.....PAPER MOON
.....HOME .....MAIL .....OLD .....INDEX .....NEW
「うつうつひでお日記」吾妻ひでお
2006年11月27日(月)
タイトルどおり、吾妻ひでお氏が日記を漫画でつづったものです。
それがですね、ほぼ毎日が、読書と仕事と食事のことのみなんですよ。これだけ変化のない生活を、毎日絵日記にするということがすごいことだと思います(笑)
まー、ほんとに変化がないので、私は睡眠導入剤として利用してましたけどね。(だからなかなか読み終わらなかった)
でも、一言ずつ載っている本の感想なんかが、私はけっこうおもしろかったです。時々つっこみに笑ってしまった。

たぶん、続編が出たら買います。
人には薦めないけど(笑)
「ファンタジーのDNA」荻原規子/「Y」佐藤正午
2006年11月26日(日)
「ファンタジーのDNA」荻原規子
「空色勾玉」に始まる<勾玉>三部作や「西の善き魔女」など、和製ファンタジーの名手として知られる荻原規子さんのエッセイ集。
一応、出てる著作は全て読んでる作家さんなので(多分)、これも手に取りました。

タイトルどおり、ファンタジーに関する内容が多いですが、ファンタジー論というほどではなく、自分の読書体験の中で主にファンタジーについて語っている、という感じですね。
ご自分でも書かれてますが、文章が硬い(笑)
それと私があまり読書暦がかぶってないせいかもしれませんが、読んでいてイマイチぴんとこなかったですね…。
「脳のなかの幽霊」はおもしろそうで読んでみたいなと思いました。(ファンタジーじゃないですが)

----------------------------

「Y」佐藤正午
秋間は、突然親友だという男からの電話を取るが、彼の記憶がなかった。しかし、彼から送られたフロッピーの中の「物語」を読むことになる。
一方、十八年前の事件。下北沢駅で、青年はホームに降り、女性は一度ホームに降りたものの車内に戻った。そしてドアは閉まり、青年はその一瞬を十八年間後悔し続けることになる。
謎の男の、謎の物語は、秋間の人生にどう関わっていたのか…?

こういうのは、あれですね。梶尾真治の短編でよく読んでるんですが、作者が違うとこんなに切り口が変わってくるものなのか、と思いました。
梶尾真治だったら純愛になるんだろうなーと(笑)
あと、山本文緒の「ブルーもしくはブルー」思い出しました。
この「Y」は、せつないというよりはやるせないお話ですね…。なんとも言えない読後感でした。どう思ったらいいのか、誰に感情移入していいのかもわからなくて。

個人的には、由梨が泣くシーンが胸にせまりました。彼女がいちばんせつないんじゃないかなと。
あ、彼女が視点だったらもっと好きだったかもしれませんねー…。
★★★
「東京バンドワゴン」小路幸也
2006年11月25日(土)
明治から続く古本屋「東亰バンドワゴン」。その古本屋を商う堀田一家4世代のお話。
まだまだ元気な大おじいちゃん勘一、伝説のロッカーで金髪の60歳のおじいちゃん我南人、未婚の母である長女藍子、藍子の娘で小6の花陽、長男の紺、紺の妻亜美、紺と亜美の息子で小4の研人、我南人の愛人の子ながらも次男として育てられた青。
そして空の上から家族を見守る大おばあちゃん。
春夏秋冬の4話、それぞれの家族にスポットを当てつつ、身の回りに起きるささやかな謎を解いていく…というもの。

激しく気持ちを揺り動かされるような物語ではないです。
でも、ああこんな家族いいなあって思わされる、ほのぼの感があります。
おじいちゃんなのにやけにファンキーな我南人の口調がほのぼのしてていいなあって思います。
★★★
「文鳥様と私 8」今市子/「君に届け 1」椎名軽穂
2006年11月24日(金)
「文鳥様と私 8」今市子
文鳥との生活をつづったエッセイコミック。
愛蔵版とかで読んでしまった私ですが、たぶんこれが最新刊なんですね。

忍び寄る高齢化の波…。白内障の文鳥やら、亡くなる文鳥やら。
なんともせつない(ような笑えるような)話が満載です。
やー、今回もおもしろかった。


---------------------------------------

「君に届け 1」椎名軽穂
真っ黒な長い髪に青白い肌、陰気な見た目と控えめな性格のせいで誤解され、3秒以上目があうと呪われる、霊感があると噂される、黒沼爽子。…あだ名は「貞子」。
そんな爽子にも分け隔てなくにこやかに接してくれる、クラスのアイドル風早くん。風早くんが爽子に気を配ってくれることで、少しずつクラスの中に溶け込んでいく…。

という、主人公の女の子の描き方はともかく、筋立ては実に少女漫画の王道を行くこの作品。
こういう設定って、難しいんですよね。控えめな女の子って、うじうじしてる、卑屈、と嫌われるし、はぐれものに手を差し伸べる男の子も、偽善的になりがちだから。
でも、そこらへんをうまく描いてるなと思います。
そういうんじゃないんだなっていうところをちゃんと描いてるから、嫌味じゃない。

…でもねえ、私は卑屈なオトナなんで、いやいや、そこまで健気(というか鈍感?)な女の子いないよ、そんな「クラスで浮いてる子ほっておけない」なんて男の子、パフォーマンスだよ、とか思っちゃうんだよね〜。

や、この漫画はけっこう好感持てておもしろかったですが。
これから二人がどんな風に成長していくのか見守りたいと思います、ハイ。
「町長選挙」奥田英朗
2006年11月19日(日)
精神科医の伊良部先生が活躍する(?)シリーズ第三作。
閉所暗所恐怖症の球団オーナーを描く「オーナー」、ひらがなアルツハイマーのIT企業の社長「アンポンタン」、アンチエイジングに取り付かれる女優「カリスマ稼業」、島を二分して町長選挙に挑む「町長選挙」の4本。

「オーナー」と「アンポンタン」は、あまりにもモデルが明確すぎる。「カリスマ稼業」も具体的に誰というのはわからないけれどすごくありそうだし。
あまりに現実に即しすぎていて、それをわざわざ小説として書き直す意味がわかりません。
読んでいてもさっぱりおもしろいと思えなかった。
★★
「三谷幸喜のありふれた生活5 有頂天時代」三谷幸喜
2006年11月18日(土)
朝日新聞に連載されているエッセイをまとめたシリーズの5冊目。

今回おもしろかったのは、とび(犬)が耳をかまれて怪我をする話。とびが頭を振ったために夫妻は血しぶきを浴びて、金田一映画の犯人のような形相でその場に立ちつくしたというのがおもしろかった。想像できてほんとにおかしい。
それから、タイゾー議員に関する考察。真面目な顔で面白いこと言った方がもっと面白いというのは高度な心理ですよね。しかも添えられている似顔絵がなんとも言えずおかしい。
似顔絵はその他にも傑作がいくつもあります。見るだけで、あの人だ!とわかり、しかもぷっと笑ってしまう。こんな単純な線のみでそれだけのものを描けるってすごいことです。
「死と彼女とぼく ゆかり 7」川口まどか
2006年11月17日(金)
なぜかいきなり、松実くんのお母さんの話になってしまいました。前史編らしいです。以下続巻らしいです。
松実くんのお母さんの杏子さんも、ゆかりと同じく霊が見える体質。そして松実くんのお父さんは、霊をはね飛ばしてしまう体質。そんな二人の話。

杏子さんは自分が霊を見てしまうということで、最初は建一郎さんを避けてるんですね。
二話目がそこらへんの話なんですが、冒頭の「いったい どれだけ後悔することだろう あなたと出会ってしまったことで」というモノローグが最後につながるあたりが、とてもよかった。

やっぱり、近づいていく二人…というのは、読んでいてとてもいいものですね。
「幸福論」小倉千加子・中村うさぎ
2006年11月14日(火)
小倉千加子と中村うさぎ、両氏の対談をまとめたものです。
なかなかおもしろかった。

「ふるえるほどの幸福」
「快感と幸福の違い」
「人を信じること」
「親に理解されないということは、私は、一つの大きな不幸だと思うんですよ。」
この現代の日本で、女性として生きていくということ。
「サウスバウンド」奥田英朗
2006年11月13日(月)
上原二郎、中野の小学校に通う六年生。母親は喫茶店を営み、社会人の姉と、小学生の妹がいる。
そして父親の一郎。フリーライターで、国民年金は払わず、教師に議論をふっかけ、修学旅行の積立金が不明瞭に高すぎると学校に怒鳴り込む、元革命家。
そんな、上原一家の物語。

前半は、中野を舞台に、小学生なりの波乱万丈の毎日が描かれていて、同級生の女の子の誕生会に呼ばれてみたり、タチの悪い中学生にたかられたり、不思議なおじさん(小学生にしてみれば三十半ばはもうおじさんなんですよね〜…)が居候になったりと、ワクワクさせられます。
母親が実はいいところのお嬢さんだということがわかり、その実家に遊びに行く場面があるんですが、そこでの従兄弟たちの態度がなんだかリアルだなという気がしました。やあ、設定がリアルじゃないのかもしれないし、そういう経験もないんだけど(笑)、実際そうなったらきっとそんな感じなんだろうっていうのが想像できてしまう。

後半は沖縄が舞台。
こういう暮らし方、私にはもう想像もできないけれど。
こういう環境で生まれ育ったら、私ももっと違う人間になってたのかな…なんて思わずにいられませんでした。そうなりたいわけではないけど…。
前半では完全に厄介者だったお父さんが、後半は目覚しい活躍を見せます。…たぶん。
私は、こういう人はどうしても好きにはなれませんが…(笑)

あーあと、普段ミステリばかり読んでいる(いた?)ので、前半の伏線(じゃないけど)が後半全然絡んでこないのがちょっと物足りない気持ちになってしまいましたが。こんなもんなんでしょうね(笑)
周りの友だちとかのキャラもよかったです。向井君とか、アキラおじさんとかね。

私はお姉ちゃんが帰ってくるところが嬉しかったですね。
小さい頃、家族全員でいることが大好きで楽しかった、その時の気持ちで読んでいたので。
なんとなく、平安寿子の「ぐっどらっくららばい」思い出しました。
だからラストは、それでいいのかなあ…と思います。
一般的には爽快な終わり方なんだと思いますが。…いや、うん、爽快ではありましたが。
★★★
「この人はなぜ自分の話ばかりするのか」ジョーエレン・ディミトリアス
2006年11月12日(日)
著者は、アメリカでもっと有名な陪審コンサルタントだということです。
陪審員…日本では外国映画や小説の中でしかお目にかからないので陪審コンサルタントなんて職業があるのだねーと思ってしまいましたが。本書を読んだ感じでは、弁護側の依頼を受けて、候補者の中から最終的に陪審員として採用される人を決定する役目のようです。
本書は、そういった陪審コンサルタントで磨かれた「人を読むコツ」を伝授しようというものです。
タイトルの「この人はなぜ自分の話ばかりするのか」は、出てこなかったような?(出てきてたらすみません) 昨今は、タイトルのつけ方に工夫を凝らしてるから、それで中味を想像するとダメですね〜。

私の感想としては、当たり前のコトが書いてある、というものでした。別に私が人を見る目があるといいたいわけじゃないんですけどね。
もっと、おお〜と思えるようなことが書かれてるのかと思ったので。
まあ、偏った見方しかできない人が多いということなのかもしれません…。
あと、やっぱりこういう社会学的なこと、心理学的なこと等々は、お国柄によるところも大きいので、他国のこういった本を読んでもあまりぴんとこないなと思います。
「εに誓って」森博嗣
2006年11月11日(土)
Gシリーズ4作目。
山吹早月と加部谷恵美は乗っていた、東京から那古野に向かう夜行の長距離バスがジャックされた。携帯電話の使用は禁じられなかったため、二人は西之園萌絵らに連絡を取る。警察やマスコミの監視の中、バスはゆっくりと那古野へ向かう。
そのバスには、「εに誓って」という、自殺志願の団体が乗っていた。

今回は今までとはちょっと趣向が変わり、二人はバスに乗っているだけ、周りの人間はそれを見守るだけ、という展開です。
今までの中ではいちばん自然でいいかもしれません(笑)
謎があるんだかないんだかという感じですが。
「とるこ日記」定金伸治・乙一・松原真琴
2006年11月05日(日)
"ダメ人間"作家トリオの脱力旅行記というサブタイトルがついているように、3人の作家によるトルコの旅行記です。
定金さんが主文を書き、それにあとの二人が注釈をつけていくというスタイル。最初はwebで公開されたものだそうで、書籍にするとこのスタイルはちょっと読みにくいですね…。

特に大事件が起きるわけでもなく、単調な旅行記なので、ちょっとタイクツ…。でも、3人のやりとりなんかはおもしろかったです。特に乙一のブラック具合が(笑)
あと、松原さんのイラストは非常にかわいかったです。
「GANTZ 10〜19」奥浩哉
2006年11月03日(金)
木曜日に14巻まで読んで、続きが気になったので翌日最新刊まで買ってきました!

GANTZというこの漫画は、死んだはずの人間が一室に集められ、強化スーツと武器と星人を倒すというミッションを与えられ、その活躍によってそれぞれの人間に点数がつけられ、100点を目指す、というのが大筋です。
19巻でようやく、100点に到達するメンバーが数人。

100点で選べるメニューというのが、

1.記憶を消されて解放される
2.より強力な武器が与えられる
3.メモリーの中から人間を再生できる

というもので。
それぞれが予想外な選択をしていて、驚きました。
特におっちゃんの時が泣かせる…。おっちゃんはほんとにいい味出してますね。
彼の時にはなんで!?と思いましたが…。今後、これが活きてくるんでしょうか。

吸血鬼の話はちょっと余計なんじゃないかと私は思ってるんですが、これも今後どうなってくるのか。
私は、メンバーがそろってからの方が好きですね。タエちゃんタエちゃん言ってる玄野くんもいいなと思います。

とにかく19巻はすごくよかった。早く続きが読みたいな。


My追加

Skin by YUKIE