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「「疲れた」とつぶやいている女性たちへ―ナウシカコンプレックスからの脱出」堀史朗
2004年05月25日(火)
「ナウシカコンプレックス」という言葉を使いたいだけという印象。
★★☆☆☆
「グイン・サーガ94 永遠への飛翔」栗本薫
2004年05月24日(月)
SFといった感じの展開になってまいりました。←スペースファンタジー。
私はこういうのはけっこう好きですけどねー。違和感感じる人もいるかも。
★★☆☆☆
「不美人論」陶智子
2004年05月23日(日)
美人を論ずる書物はたくさんあっても、不美人を論ずる書物は今までほとんどなかったそうで。なるほどそうかもしれません。
ご自身を題材として書かれてますが、じめじめとした感じはなくてユーモラスな語り口調で楽しめます。論文的な部分ももちろんありますが、エッセイ的にも読めるかも。
子供時代の話などから、きっとコンプレックスを感じていただろうことが伺えるのですが、それが読者に対しての負担にならないように配慮されたのだろうと思います。
そこらへんを読んでいて、「愛すべき娘たち」(よしながふみ)を思い出しました。

ただ、主題がいまいちすっきりしないというかなんというか。
そこらへんは、著者と私の「美人」に対しての認識の違いのせいかもしれません。読みながらも何度か首を傾げたので。
美人は個性がないというのが、ぴんとこないのですよね。
「個性的な不美人」に誇りを持とうというような結論なんですが、やっぱり美人になれるならその方がいいです(笑)

美の基準というのは数字で表せるものではなく、人間の認識におけるものであるわけだから、もっと心理学的と言ったらいいんでしょうか、どうして不美人は不美人になったのか、というところを読みたかった。
でもそうなると、専門が違ってきてしまうのかもしれませんね。(化粧史などの専門らしい)
私なら、そういう見地からのものを読んでみたいなあ。私も自分を題材にして書くか?(笑)

たとえば…。
不美人(美人でも可)というのは、3つの観点から不美人になるのだと思うのですね。
ひとつは、時代背景や風土などの環境においての、肌や髪の色や長さなど、素材やパーツとしての部分から。
ふたつめには、他者に与える印象の部分、「他人に見せる」という部分において。表情や髪型や服など、素材以外の印象などで人の雰囲気というのはがらりと変わるものだから、人が他者を判断する上でそれらがどういう働きを持っているのかということ。性格や行動なども含めて。
みっつめに、自己認識での部分。たとえば、人が見たら痩せる必要なんてないのにと思われる人がさらに痩せたがるように、自分にとって目指すものとのギャップや、屈折したコンプレックスなどによって生じる歪みとして。
どうしてその要素を不美人だと人が認識するようになったのか、という過程を考えていったらおもしろいんじゃないかな?
(なんか、言葉がうまく選べてないかも…)
★★☆☆☆
「ハチミツとクローバー 6」羽海野チカ/「花ざかりの君たちへ 22」中条比紗也
2004年05月22日(土)
「ハチミツとクローバー 6」羽海野チカ
線自体はかなりラフなのに、女の子の泣いている姿というのが、すごく伝わってくるものがあるんですよね。
今回もおもしろかったです。
このせつなさ加減と、マサルさん風のギャグが同居してるあたりがすごいよね(笑)
今回はお父さんの似顔パンがすごかった。大笑い。
★★★★☆


「花ざかりの君たちへ 22」中条比紗也
男子校に紛れ込んだ女の子の話です。
あーいよいよこういう展開になってきましたねー(笑) クライマックス間近らしい。
ラブラブでいいんじゃないでしょうか。少女マンガはこうじゃないと(笑)
★★★☆☆
本を読むことは偉いのか?
2004年05月21日(金)
本屋さんをふらふらとしていたら読みたい本がいっぱいあって困った。
本屋に入ったら、伊坂幸太郎の「チルドレン」が発売されたことを思い出して、買いたかったのだけど見つからず。

乙一の「暗黒童話」が文庫化。文庫版としてあとがきが。おもしろかった。

本屋をはしごしたけど「チルドレン」は見つからない。
でも「1億人のためのミステリー!」という雑誌(?)を見つけて、別に「伊坂幸太郎と仙台を歩く」つもりはなかったのだけど、気の迷いで買ってしまった。雑誌とかって時期を逃すと買えなくなっちゃうから。


「本を読まなくても生きていけますか?」(久利生たか子)という本がおもしろそうだった。さらっと読んだ感じでは、「本を読まない人」のために書かれているらしかった。本を読まない人に向けて本を書くなんておもしろいなあって。
冒頭で書かれていたことなんだけど、私もよく言われるんですよ、「本いっぱい読んで偉いね」って。それは偉いことなのか?って思うよね。好きだから読んでるだけであって、忍耐が必要なことをしてるわけじゃないのに。
でも、「本を読まない人」にとっては読書って大変なことなんだろうね。
どうして本を読まないのか、ということを分析しているのが興味深かった。

私は、「したい人は思う存分すればいい、したくない人には無理に勧めることはない」と思ってる人なので、本読む楽しみを知らない人にその楽しみを教えたい、とかは別に思わないんです。
だからそれをあえてしようとしている、というのがおもしろいなあと思います。
…出版業界が大変だから?
子供を「読書好き」にさせたいとかいう親にも向けてるのかな。

立ち読みじゃなくてじっくり読んでみたい本です。
「書斎曼荼羅 本と闘う人々-1」磯田和一
2004年05月16日(日)
作家さんの書斎をイラストで紹介するというもの。読むというより眺める感じ。味のあるイラストがいい。
どの作家もとにかく蔵書量が半端ではなくて、本の収納の仕方が凄まじい。でも羨ましい…。書庫のある家は読書好きの夢だよね。
いいなあ〜って、ほんわかした気持ちで読みました。

真保裕一氏の奥様は元編集者だそうで、辛辣な批評家だと紹介されていた。
真保氏「イヤー、それはきびしいこといいますよ。世の中で一番怖い批評をしますね」
真保夫人「そんなに怖いこといいませんよ。ただ正直にいうだけですよ」
磯田氏「この正直が怖いのですよね…」
というのがおもしろかったです。私には夫人の気持ちがよくわかる(笑)

佐野洋氏がゴルフや折り紙の話を語られる様子も微笑ましかった。あやしげな「室内パター練習機」だの、足の指で鶴を折る特技だの、しょうもないんだけど「素直に胸を張られるのだ」とか書かれていると、なんだかいいなあと思ってしまう。
「そう、オレ仕事あるんだよな…」と言いながら足の指で鶴を折る佐野洋氏のイラストがすごく好きです(笑)
世の中には自慢を恥ずかしげもなく語る人が思いのほかいるもので、素直でうらやましい…と思うこともあるけれど、回数が重なると閉口する。
でも、時折「自慢していい?」という前置きで、嬉しそうな笑顔で話してくる人もいて、そういうのはこちらもつられて笑顔になる。
人に迷惑にならない自慢と閉口する自慢て、どこで差ができるんだろうね。
自画自賛できる人は私はけっこう好きなんだよなあ…。自慢というよりそういうのは自負というべきかな?
私も人に迷惑をかけず自画自賛したいものです(笑)
★★★☆☆
「ZOO」乙一/他漫画2冊
2004年05月15日(土)
「ZOO」乙一
昨年6月に発表された短編集。真っ赤な表紙が印象的。

「カザリとヨーコ」
双子の姉妹。姉のヨーコだけが母親から虐待を受けている。
「階段」と似ている。私はこういう話はけっこう好き。救いがあるんだかないんだかっていう、あの解放感がいい(笑)
表面的にはすごく陰惨な話なんだけど、文章が拙いというか設定もノリもおかしいので、不思議な雰囲気を持ってますよね。それが彼の場合はいい味になってるのかなと思います。

「血液を探せ!」
脳の損傷で痛みを感じなくなった男が、ある朝目覚めるとわき腹に包丁が…。山奥にいるため救急車は間に合わない。主治医が持参したはずの輸血用の血液を家族に探させることに…。
シュールでブラックなコメディ。こういうのも書くようになったんだね。
ラストはちゃんとミステリにしてしまうミスマッチ感が、乙一風(笑)

「陽だまりの詩」
病原菌で人のほとんどが死に絶えた世界で、作られて目覚めた「私」。彼女の役目は、彼女を作った男を、死んだら埋葬すること。彼はもうすぐ死ぬという。彼は彼女に「正しく埋葬するために『死』を学んでほしい」と告げる。
すごく…ストレートなんですよね、メッセージが。その不器用さが私は好きです。うかつにも泣いてしまった。若くして、こういうことを書こうと思えるものなんですね…。

「SO-far そ・ふぁー」
小さな少年と両親の三人家族。ある日、父は母が死んだと言い、母は父が死んだと言う。少年には二人とも見えるのに、両親にはお互いが見えないらしい。両親の架け橋を必死に務めるが、いつかどちらのいる世界かを選ばなければいけないと彼は思うようになる。そして…。
あーなんか…せつない。この話は好き。親の心子知らずというけど、子の心親知らず、だと思う。子供にとっての親の影響力を、親はもっと考えた方がいい。

「冷たい森の白い家」
馬小屋で育てられた男。彼は人の死体で家を建て始める。
雑誌掲載時に立ち読みして、立ち読みだからよくわからなかったのだろうか…と思ったけれど、ちゃんと読んでもさっぱりわかりませんでした(笑)
いつかわかるようになるんでしょうか…。
少女が弟の代わりになるところ、会話するところは好き。

「Closet」
…これは推理が主なのかしら。
これもおもしろさがわからない。

「神の言葉」
生物に向けた言葉が、本当のことになってしまう少年の話。
…ジョジョやろう、これ。語尾の伸ばすところをカタカナにしてるのを見たら、ジョジョとしか思えなくなりました。(彼はジョジョのノヴェライズを書いているらしい)
少年の性格が人ごとと思えなくてつらい(笑)
「自分が透明になったら」とかってよく考えたなあ…。私は神の言葉が使えなくてよかった(笑)

「ZOO」
『キネマ・キネマ』に収録されてるのを読んだので、今回は読んでません。

「SEVEN ROOMS」
七つの部屋に、それぞれ一人ずつ女性が監禁され、一日に一人ずつ殺されていく。
これも「殺人鬼の放課後」で読んだのですが、好きなのでもう一度読みました。
死を目前にした人間がどういう気持ちになりどういう行動を取るかということは、現実に生きている私たちにとっては、想像するしかできないことです。それをこういう風に描くことができるのはすごいんじゃないかと、ちょっと思ったりします。

「落ちる飛行機の中で」
ハイジャックされた飛行機の中の人間模様…。
ちょっと変わったテイストの短編でした。おもしろいようなよくわからんような(笑)

全体的にも満足です。おもしろかった。
★★★☆☆

今月の雑誌「YAHOO! JAPAN」の付録CD-ROMに、乙一作の「手を握る泥棒の物語」の予告編とメイキング特別編のムービーが収録されてました。
映画になると聞いたときには、あの話が映像化?と思いましたけど、なかなか素敵な映画に仕上がってそうです。おもしろそう。
原作にない部分も付け加えられてるんですね。押入れには、主役二人の他にもう二人、人がいるらしいです。




「死と彼女とぼく ゆかり 3」川口まどか
乙一好きな人は好きかもしれません。絵はそんなにうまくないですけど。

やっぱり、死者を悼んで泣く人に悲しむなって言うのは、残酷なことなんですよね…。
★★★☆☆


「星の速さで駆けてく」谷川文子
設定が泣かせ系になってきている…。
絵は相変わらずとてもかわいい。
あーロングのタイトスカートが欲しくなってきたなあ。柄物もかわいいよね。って、漫画の感想じゃないよ(笑)
★★★☆☆
「迷宮百年の睡魔」森博嗣
2004年05月11日(火)
「女王の百年密室」の続編。
今回もミチルとロイディのコンビがすごくいいですね。やっぱりこの人の作品は会話がいい。
特に中盤の脱走シーンがとてもおもしろかった。宮崎アニメばりじゃないですか?(笑) ウォーカロンは悪地を歩くのが苦手なんですね。
このシリーズの魅力は、世界観にあると思うので、その点ではとても満足です。続編はあるんでしょうかね? あるといいなあ。

どうでもいいんだけど、「パートナ」ってどういう意味合いなんでしょうね…。
★★★☆☆
「20世紀少年 16」浦沢直樹
2004年05月10日(月)
「ヨーロッパ最大の漫画賞アングレーム国際漫画祭 最優秀長編賞受賞」ですってよ。「MONSTER」と違って日本が舞台なんだけどね。
「子供の発想」だったものが、子供が大きくなり現実にしてしまうという話なんですが。怖いよねえ。なにが怖いって、描かれてる未来が一見あり得ないように見える世界なのに、過去の世界のリアルさがすごく説得力があるために、現実のように思えてしまうこと。…というか、実際にこの一部は現実だったんだよね(苦笑)
今回は過去の子供時代の話が主になってます。なんというか、子供の行動、気持ちが、理解できてしまうところが、嫌ですね…。ぞっとします。
★★★★☆
「秋の花」北村薫
2004年05月04日(火)
円紫さんシリーズ(?)の三作目。今作は長編です。
そして、今までは日常の中のささやかな謎だったのが、今回は主人公の後輩の女の子が文化祭の前に学校の屋上から落ちて亡くなるという事件です。

電車の中で読もうと旅に持参したのですが、途中で、これは人前で読んではいけない本だと気づき、半分ほどでやめてしまいました。
いつも一緒だった二人の女の子、その片方が亡くなってしまう…。残された女の子の描写を読むにつれ、頭で考えるより先に泣けてきてしまってダメでした。
一人の人を失くすことで、世界が一瞬で裏返されてしまう。どんなホラーよりも現実的で怖い。
解説に書かれている、「『なぜ、死んだのか』で始まった物語は『どう生かされるか』を問いかける」という一文が秀逸です。
本文中の「ここまでの謎を解くことなど、実は子供の遊びのようなものなのだ。それからどうするのかの方が、遙かに難しい本当の問題なのだ」という部分が、この一冊というかこのシリーズの、本質なのだと思いました。
★★★☆☆


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