。
まぁ大体どの家にも白い皿に盛られたステーキと添え物のトウモロコシのような家族が3家族あるのである。

―END―



2003年12月16日(火) まーちがいないっ!

<その一>
「くるみ/Mr.Children」は家でよりもコンビニで聴く方が感動する

まーちがいないっ!

<その二>
ブータンに行った日本人が「あの国は貧しいけれどのんびりとしていていい」と言っていたが、それは日本人というのはあえて<貧しい暮しもできる>国に住んでいるのでそう思うかもしれないが、ブータンに住む人達にしてみれば貧しいくらいなんてまっぴらだと思っている

まーちがいないっ!

<その三>
芸人は街中で普通に歩いていると、素人に「あ、普通に歩いてる」と囁かれてしまう

まーちがいないっ!

<その四>
乙葉の横に並んでいる小池栄子は男に見える

まーちがいないっ!

<その五>
乙葉はかわいい

まーちがいないっ!

―END―

ついしん
<まーちがいないっ!>を知らない人は、爆笑問題が所属している<タイタン>という事務所のHPで<長井秀和>について調べてみてください。
その人こそが、<まーちがいないっ!>の使い手です。



2003年12月15日(月) 爆笑問題の時事漫才(前編)

※これは12/12日に放送された「爆笑問題の楽しい地球」内の爆笑問題の漫才を文章化したものです。

T:どうも!
O:いよぉぉぉっ!!…凄いじゃないですか
T:ねえ
O:凄いじゃないのよ
T:凄いねえ
O:あぁぁぁぁ…えぇ?
T:まあまあでもね
O:えぇ
T:ホントにね
O:なんか…
T:ホントね
O:恥ずかしい…
T:どこ見ていいかわかんない
O:どこ見ていいかわかんない!キョロキョロしちゃって…
T:ねえ
O:凄いですよねこのセットね
T:セットも凄いし
O:とにかくね、みなさん!
T:はい
O:この番組はね、気合入ってますから
T:気合入ってます
O:これはもうTBSが社運をかけて…
T:フジテレビだから!
O:フジテレビ
T:社運かけてる割には放送局間違えてる
O:フジテレビが社運をかけました!
T:ホントにね
O:この我々は気合の入り方がいつもと違いますよ
T:ホントそうですよ
O:もう目の色が違う
T:はいはい
O:カラーコンタクトにしてますから
T:いやしてないしてない
O:目の色が違う。スタッフもね…
T:いやスタッフも気合入ってるんですよ
O:凄い気合入ってる。寝る間を惜しんでね…
T:はい
O:みんなで手分けしてね、視聴率の機械を持っている家にね…
T:やめなさい!
O:金を配ってね…
T:やめなさい!ここで言うのは…2003年、振り返ってみるとですね、ホントに色んなニュースがあったでしょ
O:色んなニュースありましたね。一番驚いたのは何たってあの松井の親父がCD出したってね
T:そんなことじゃねえだろーがよ!
O:一世を風靡しましたよね
T:風靡してねえよそんなもんよ!親父だったら、まだ松井でしょ、やっぱり
O:あ、松井ね。松井直美離婚ね
T:違うよ
O:平成のビックカップルって言われてね…
T:ビッグカップルでもねえよ別に!確かに松井…
O:ビッグカップルでもねえよ!って、お前、失礼じゃねえかよ!お前よ、松井直美に失礼だよお前
T:お前が失礼だよ
O:俺にはいいけど…


T:2003年も色々流行語というのがありました
O:ありましたね
T:このフジテレビでもね、「トリビアの泉」がね…
O:「トリビアの泉」はお化け番組って言われてね
T:凄いですよ
O:お化けが出てくる番組…
T:いやそうじゃないですけどね、人気番組っていうことで
O:えぇ
T:<へぇ>っていうのが流行語に…
O:<へぇ>って流行語になって、今街中でみんな<へぇ>って使うようになりましたよね
T:みんな言ってるじゃないですか
O:「俺最近なんか風邪気味なんだよね」「へぇ」
T:それはただの相槌だろ!そんなんじゃなくて!それはただ<へぇ>って言ってるだけだろ。豆知識とかあるだろ?
O:豆知識。豆人間が頑張ってますけれど(田中を指して)
T:うるせーよ!!
O:豆人間。
T:豆人間とかどうでもいいんだよ!そんなことは
O:でもね、ああいうのが流行るとですね、便乗する奴が絶対出てきますよ
T:ほうほう
O:商売なんかでもね、
T:あ、商売ね
O:そうそう、ああいう人気番組の名前をそのまんまお店の名前にして…
T:名前にしてりしてね
O:キャバクラ・トリビアとかね
T:ありそうそれ、
O:そういうのが
T:ありそうですね
O:キャバクラ・トリビアですってね、ナンバー1キャバクラ嬢が…
T:キャバ嬢が
O:泉ちゃんって言うんですよ
T:あ、…
O:「トリビアの泉で泉ちゃんかー」って
T:ナンバー1キャバ嬢!
O:そう、客も喜んじゃってね、「泉ちゃんだったらきっと豆知識豊富なんだろうな」
T:あ、それでトークが面白い…
O:って言って指名しちゃたりしたらね、タモリさんそっくりの女が出てきて…
T:そっちなのかよ!
O:「どうも」って
T:そういう意味でトリビアっていう…
O:「髪切った?」なんて言われて
T:うるさいよ!
O:「なんだこの店は」ってね
T:やだよその店!
O:そういうのが出きるかもしれませんけどね
T:まあね。でも本当にあのー、今年は色んな流行語が豊富だったですよね
O:流行語豊富でしたよね
T:なんたって若手芸人の人が…
O:凄かったですよね
T:流行語がいっぱい出来てたよね今年
O:あの<ゲッツだろ〜♪>ですよね
T:一緒にするな!横着するな、どうでもいいけど。ねえ、<なんでだろ〜>(ジェスチャーをする)ってやって、その後<ゲッツ!>(ジェスチャー)って…
O:<ゲッツだろ〜♪>
T:<ゲッツだろ〜♪>ってお前…
O:一回で表現できるから。楽でいい
T:楽じゃないよ。あと、はなわもね…
O:あ、はなわね。S・A・R・S サーズ(SARS)でしたっけ?
T:違うよ!佐賀!!S・A・G・A 佐賀!
O:あ、佐賀ね
T:でもSARSも今年だよ、あれ
O:サーズ!
T:またほら、冬になってまた…
O:またぶり返すんじゃないかって言われてねSARS…
T:怖いよね
O:怖いですよね
T:何が怖いかってね、ちゃんとした予防法とか治療法がまだよくわかってないんだよね
O:でもね、あれは長ネギを喉に巻いて寝るといいらしいですよ
T:そんなおばあちゃんの知恵みたいなそんなんじゃ効かないんだよ!まぁでもね、特に今年は嫌な問題が流行った。たとえば<オレオレ詐欺>なんかね
O:あ、オレオレ詐欺!
T:流行ったでしょ。流行って欲しくないけど…
O:Jリーガーの奴ら悪い奴が多いからね
T:その<オレ>とは…
O:オーレーオレオレオレー…♪
T:違うよ!
O:って財布持ってっちゃうんだろ?
T:Jリーガーはそんな悪い…
O:オレオレオレーってみんな集まって財布を持ってっちゃうんだろ?
T:あのね、あのね、オレオレ詐欺ってね、それ財布をひったくってる…それはひったくりだから。詐欺でもないし。そんなことしない!
O:あれは怖いわ
T:いやいや、でもね、オレオレ詐欺はホントに気をつけた方がいいですよ
O:気をつけた方がいいですよ
T:よくあるらしいですから
O:まだあるらしいですから、オレオレ詐欺
T:まだやってるんですよ、あれ
O:コイツん家にね、かかってきたんですよ、オレオレ詐欺から
T:うちの実家に!
O:つい最近ですよ
T:実家にかかってきたんですよ
O:それで「オレオレ、裕二だけど」
T:それは俺じゃねえかよ!「裕二だけど」は俺だろ
O:お前か、あれ犯人
T:お前かじゃなくて!俺は実家に電話したっていいだろ別によ。今年はねあの色んな事件なんかやっぱりありましたけどね、ショッキングだったのはね、皆さんもたぶん覚えていると思います<スーパーフリー>。
O:あー、スーパーフリー。スーフリ
T:舞台の早稲田大学っていう名門の大学で起こってるからOBとかもいっぱいいるじゃないですか。
O:あー、
T:誇りを持ってる人も多いんですよ
O:「早稲田の名が汚れた」っていう人も…
T:そうそう、「質が落ちた」って言う人もいますよ
O:それで責任をとって広末涼子が自主退学したって…
T:違う!関係ないよ、何で…
O:あれはエライな
T:「エライな」じゃないよ。そんなわけねーだろーがよ
O:そんなわけない
T:やらないよ
O:やらないやらない
T:ね。でもね、最近は逆に先生、教師で酷いのが多いでしょ?
O:教師…
T:問題教師ってのが…
O:問題教師だらけだよね
T:ホントにニュースとか見ると毎日問題教師の話題でしょ?たとえば生徒に暴力を振るった先生とかね。あと生徒にセクハラする先生とかね
O:しまいには生徒に問題出す先生ってのも…
T:それは普通の先生だろ!
O:問題教師!
T:それはいいんだよ!問題教師じゃ…
O:問題を出して…
T:それは普通の先生でしょ!当たり前のことだよ問題出すのは。それはいいんだけど…
O:うん
T:でもね、問題教師のニュース色々見ましたけどね、一番印象に残ったのがね、どっかの小学校の校長先生がね、生徒にドレミの歌の替え歌を教えたのが…
O:あ、ありましたね
T:別に替え歌なんて何の罪もないですよ。ところがその内容が酷い
O:内容がな
T:ドはどくろのド
O:どくろのド
T:レは霊柩車のレ
O:霊柩車のレ
T:ミはミイラのミ
O:ミイラのミ…不気味な…
T:不気味だったりね、ちょっと怖いというか、死を連想させるような凄いネガティブなね、そういう詞にしてるんですよ
O:その校長先生ってのがね、十年前に死んでたっていう…
T:ホントに怖い話…そんなわきゃない!それは怖い話だろ!!問題教師とかそういう話じゃないだろ
O:問題教師!
T:いやいやいや
O:でもあれよくよく見てみるとね、ちょっと苦しいところもあるんだよね
T:何が?
O:苦しいところもあんだよね。ファはふぁかば(墓場)のファって…
T:いやいや
O:ふぁかば…ふぁかばはお前そこまでやっといて…もうちょっと考えろよ!
T:まあまあいいじゃないかよ
O:ふぁかばって!
T:思いつかなかったんだよ
O:苦しすぎるだろお前は!
T:そういうこともあるでしょう
O:えぇ?
T:どうだっていいじゃないかよ
O:で、ラはドラキュラのラって言うんですよ。ドラキュラだったらホントはドじゃねえかよ!
T:まあまあね
O:最初の言葉でやんなきゃ意味ない
T:まあ普通はね
O:俺たちはそれで最初の言葉でやろうっていうことで一生懸命やってきたんだから…
T:何でお前一緒にやってんだよ!
O:何でドラキュラのラで…
T:うるさいよ!


T:たまにホッとするようなね、ちょっとこう、安心するようなニュースもあるじゃないですか
O:安心するようなね
T:たとえばタマちゃんフィーバー…平和でいいじゃないですか…
O:あ、タマちゃん…
T:ありましたよね
O:タマちゃんもいつまでたってもあれは何だか…
T:何でか忘れた頃にまた別の川から出てきたりするじゃないですか
O:神出鬼没だよね
T:あれがね、人気がね、結構長いこと続いてる…
O:水面下に沈んだと思ったらまたピュッと出てきてね。お前はもぐら叩きかよ!
T:いやいや、別に叩くことないけど…
O:あれ水面下に沈んだままのあのランニング着てたタマちゃんってのがいたけど…
T:バンドの<たま>だよそれは!
O:あれは一生出てこない…
T:出てこないとかそういうこと言うな!
O:あれはどこ行っちゃったんだろ?
T:何言ってんだよ。まあね、でもね、あのホントにあの見ました?多摩川とかにみんなタマちゃん見物であんだけ人が集まるんだよ
O:またね、ああいうことがあるとね、さっきのそれこそトリビアの泉じゃないけどね…
T:うんうんうん
O:便乗するね…
T:あ、便乗商法でね
O:男が出てくるんですよ。また馬鹿な親父がね…
T:馬鹿とか言わない!いいじゃないですか
O:便乗してね…
T:ねえ?(客への問いかけ)
O:タマちゃんアイスとか売ってる親父がいてね…
T:たまにアイス売ってますね
O:タマちゃん氷づけにしてなんか売って…
T:ちょっと待って下さい!今タマちゃん一回死んじゃってるよね?それ。何見て喜んだんだよ?タマちゃんは…
O:タマちゃんアイスね
T:いや、アイスクリームにちょっとタマちゃんがなんか描いて…
O:タマちゃん
T:でも凄い人気だなと思ったのが、住民票かなんか発行したでしょ?
O:あれもまたバカバカしい話ですね
T:ねえ、どうなんだろうね?
O:動物にとっては迷惑ですよあれ、住民票なんか…
T:まあまあ確かにね、迷惑かもしれないね
O:あれ北極に帰る時にどうやって住民票移したらいいのかわからない…
T:住民票は必要ないでしょ?
O:タマちゃん困ってるらしい…
T:必要なんだ、タマちゃん
O:困ってる
T:あ、そうなんだ。でもバカバカしいですけどまあ洒落なんでしょうけど…
O:きちんと作ってある
T:ちゃんと作ってあるんですよ
O:そうなんですよ
T:で、ちゃんと名前があってね
O:そうです、<斉藤こずえ>って…
T:違うと思うけど…何で<斉藤こずえ>なの?違うよ。タレントさんでいるけど
O:<さいとう・たかを>か
T:いや違う…何で<斉藤>なの?違うよ
O:<斉藤清六>
T:<清六>じゃない!でもあらざしね、別の出てきたでしょ?
O:あ、…
T:利根川に
O:トネちゃん
T:トネちゃん!
O:トネちゃんはねーだろーと思うけど
T:ねえ
O:あと立会川にボラちゃんっていうのが…
T:違う!あれはボラが大量発生しただけで、名前つけてあれ全部ボラちゃんって…あれ凄いボラちゃん…
O:ボラちゃんボラちゃんボラちゃんボラちゃん…
T:名前つけてないから
O:道頓堀川にトラちゃんってのが…
T:そりゃ違うよ!
O:大量発生して…
T:阪神ファン!それは。大量発生しない!そんなもん
O:大量発生…
T:あれは阪神ファン!みんなトラちゃんじゃないから
O:自然がおかしくなっちゃって
T:違う違う。あれはファン。そう考えると、なんか今年はね、動物のニュースというか話題が結構多かったですね
O:そういやーそうだねえ。何ででしょうね?今年に…
T:うん
O:やっぱり、あ、未(ひつじ)年だからでしょうかね?
T:いや毎年干支は動物だろ?全部そりゃ巳年だろうが酉だろうがみんな動物だから
O:動物だから
T:何で今納得しちゃったわけ?
O:未だから…
T:「未だから」がわかんない…それでも動物の話題が多かった。一個ね、あの、悲しい動物の話題もありましたよね
O:何、悲しい動物って?
T:あの、国産のね、純日本産のトキってのがね…
O:あ、
T:絶滅しちゃったんですよ
O:残るは塩沢トキだけになっちゃいましたね
T:違うよ。でもワイドショーなんかではホントタマちゃんね、ずっとやってましたけども、あと今年ワイドショーを騒がせたのはね、あの白装束集団…
O:あ、あれは…もう忘れて…
T:忘れてるでしょ?
O:あれは…
T:一時期あれだけ話題になって最近は随分大人しいですけどね。でもあの人達もちょっと何か奇行が目立つしね…
O:奇行が目立ったね
T:なんかあのホラ、全部真っ白にしちゃうしね
O:そうそうそうそう
T:あのホラ、何かスカラー波をね…
O:スカラー波…
T:除ける為にあの渦巻き模様のなんか貼ったり…
O:電磁波除けの渦巻き模様
T:ねえ
O:渦巻きだらけになっちゃて。
T:なっちゃってね
O:お前はバカボンか!(ホッペに指を向けグルグルしている)
T:ホッペタにはなかったけど。あれでもよくわからない…あれペタペタ貼ってワゴン車でもって、あっち行ったりこっち行ったりずーっとなんか延々走ったでしょ?
O:そうそう、あれ信者の間では<ラブワゴン>って呼ばれてるらしい…
T:言われてないよ!でも言ってることがあの人達のよくわかんないじゃないですか
O:わけわかんない
T:だってニビル星人がね、「ニビル星」ってのが地球に接近してるから危ない、と
O:口から出任せ!わけわかんない何言ってるのニビル星って。地球に接近してるのはプラバ星ですから
T:お前も一緒だよ!プラバ星…
O:ニビル星なんてないですからね
T:お前も口から出任せだろーがよ!
O:プラバ星はすぐ…
T:プラバ星って…でもね、代表の女性の方いたじゃないですか。あの人も言ってることがちょっとよくわかんないですよね
O:わかんない。おかしかったよね
T:ねえ。最近は「失禁強要を受けている」って…
O:失禁強要って始めて聞く言葉だよ
T:ぜんぜんわかんない
O:失禁しちゃうんだって。一部黄色装束になっちゃって…
T:くだらない。お前想像したくないから!ホント気持ち悪いこと言わないで
O:お前はチビル星人じゃねえかよ!
T:うるさい!チビル星人とか言うな!
O:自分はチビル星人…
T:言うな!!あとね、万景峰号!
O:あ、万景峰号!
T:これがまた…
O:これは大問題ですよね
T:色々問題多いでしょ
O:とにかくみんな、言えなさすぎね
T:いやそれはいい!
O:まんぎょんぼん…
T:今はそんな問題じゃねえんだよ
O:まんぼんぼんぼん…
T:いやいやいや
O:まんびょんぼんぼん…
T:いや、それは…確かにね、あのーアナウンサー泣かせですけどね
O:まともに言えた奴見たことないないよあれ
T:いや言いづらいよあれ万景峰号ってさすがに
O:ほんとに

―END―



2003年12月14日(日) 時事漫才

田中:どーも!
太田:いやいや…
田中:今日はようこそおいでくださいました
太田:まあね、一ヶ月の昼食代を削ってわざわざ来て頂いて…
田中:いや何でそんな、みんなギリギリの生活をしてるっていうふうに思ってるんだよ!失礼だろ
太田:いやー
田中:でもね、そうですよ、わざわざチケット代を払ってね、来て下さってるんだから感謝しなきゃいけない…ホントにありがとうございます、みなさん!
太田:いえいえ
田中:なんでお前が「いえいえ」なんだよ!出演者がチケット代払うわけねーだろ!
太田:まあね
田中:「まあね」じゃないよ!それにしてももう師走に入って年末がやってきますね、もうすぐ…
太田:もうすぐクリスマスだね
田中:ホントにね、早いもんだねー
太田:もうそろそろサンタさんにハガキを出さなくっちゃね
田中:まだ信じてるのかよ!んなわけねーだろ!でもね、子供の頃は僕らも信じてましたよね
太田:まあね。手紙もちゃんと出したりしてね。「お父さん今年はサッカーボールが…」
田中:知ってんじゃねーかよ!お父さんショックだよ!!でもね、僕なんかは定番のね、靴下なんかを枕元の近くに置いたりしてましたよ
太田:ほお
田中:それで靴下が大きいと、それだけ大きなプレゼントを入れてくれるんだと思って母親にね、大きな靴下をつくってもらったりしましたよ
太田:丁度お前がすっぽり入るくらいのな
田中:そんな大きかないよ!いくらなんでも…
太田:でもって翌朝その靴下に入ってたプレゼントがお前と同じくらいの高さでさ、ショックだったんだろ?
田中:それ嬉しいんだか悲しいんだかわかんないよ!
太田:はっはっは
田中:身長ほどは大きくないけどね、まあ大きめのその靴下にね、サンタさんっていうかホントは親父なんだけどさ、親父がまたちっちゃなプレゼントを入れたんだよ
太田:大は小を兼ねるっていうからな
田中:それはいい意味合いの慣用句だろ!大きいプレゼントをこちらとしては期待してるわけだからさ、悲しかったんだよね…
太田:身分不相応な大きいプレゼントなんか頼むからだよ!
田中:なんだよ身分不相応って。どうせ身長が低いからってそう言ってるんだろ
太田:その通り
田中:やっぱりな。でもね、大きさはそんなになかったんだけどね、やっぱり大きさで判断しちゃいけないと思いましたよ
太田:お前のことを?
田中:違うよ!
太田:お前なんて中身も詰まっちゃいないけどな
田中:うるせえ!!…プレゼントのことだよ!でね、そのプレゼントが小さかったんだけどね、結構子供の頃の僕にとってはそれが嬉しいプレゼントでね…
太田:あぁ、小さいビッグライトね
田中:ドラえもんの道具かよ!
太田:「へぇぇ、こんな小さいライトなのにこれで大きくなれるんだね」ってね…
田中:どうしてもお前は俺の身長に絡ませたいのかよ!でね、まあその小さいプレゼントってのはね…
太田:えぇ
田中:なんか金色の時計だったんですけどね、それが…
太田:子供の頃のお前がなんで時計が必要だったんだよ!
田中:いや、金色でピカピカしてて綺麗だなと思ってただけなんだけどね…
太田:お前が時間をはかるっていうよりもお前は他人に<はかられてた>んだろ!
田中:なんだよわかりにくい言い回しで。<はかられてた>って何がだよ!?どうせ身長のことだろ?
太田:いや、いじめに遭ってたっていう意味の<はかられてた>っていうことだよ
田中:いじめられてはないよ。というか反対に僕は結構小学校の頃も人気者だったよ
太田:自分で言ってりゃ世話ねーぜ
田中:まあな(笑)それにしても僕のことはもういいとして…
太田:なんだよ、いいとしてって?
田中:いやもうね、僕がサンタさんにもらったプレゼントの話はもういいとしてですね…
太田:ああ…
田中:太田さんはどんなプレゼントを…
太田:俺はね、むしろ随分小さい頃からサンタが親父だってこと知ってたからね…
田中:太田さんらしいですね
太田:親父が24日の夜中に部屋に入ってくるでしょ?で俺も靴下は用意してたんだけどね、その靴下の中にサンタさんへのプレゼントを俺は入れてたよ
田中:随分サンタさん思いの子供ですね
太田:で、そのプレゼントってのは手紙なんだけどね…
田中:あぁ、「一晩で色んな家の子供達にプレゼントを配らないといけなくて大変ですね」とか労いのメッセージなんかを書いたらさ…
太田:ああ…
田中:「あ、この子は優しい子なんだな」って親父さんも感動するだろうね
太田:だけどね、俺は「本当はサンタさんってお父さんでしょ」って書いてね…
田中:ぜんぜんプレゼントでもなんでもねーじゃねーかよ!
太田:でさ、翌日の25日の朝に親父が「光、いつからお父さんがサンタさんやってるって知ってたんだ?」ってね
田中:えぇえぇ
太田:で俺が「え、ホントにサンタさんってお父さんだったの?」って聞いてさ…
田中:カマかけたのかよ!嫌な子供だねー
太田:そしたら親父がドキッとした表情してね、で俺が「いや、友達がサンタさんなんてみんなそのうちのお父さんがやるんだぜって言ってたから僕は違うと思っててサンタさんにお父さんなの?って聞いたんだよ」って言ってね…
田中:はいはい
太田:誤魔化したんだよね
田中:なんだよ悪知恵のある子供だな。でもお父さんも「違う」って言い通せば良かったのにね
太田:んーでもこれで毎年子供にバレない様にサンタの格好してプレゼントあげなくちゃいけないっていうプレッシャーから逃れさせてあげるっていうプレゼントをしてあげられて良かったなーって思ったもんだよ
田中:なんだよそりゃ!
太田:子供心にね
田中:どんな子供だよ!もういいよ!!

―END―

ついしん
この漫才はダーZオリジナルのものでございます。



2003年12月13日(土) 長い坂

気がつくと、ハルオは長い急斜面の坂の途中にいた。
彼は自転車を漕いでいるが、スピードを出し過ぎるのは危険なので、わずかにブレーキを利かせながらも落ちていくようなスピードで駆け下りていた。
ハルオは本当は、ブレーキなど利かせずに一刻も速くその坂を駆け下りたかった。
だが、以前クラスメイトの男の子が、ブレーキをかけないまま坂の下まで下りてから一気にブレーキをかけた為、顎に大変な傷を負ったのを見ているので、余計慎重になっていた。

それにしてもなぜハルオは急いでいるのか?
急いでいるというよりも、後ろから走って追ってくる男から逃げているのだ。
ただ、ハルオは追ってくる男が酷い形相をしながら自分を追ってくる理由がわからなかった。
その男は顔をありったけ歪めながら走り、ハルオに迫ろうとしてきた。
自転車のハルオと同じスピードで追ってくるのが不思議だが、そういった超人的なところが余計追ってくる男の恐ろしさに拍車をかけているように彼は感じた。
その追ってくる男は坂を駆け下りていくハルオとほぼ同じスピードに走り、離されることなく彼についてきた。
ときどき、追ってくる男がもう少しでハルオに追いつきそうになると、ハルオはその男の顔にめがけてめい一杯に手の平を伸ばしピシャリと叩きつけた。
それで一瞬怯んだかと思うと、またすぐにその男はスピードを上げ、ピッタリとハルオの後ろにつき、そうかと思うといつの間にか彼を追い越そうとするのだ。
ハルオは何度も追ってくる男の顔をピシャリピシャリとやりながら、早くこの急な坂を駆け下りたいと願い続けた。

やがてもうすぐでその坂を降り切るという段階になると、ハルオは徐々にブレーキをかけ始めた。
そしてやっとの思いでその坂を下りきった途端、ハルオは振り出しに戻されるかのようにさっきまで駆け下りていた坂の頂上に立っており、さっきまで追ってきていた男にこう言った。
「ボクシングの選手にはスタミナが必要だ。今から俺がこの坂を自転車で駆け下りるから走ってついてこい」
そう言うと、ハルオはその坂を見下ろしてこう続けた。
「それにしても長い坂だな」

―END―

ついしん
「薬菜飯店/筒井康隆」に収録されている短編「ヨッパ谷への降下」を読んだ。
この幻想的な世界観は他人がマネして創れるものではないだろうと思った。



2003年12月12日(金) たまにはシビアに

自衛隊が迷彩服を着てイラクへ人道支援に向かうのは、今のタイミングだとリスクが大きい。
銃を装備して迷彩服を着ていれば、テロリストたちの格好の標的となり得危険であるし、また、地元住民らも、見た目が軍隊であるような自衛隊がやって来ると、街が戦闘地域となり得ることに懸念を抱くだろう。

迷彩服は、本来敵の目を欺くために着るものであるが、かえって今回のケースでは目立ってしょうがないのではないか?
増して、最近は外交官が二人標的にされたこともあり、日本がイラクに自衛隊を派遣するか否かの問題が世界でも注目されている時期である。
そんな状況の最中、警備もままならないでいるイラクに派遣される自衛隊は、ダーツの矢を持ったテロリストの前に向かっていく的のようなものである。

―END―



2003年12月11日(木) 注目の書物

・無敵の一般教養/島田雅彦編
<注目の理由>
これは、島田と大学の教師たちの対談集である
島田雅彦に好感を持っており、また、ノンフィクションにも興味があるので読んでみたい
また、島田雅彦の著作物(小説)も読んでみたい

・チボー家の人々/マルタン・デユ・ガール
<注目の理由>
鈴木光司が雑誌、でこの小説の力強さを主張していて気になったので

・パラレルな世紀への飛翔/太田光
<注目の理由>
テレビブロスに連載のコラムの単行本だが、彼の創作ショートショートや、世間への意見は独特で面白い

・細雪/谷崎潤一郎
<注目の理由>
何かで、文章が美しいというようなことを読んだ覚えがあり、気になるので

・砂の女/安部公房
<注目の理由>
小学校か中学校の国語の教科書で安部公房の短編の断片を読んだ記憶が印象に残っているので

・夜のミッキーマウス/谷川俊太郎
<注目の理由>
これは詩集であるが、新聞の評論を読んで気になったので

・エロチック街道/筒井康隆
<注目の理由>
森博嗣が、この短編集が筒井のソレの中では一番好きだと言っていたので、釣られて前々から注目していた
先日、本屋に注文した
まだ手元にはない

―END―

ついしん
今日、本屋で文春文庫「エンガッツィオ司令塔/筒井康隆」の表題作を読んだ。
随分と終盤がスカトロで、改めて筒井康隆の幅の広さを感じた。
食前食後に読むのはやめましょう、と言いたい。
あと、作品の最後に「附・断筆解禁宣言」が掲載されていて、これも興味深く拝見させてもらった。
そういえば、一昨日の日記で「驚愕の曠野―自選ホラー傑作集〈2〉/筒井康隆」内の短編の感想を書いたが、それの続きを。

・定年食
妙に生々しい描写(どんな描写か知りたい人は読んでください)がグロい。

残りの「メタモルフォセス群島」、表題作「驚愕の曠野」も読もうとしたが、どうやら売れてしまったらしく近所の店頭から消えてしまった!
残念。
店側の、過度の座り読み(店内にベンチがある)防止策か?



2003年12月10日(水) 出現

あらすじ:ある日、正夫の部屋の壁には<ジリリリリリリ>という文字が現れた。それは、目覚し時計のベル音が擬音化されたものらしい。すると今度は<私たち>という存在の声が彼の頭上から聞こえてきた。やがて文字もその声も消え、彼はそれらの出来事を幻だと決め付けるのだが・・・・・・・

「出現」
ある日、正夫は起きると、部屋の西側の白い壁に、<ジリリリリリリリ>というまさに原色の黒であると言えそうな色の文字があるのを目にした。それらの文字は、一文字がおよそ10センチ四方ほどの大きさであった。正夫は、もし壁の色がベージュ色であったら、いまよりもその黒い文字は目立たなかっただろうと何故か思った。彼は「誰かのいたずらだろうか」と推測したが、家人にそのようなことをしそうな人間がいないことを考えると、その不可解な壁の文字にじんわりと薄気味の悪さを覚えた。

その文字にいくらかの衝撃を覚えたものの、それはまだ自分の頭がぼうっとしているからだろうと思った正夫はコーヒーを飲みに、誰もいないキッチンに向かい、インスタントのコーヒーを適当に用意して飲んだ。

多少コーヒーの効き目を感じたが、正夫は頻繁にコーヒーを飲むので、劇的なほどの効果を感じることはない。「あの文字はまだあの壁にあるのだろうか」と思いながら実際に壁を見ると、やはりそれは、彼の目には依然として存在しているらしく見えた。

そう言えば<ジリリリリリリ>というのは、今朝目覚まし時計が機能しなかったことからも、それのベル音が擬音化されたものであることが正夫には想像できた。やはり家人の仕業だろうか?と思い始めた時、その<ジリリリリリリ>という文字が次第に薄くなっていき、ついにはそれらは消えてしまった。まるでファンタジーの世界で起こるようなことだと正夫は思った。

しばらく先ほどまで<ジリリリリリリ>とあった壁をぼーっと眺めていた正夫は、次に同じ壁に、<ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ>と突然現れたのに腰を抜かした。<ジリリリリリリ>よりも一回り大きな文字のように政夫は感じた。その際、彼は悲鳴などはあげなかったし、鼻水なども垂らすことなかったが、その分精神的なダメージを大きく受けた。

その次に、どこからともなく、強いて言えば頭の真上の方から、透き通るような幻想的な声で『ああ、私たちっていっつもいっつも秩序正しく整列させられて堅苦しいったりゃありゃしない』というため息のようなものが政夫には聞こえてきた。その声はこう続けた。『あいつらって何様のつもりかしら。私たちを必死でかき集めて並べて。そのくせ何の脈略もなくばらばらの文字を並びたてるのかしら。不可解なことこの上ないわ。どうせ並ばせられるならこういう風にやればいいのよ』。こういう風というのは<ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ>のことだろうかと正夫は思った。『本当に同じ種類の私たちが並ぶのは気持ちがいいことね。あいつらは例えば<ぴルシタイ化ック郎戸なんほろージ氏う羽yう←Bチョでれぇの画§※たIもド競るの位土か?>とか何とか違う文字を並べ立てるわけなのかしら。気持ちが悪いったりゃありゃしない。美的感覚ゼロね』

<あいつら>というのは、つまり人間のことだろうか?とぼんやり正夫は考えた。それにしても<私たち>というのは何なのか。やはり文字のことだろうか。はっきりと透き通るような幻想的な声が聞こえてくる以上、誰かが喋っているのだろう。たとえ<私たち>とやらが喋っていると意識していなくとも、誰かが喋っているように聞こえる音が聞こえてくるのは確かだ。ちなみに<ぴルシタイ化ック郎戸なんほろージ氏う羽yう←Bチョでれぇの画§※たIもド競るの位土か?>と<私たち>が喋っている時、正夫にはそれが何のことやらわからず、急に喋っている主の気が狂ったのかと思っていた。<私たち>からの視点では、例えば<正夫は部活を終えて家に帰ると、必ず物凄い勢いで近所で買ったヨーグルトを食べるようにしている>という言葉の並びと<ぴルシタイ化ック郎戸なんほろージ氏う羽yう←Bチョでれぇの画§※たIもド競るの位土か?>という言葉の並びは同じ様に感じるのだろう。それにしても<ぴルシタイ化ック郎戸なんほろージ氏う羽yう←Bチョでれぇの画§※たIもド競るの位土か?>というのは言葉の意味が通じないどころか種類や形がばらばら過ぎるのではないかと正夫は思った。

正夫は朝起きてからの一連の不可解な出来事を忘れようとした。それらの一切を、幻だと決め付けた。そうでないとこのことを人に話したって狂ったのだろうかという奇異の目で見られるだけだし、幻でなければ説明がつかないと考えたからだ。そんなことを彼が壁から目を逸らして考えているうちに、壁の<ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ>という文字らは姿を消した。その日、それ以降に壁に文字が現れたり声が頭上から聞こえてくるようなことはなかった。

次の日の朝、正夫はいつも通り、いつもの自分の部屋で目覚めた。と同時に反射的に例の白い壁を見た。何もそこにはなかった。

正夫がキッチンでコーヒーを飲もうとしていると、玄関から数人の、彼と同年代らしき男らが入ってきた。彼らは正夫に「よろしく」と言った。政夫は「はい」としか言えない気分になっていた。

数時間後、彼は知ることになった。今日からは自分の住む町には、自分と同じ年齢の、それも男しか住んでいないことを。休日である今日、正夫は、自分のうちにいる時も近所を散歩する時も自分を先頭に真南の方向へ向かって列をつくる同じ歳の男たちを鬱陶しく思った。一体どういう共通点が自分のうちに来た人間と自分にはあるのだろうと彼は思った。家から出てしばらくしてからも見かけられたが、いつもの散歩コースの途中にある公園では、正夫らの南北に真っ直ぐな線を成す集団と同じような集団が、あちらこちらで線在していた。お互い集団同士が見据えていたかと思うと、次第に公園の北東の隅から順に、集団同士が寄り添い合い、縦20人横20人の固まりがいくつも出来上がっていった。しばらくして、公園の四方のスピーカーからは、ラジオ体操の音楽とナレーションが聞こえてきた。

正夫は後日知ることになるのだが、正夫らは400人で1チームが形成され、1チームのメンバーが揃ってラジオ体操に参加すると、1日毎に、無作為に選ばれた班長の持つ専用カードにハンコ1つが押されることになった。それが一定の数だけ集まると、400人が1人に変身するという。正夫は日にちが経つに連れ、はやく400人が1人にならないかなと待ち遠しい気分であった。

―END―

ついしん
ミスチルの「掌」の<一つにならなくていいよ>というフレーズと次のフレーズの隙間に、僕は<和樹>と心の中で念じる。
<いいよ>がどうしても<飯尾>と聞こえるからである。
さて、幾人が<飯尾和樹>を知っているのでしょうか?



2003年12月09日(火) 本の感想

新潮文庫「驚愕の曠野―自選ホラー傑作集〈2〉/筒井康隆」内の作品の感想

・魚
足痛痛痛痛痛痛痛ーって思うよ、終盤を読んでいると。

・冬のコント
スラップスティックの極致!

・二度死んだ少年の記録
まるでノンフィクション。
もしかして本当にノンフィクション?
まさかね。
まさか・・・

・傾斜
テンポがいい。

・遍在
頭混乱保証作品だが、面白い。

・遠い座敷
夢に見るような風景が心地いい。
著者の想像力に圧倒される。

―END―

ついしん
他に「定年食」、「メタモルフォセス群島」、表題作「驚愕の曠野」も収録されています。



2003年12月08日(月) すべてがPになる

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PPPP
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2003年12月07日(日) ラーメンの世界

ラーメンは、早く食べないと麺が伸びてしまう。
だから私はスープの旨味やら麺の歯ごたえやらを味わいながらもそれらを素早く喉に押しこむ。
すっかりスープも飲み干し、空になった丼の底には、いつも次のラーメンを食らいたくなるようにさせるラーメンの世界の妖精がいる。

―END―



2003年12月06日(土) 幸福の夢

夢の世界ではいつも非現実的なことが起こる。
それが何を示すのか?
現実とどう関わっているのか?

夢の中で私は自由に空を飛べる。
それが至って非現実なことであるのは知ってるわ。
遥か地上を眺めると、私を躍起になって探す暗殺の名手が見える。
これは、夢から醒めると私の身に危険が忍び寄って来ることを暗示しているのだと思う。
どうやらその暗殺者は私のように空を飛ぶことはできないみたい。
都合のいい設定でしょ?
だってここは夢の世界なんですもの。
だからこの夢の中では、彼に捕まることはないでしょう。
雲の上に身を隠していれば、誰にも見つかることはないでしょ?
それに雲の上って素適よ。
そこにいると、ふわふわとした気持ち良さがずっと続くような気がして、これが永遠の幸せなのかなって私思うの。
だから、地上を徘徊している暗殺者のこともあって、私夢から醒めたいなんてちっとも思わない。
これって、何だか現実で言うところの麻薬中毒のような状態に似ている気がするわ。
でも私は現実でもこの夢の中でも麻薬なんて手を出したことないわ、誓って。

このところ幾年も夢から醒めない少女、幸代の両親は、両親が交通事故で亡くなった頃から眠りについた。
彼女の親戚連中は、皆不況ということもあってか毎日の生活にゆとりがなく、彼女が長い眠りから目覚めたら引き取ることになるのを嫌がり、存在を疎ましく思っていたという。
幸代はこのことを知ってか知らずか、目覚めることを遠慮し、夢の中で楽しく暮らしているらしい。
いつも、彼女の寝顔は笑顔に満ちていた。

―END―

ついしん
以前、いくつかタイトルだけを示し、それら(その中に「幸福の夢」というものもあった)のタイトルから連想する短編を書きたいと言っていたが、ようやく短編というよりもショートショートの「幸福の夢」、出来上がりました。



2003年12月05日(金) バルタスティック島の牧場

バルタスティック島に住むイデ・モスラウスキーは牧場を経営している。
そこで飼われている牛は我々日本人が考えるような大きなものでなく、DNAを操作して誕生した犬ほどの大きさのものである。
イデさんは、眼鏡を使うほどの近眼なのだが、そのくせ眼鏡をよく外したがる。
ある時、彼は牛の顔に眼鏡をかけてみた。
丁度、目の辺りにレンズが覆い被さった。
おおピッタリではないかとなぜか感動したイデさんは、眼鏡を外す度、牧場の牛にそれをかけるようにした。
そうするようになってからしばらく経つと、牛は自分たちが人間のように思えてきたらしい。
人間以外、眼鏡をかける生き物がいないからだろうか。
そう意識するようになってから、イデさんの牧場の牛たちは、やたら敵意ある視線を彼に向けるようになった。
イデさんがバウリンガルならぬモウリンガルを牛たちにつけると、<また私たちの仲間が異国の地に売り飛ばされた。人身売買は酷い>とか<人が人を裁く権利があるというのか?>とか<共食いするなんて野蛮な連中だ>と思っていることがわかった。
それがわかってからイデさんは、二度と眼鏡を牛にかけないようにした。

―END―



2003年12月04日(木) どうでもいいけどなんでもいいの

スポーツって運動のことですが運動って何だろうと考えましたがよくわかりません。でも、なにかが動いていればいいということは声を発することも視線が動くこともそして足がフィールドを駆け回らなくとも手がボディランゲージのごとく様々な動きを示すのも運動ということになるのかもしれません。そう考えていくと漫才というのはれっきとしたスポーツだと言えましょう。僕としては漫才は言葉のスポーツだと思っているのですが、そんな漫才の大会が年末にM−1GPという名の元に開催されます。過去の二回は充分に白熱したものであり、存分にそれぞれの漫才師の特色を楽しむことができましたが今月開催される大会も楽しみにしています。少し前にその番組に関する番組が放映されていたのですが、つまりそれは今年はどういうコンビが決勝戦となる年末に放映される番組に出場するのか?という予想めいたものや東京をはじめ地方でも開催された準決勝までの模様などを紹介していましたが、もうすでにそれを見ただけで僕は感動のあまりジーンとしてしまいました。漫才って本当に素適です。

―END―



2003年12月03日(水) 消耗品としての活用

こう、キーボードを押して文字を画面上に出す際の一つ一つのキーの打音が好きだ。
この打ち応えのある打音は心地よい。
一しきり、エンターキーは強く打っている気がする。

最近は筒井康隆のあれもこれも読んでみたいと、アマゾンドットシーオードットジェーピーのレビューやカスタマーレビューを参考に筒井作品を散策しているうちに思う。
今は「敵」を読んでいるが、もうすぐ読み終えるだろうと思い「虚人たち」を中古で購入。
これがなかなか曲者のよう。
まだ全くの未読だが、パラパラと捲ると真っ白なページがいくつかあった。
どうやら物語は、小説(「虚人たち」ではない)の主人公が主人公らしい。
ははははは。
ややこしい。
つまり、架空の作者によって生み出された虚構の人物が主人公(「虚人たち」の)なのだ。
たぶん初めは混乱するので読みづらいだろうが楽しみだ。

今観に行きたい映画は「ラスト・サムライ」と「ファインディング・ニモ」だが、「ラスト・サムライ」に出演の渡辺謙が、映画誌やネットの予想サイトでオスカー候補に挙げられているという。
アカデミー賞ノミネートの発表はいつだろうか?
あぁ、楽しみ。

今年で三回目のM−1グランプリ、つまり(今のところ)年に一回開催される漫才の日本一を決める大会の出場者が決まった。
その八組は以下の通り。

「アメリカザリガニ」「麒麟」「スピードワゴン」「千鳥」「2丁拳銃」「フットボールアワー」「りあるキッズ」「笑い飯」

これと、もう一組が敗者復活で決勝に進む。
そういえば去年は誰が出ていたっけ?
去年と同じく決勝に残ったのは「アメリカザリガニ」「麒麟」「スピードワゴン」「フットボールアワー」「笑い飯」。
一昨年いきなり決勝で皆の注目を集めたものの去年は決勝進出を逃した「麒麟」が今年復活したのは凄い。
下馬評ではどうやら「フットボールアワー」が優勝候補らしい。
意外なのは「ハリガネロック」がいなことだ。
とにかく楽しみだ。
こんなにワクワクする番組は他にない。

―END―



2003年12月01日(月) 行動を吸い取る機

N氏:これは行動を吸い取る機?(とそのマシンを指差し、博士に尋ねる)
博士:そうじゃよ、試しにスイッチを(オンにする)
N氏:ほんとだ、さっき喋ったことを忘れたけれど、喋った内容は覚えているので会話は続けられる
博士:そうなのじゃ。常に会話を交わしたことは覚えられなくなるからな。ドカッ
N氏:何をするんですか!痛い・・・あれ?痣になってない・・・でも痛い・・・・・・・
博士:なにしろ行動はなかったことになるからな
N氏:なるほど。でもなんで殴ったんですか?
博士:肉体にダメージはないからいいかと思ったんだ
N氏:そうですか。ということは悪意はないんですね
博士:ない。実験の一環だよ。このマシンは成功した
N氏:よかったですね、それにしても・・・痛い、痛い。なんでしょうか、痛い、ということを覚えているのに、さっき殴られたことは覚えているのに・・・
博士:痛いかね?
N氏:はい、痛い・・・・・・・
博士:でも肉体にダメージはない
N氏:なんだか不思議な気分です。博士が怖い
博士:なぜ?
N氏:確かにダメージはありません。ただ痛みが初めからないので、痛いという感情がなにをきっかけに消えていくのでしょうか?
博士:そういえばそうじゃ
N氏:この痛みは私には相当な衝撃です。なんだか理不尽だ。なんで・・・なんで博士は私を意味もなく殴ったのですか?怖い・・・私はあなたが怖い・・・・・・・・・・・・・

―END―


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