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「オケピ!」三谷幸喜/「東京大学応援部物語」最相葉月
2004年02月28日(土)
「オケピ!」三谷幸喜
戯曲です。ミュージカルの舞台下であるオーケストラピットのドタバタを描いたコメディ。
あとがきで書かれてますが、ほんとにこれはミュージカルとして見るものであって、文章で読むものじゃないですね。配役を確認して舞台の雰囲気を想像しながら読みましたが、やっぱりこれは舞台で見たいと思いました。(でもチケットとるの大変そうだよ〜)
白井さんの役(サックス)がおいしいですね! こういう人大好き(笑)
あとね、ビオラの彼とか、あちこちと同じネタがここでも使われてるんですね。
★★☆☆☆


「東京大学応援部物語」最相葉月
東京大学応援部を取材したノンフィクション。新聞の書評を見て興味を持ったので借りてみました。
私は詳しくないので知らなかったのですが、東大野球部はすごく弱いんですね。その野球部を力一杯応援し続ける応援部。応援しても応援しても野球部は勝てない。報われない。それでもなお、厳しい訓練に堪えて、彼らは応援し続ける。なぜだろう?という本です。
矛盾や葛藤がなんだか哲学っぽいですね。

応援てなんだろうって思います。よく、アーティストはよく「応援よろしく」なんて言うじゃないですか。
「応援に見返りを求めるな」なんて言葉が出てきました。
やっぱり、応援するものとされるものは引き合う関係ではなく、それぞれ勝手に回っている存在なんだなと思います。それをふまえた上で、自分がどうしたいかですね。
★★★☆☆
「ミナス・ダ・プラタ」碧也ぴんく/「それを言ったらおしまいよ」よしながふみ
2004年02月26日(木)
「ミナス・ダ・プラタ 鬼外カルテ其ノ拾壱」碧也ぴんく
銀山に棲む龍のお話。銀発掘のツアーに参加する人々の魂の救済が描かれてます。
んんー。すごく好きなシリーズなので、これではなんとなく消化不足な感じでした。
★★☆☆☆


「それを言ったらおしまいよ」よしながふみ
短編集です。表題作とか表紙はホモなんですけど…。確かに中味も前半はそうなんだけど。
けっこう重い話がつまってます。山本文緒が、人間の嫌な部分を描くのがうまいと言われてますが、この人もそうだな。
「ある五月」は、とある老夫婦の再婚と離婚の話ですが…なぜ、こんなことを描こうとするんだろう、と思います。やるせないです。最後のあたりの描き方がうまい。文章で説明せずに、絵で状況を描いていくというのは、漫画の醍醐味を感じます。
割り切れない感情、後味のよくない話ばかりのはずなのに、すっと入ってくるのは描き方がうまいんだろうな。
★★★★☆
「グイン・サーガ93 熱砂の放浪者」栗本薫
2004年02月23日(月)
砂漠をさまようグイン。登場人物が少ないです。話がなかなか進まない。盛り上がらない。
グラチウスも、こんな風に言われる日がこようとはね。
★★☆☆☆
「ホラーを書く!」インタビュー・東雅夫
2004年02月22日(日)
インタビューが収録されている作家は、朝松健、飯田譲治、井上雅彦、小野不由美、菊地秀行、小池真理子、篠田節子、瀬名秀明、皆川博子、森真沙子の10人。
私はそんなにホラー読まないので、この中で読んだことある作家は少ないです。小野不由美、菊地秀行…くらいかな。(短編では他の人も読んだことあるかも?)
飯田譲治のインタビューがいちばんおもしろかった。「すごく美男美女であることは、ブス醜男であることと同じくらいハンデだと思う」とか、メディアの現実世界への影響の話とか。おもしろい。この人のところ読むだけでもこの本はいいよー。
★★★☆☆

ちなみに、菊地秀行で私が読んでたのはDとせつら。基本でしょ?(笑)
読まなくなってだいぶ経つ気がするんだけど、今彼らはどうしているのやら…。Dはどういうラストになるのか知りたい気がするなあ。
そして小野不由美は全作読んでます。
屍鬼は、私はあんまり怖くなかったんですよね。それは吸血鬼をヒーロー視してるせいなんでしょうか(笑) 個人的には、穴の中に逃げ込んで、その穴が狭くなってくところがいちばん怖かった。
でも、悪霊シリーズと悪夢の棲む家はすごく怖かった! あんなかわいい装幀なのにフェイントです。
こういう怖さが、私にとっては正統派のホラーなんですよね。鏡になにかが映ってるとか、なにかが覗いてるとか、ね、そういうの怖いでしょ。私はスプラッタは苦手だから、こういうのが読みたいなあ。殺人鬼とか読めないですもん(笑) 小野さんが悪霊シリーズをやめちゃったのはほんとに残念です。
「経費ではおちない戦争」三谷幸喜
2004年02月15日(日)
業績不振で熊本からアフリカへ飛ばされた5人の社員。スモジという国で栄養ドリンクを売り込もうとするものの、なぜか政府軍と革命軍の戦争に巻き込まれることに…。
非常にくだらないですが、おもしろいです。笑えます。現地の人がハナ肇に似てるとか、玉乗りのできる課長とか…。ラストは、微妙に感動できるようなできないような。
こういう無責任に笑ってられる話って貴重だと思う。こういう本ばっかりだったら、私も選ぶのに悩まなくてすむんだけどな。
文章と笑いのツボが、私はすごくあってるんでしょうね。三谷さん大好き。もっと小説書いてくれる人だったらよかったのになあ。惜しいです。
★★★☆☆
「きみはペット 9」「EXTRA HEAVY SYRUP 1」小川彌生
2004年02月14日(土)
「つり橋」効果なんて言葉がありますが、愛だの恋だのってなんなんでしょうねー。きっかけはなんでも、錯覚でも幻想でも、冷めなければ愛は愛。
★★☆☆☆
「三千世界の鴉を殺し 8」津守時生
2004年02月12日(木)
ルシファードの長い一日。
「優等生だった子は、甘えたりない分自分に自信がない」とかいうあたりの話が、へえーーって思いました。優等生ねえ…。
★★☆☆☆
「小説家・ライターになれる人、なれない人」スーザン・ショフネシー
2004年02月11日(水)
「あなたが書けない本当の理由」という副題がついてます。
ひとりのライターが、様々なライターの言葉、それも創作においての姿勢や気持ちなどを述べた言葉を集めて、それに著者自身の言葉を加えたものです。小説を書くための指南書みたいなものではないです。そんなに目からウロコってこともないし。作家のための「あなたを元気にする100の言葉」みたいな感じ。
なんでこんな本…いや、失礼、この本借りたんでしょう(笑) うーん、ちょっと「書くこと」に対して気弱になってたんですね。
とにかく、ものにするにはなにがなんでも「書かなきゃダメ」っていう本ですね。迷ってる人とかは、駆り立てられるかもしれない。やっぱり書きつづけることってつらいのねーみたいな。

私も負けないわ〜。
★★☆☆☆
「世界は密室でできている。」舞城王太郎
2004年02月08日(日)
最近気になっていて、読んでみたかった作家です。でも、本を開いた瞬間のあの異様な空気に気圧されて(知らない人は一度開いてみてください)、これは私には無理…と思って、手がなかなか伸びませんでした。
この本はちょっと薄めだったから、これならがんばれるかもしれないと借りてみました。
そんな本を旅行に持っていく私はチャレンジャーだなと自画自賛(?)。

で、読んでみて…うん、やっぱり開いた瞬間のあの空気のままですね。気持ち悪かった。
でも告白ビデオと絵の発想はすごいなあと思いました。こういうのは理屈とかじゃないよね。悪夢のような迫力がありました。なにそれ?って感じ。たぶん、数年経ってもこの本がどんな内容だったか憶えてる気がする。それはすごいことですよね。感動はしないけどね!
なんていうか、これは才能なんだろうなあと思います。好きな人も多いようだし。ただ、読む方にも才能がいるような気がします。

でも、あと1冊くらいは読んでみようかな?
★★☆☆☆
「ベストセラー本ゲーム化会議」麻野一哉・飯田和敏・米光一成
2004年02月05日(木)
ツアーが終わりましたので、また読書日記再開ですー(笑)(現在2/27)
ツアー中に読んだ本がたまっております。

「ベストセラー本ゲーム化会議」は、前に恩田陸氏がおもしろかった本としてあげていたので読んでみようと思いつづけて…1年くらい経っちゃったんですけど(笑) ようやく読んでみたら、とてもおもしろかった。電車の中でこらえきれずに笑ってしまいました。
内容としては、ゲーム作家のお三方が、ベストセラーをゲーム化する会議を開いているというものです。私は書評本として楽しみました。ゲーム好きな人も楽しめるだろうし、ゲームやらない人でも楽しめると思います。
私が読んだことある本も数冊取り上げられていて、つっこみに笑いました。特に「冷静と情熱のあいだ」に対するつっこみが私はおもしろかった。「白い犬とワルツを」のゲーム化もすごいなあと感心してしまったり。取り上げられてるのが知らない本でもおもしろいし、知ってたらもっとおもしろいんじゃないかと。後半、本も内容もちょっとマニアックすぎてよくわからなかったけど…。
書評など読むのが好きな方にはかなりオススメです。
第2弾が出ないかなあ。出ないか…。

参考URL
http://www.ne.jp/asahi/kaeru/bungei/game1.html
★★★★☆
最近読んだ漫画など
2004年02月04日(水)
いやあ、ライブがたて込んでてしかも楽しいと、すぐにこっちが疎かになってしまいます。まだまだたてこんでるんですが、こちらもぼちぼち書いていこうかな。


「やさしい悪魔の物語 7」川口まどか
あんまり最近ぱっとした話がないかなあ…。

「イヴの眠り 1」吉田秋生
YASHAの続編のような…。(それを言ったらBANANA FISHの続編でもありますが)
静の娘が主人公。1巻は、本編が半分までで、あとはYASHAの番外編を2本収録。

「HUNTER×HUNTER 19」冨樫義博
G・I編が終わって、前の巻から新しい話が始まってます。今度のはなんていうのかな。キメラアント編?
蟻と同じ生態系を持つ生物で、摂食交配をするため、兵隊蟻は蟻と他の生物のキメラのような生き物なわけです。
前から、かなりグロくなってきたなーと思ってたんですが…、これもすごく気持ち悪い。しかし、嫌だなあと思いつつ読んでいたら、この巻のラストあたりの迫力に驚かされました。気持ち悪いだけじゃなくて、ぞっとするような怖さがある。嫌悪感はやっぱりあるけれど。悪夢っていう感じ。
それでも、端的な言葉で言い表すと、やっぱり「おもしろい」になっちゃうんですかね。賛否両論あるでしょうけど、どっちにしろすごい力を持った人だなあと思います。
しかしこれは、少年誌でいいのかね?っていうのが、ちょっと疑問です。


本屋をぶらぶらしていたら、恩田陸の「ライオンハート」が文庫化されているのを発見。手に取ってみたら、解説が梶尾真治でした。なので、立ち読み。
解説という形態をとった短編小説のようでした。おもしろかった。ご本人の幼少時のトラウマが、あんなオチになろうとは(笑) 私は両氏とも大好きなので、微笑ましく、嬉しい気持ちで読みました。
ちなみに、梶尾真治の最近出た文庫(短編傑作選)の解説を、恩田陸がしてますよね。タイトル忘れたけども。こちらも短編小説のようで楽しめました。


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