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「四季 秋」森博嗣 2004年01月28日(水) 今回は萌絵と犀川先生再び。はい、楽しかったです。サービス満点ですね、満足です。個人的には地下室に降りていく前後のシーンが好きです。いやあ、S&MだけじゃなくVシリーズ読んでよかったなあ。このために二十冊があるね(笑) あと、いちばんウケたのが睦子叔母様の「馬鹿じゃないの、貴女」です(笑) いやあ、微笑ましくていいです。 太陽と扇風機の話もちょっとおもしろかったかな。全然役には立ちませんけどね! というわけで、満足はしているのですが…。 この本の本筋は、”「すべてがFになる」の真の動機を語ってる”んですよね。私は、シリーズが終わった後にまた違うシリーズにつながっていったりしても別に気にならない方なんですけど、このつなげ方は、なんだかなあとちょっと思います。 だって、「真の」ってなにさ。あれは偽だったの? あれだけ読んだ人にはあれが真てことなんでしょうけど。 一冊の本として、私はそういうのは嫌だなあ。この人の、そんなのばっかりだしさ(苦笑) 読書はさらりと楽しみたいわ…。(さらりと楽しんだ結果が、上記の感想) でも、なんとなくもう一度「すべてがFになる」読みたくなってきちゃいました。はめられている…。 ★★★☆☆ 「知りたかったら訊いてくれるだろう」と思っている人と、「知りたいけど、話せることだったら話してくれるだろう、無理に聞かない方がいい」と思ってる人の間の溝というのは、どうしたら埋められるのでしょうね。 私は、相手にもよりますが、普段の生活では基本的に前者なんですよ…。 |
「四季 夏」森博嗣 2004年01月25日(日) 物語的には、春以上に、それで?という感じなんですが…。某氏がとてもかっこよくて嬉しかった(笑) 私は怪盗紳士が好きなんで。彼のことは別に好きではありませんでしたが、この本ではかっこよかった。彼は一人称(いや、違うけど)より、こういう方がいいですね。あれこれ意外なこともあり、そういう部分では楽しみました。 そうそう、個人的には「天才のクラブでもあるのか?」がすごいウケたんですが、その後に紅子さんに「あまり上品なジョークじゃない」と言われて悲しかったです(笑) あまりにさらっと読み終わってしまったので、新大阪で秋を買っちゃいました。 ★★☆☆☆ ソボクなギモン。 どうして、天才は美人ばっかりなんでしょうね。 友達に言ったら、「…遺伝子が優秀だから?」と言われて、ちょっと納得しかけた。 |
「エンジェル」石田衣良 2004年01月24日(土) 主人公は幽霊。気づいた時は、自分の死体が埋葬されている場面だった。死ぬ前の2年ほどの記憶が失われているため、自らの死の真相を知るために行動を開始する。終盤の盛り上がりまでは、おもしろく読みました。でも解決がなあ…。納得いかないというか、説得力がないというか。展開としては文句はないんですが、人物の行動に説得力がない気がしました。 ★★☆☆☆ どうもイマイチだったんだけど、この人のもう1冊くらいは読んでみようかなあ。。IWGPはどんなもんなんだろ。 |
「ふたりめの神話」曽祢まさこ 2004年01月22日(木) 200XX年、人口増加を抑えるために第二子は禁止という法律が制定された。違法児は抹殺。主人公の少年には妹がいた。外に出られずに隠れて暮らす妹。 隣家に引っ越してきた美少女は、彼を思い通りにするために少年の秘密を探り始める…。 という近未来サスペンス。 小さい頃読んで設定がとても印象深かったものなので、文庫で復刊されたものを購入しました。 小さな妹が、隣家の少女に見つからないようにベッドの下に隠れるんですよ。そのシーンがすごく怖くてドキドキしたのをよく憶えてます。 今読んでみると、いろんな問題が消化しきれずに終わっているのが残念です。 ★★☆☆☆ 大人になると真剣に「隠れる」ということは心にやましいことがなければそんなにないように思います。子供の頃はけっこう隠れたり何かを隠したりということありませんでしたか? 遊びであれ真剣であれ。私はよくありました(笑) そういうドキドキハラハラ感は、物語で味わうとおもしろいんですよね。 子供の頃の「ドキドキハラハラ」の物語と言えば、アニメの「トム・ソーヤの冒険」の終盤の廃屋と洞窟のシーン。あれはおもしろかったなあ。 「子供が隠れる話」と言えば、V・C・アンドリュースの「屋根裏部屋の花たち」が印象深いです。父親が亡くなり、母親の実家(大金持ち)の家に行くことになった4人の兄弟。しかし、なぜか屋根裏に閉じこめられ隠れて暮らさなければならなくなる。生々しくてどろどろした話なんですが、今思い出してみると読み応えがあっておもしろかったと思います。後味はあんまりよくないですけどね。読んだのは高校生ぐらいだったのかな。ショッキングだったので印象深いんです。 |
「人はどうして死にたがるのか」下園壮太 2004年01月21日(水) この手の類の本は、「そういう人もいるんだろうね」とか「頭ではわかってても感情が違うんでしょ?」と思うことも多いのですが、この本は納得して読むことができました。もちろん、個人差はあると思いますが、私はとてもわかりやすいと思いました。「<生きる>プログラムの誤作動である」という書き方は、実際に正しいかどうかは私にはわかりませんが、当人にとっても周りの人にとっても受け容れやすい内容なのではないでしょうか?(責めたり否定したりしていないから) 「死にたい」と思っている当人だけでなく、身近な人がそういう状態である場合の対応の仕方なども書かれています。結論を言うと「病院へ行きましょう(連れていきましょう)」なんですけどね。それは、「話を聞いて楽にしてあげること」が、普通の人には難しいことだからなんだと、改めて認識することができました。よく「愚痴を誰かに聞いてもらって発散した方がいい」と言いますが、時と場合と人によりけりなんですよね。それをわかっているだけでも、ちょっとは違うんじゃないかと思います。 |
「男と女の悲しい死体」上野正彦 2004年01月20日(火) エンピツで読書日記を書かれてる方で、ちょっと変わった本をいつも読まれてる方がいるんです。感想の書き方などもさくっとしていてわかりやすいので、よく読ませていただいてます。これは、その方が最近感想に書いてらした本。図書館に行ったときに新刊コーナーにあるのが目に入ったので、勢いで借りてきてみました。タイトルの上に「監察医は見た」と書かれているように、著者は監察医をしていた人物。いろんな変わった死体(から推察される死に方)を、紹介している本です。 私の感想としては…思ったより痛かった(ノコギリが…イタタタ)、思っていたほど感傷的ではなかった。という感じです。監察医という職業柄、ドライな見方をされる方なんでしょうね。描写も詳しくないので、想像力をたくましくしなければそんなに痛くないと思います。私は勝手に痛がってるだけです。テーマはエログロでも、読んだ雰囲気はエログロじゃなかったです。 でも、プロローグで書かれているような「生きることの尊さや偉大さ」までは、残念ながらたどりつけませんでした。 ★★☆☆☆ |
「森博嗣のミステリィ工作室」森博嗣 2004年01月18日(日) 古今東西のミステリィ100選とか、対談やコラムや漫画などが収録されている本です。ミステリィ100冊の解説はおもしろかったです。私は兄がミステリィマニアだったので、100冊の前の方の作品はけっこう読んでるのですが、もうすっかり忘れちゃってますね(笑) 私の部屋に兄の本が今でもけっこうあるので、また読んでみようかなーという気にさせられました。翻訳ものは最近読むのかったるんですけどね…。 漫画は4コマが意外におもしろい。 そんな感じです。 ★★★☆☆ |
「四季 春」森博嗣 2004年01月17日(土) シリーズ1冊目。読みやすくはありますが、おもしろいとは思いません。2つのシリーズがなければ、私は読む気がしないですね。 シリーズであるから意義があるというか。そういう話だと思います。それはそれで否定はしないので、読むし、時間の無駄だとも言わないけど、おもしろくはないです。 「夏」ももう借りてきてあるんですが、読むのは遠征の時までとっておいてます。ああ…秋が恋しい。 ★☆☆☆☆ |
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」江國香織 2004年01月12日(月) 日付を見てもらうとわかりますが、受賞記念で読んだわけじゃありません(笑) なんだか、急に江國香織の感想書いてる人がいっぱいいたので、流行に乗ってるみたいで恥ずかしい(笑)図書館に行っても借りたい本が貸し出し中とかでなくて、借りる本は一冊しか手に持ってなくて、閉館時間がせまってきていて、とっさに選んでしまったんです。 「きらきらひかる」が好きだったんですよ。その後、もう一冊短編集を読んだ気がするんだけど、それ以来遠ざかってました。 これも、短編集。恋愛小説…なのかな? なんていうんでしょう、山本文緒はぐさりとくるようなこととかどろりとしたことをずばっと書くじゃないですか。この人は、どろりとしたことも淡々と、そして綺麗なものに見せてしまう感じがします。 女性はこういう清楚な美しさは憧れる人が多いんじゃないでしょうか。ま、好きずきですが…。 タイトルがインパクトあっていいですよね。受賞した作品「号泣する〜」も、素敵なタイトルだと思います。 ★★☆☆☆ |
「赤緑黒白」森博嗣 2004年01月11日(日) 今回の話は、死体をスプレーで一色に塗るという連続殺人です。シリーズ一冊目と似た感じですね。シリーズの構成として美しいってことかな。友達の感想は、確かいまいちだったと記憶しているんですが、私は割とおもしろかったです。私にとってはこういうのがオーソドックスなミステリなんですよね。 ミステリではよく「すぐにわかっちゃうからつまらない」とかいう貶し文句がありますが、私はそんなことはないと思ってます。 それから、あのシーンが「羊たちの沈黙」みたいで素敵でした。 これで、Vシリーズ読破です。 この巻では多少、最後らしい部分がありましたね。 で、こうやって次へつながっていくんだね…って部分も。またがんばらなくちゃと思いました(笑) ★★★☆☆ |
「緋色の椅子 2」緑川ゆき 2004年01月07日(水) 異世界ファンタジー。辺境の村で育った少年は実は王の隠し子で、いろいろあって都に連れ戻され王になる。五年後、上京した幼なじみの少女(一見少年)は、王座についている人物が自分の幼なじみではないことを知る。偽の陛下は、村から都へ同行した少年だった。王になるはずだった本物の少年は、都へ着く前に襲われ生死不明。少女は、幼なじみの少年を探すことを決意…。というお話です。 2巻もおもしろかった。 入り組んだ屋敷の中の、肖像画ばかり並ぶ部屋。祭りの街、仮面をつけた人々が行き交い、その中を探し回り、すり抜けていく人影。シーンごとのイメージの喚起力がすごい。ロマンだわー。 それぞれの人物の関係も、一言で言い表せる関係ではなくて微妙で不確か。身元や思惑が明らかになっていない人ばかりで、表面的な関係では心から信じあえるような間柄ではないはず。それでも、なんとなく信頼感のようなものがあることを感じさせる。それでいて、お互いに対しての想いは説明されすぎてない。 想像力の広がる、わくわくさせられる漫画だと思います。ファンタジーが嫌いじゃないなら、オススメ。 ★★★★☆ |
「虚空の逆マトリクス」森博嗣 2004年01月03日(土) 「虚空の逆マトリクス」森博嗣これも短編集。 「話好きのタクシードライバ」がちょっとおもしろかったかも。「タクシードライバの話」がおもしろかったわけじゃないですけど(笑) ★★☆☆☆ 「阿修羅の前髪 炎の蜃気楼38」「神鳴りの戦場 炎の蜃気楼39」桑原水菜 もう、なにがなにやらって感じです(笑) もともと日本史は得意じゃないですし。 でももうちょっとで完結するようなので、がんばります…。 ★★☆☆☆ |
「アジアンタムブルー」大崎善生/「チェックメイト ブラック・キャット4」新井素子 2004年01月02日(金) 「アジアンタムブルー」大崎善生恋人を亡くした男性のお話。恋愛小説ですね。 最近気になってる作家だったんですよ。前読んだのはノンフィクションだったので、今回はフィクションを読んでみたくて。 死へ向かっていく昏さも、どろどろせずに透明感があって適度に硬質で、綺麗なお話だと思います。恋人の女性がカメラマンで、水溜りを撮り続けてるというイメージが綺麗。雰囲気が丁寧に描かれているから、ちゃんと最後に泣けます。 でも、私にはあまり合わないかもしれないなあ…。好きな人はすごく好きなんだろうと思いますけど。 挿話として語られている赤い月の話は印象的でした。 恋人たちが夜空を見上げてると、月が真っ赤なんだって。それは太陽がなんらかで高温になったからで、地球の裏側では世界はもう終わっていて、地球のこちら側では月を見ていた恋人たちだけが、あと半日で地球が滅びることを知る…。というもの。 ロマンティックでありながらぞっとするような不気味さがいいなあと思って。 「デッドリースイートハニー」って曲を思い出しました。(「オレンジ色の月」って歌詞があるだけで、内容は別に似てないんですけどね) ★★☆☆☆ 「チェックメイト ブラック・キャット4」新井素子 とうとうこのシリーズも終わっちゃいましたね〜。私が読み始めたときは、高校生だったんですよ。登場人物より、年下だったのにね(笑) まあ、読んでいた当時を思い返せるっていうのも、おもしろいかな? 久しぶりにこの人の文章を読むと、論法がまだるっこいなーと思ったりもするんですが、最後まで読むとなんとなくほっとしたような気分になります。ひろふみくんも許せる気持ちになりました(笑) あとね、前編のあとがきがおもしろかったです。「公約です」っていうやつ。 ★★★☆☆ |
「復活の朝 グイン・サーガ92」栗本薫/「今夜はパラシュート博物館へ」森博嗣 2004年01月01日(木) 「復活の朝 グイン・サーガ92」栗本薫この人の登場人物は、無口と言われる人でも、非常におしゃべりですよね(笑) いやあ、グインの口上の長いこと長いこと。 事態は、一見収束したように見えて、ちゅうぶらりんなことばかりでなにも終わってない、という一冊です。 ★★☆☆☆ 「今夜はパラシュート博物館へ」森博嗣 基本的に、この人の短編はあまり好きではないのですが。一応、シリーズものが入ってるので読んでみました。 「双頭の鷲の旗の下に」が、興味深かったです。へえ〜…って思ったな。「コロンボのかみさん」みたいな存在だと思ってたから、出てくると思わなかった…って、なんのことやらですね(笑) 後半の数編は、なにがおもしろいのかさっぱりわかりませんでした。詩人ですねえ。 ★★☆☆☆ |
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