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2004年総括
2004年12月31日(金)
今年読んだ本は111冊。漫画は58冊。(ここに感想載せてるもののみ)
うーん、今年は割りと読めたかな。

■今年読んだ小説でおもしろかったもの
「ワイルド・ソウル」垣根涼介
「本格小説」水村美苗
「マルドゥック・スクランブル」冲方丁
「残虐記」「グロテスク」桐野夏生

恩田陸は「Q&A」「黄昏の百合の骨」「まひるの月を追いかけて」「クレオパトラの夢」と4冊読みましたが、どれもおもしろかった。こんなに新刊が読めて、どれもハズレがないというのは嬉しいですね。
伊坂幸太郎は「グラスホッパー」と「チルドレン」の2冊読んで、私は「チルドレン」がよかった。


■今年読んだノンフィクションでおもしろかったもの
「ベストセラー本ゲーム化会議」麻野一哉・飯田和敏・米光一成
「絶対音感」最相葉月
「物語の体操」大塚英志

それから、今年は中島義道氏にはまりました。
何冊も読んだのですが、私が好きだったのは「ひとを<嫌う>ということ」「私の嫌いな10の言葉」「うるさい日本の私―音漬け社会との果てしなき戦い」かな。


■漫画でおもしろかったもの
今年の話題は
「DEATH NOTE」原作・大場つぐみ/漫画・小畑健
「PLUTO 1」浦沢直樹・手塚治虫
の2作がかっさらっていった感じです。どちらも文句なくおもしろい。
私が今更言うほどでもないくらいに有名な2作ですが、それでもあらためておもしろい!と言いたくなるくらいおもしろい。

「フラワー・オブ・ライフ」よしながふみ
「ダーリンは外国人」小栗左多里
もよかった。

読み続けているもののなかでは「ハチミツとクローバー」(羽海野チカ)と「20世紀少年」(浦沢直樹)はいつもテンション高くておもしろいなと思ってます。
「空中ブランコ」奥田英朗
2004年12月28日(火)
精神会…いえ、精神科医の伊良部の元をおとずれる様々な人間…スランプの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のヤクザ、強迫神経症の医師、送球が暴投になる野球選手、似たような設定でばかり書き続ける女流作家。
伊良部は巨漢で、無邪気な子供のような言動の変わり者で、ほとんど治療らしい治療をしない。好きなのはビタミン注射…にも関わらず、患者が癒されていくようすがおもしろい。
文章もコミカルで読みやすい。そんなんで治るかーと思ってしまったりもするけど、難しいこと言わず肩の力を抜いて読みましょう。「養父のヅラ」は笑いました。
★★★☆☆
「日々是作文」山本文緒/「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実
2004年12月26日(日)
「日々是作文」山本文緒
小説以外の細かなお仕事を集めた本。
彼女はエッセイよりは小説の方が好きですね。でもなんとなく好きな作家のはなんでも読みたくなってしまうんだよなあ。
★★☆☆☆

「犬は本よりも電信柱が好き」吉野朔実
本にまつわるコミックエッセイ、とでも言ったらいいんでしょうか。そのシリーズの4作目かな。
すごく好きなシリーズだったんですが、今回はあまり読みたくなる本もなく、知っている本もなく、さらりと読み終わってしまいました。
★★☆☆☆
「蜃気楼の旅人 グイン・サーガ98」栗本薫/「イヴの眠り 3」吉田秋生
2004年12月25日(土)
「蜃気楼の旅人 グイン・サーガ98」栗本薫
ようやくお話がグインに戻ってまいりました。新たなステージに入ったのかな、という感じ。
しかし、もう少しさくさくっと話が進んでいかないもんかなあ。
この人のすごいところは、これだけの長さを書けるということもあるけど、他の人はどうしてこんなに長い話を書かないかって、これだけの量を書く必要がないからじゃないかとも思います。そんなこと(どんなこと?)はもういいよーーとか思ってしまう(苦笑)


「イヴの眠り 3」吉田秋生
なんとなく、展開が毎回同じな感じがしてきた。


あと、某誌の連載が続々最終回。
輝夜姫も美女が野獣も、なんだそりゃ!と言いたくなる終わり方でございました…。
……またジャックとエレナ描いてくれないかな〜。
きっとカレカノ(もうすぐ終わる)も、なんだそりゃーなんだろうなあ。
「電車男」
2004年12月23日(木)
電車男は、私はテレビのブックランキングで見て、今売れてるらしいけどなんだろう?と思ったのが最初です。ハサミ男みたいなもんか?とちょっと思いました(笑)
その後書評とか見たりとかして、要するに2ちゃんねるの書き込みをまとめただけを本にするってすごいなあと思って。まとめサイトで全部読めるっていうんで、見に行ってみました。

別になんの期待もしていなかったんだけど、読んでみたら笑えるし泣けるし、とてもおもしろかった。周りの人たちが人のことに一喜一憂したりつっこんだりしてるのがとにかく笑えます。
個人的にすごくウケたのが「暗号解読班を呼べ」「にわとりと戯れてる間に…」「鹿の生首」ですかね。
このノリを楽しめるのは個人差があるような気もするんですが、楽しめる人はかなりおもしろいと思います。私は笑って泣いちゃったよ(笑)

→参考「ベストセラー本ゲーム化会議」
http://media.excite.co.jp/book/game/007/
→まとめサイト
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Aquarius/7075/
(電車男の話だけじゃなくて、他のも載ってる)

★★★★☆
「秋日子かく語りき」大島弓子
2004年12月18日(土)
NHKで泉ピン子が主演だったドラマの原作。
事故でなくなった50過ぎの主婦が、共に事故にあい助かった女子高生の身体を借りて、一週間だけ生き返るというお話。
話自体は、ふーん、という感じ。
ひとつ、そうだよそうだよ、と言いたくなったのが、友だちに、お礼って言って、お菓子をあげるとその友だちが怒ってしまうという場面。
会社で、何かを頼まれてしてあげると、すぐにお菓子などをくれる人が何人かいるんですね。それが嫌なんです、私は(苦笑)
なんで嫌なのかいろいろ考えたんだけど、私が何かを頼んだ時に私も物を返さないといけないのかな(だから頼みにくい)と思ったりとか、そういう儀礼が嫌な自分ていうものを考えるのが嫌だったりとか、こっちは好意でしてあげてるのに、なんでも物で済ませようとするのが嫌だったりとか。
まあそんな感じですね。

あともう1本のお話は不思議な感じの話だった…。その他に50の質問とか著作解説とかが入ってます。
「ガラスの仮面 42」美内すずえ
2004年12月17日(金)
マヤと速水さんと桜小路くんの三角関係に発展! 亜弓さん蚊帳の外(笑)
マヤの立ち直りの早さはどうかと思うけど、速水さんの嫉妬ぶりが楽しいので許す(笑)
でもきっと桜小路くんは損な役回りなんだろなあ…。紫織さんはもちろん蚊帳の外です。
「やさしい悪魔の物語 8」「死と彼女とぼく ゆかり 4」川口まどか
2004年12月15日(水)
「やさしい悪魔の物語 8」川口まどか
最近やさしい悪魔があまり出てこなくてつまらない。

「死と彼女とぼく ゆかり 4」川口まどか
2本を収録。
人形に入り込んだ死者の話と、松実くんの昔の話。人形の話は割りと好き。
日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2005
2004年12月11日(土)
ロッキング・オン。
怖いと言っても、ホラーの本を集めたものではありません。「シビアな激論」なので怖いらしい。…そうかなあ?
興味のあるとこだけパラパラと読んでみました。
以下、メモ風に。

・北野武インタビュー
シロクマが鼻隠す話がかわいい。

・よしもとばななインタビュー
なかなかおもしろかった。キッチンくらいしか読んだことなかったけど、興味が湧いた。今度読んでみよう。王国とデッドエンドがよさそうかな。
「世の中にどうして不幸な人がいるのか」
「フィクションを生きている人ってすごい不安定だから」
「浜崎あゆみとかね。私もほっといても夢見がちだから、そっちになりやすいですよね」
「自分のテンションが落ちるとダメですね。文章が理屈っぽくなってきます」
「ほんとにこの音楽を人生と思うかって言われたらやっぱり違う」
「だいたいの人はそれで一生終わっていいんじゃないかなって、私は庶民だから昔から思ってて。本も読まず音楽も聴かず、引越しも外国にもそんなに行かなくって、生きて死んでいく、それでいいんじゃないかって。その人たちがたまにもやもやしたときに本とか音楽とか映画とかが存在してるわけだから」

・文芸・評論
綿矢りさは、読んでみたいんだよね。書評してる人手ベタ褒めしてる人が多いので。
「負け犬の遠吠え」は、この人の他のを1冊読んだだけだけど、書評とか読んでだいたい内容が推測できるので、もういいかなと思ってる。
村上春樹も、だいぶ前から読んでみたいと思ってるんだけど、どれを読んでいいかわからなくて手が出せずにいる。
「ノルウェイの森」は読んだことある。ちなみになんで読んでみたいと思ったかというと、伊坂幸太郎が似てる似てると言われてるから(笑) ゲーム化会議と、朝日の記事で余計興味が高まっております。朝日で加藤典洋氏が書かれていた「デタッチメント(かかわりのなさ)」という言葉が気になってる。
伊坂幸太郎と恩田陸は「腹八分目感」の作家らしい(笑) まあ、わからなくもない。
「夜のピクニック」はとても楽しみにしています。買おうかとちょっと思ったくらい。
本田孝好はおもしろいのかな。短編を1本読んで、特に何も思わなかったんだけど…。
「電車男」(ゲーム化会議でも取り上げられてました)は、まとめサイトで読んでみようと思ってます(笑)
「空の中」(有川浩)は読んでみよう。

・伊坂幸太郎インタビュー
グラスホッパーの評判はイマイチらしい。「今までに比べるとすごいカッコいいバンド演奏な気がするんですけどね。でも客は白けてる、みたいな(笑)」←うまい!
別に人がどんどん死んでくからイマイチなわけじゃないですよ、インタビュアーさん。もっと人が死んでく本なんていっぱい読んでるから。

・コミック
PLUTOとDEATH NOTEは文句なくおもしろいし話題作だよね。あ、DEATH NOTEがドラえもんと書かれてますが、ドラえもんをDEATH NOTEに吹き変えたのを見たことあります。はまってた(笑)
「のだめカンタービレ」はおもしろいのかな。
私は矢沢あいはダメでね…。NANAは数冊読んだんだけど、イライラして(笑) ああいう女の子が嫌いなのよ! 感情移入まったくできんし。だから、「下弦の月」は読んでないけど、南氏の方の発言に信憑性を感じる。
「ダーリンは外国人」はおもしろいよね。そうそう、「ダーリンは変わった人」(笑) でも、題材に魅力というわけではなく、彼女の漫画の雰囲気がいいと思う。

・爆笑図解解説
この本はこういう人間が読んでいる、みたいなのをイラストで書いてる。こういうのはぱっと目を引くんだけど、ちょっと読むと、なんだかむっとします(笑) だって自分が当てはまってたら嫌じゃないですか(笑) なんでも「典型」にしないでくれ、みたいな。


やあ、読みたい本が増えて困ります。
しかし何故、「2005」なんでしょうね…。
「不思議な少年 3」山下和美
2004年12月09日(木)
今回は3本の話を収録。
1本目は、リストラされた男とその家族の話。過去の自分の祖先の生活を見ることで、小さな選択の積み重ねで今があることに気づく。このテーマは、マーク・トゥエインの同名小説と同じですね。でもこちらは感動的に仕上げてあります。

2本目。南極大陸を極点目指しながら遭難してしまった冒険家。たった一人を除いて仲間はすべて失い、二人きりの旅を続ける。その残った仲間は、密航者であり、かつて彼が殺した浮浪者の息子とそっくりだった。疑心に駆られた彼は、自分と葛藤する。見守るのはセイレーンか?
今回の話の中では、この話がいちばん好きでした。

3本目。時代の変わり目で、両親を失いながらもたくましく生きる貴族の少女の話。

朝日の書評にも取り上げられてましたね。ライフワークにしたいんだとか。
こういうのは、話の系統が似通ってしまいがちなので、今後に期待。南極の話はよかった。
★★★☆☆
「初恋 グイン・サーガ外伝19」栗本薫
2004年12月05日(日)
タイトルにひいた第二弾(笑)
外伝18に続き、今回も若かりし頃のナリスのお話。ほろ苦い恋(ではない)話。
うーん、まあ、なんともかんとも。わかるような、だからなに、っていう話のような、きわどいところであります。


東京くらいのお出かけの時には、昔からよくグインを読んでました。
ほどよいボリュームと、ほどよい読みやすさと、安心して読める、続きも急かされない、ほどよく既刊がたまってる、という条件がそろってましたので。
もうすぐ100巻ですが、まだ終わらなさそうだし、まだ私の旅のお供であり続けるんだろうなあ。


卑屈と謙虚の境はどこなんだろうと考えたりします。
差別ってなんだろう、とか。
人と人とで違いがあるのは当たり前なのに、どうしてその違いが優劣になってしまうんだろう。
人から、下に見られてると感じる時もあるし、今私は人を見下したんだなと思うこともあります。

腹が立つ時に、相手を可哀想な人だと思えばいい、というのをよく聞くけど。これって、人を見下せってことですよね。表面的には取り繕って、心の中では人を軽蔑しろって。
人を見下すと、人から見下されることに対して警戒心が募る。その輪の中に取り込まれてしまう気がします。
でも、そう思った時にはもうすでに取り込まれてるんですよ。人を見て、「あんな風になりたくない」と思う自分に嫌悪感を感じる。
誇りだとか、差別だとかって、なんなんでしょうか? イケナイコトカイ?


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