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「PLUTO 3」浦沢直樹・手塚治虫
2006年03月31日(金)
ウランちゃんが活躍。涙を流すウランちゃんがきゅんとくる。
そしてプルートゥも登場。予想しない登場の仕方でびっくりですよ。プルートゥという名前も不思議な語感で素敵だな。
エプシロンも登場。美しい(笑)

3巻も勢い衰えず、素晴らしい!
「東京物語」奥田英朗/映画「木曜組曲」
2006年03月30日(木)
名古屋から東京に上京してきた一人の青年の成長物語。
広告代理店でコピーライターとして活躍する(こき使われる)話から始まって、予備校に入るため上京した話に遡ったり、部下を使うまでになったり…と、彼の成長とその時代ごとの事件や音楽(ジョン・レノンの射殺事件とか)をからめて連作短編が進んでいきます。

おもしろかった。あー人間ってこんな風に成長していくんだよなーと。
特に、お見合いの女性との話がよかった。女性の感情の流れがすごく共感できる。
あらためて、奥田さんうまい、と思いました。
★★★☆




映画「木曜組曲」
以前から見たいと思っていた「木曜組曲」。図書館にあったのでついに見ることができました。
ほとんどが家の中で5人の女性の会話で進んでいくというこの物語。でも、映像にしてもスリリングで、美しかったです。映像化するとまったく別物になってがっかりするということが多いけれど、これは雰囲気があってよかった。
五角形のテーブルを囲んで、食事しながら過去の事件について語り合う女性たち。
食べ方も個性的で、しゃべり方や表情もそれぞれのカラーがある。よくできてます。

ところで、富田靖子という女優は、なんだか怖く感じます。ほんわりとした雰囲気なのに、笑っていても目に狂気を感じる。どうしてでしょうね。

あと気になったのが、尚美と時子という登場人物が出てくるんですが、西田尚美と加藤登紀子という出演者もいるわけです。自分の名前で他の人が呼ばれていて、自分は違う名前で呼ばれているというのは不思議な気持ちじゃないのかなと。
そういう裏側を考えながら見ちゃいけないんでしょうが。
「あたりまえのこと」倉橋由美子/「魔女モティ」柏葉幸子/「という、はなし」吉田篤弘,フジモトマサル
2006年03月29日(水)
「あたりまえのこと」倉橋由美子
小説論ノート。狂気や自殺など、小説で描かれることに対して書かれたもの。
…えーと、おもしろいようなよくわからないような……。

自殺というのは事故のことなんだという論理がおもしろかった。でもイマイチ私の寝ぼけた頭では理解できなかった。残念。



「魔女モティ」柏葉 幸子
児童書です。
キーちゃんはお母さんと喧嘩して家出。公園でブランコに揺られていたら、しゃべる猫にスカウトされて、魔女モティの家族役を務めることに。お父さんはなんとピエロ。
落第生のモティは、とある島でみんなをいろいろ助けることに…。

という擬似家族ものですね。
魔法で集められた「いなくてもいい女性」の話が、ちょっとシュールだなあ…。
モティがキーちゃんにむかって、嫌いな子と1時間だって親子のフリなんかできないっていうのが、じーんときた。



「という、はなし」吉田 篤弘, フジモト マサル
読書する動物のイラストと、それに添えられた3ページほどのショートショート。これ、イラストが先にあって、後から文章を考えたんですって。(そういう連載だったらしい) すごい!
ほのぼのしていて、時に哲学的。

私もこういうのが書けるようになりたいなあ…。
「エンド・ゲーム」恩田陸
2006年03月25日(土)
「常野物語」に収録の「オセロゲーム」の続編。
旅先で眠りについてしまった瑛子。時子は、あの番号に電話をかけることに…。

おもしろかった。私は好きです。
オセロゲームのように「裏返し」「裏返される」という能力…というか感覚。そんな、誰も経験したことのないことを、これだけリアルに描けるというのはすごいことなんじゃないかと思います。
暗闇の中を手探りで進んでいくうちに、手触りでいろんな実感が得られていく感じ。だからこそ、終盤のあっけなさにはみんなとまどいを覚えるのではないかと。いきなりぱあっと明るくされても、触感と視覚とが結びつかなくて、かえってよくわからなくなってしまうんじゃないかと思いました。

でもおもしろかったです。雰囲気としては「禁じられた楽園」と似てますね。
忘れていたはずの恐怖体験が出てくるし。そういうところの描き方がうまい。様々なシーンが、視覚的でありながら感覚的。火浦と初めて出会うシーンとか、ゴールポストが視界の隅に飛び込んでくるとか。
そういうところが大好きです。
何もないのに、読んでいる間何度も泣きそうになってしまった。
★★★★
「姫様の花束 1」碧也ぴんく
2006年03月24日(金)
三人の少年がいる花屋さん。そこに訪れるお客さんたちのお話。

なるほど、ハートフルストーリーでした。
話が進むほどによくなる感じ。

「バレンタイン計画」で、10年ぶりにあった父親とのわだかまりがある女の子の話がせつなかった。10年前の子どものままだと思っている父親と、10年間分のことが忘れられない娘というのが…。気持ちが伝わってきて。
「私の嫌いな10の人びと」中島義道
2006年03月19日(日)
・笑顔の絶えない人
・常に感謝の気持ちを忘れない人
・みんなの喜ぶ顔が見たい人
・いつも前向きに生きている人
・自分の仕事に「誇り」をもっている人
・「けじめ」を大切にする人
・喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人
・物事をはっきり言わない人
・「おれ、バカだから」と言う人
・「わが人生に悔いはない」と思っている人

今回も、上記のような世間的には「いい人」と思われているであろう人を、ばっさりと切っています。
半分くらいは痛快です(笑)
私は暗くてみんなが後ろ向きな会社に就職したい!

おもしろかったところ。
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小学校一年生の最後の日、つまり終業式が終わって教室に戻ると、太った若い女の先生が、突然「みんな、笑う二年生になりましょう!」と宣言するや、文字通り腹を抱えて「わっはっは、わっはっは」と笑いはじめた。そして「さあ、みんなも一緒に」と大声で言うと、クラス中に「わっはっは、わっはっは」の大合唱がとどろく。しばらくすると、彼女は私のほうをきらりと見て、「中島君、なんで笑わないの?」と聞く。私はもじもじしながら小さい声で「バカらしいから」と答えました。それに先生がどう答えたか忘れましたが、当時からずいぶん「厭な子」だったのですね。
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いやほんとに、こういうバカらしいことってよくあります。
でもそれに対して「バカらしいから」と律儀に答えるのが、すごいおかしくて私のツボでした。
「奥さまはマリナーゼ」ほしのゆみ
2006年03月18日(土)
浦安に住む主婦の絵日記。オットとのしあわせな生活のちょっとしたことをひとコマの漫画と文章でつづったものです。
くすっと笑えて、息抜きにいいかも。

驚いたのは、おせんべいの名前。
私、「君作」だとばっかり思ってましたー!(「名作」だそうです)
「やさしい悪魔の物語 9」川口まどか
2006年03月17日(金)
なんと!10巻で終わりだそうですよ!
「やさしい悪魔の物語」は、特に進展とかなく進んでいくのかと思っていたのに…。
ナナイロとベンベラ、スライアーたちも巻き込んで、魔力を失った夢の中での生活。やさしい悪魔(兄)とナナイロが兄妹だったりとかして、不思議な感じです。
これは誰の夢の中なのか?という謎がどう解かれていくのか。ナナイロとの関係もどうなるのか興味津々です。
次で終わってしまうのは残念だけど…。
「ちびギャラ ろくっ」ボンボヤージュ
2006年03月14日(火)
Nさんの携帯で見せてもらったのがきっかけで知ったちびギャラ。最近はコンビニでキャラクターものが売られてたりもしますね。
かわいい(?)イラストに添えられた言葉。ちょっと326っぽい感じもありつつ、さりげない言葉が嫌味がないのがいいなと。
たとえば「嫌いになれたら後ろなんて向かないのに」とか。
中には意味不明なものも多いけど(笑)
なんとなく気になるちびギャラです。
「1/2 ニブンノイチ 1」木々
2006年03月13日(月)
カラダもココロも二つだけれど、魂はひとつ?
一人が起きている時は、もう一人は仮死状態になってしまうドギーとマギーの双子の学園生活。

なかなかおもしろかった。
双子もかわいいし、シウ先輩もステキな上に秘密がありそうだし、ジュリエット(鳥型のロボット)もかわいい。
会話することもできなかった双子が、ケンカできるようになるのもいいなって思う。
彼女の話はあまり話自体は進んでいかない印象だけど、これはどういう終わり方をするのかな。
「τになるまで待って」森博嗣/「バガボンド 22」井上雄彦
2006年03月12日(日)
Gシリーズ3作目。
超能力者の住む<伽羅離館>で起きる事件。館に閉じ込められたいつものメンバー。

相変わらず、で?っていう終わり方ですなあ。もう慣れたけど。
これはつまり、SMならぬKKシリーズ?? で、SMのその後をフォローするためのシリーズ??


「バガボンド 22」井上雄彦
吉岡清十郎との戦いを終え、刀研ぎの老人の家に身を寄せる武蔵。そこには小次郎が…。

なんだか感想を書くのが難しい…。
清十郎はせつなかったなあ。
「大原さんちのダンナさん」大原由軌子
2006年03月11日(土)
最近多い「ダーリンもの」。ここのダンナさんは神経症なんだそうです。
パニック障害と神経症の彼は、外出時は帽子とマスク、焼肉屋ではウィンドブレーカーにタオル、潔癖症で、家を出る時には鍵やコンセントや灰皿をすべて点検しなくては気がすまない。
…ほんっとーに、大変でしょうね。一緒に暮らすとなったら。
すごいなあ、と感心しました。
絵がすごくかわいいし、あっさりと楽しく描かれているので読み物としては楽しめるけれど。
読み終わっていちばん思うのは、すごいなあってことですね。
「シュレーディンガーの猫―パラドックスを生きる―」小倉千加子
2006年03月10日(金)
「小説以外」同様、様々な雑誌や新聞などに発表されたコラムなどをまとめた一冊。同じような本を同時進行で交互に読んでいたので、時間が経ったら内容が混ざってしまいそうです。

・恩田陸同様、「少女が女性になるときに感じる恐怖」というものに触れていたことが興味深い。

・「壮絶な孤独を自覚しながら、世の中は変わるはずがないという「予めの断念」を持って病んだ者の視点から小説を書くという「病人文学」を読むと、「小説を書く前に、病気を治せよ」と呟いて、本を投げ出すのであった。」
なんだか耳が痛い…。

・私は林真理子は読んだことないのだけど、「林真理子論」はかなりおもしろかった。

・「文章には、否応なくその人の人格が出る。」

・「この差は、現役学生が中学高校の間に対教師用の対応マニュアルを会得してしまったからである。教師が言いたかったことを要領よくまとめて書くのだ。社会人は常に自己の問題と引き比べて正面から物を考えるために、そんな器用なことはできないのである。」
学生の頃からそういうのが苦手な私は、心慰められた。

・占い、姓名判断に対しての見解(弁護?)については、承服できかねる。命名に対してのこだわりという点では配慮があるということになるのだろうけど。妄信は思考停止であり迷惑でしかない、というのが私の常日頃の思いです。

・山本文緒との対談もなかなかおもしろかった。「前駆快感」と二律背反的な状況。「一次愛」というのは、「幼児のときに母に抱いていた愛です。相手のことを顧みない欲望、飽く事のない欲求を言い、誰もが持ってるし、一生続きます。」
「幸せの翼」ジミー
2006年03月09日(木)
彼の絵本は「君のいる場所」と「君といたとき、いないとき」を持っています。
「大人の絵本」という言葉が似合う絵本。(この場合の「大人の」は、「オトナのおもちゃ」とは意味がまったく違います。念のため)
絵もストーリーも繊細さと暖かさとせつなさを感じさせる絵本です。

今回の「幸せの翼」は、ある日背中に翼が生えてきた男が主人公。世間は期待を込めて騒ぐけれど、本人は…というお話。
ちょっとシニカル。でも、強さを感じさせるお話でした。

羽を出すための穴が開いた服がずらりと並んでいるページがあったり、これぞ絵本の醍醐味だなーと思いました。小さい頃、図鑑のようにパンとか卵とかがずらりと並んだ絵本が大好きだったので。
構図も大胆だったり、繊細だったり、ストーリーと共に、絵を読む醍醐味を味わえる絵本です。
「小説以外」恩田陸
2006年03月08日(水)
小説以外の文章を集めたエッセイ集。
どれも2〜3ページくらいの短いものばかりです。
しかし、どれも恩田さんらしい視点と独特の雰囲気があって、彼女の文章自体が好きな私にはなかなか楽しめました。
彼女は本を薦めるのがうまいなあ。読んでみたいと思う本がけっこうありました。そういう文章の書き方を私も身につけたいものです。
「HUNTER×HUNTER 23」冨樫義博
2006年03月03日(金)
なんともう23巻なんですね…。20世紀少年より巻数多いと思わなかったよ。
なんとなく最近、ジョジョを読んでいるような気持ちになります。
軍儀の話は気になります。これはどうなっていくんでしょう。
「20世紀少年 21」浦沢直樹
2006年03月01日(水)
今回は、少年たちの過去の記憶の話がよかった。逃げたの逃げないの。
年老いてくると、昔のことってけっこう思い出せなくなってくるのよね(笑) 俺って逃げなかったんだ…みたいな、そういうのがよかったです。


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