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「パロへの長い道 グイン・サーガ108」栗本薫
2006年06月25日(日)
追っ手からの逃避行を続けるグイン一行。不思議な城へ迷い込むことに…。

やー、ほんとに長い道のりですね!(笑)
私が手にしてるのは外伝かと思いました。
この長い道はいつまで続くのでしょうか……。
「バガボンド 23」井上雄彦
2006年06月23日(金)
又八は小次郎を伴い、吉岡道場へ。吉岡の者たちは、当主と武蔵が果し合いをする日が近づいていたため、当主の代役として小次郎を立てようと考えていた。
現在の当主である伝七郎は武蔵と闘うつもりでいるが、一門の者達は当主が負けては困る、と止めようとしている。

「当主になられたその時から愚直は美徳ではない!」
それはそのとおりだと思うのですよね。
私は、上に立つ者は自分の名誉やなにやらより、守るものがある、と思います。
不器用でも素直な方がいい? 自分しか見えてないだけじゃないか。私は汚いと言われても、器用で卑怯だと言われても、そんな道は選びたくない。
「寿町美女御殿 2」山下和美
2006年06月22日(木)
恐るべし5世帯同居の女系家族の家に下宿することになった青年たち。
今回は優子の恋のお話と、テイおばあちゃんの失踪した夫(ミドリおばあちゃんの息子)のお話。
テイおばあちゃんの強がりと逡巡の気持ちが伝わってくる。
「観用少女」特集号
2006年06月21日(水)
ネムキの増刊号。川原由美子の「観用少女」(プランツ・ドールと読みます)の特集号。単行本未収録作品が5本と、自選ベスト3などなど。
プランツは、生きているお人形。ミルクと砂糖菓子と愛情が栄養。大変高額でありながら、その微笑みに魅せられて人生を狂わせたり救われたりする人々のお話。

やーもう、ほんっとにプランツの笑顔がかわいいんですよ。そりゃ人生も狂うわ、っていう。
今回収録されてる話の中では、私は「スノウホワイト Part2」が好き。

未読の作品が読めたのは嬉しかったですねー。イマイチだったけど…。
「夜来香」は割りと好きでした。卵温める話。ちょっとブラックでいいなと。

お仕事しないのかな…新刊出ないかな……。
「銀河鉄道999」松本零士
2006年06月20日(火)
文庫版全12巻。
星野哲郎は、機械の身体をもらうために、メーテルと銀河鉄道999に乗り旅を続ける…。

という、私が説明するまでもなく非常に有名なこの漫画。
私も子どもの頃テレビっ子だったので、アニメよく観てました。(主題歌は名曲だ!)
今回、友だちが(だいぶ前に)貸してくれたので一気読み。

あらためて読んで思ったのは、すんごくいい加減な設定で描かれてるんだなあ…ってことでした。全編を通しての機関車の態度の一貫性のなさだとかねえ。あまりにも全体的に古すぎるし。

夜空をSLが走っていくのは、子どもの頃観て、確かにロマンだった。
でも、今読んでも色褪せないかと言うと……私にとっては…うーん……。
「薬指の標本」小川洋子
2006年06月19日(月)
「薬指の標本」と「六角形の小部屋」の二編を収録。

「薬指の標本」
サイダー工場で働いていた私は、事故で薬指の先端を怪我してしまい、仕事を辞める。新しい仕事先は標本室。標本技術士が、客の持ち込むものをなんでも標本にする。私はそこでの受付や接待などをこなす。

小川さんの本を何冊か読んで、なんとなくわかってきました。こういう世界が好きなんだなあって。
乾燥して小さなものが整然と並んでいる世界。大切なものを閉じ込めておきたい気持ち。
わからないでもないなあ…。


「六角形の小部屋」
ミドリさんという女性を追いかけるうちに私がたどりついたのは、「語り小部屋」。
その場所ではさまざまな客がさまざまなことをその部屋で告白し、帰っていく。その話を聞く者は誰もいない。
私の打ち明けた話は、恋人だった男性と別れることになったきっかけ。理由もなく芽生えた憎しみの感情。

自分の中に突然に芽生えた感情に対する気持ちが、わかってしまうのがつらいところ…。
こういう話も書かれるんだ、というのが少し意外でした。
★★★
「幸福な食卓」瀬尾まいこ
2006年06月18日(日)
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
家族全員がそろう朝食の席で、父さんは言った。
自殺に失敗した父親、そんな父の傍にいることに耐えられずに家を出た母親、勉強も運動もできるが恋人とは長続きしない兄、そして梅雨になると体調を崩す私。そんな4人家族のお話。

現実味があまりない(と言っては失礼?)、ふわふわした雰囲気のお話を書かれる瀬尾さん。今回のは、今まで読んだ中でいちばん好きかもしれません。
会話が暖かくていいなと。いや、壊れてるんですけどね。

最後のところの「かわいそうに」は泣けました。
どうして、壊れてしまうんだろうね。
★★★☆
「我輩は主婦である」第二週
2006年06月14日(水)
漱石が乗り移ったみどりの異変に、家族はとまどい隠そうとし、いきなり現代に飛ばされた漱石もとまどう。
とまどいつつも、次第に子どもたちに愛情(母性本能?)を感じ始めるのだった。

漱石のボケっぷりと家族の仲のよさが売りなのかな。
しかし、観ているうちになんとなくせつない話なのね…という気がしてきました。

北村薫の"時と人"三部作があるじゃないですか。(私は「ターン」が好き) それの「スキップ」という話を思い出してしまって。
あれは、女子高生が一眠りする間に自分は42歳になっていて、夫も高校生の娘もいる身だった…という話なんですよ。あの話のもやもやした感じがよみがえってきてしまったようです。

このドラマでは、みどりは乗り移られている間の記憶がないようです。つまり、時間を奪われている。
そして子どもたちにとっても、母親の不在という悲しい事態なわけですよ。
一度みどりが戻ったところで家族が大喜びするんだけど、またすぐに戻っちゃうの見て、悲しくなってしまった。

なんというか、きっと漱石先生よりみどりに愛着感じてるからこんな見方になってしまうんでしょうね。困ったものです。
あとね、向かいの奥さん(なまはげ)。おもしろいんだけど……私は人を詮索する人が嫌いなんですよ。それにネグレクトでしょ。滑稽に描いてはいるんだけどーでもなー。

いえ、おもしろいんですけどね。
早くみどりが元に戻りますようにー。と思うんだけど、そうするとこの話が終わってしまうので、私の願いは叶わないわね…。
「我輩は主婦である」第一週
2006年06月13日(火)
柄にもなく昼ドラを観ております!
ミッチーと斉藤由貴が夫婦役で、脚本がクドカン!?てことで。(私はミッチーも斉藤由貴も大好き。クドカンは「マンハッタンラブストーリー」「タイガー&ドラゴン」しか観たことないけど)
全40話ということで、恐れおののいていたのですが、なかなかおもしろい。
もちろんリアルタイムでは観られない時間なので、録りだめて観ております。なので、観たのはとりあえず第一週目。(第一話と二話の半分は見逃したけど)

簡単に筋をまとめると。
矢名たかし(及川光博)とみどり(斉藤由貴)は、学生結婚した夫婦。娘(中2)と息子(小3)がいる。
たかしはレコード会社に勤めていたが、先輩の口車に乗って会社を辞めてしまう。そのためにマンションを手放し、たかしの母、ちよこ(竹下景子)の家に一家で身を寄せることになる。ちよこは夫を亡くした後一人、古本屋を営んでいる。その下町では近所の人がいつも食卓に入り浸るなど、みどりたちにとっては環境の変化が大きい。
たかしは郵便局員として働き出すが、みどりはやりくりに頭を悩ませる。あまりに悩みすぎて、千円札に印刷されていた漱石がみどりに乗り移ってしまう…。

やー、斉藤由貴がかわいい。久しぶりに見たけど、笑顔がほんわりしてて暖かくていいなあ。悩んでる顔はあんまりかわいくないが…。
漱石が乗り移るのが金曜日の回でようやくだったのだけど、それまでのほんわりホームドラマ的な展開が楽しかったから、正直、この設定は余計だったのでは?と思ってしまった。能天気でマイペースなお母さんのままの方がおもしろかったんじゃないかなあ…。もっと笑ってる斉藤由貴が観たいよ。
でもま、次週からの展開もちゃんと観てみないといけませんね。

それにしても相変わらずのおかしな脚本で、小ネタが笑わせる。個人的には矢名家に入り浸る、お向かいのクリーニング屋の奥さんがすごいおかしい。元レディースらしくて、格好もしゃべりもそんな感じで図々しいんだけど、間がいいのかほんとにおかしい。「みの怖い!」に大ウケ。
ミッチーもなかなかいいんじゃないでしょうか。わざとらしさがクドカン脚本だとはまるよね(笑)
「イニシエーション・ラブ」乾くるみ
2006年06月12日(月)
大学四年の僕(鈴木)は、合コンで繭子(マユ)という女性と出会う。好感を抱いていると、彼女の方からアプローチをしかけてくる。やがて二人はつきあうようになり…。

と、あらすじを紹介しただけでは、なんでこの話が「ミステリー・リーグ」なんだ、と思いますよね。
私は、この話は仕掛けのある話だというわずかな予備知識があって読んだんですが、読んでるうちにそんなことすっぱり忘れてました。ほんとに普通の(?)恋愛小説なんですもん。それだけでも、割りと読みやすくておもしろかったんですが、最後に笑ってしまいました。なるほどなるほど。
これは、最後の落とし方がすごくうまいなあ。一言が効いてる。

ミステリを読む快感のひとつは、「騙されるおもしろさ」だと思います。難しいこと考えずに、普通の恋物語として読んでください。そしたら、最後ににやりとしてしまうはず。
★★★★
「さくら」西加奈子
2006年06月11日(日)
年越しを実家で過ごすことにして帰省した薫。
その家には、母親と妹と、3年ぶりに帰宅した父親と、さくらという名前の犬。
薫は家族のこれまでを回想する。妹が生まれた時のこと、今はもういない兄との思い出。

なんというか、そんなに暗く描いてないんだけど、どこが悪いわけではないんだけど、内容は気分が滅入るような内容で…。
家族のあたたかさだとか異端者を見守る視線だとかコミカルな感じだとか、全体的にわざとらしい感じがしてしまって、どうも好きになれませんでした。
どことなく平安寿子を思い出したけど、あちらは読後感がいいからなあ。
★★☆
「王狼たちの戦旗 氷と炎の歌2」ジョージ・R・R・マーティン
2006年06月10日(土)
七王国で4人もの王が名乗りを上げ、あちこちで戦が勃発。
スターク家の子どもたちも各地で、それぞれの運命に翻弄されていく…。

様々な人物の視点で話が進んでいくのだけど、それがすべて「弱者」なのだと解説に書かれていて、なるほどと思いました。
やっぱり私はアリアの話がいちばんおもしろい。少女が一人で生き抜いていくのは、王道でしょー。王宮を抜け出して故郷へ単身帰ろうとするアリアは、あっちに捕らえられ、こっちの小間使いになり、その間に、ジャケンの命を助けたことから、「三つの名前を言え、殺してやる」と言われ…。というあたりの話がわくわくしますね!

しかし、なんというか先が見えなくて不安なままで読み続けるのが少し大変です。
バラバラになっていくばかりで、平穏がどこにもない。

第3部はまだ刊行もされていないようなので、続きをいつ読めるのか…。
「魔法使いの娘 1〜3」那州雪絵
2006年06月08日(木)
日本一の陰陽師を父に持つ初音。しかし、初音は普通の暮らしがしたいと思っている。そんな初音に父は宿題を出す。男二人のうち、片方が人間の弟子、片方は鬼、鬼は初音の命を狙っているという…。

なかなかおもしろい!
オカルトっぽいものは白泉社時代にも書いてましたが、それよりも怖さが増している気がします。
ぞっとする部分もあり、笑える部分もあり、ひきつけられる謎もあり、読み物としても読み応えあり。
別れた奥さんにかけた暗示の話はなんだかほろりとさせられますな。
初音の実の両親がどうして亡くなったのかの謎も今後描かれていくんでしょうね。楽しみ。
★★★★
「十二秘色のパレット 3」草川為
2006年06月05日(月)
色彩の魔術師パレットのお話。
…というか、パレットの留年生セロと、校医のグエル先生とのラブコメ?

おもしろかった〜。オトメなグエル先生がかわいいなあ。
好きな人と口きかなくても3日なら平気で、ギブアップするのは3ヶ月なんだって(笑)(←これはオトメな部分じゃないよ。念のため)
グエル先生大好きだよー。

オルガの話にも笑った。ヨーヨーがてっぺんハ(略)に…。
泣いてるヨーヨーがかわいすぎる。

おまけマンガもすごくおもしろかった。写実主義怖いよ(笑)
★★★★
「よにんぐらし 1・2」宇仁田ゆみ
2006年06月02日(金)
野生児のお父さん(タロー)と、おっとりしたお母さん(ちはる)と、4歳のゆり、弟のコタローの4人家族のほのぼのした日常を描いたお話。
ほんとになにげない日常が描かれているんだけど、ほんとにほのぼのとしてて、家族っていいもんなんだねって思います。子どもがすごく生き生きと描かれていて、きっと宇仁田さんにはこのくらいのお子さんがいらっしゃるんだろうなーと思いました。子どもって、おもしろい。ぶどうを食べさせてると、最初は皮だけ吐き出してたのにいきなり実を吐き出す(つまり皮を食べちゃってる)ようになるのとかすごくおもしろかった。

ちはるのお母さんっぷりもとても暖かくて、こういうお母さんに育てられたら、子どもはすくすく育つんだろうと思いました。
お店や電車等で小さい子供連れを見かけると、確かに子どももうるさいけれど、それ以上にお母さんの叱る声というのが耳障りなものなんですよ。どうしてそんな言葉遣いしかできないんだろう…といつも思う。日常になってしまっている人には、こうじゃないと子どもは言うこときかないんだとか主張があるんだろうけど。どうしてこうなってしまったのかな…と悲しい気持ちになります。
こういう話を読むと、ほっとします。
★★★☆


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