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「非常ノヒト 1 鬼外カルテ其ノ拾四」碧也ぴんく
2007年02月26日(月)
心を残して死んだために人外の存在となって生き続けるものたち。そんな彼ら「虚空族」の魂の救済の物語が、鬼外カルテシリーズです。
シリーズの狂言回しとして登場していた鬼外自身の話が、この「非常ノヒト」。シリーズ最終章です。

鬼外は、生前の名前は平賀源内。
彼がなぜ人外の存在となってしまったか、そしていかにその魂が救済されるのか、が描かれることと思います。
第1巻では、幼い伝次郎(後の平賀源内)が才覚を発揮し、高松藩主の松平に見出され、長崎に留学したり、江戸に出たりといったあたりの話。
正直、まったく盛り上がりがなくておもしろくなかったです…。
きっと、これからおもしろくなるんだと思いますが!

シリーズが終わったら、また読み返してみたりしたいなあ。…と思ったのだけど、気が向いて数冊読み返しました(笑)
私は「水中童子」「Golden Child」「太夫」が大好きです!
「闘王 グイン・サーガ112」栗本薫
2007年02月25日(日)
強豪を打ち破り、闘王となったグイン。水神祭りを前にして、ドーカスの力を借りタイスからの脱出をはかる。しかし、スイランがついに正体をあらわし…。

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そろそろタイスから逃亡できるかと思ったら、まだまだ続くんですねぇ……。
マーロールとの戦いでつい笑っちゃいましたよ。なんだこの技は、って(笑) あまりにもアニメっぽいというか…。
しかしそれはまあいい。流せる。
でも、「すーたん」はぶはっと思いました…。すーたん………グインの口からすーたんなんて言葉は聞きたくなかったよ………。
「おいちゃん」もやめて欲しかった。寅さんの顔が浮かんできてしまって困りました。
それに、スーティに絡まれているグインは、もはやぼのぼのにじゃれられているスナドリネコさんにしか思えません!(ある意味なごむ)

ふう…。この先グインはどうなるのでしょうねー。
あとがき読んで、ちょっと心配になりました(笑) ちゃんと終わらせてくださいね。
「ラヴミーテンダー 4」木々
2007年02月24日(土)
テレビの仕事をすることになった沙英。一樹は、モデルの仕事をやめて沙英のマネージャー業をすることに。
一方ナオは、百合香に男として見てもらえるように男装(?)しようとするが…。

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ラブコメディということで、どこまでがジョークでどこまでが本気の恋なのか…って感じの話ですが、沙英の本命が少しずつ明らかに…?といった展開。
久しぶりに読むと、えーとこの人とこの人はどういう関係だったんだっけ…?と考えてしまう部分もあるんですが、雰囲気はだんだん好きになってきました。
なんていうか、みんなかわいいなあって(笑)
絵が好きな漫画家さんなせいもあるけど、表情がすごく好きだなーと思うんですよね。間の取り方も好き。「ぶはあっ」って笑い方もいいなー(笑)
「メガロ・オーファン 1 運命の三人」若木未生
2007年02月21日(水)
女子高生・志摩寧音(シマネネ)は、<遺世界>(トラッシュワールド)に召喚された。そこは、機械仕掛けの鎧武者たちが合戦を繰り返す世界だった。そこにいる「本物の人間」は、ネネを含めムサシ、ヨシツネ、キリヤの4人だけ。ムサシ・ヨシツネは、ネネ同様、メガロ・オーファンに乗り込み戦う「リアル・パイロット」だった。
この世界はなんなのか、なんのために戦うのか、元の世界に戻ることはできるのか?

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異世界ならぬ遺世界ファンタジーですかね。ロボットに乗って戦うというのは正統派なロボットアニメの系譜…なのでしょうか。
メインの3人の高校生が同じ世界に集まったところまでなので、まったくのプロローグといった感じ。
全体の印象としては、高校生の書いた同人誌みたいだなって思いました。

それにしても……近頃の若者は言葉遣いが汚いんですねえ。最近、ライトノベルを読む機会が減ってるんですが、他でも高校生ってこんなしゃべり方なんですかね。読んでてイラっとします。
それに、キャラもオーラバスターの使いまわし感が否めない。こういうのしか書けないんでしょうが…。使いまわしたにしても、全然魅力的じゃないですよ。
物語や心情にも深みが感じられない。

好きな作家だったので、ほんとに残念です…。
「トニー流幸せを栽培する方法」トニー・ラズロ
2007年02月18日(日)
「ダーリンは外国人」でおなじみのトニーさんが書いた本。左多里さんがイラストを担当。
内容は……まあ、説教くさい話です(笑)
いやもう、ほんとに説教くさいのよ!
だいぶ前に借りて、ちょっと読み始めてみたものの、あまりにつまらないので放ってあったのです。
なんていうんですかね、教訓だとかって、自分で経験して悟るから、実になるんですよね。人から言われたって、右から左へ抜けちゃうよ。
その点、左多里さんの描き方はうまいなと思いました。(合間に簡単な漫画などが挿入されています)
「やさしい悪魔の物語 10」川口まどか
2007年02月17日(土)
なぜか、人間の夢の中に入り、人間として暮らしているやさしい悪魔、ナナイロ、ベンベラたち…。
夢の出口は? そして夢の支配者は?

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これもシリーズ最終巻。
読み終えてすぐは、えぇーーこれで終わり??と思いました。
終盤あたりは、連載で読んでいたら盛り上がったのかもしれないけど…。

ただ、描き方がコメディとブラックが混じるのでアレですが。思い返してみると、らしいのかなとも思えてきました。
夢の中でのベンベラの台詞がね。
「『アタシの台本にないことってなんてすごいの?』」
これは、物語を一人で考えて作り上げる人間…に限らないかもしれないけど、普段一人で充足している人間が突き当たる壁…いや、感慨かな…じゃないかなと思います。
これが、人間のささやかな願い(夢)をかなえ続けてきた「やさしい悪魔の物語」として描く最後のテーマだったんですね。

長い間、連載お疲れ様でした!
「始まりのエデン」榎田尤利
2007年02月16日(金)
シティの統治権を手放し、島へ退いたユージン・キーツ。しかし人類を半減させたGRウィルスを再び解き放とうとしていた。
『運命の少女』サラは、父の遺言に導かれ、生まれ故郷へ。そして『金の狼』フェンリルもまた、生まれた地である島、今はユージン・キーツのいる島へ、再びたどり着いていた。

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「神話の子供たち」→「金の髪のフェンリル」→「新たなる神話へ」と続いてきたこのシリーズも、とうとう最終巻。
すべてに決着がつきました。

……うーん、なんだか話に片をつけることに重点がおかれてしまっていて、読んでいてあまり楽しくなかったです。
前半、キャラクターが生き生きと描かれているのが好きで読み始めたシリーズなので、残念です。
もっと葛藤とかコンプレックスとかを掘り下げて欲しかった気がします。
★★★
「マルドゥック・ヴェロシティ 3」冲方丁
2007年02月11日(日)
「マルドゥック・ヴェロシティ」最終巻。
誘拐・拷問を行うカトル・カールに連れて行かれたクリストファーを救い出すため、09のメンバーは街を駆け回る。そして発覚する、メンバーの裏切り…。
09はメンバーを少しずつ欠いていく。そしてボイルドはひとつの選択をすることになる。虚無へと向かう選択を。

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「マルドゥック・スクランブル」で簡単に語られていた事件の真相。
なんともせつなかったです。3巻は胸が痛くなる展開ばかりで。特にウィスパーとオセロットのところがせつなかった。オセロットの淡々とした口調がよけいに。
ボイルドがどういう道を選んだかというのは「スクランブル」で明らかになっているわけで、どうしてこんな風にならなきゃいけなかったんだということはみんな思うわけですが。本書で、追い詰められていくボイルドの行動は説得力がありました。「スクランブル」では悪役であったボイルドを、こんな風に描けるというのはすごい。
だから、本書の結末は救いのあるラストだったと思います。同時に、「スクランブル」が活きてくるラストでもありました。

事件の裏が最後に語られるのみで片付けられていったのはちょっとあっけないかなという気もしましたが、とっておきの秘密は、あっちの方なんですよね、きっと。あれは驚いたし、ぞっとした。うまいなと思いました。


ストーリーに関連があるので、「スクランブル」もこれを機に読み返してみました。再読なので飛ばし読みですが。
あらためて、すごいなあと…。
読み返してみると、私は1巻が好きですね。バロットとウフコックの出会い。ラジオ。引き金のない銃。濫用。手の中で苦しみ逃れようとするウフコック。そんなウフコックにすがることしかできないバロット。それでもバロットを守ろうとするウフコック。
イースター博士も、「ヴェロシティ」を読むと、違った見方ができますね。

あーおもしろかったなぁ………。
何年後でもいいから、また「マルドゥック」の新作が読みたいものです。
★★★★★
「おれたちの葬式本」TONO×うぐいすみつる
2007年02月10日(土)
葬式に関する実体験を描いたエッセイコミック。
湿っぽい話…のはずですが、そういうお涙頂戴な描き方はまったくされておらず、帯にあるように「哀しみ一切取っ払いました。」という仕上がりになっております。
へーーーという感じで読みましたが…。いざこれが自分の立場でと思ったら、なんだか気持ちが重くなりますね…。
「うさぎドロップ 2」宇仁田ゆみ
2007年02月09日(金)
りんの小学校入学の準備をする大吉。りんの母親の所在がわかり、話をすることになるのだが……。

りんと大吉、二人の生活がほのぼのかわいく描かれてて、今回もおもしろかった。
「また来ていい?」っていうシーンのりんがかわいくてかわいくて。包丁欲しがったり、だっこ我慢したり、だっこしてあげるって言ってみたり……。
おじいちゃんの遺言状もコミカルでいいですね。

実際のとこ、保護者と名字が違うと、なにかと大変なこと多そうですよね。
これからそんな風な展開もあるのかな…。
「マルドゥック・ヴェロシティ 2」冲方丁
2007年02月08日(木)
「マルドゥック・スクランブル-09」―重要な事件の証人保護システム。自らの有用性の証明のために、任務に全力をあげる09のメンバーたち。ネイルズ・ファミリーの抗争を軸に、凄惨な事件がいくつもからみあっていく。
そして、ナタリア・ネイルズ。彼女はウィルスのホストであり、関係を持った人間を死に至らしめる力を持っていた。

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ナタリアとボイルドの関係がクローズアップ。しかしつかの間のしあわせという感じ…。
五感の交錯というのはおもしろいですね。

この巻でいちばんおもしろかったのは、冒頭のフライト刑事の暴走シーン。大笑いでした。
「龍の花わずらい 3」草川為/「夏目友人帳 3」緑川ゆき
2007年02月05日(月)
「龍の花わずらい 3」草川為
緑陰のオアシスに、護衛としてクワン・ルシンを連れて公務に出かけたシャクヤ。
そこにはルシンを拾って育てたという踊り子が。その踊り子は、シャクヤの父親の不倫相手!? さらには緑陰にあやしげな動きを見せる連中が……。

ルシンの過去を知る踊り子さん登場で、話がだいぶ進みました。
でも、この巻の見所はそこではなく、やはりクワンの「ぶどう」かと(笑) やールシンの「ぎゅ」と「ちゅ」より色っぽいですよねー。私はルシンを応援してますけど(笑)
がんばれルシン!
トランクにみっしりの虎もかわいかった。もう少し活躍してくれないかな。


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「夏目友人帳 3」緑川ゆき
ニセニャンコの話もかわいい(紅緒が綺麗だなー!)ですが、蛍の話がすごくよかった。相手には自分が見えていないのに寄り添う背中がせつなくて。
タマちゃんの話は、ヒヨコが人型だったのが私はちょっと微妙でした…。なんとなく。
呪術師たちの会合の話は、異色だったと思います。今後、こういった展開もあるのかな? レイコさんの話とか?
「マルドゥック・ヴェロシティ 1」冲方丁
2007年02月02日(金)
「マルドゥック・スクランブル」の続編。「スクランブル」では敵同士として描かれた、ウフコックとボイルドがパートナーだった時代のものです。
戦争で肉体を損傷した軍人たちが収容される軍研究所。そこで肉体改造され、様々な能力を身に着けた彼らは、戦争の終結により「廃棄処分」されそうになる。
疑似重力を操れるボイルドと、知能を持ちどんな兵器にも変身できるネズミのウフコックのコンビは、仲間たちと共に、国からの部隊による廃棄に抵抗する。
そして、自分たちの「有用性」を証明するために、研究所を捨て街へ出ることになる。

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楽しみにしていた「ヴェロシティ」。最初からものすごくおもしろいです!
スクランブルでのウフコックの登場シーンも大好きなのですが、ヴェロシティでのウフコックも…、手のひらの上で肩を落として涙を流すネズミなんて、そんなかわいすぎるでしょー。
ウフコックとボイルドのコンビがとてもいいです。だからこそ、スクランブルでの彼らを思い出すとせつなくなるわけですが…。

全体的には、まるでサイボーグ009て感じです。様々な能力を持った人間が結束して敵と戦うというのが。「09法案」だしね。
とにかく登場人物が多いですが、そんな多さをものともせずに憶えやすいです。特徴づけがうまいのでしょうね。名前の付け方も。これは、他の作家さんにも見習って欲しいところ。

文体がちょっと変わっていて、名詞と「/」「=」などの記号を多様しています。
読む前は、読みにくいかもしれないと思ったのですが、思いのほかすんなり読めました。
生半可に真似したらものすごくつまらなくなりそうな文体ですが、うまく使ってるなという印象です。

とにかくおもしろい。
謎も散りばめられていて、続刊も期待。
イースター博士のキャラクターがスクランブルの時と一致しなくて、これはなんなんだろう…と思ったり。後半になにかあるのかな。


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