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「ホタルノヒカリ」ひうらさとる
2006年05月29日(月)
27歳にして「終わってる」と言われる、蛍。家では気楽な姿でゴロゴロ、部屋も散らかし放題、恋人もいない。
そんな彼女が、ひょんなことから40過ぎの上司と同居する羽目になり、さらに年下の気になる彼も現れて…。というお話。

働く女性の漫画が今流行ってる、みたいな感じの特集で見かけて、読んでみたいと思ってた漫画です。
…んー、でもあんまりおもしろいと思わなかったな…。
上司と同居なんて現実味がなさすぎる。恋のときめきもなかった女が、いきなり一話目からキスかよー。
どうしてもっとゴロゴロを満喫しないのよ!?(笑)
恋はいいかもしれないけど、ときめきやとまどいがイマイチ伝わってこないよー。

どうもこう…予想(期待?)していたのと違いました。残念。
「ゆくゆく」「アカイチゴシロイチゴ」宇仁田ゆみ
2006年05月28日(日)
「ゆくゆく」宇仁田ゆみ
「トリバコハウス」の番外編。
周りの人間のその後を描いた短編集。
どれもよかったけど、遠距離恋愛になった鎌谷くんとミキのお話よかった。
いいラストでした。
★★★★


「アカイチゴシロイチゴ」宇仁田ゆみ
短編集。
どれも、一風変わった恋愛もの。
うーん、悪くないんだけど、この人のは長編の方が好きかも。
★★★
「トリバコハウス 1・2」宇仁田ゆみ
2006年05月27日(土)
専門学校の受付として働くミキ。年上の男性と付き合い、職の紹介も部屋代も彼持ち。彼は門限や男性との飲み会などに厳しい。
しかし、ミキはあるとき失礼な学生と出会い、違う自分に目覚めていくことになる。
トリバコ荘の住人との暮らしぶりを描いたお話。

藤田さん(7年もミキが依存してきた年上の男性)の執着ぶりが、あんな風に終わってその後何もないの?というのがちょっと疑問なのと、ミキの父親に対してのトラウマみたいなものがまったく描かれてないのが、ちょっと不満。
でも、鎌谷くんとの関係はすごくいいなと思いました。ぶっきらぼうだけど、かけてくれる言葉や態度が、ミキをちゃんと受け止めてるんだなーっていうのが伝わってきて。
頼りないミキが、だんだんと力強くなっていく様子も好感持ててよかったと思います。
トリバコ荘のみんなも、アットホームでいいなあ。随所随所のシーンが、じーんときておもしろかったです。
★★★★
「マニマニ」宇仁田ゆみ
2006年05月23日(火)
「うさぎドロップ」があまりによかったので、過去の作品を数冊購入。(すみません、給料日前なんでXOOX-OXXですが)
まず一冊。
それぞれの話の登場人物が他の話にからんでくる形の連作短編集。男女の恋模様、と言ってしまうと簡単なのだけど、距離感とかが絶妙で暖かい。あっけらかんとしているのに、すごく繊細なんだなあ。

私が好きだったのは、若くして未婚の母になってしまう紅羽の話。北守くんとの会話がいい。
あと、津恵先生の話。子供の頃から人付き合いが苦手でかわいいものも苦手で、面倒なことを押し付けられる彼女。学校になじめないスクールカウンセラーのカウンセリングを押し付けられているのが笑える。彼女の心の本音がいちいちもっともで、ほんとにおもしろかった。

なんていうか、全然特別なこと描いてる気がしないのに、なんだかいいなあと思う。そんな漫画です。
★★★★
「うさぎドロップ 1」宇仁田ゆみ
2006年05月22日(月)
亡くなった祖父の隠し子・りん(6歳)を引き取ることになった大吉(三十路男)。
りんの出生という謎も気にかかるけれど、りんとのやりとりがすごくかわいくて心温まる。何の気なしに立ち読みしただけなのに、即購入を決めてしまった。

ぶっきらぼうな大吉がいい。
70過ぎの祖父が残した幼い子ということで、葬式の後に「引き取らない」ことを話し合う親戚に向かって啖呵をきるのがいい。そうだそうだ、言ってやれ。
引き取った後も、転職を考えたりおねしょに悩んだりと、りんのために頑張る姿は等身大ですごく好感が持てる。

そしてりんがすごくかわいい。
ほとんどしゃべらずに大吉の後をついて回る姿。一見クールで無表情な彼女が見せる表情が、とてもぐっとくる。

あーかわいいなあ。
こんな(静かで賢い、私のような)子供ならいてもいいかもなあ。…とつい思っちゃったじゃないですか!
少子化対策なら、こういう漫画を広く読ませるといいかもよ。

「子供って、深く詳しく説明する言葉をまだ持っていないだけで、心の中ではもうずいぶん複雑なこと考えてるんだよね」
そうかもしれないなあ…。
★★★★★
「虐待された子供たち」秋月菜央
2006年05月21日(日)
実の父母・祖父母・義理の父母などから虐待を受け、児童養護施設<虹の子ホーム>に連れて来られた子供たちのドキュメント。

日々、虐待された子供が保護された、虐待していた親が逮捕されたなんてニュースを聞きますよね。
実際には虐待を受けている子供の数というのは報道される数の何倍もなのでしょう。子供たちがそれによってどういう傷(精神的な)を受けるかというのは、私たちには想像することしかできない、いや想像すらもしないのかもしれません。

養護施設の職員の方の苦労というのは、大変なものなんでしょうね。
それなのに続けられるのは、子供の奥にある純粋な部分に触れることができるからだそうです。

高齢者施設には予算がたくさんあるから設備が充実しているが、児童養護施設は予算も足りなく、職員一人が受け持つ児童の数が多すぎるという内容も出てきました。
少子化が問題になっている一方で、自分の子供を可愛がれない親がいることは事実であり、それが明らかになっている以上、目を背けずに児童養護施設はもっと充実して欲しいと思います。
「あしながおじさん達の行方」今市子
2006年05月15日(月)
春日は4歳の時に母親の元を離れ施設で育つ。施設で育った子供は、みんな早くここを出て自立したいと思っている。春日も、中学卒業を機に施設を出て、自分を今まで陰から支援してくれていた「あしながおじさん」を探す。
毎月届いていた手紙の差出人の下へ向かった春日は、あしながおじさんは5人の共同出資だったことを知る。さて、その5人とのつながりとは…?
という筋立て。

春日やそれぞれの微妙な心情も細やかに描かれているし、謎解きのストーリーとしても読み応えあり。少しずつわかっていくのに全容はなかなかわからず、しかも最後にどーんとした結末が待っている。

どうしていたらよかったかなんて、誰にも言えなくて、過ぎた時間は戻せない。
せつないけれど、暖かい気持ちになれて、とても良質な漫画でした。

この人の初めて読んだけど、絵も好き。
よし、次は「百鬼夜行抄」だ!
★★★★☆
「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎
2006年05月14日(日)
内容(「MARC」データベースより)
人間嘘発見器・成瀬、演説の達人・響野、天才スリ・久遠、正確無比な体内時計の持ち主・雪子。史上最強の天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。しかし…。「陽気なギャングが地球を回す」に続く第2弾。

新刊はもう買うのやめよう…とか言ってましたが、これは別!!
だって大好きなんだもん♪ 「重力ピエロ」と一、二を争うほどに大好きなんです、ギャング。
今回の話は、短編集…だと思っていたら、雑誌に掲載された4編を再構築して一章にして長編に書き下ろしてるんですね。やっぱり4人の絡みがおもしろいと思うから、それは嬉しい。
で、感想はというと。うーん、後半ちょっと甘すぎるだろうとか思ってしまった。途中まではおもしろかったんだけど。
でもいいです、この4人の話がまた読めただけで。どんなにぐだぐだでもいい(笑)

個人的には「恐怖新聞」に大ウケ。
★★★☆
「終末のフール」伊坂幸太郎
2006年05月13日(土)
出版社 / 著者からの内容紹介
あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。
2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。


あと3年で世界が終わってしまう、そんな世界の話。
ケンカしたままの父と娘、妻の妊娠がわかり悩む夫婦、恨みのある元アナウンサーを殺そうと押し込む兄弟、両親を亡くして読書を続ける少女、ジムに通い続ける少年、天体観察の好きな同級生と会う男、様々な人の孫や妹や母を演じる女性、レンタルビデオ店を経営する男性…。
さまざまな人の生き方が描かれてます。

うーん、思ったよりよかったです。
淡々と進むのだけど、なんとなくほわっと暖かい気持ちになれて。
私は「太陽のシール」「籠城のビール」「天体のヨール」(このタイトルは無理がある気が…)がよかった。
★★★☆
「真・イズミ幻戦記 暁の国2」若木未生
2006年05月08日(月)
ああ〜拓己が…。
陽気だった人が傷を負って急にダークになる展開は割りと好きなんですがー。
拓己は省吾と一緒にいるのがいちばんだと思うから、早く会えますように。
っていうか、早く話進めてください…。

最近、満足度は60%くらいでもたくさん書いてくれる(ちゃんと話を終わらせてくれる)人がいいなって思ってます。
「I LOVE YOU」伊坂幸太郎他
2006年05月07日(日)
恋愛小説のアンソロジー。
私はあまり恋愛小説読まないんですが、なぜならば読み終わって、それで?って思ってしまうからですね。
でも私は好きだと思った作家の作品は読むことにしてるのです。今回は、まあ伊坂幸太郎が載ってたので読みました。
市川・中田・中村は読むの初。

・伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」
姉の元恋人と偶然出会う話。
以前は彼の文章が鼻につくというのがわからなかったんだけど、最近わかるようになりました。もう新刊買うのはやめよう…。

・石田衣良「魔法のボタン」
失恋したばかりの男性が、友だちの女性と飲み歩く(?)話。
まあ、彼はうまいよね。

・市川拓司「卒業写真」
女性が中学の同級生の男の子と再会する話。
初々しくて、私はこの話がいちばん好感持ちました。

・中田永一「百瀬、こっちを向いて」
幼なじみの先輩の頼みで、百瀬という女の子と付き合うフリをする羽目になった少年の話。
乙一の別PNだとかいう噂を目にしましたが、読んでみてなるほど、と思う話。真偽のほどはともかく。人間レベルとか(笑)
うん、嫌いじゃないです。

・中村航「突き抜けろ」
恋人とルールを決めて付き合う少年が、友だちや先輩(?)と毎週鍋をする話。
よくわからん。

・本田孝好「Sidewalk Talk」
離婚を決めた夫婦が食事をする話。
そつがなさすぎ。さらりと読めてさらりと忘れてしまう。


総括としては、やっぱり、それで?って思ってしまうわけなんですが。
「女神」明野照葉/「黒い仏」殊能将之
2006年05月06日(土)
「女神」明野照葉
内容(「MARC」データベースより)
「私、生まれ変わる」 美貌、抜群のプロポーション、トップ・セールスを誇り、エリート医師の恋人を持つ完璧な女・沙和子。彼女の裏に潜む真実とは? 恐怖ミステリー。

完璧に見える女性が、実は…という話です。
「恐怖ミステリー」っていうけど、それほどぞっとしないしドキドキもしない。沙和子の表情の翳りに気づいて彼女を調べ始める同僚の女の子が、もっとハラハラドキドキの体験をしたらいいのに。
でも、やはりこの作家は成り上がる女を描かせたらうまいなと思いました。
★★☆


「黒い仏」殊能将之
内容(「BOOK」データベースより)
九世紀、天台僧が唐から持ち帰ろうとした秘法とは。助手の徐彬を連れて石動戯作が調査に行った寺には、顔の削り取られた奇妙な本尊が。指紋ひとつ残されていない部屋で発見された身元不明の死体と黒い数珠。事件はあっという間に石動を巻き込んで恐るべき終局へ。ついにミステリは究極の名探偵を現出せしめた。

なんじゃそりゃ、っていうのが正直なところ。謎も、謎を解く過程もまったくおもしろくない。
や、でも嫌いじゃないよ! なぜか読みやすいし。解決(?)のあたりはにやにやしてしまう。

あーハサミ男はおもしろかった…。他のも読んでみましょう。
★★
「DEATH NOTE 11」「天空聖龍 2」「7時間目ラプソディー」「龍の花わずらい 1・2」
2006年05月05日(金)
「DEATH NOTE 11」小畑健・大場つぐみ
伏線を張り巡らせる巻、という感じでした。
もうややこしくてなにがなにやら。
次巻で大きく展開しそうなので期待。


「天空聖龍〜イノセント・ドラゴン〜 2」山口美由紀
やーー、カナンがかわいいです!
ぽやぽやした外見も、一見ぽやんとした性格も。
雑誌の方も時々立ち読みしているのでなんとなく続きはわかってるんだけども、先が楽しみ。身体に異変を覚えるカナンの今後やいかに!?


「7時間目ラプソディー」田中メカ
恋愛相談室を開くふざけた国語教師・佐久先生と、マジメな委員長・倫子さんの恋物語。
なんとなくリアルな学校生活を思い出してしまってちょっと気持ち悪くなってしまうんですが(笑)
書き下ろしのおまけ漫画はかわいかった。振り回されてもだえてる先生がかわいいなと。


「龍の花わずらい 1・2」草川為
龍の一族のシャクヤ(龍に変身できる)には、婚約者が二人。現婚約者のクワンは警察局の役人でクール。元婚約者で失踪から戻ってきたルシンは、昔の記憶がない。
シャクヤの手の甲に刻まれた花の刺青は、相手への恋心に比例して増えていく。薔薇はルシン、竜胆はクワン。
1年後、花の数が多い方が正式な婚約者となることに…。
という中華風味なお話。

なかなかかわいいお話で、最近とても気に入っております。
どちら派でもないけど…。あえて言えばルシン。
虎も、最初は不細工なうえに役立たずな…と思うけれど、次第にその可愛さに骨抜きになるのです。うちにも欲しい。

あと、2巻のおまけ漫画の最後のページ、パレットの登場人物に龍の登場人物が仮装しているのだけど、ルシンが可哀想で笑えます。
「氷と炎の歌1 七王国の玉座 上・下」ジョージ・R・R・マーティン
2006年05月04日(木)
内容(「BOOK」データベースより)
季節のバランスが崩れ、夏と冬ばかりが何年も続く「七つの王国」。かつての王ターガリエン家を退位させてから、スターク家、バラシオン家、ラニスター家ら王国の貴族たちは不安定な休戦状態を保ってきた。ところが、現在の王ロバート・バラシオンが幼なじみのエダード・スタークに補佐役「王の手」を任命してから状況は一変する。首都キングズランディングで渦巻く王権を巡る貴族たちの陰謀は、エダードとスターク家の子供たちを次第に巻きこんでゆく。一方、南方の草原では「ドラゴンの子孫」を名乗るターガリエン家の末裔が騎馬民族と結託して、王座の奪回を狙っていた。また王国の北側を守っている「壁」の向こうでは、人知を超えた邪悪な力が蠢き出し、七王国に長く厳しい「冬」の予感が漂い始める…。ローカス賞受賞の大河ファンタジイ「氷と炎の歌」、ついに日本上陸。


うわぁぁぁん、上下巻読み終わっても、全然話が終わってないよーー!!
アリアはどうなったの、スターク家はどうなっちゃうのーー!?

Amazonの感想にもたくさん書かれてますが、とにかく登場人物が多くてそれぞれ愛称だの役職だのいろんな名前で呼ばれてたり似たような名前とか同じ名前の人がいたりして、なにがなにやら。上巻を読み終わる頃ようやく、巻末に登場人物(25ページにも亘る…)があることに気づきました…。
でも、主要人物がわかってれば大丈夫!
登場人物がとにかく多くて、しかも場面があっちこっち飛ぶので最初はついていくのが大変だけど、スターク家が一応軸となっていて、彼らに愛着が沸いてきます。
のけ者アリアと呼ばれるおてんばな女の子だとか、小鬼と呼ばれるティリオンなんかが味があってよいです。
うわあ〜と、叫びたくなるような展開が満載ですが、それもこの世界が迫力あって魅力的であるが故なのでしょう。

続巻が早く読みたいけど、この話はまだまだ続いていくようなので、今刊行済みのあと2冊を読んでも、満足する読後感は得られないんだろうなあ………。


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