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言の葉
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2004年09月30日(木) 二人の行く末-13


それから数日後
彼から電話が入りました
内容はもちろん彼女との話
電話をしていろいろ元気づけた結果
彼女もこちらに戻る気になったようです




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こりゃすごいこったと思って
話を聞いていました
なんだか不可思議な展開だなって
思ってはいたんですけど



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目が点です
確かに童貞(これは確認済)と処女(あくまで想像ですが…)
いい組み合わせといってしまえばそれまでなんですけど



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誰がじゃ!
関係無いとこで
好きなようにやってください

本人にはいいませんでしたけどね





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2004年09月29日(水) 二人の行く末-12


もともと大山さんという人は
体型と異なり少々弱い感じのする人で
致命的な天然でありながら
被害妄想気味なとこがある人でした




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他の同期の人間たちとは
まあ仕方ないよねえ
本人の心持ちの問題だからって
静観の構えでいたんですけど

ここで和田クン
妙に張り切ってしまって
彼女にしばしば電話して
その様子をボクたちに報告してました

ある日
いつものように彼女のことを心配する和田クンに



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というと

和田クン
目をギラギラッと輝かせて
「なんて素晴らしい考え
 もしかしてオマエ天才なんじゃない!」
と狂喜してます



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ってつぶやいてました

さて
その結果はいかに?


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2004年09月28日(火) 二人の行く末-11


思えばボクのクラブの同期は
なかなか素敵なメンバーでした
まず1回生から一緒に入った男は
付属高校からあがってきたヤツだったけど
1回生を2回ほどやって
どうしても進級できなくて放校されちゃった

どうして進級できなかったのかといえば
必修の英語の単位がとれなかったわけだけど
出席は全部してたみたいなんだけど
いかんせん試験がさっぱりだったようで
翌年1年間勉強して
ボクが4回生になる時に
芸術系の大学に入り直してました

2回生から一緒になったメンバーは
男2人に女1人
そのうちの男1人がいわずとしれた和田クン
もう一人の男はまあ無口で変わってはいたけど
ボクと同時に学校卒業して地元の新聞社に就職
これはまあ普通といえば普通

残る紅一点
この人がまたすこぶる変わった人でした
なんていうんでしょう
超天然とでもいったらいいんでしょうか?
よく受験でテストに名前書くのを忘れなかったなって感じ
体型はドラムカンとまでいかなくても
少なくとも350ミリ缶並の迫力はありました
名前は仮に大山サンとしておきましょう

さてやっと行く末を心配する二人が揃いました
ここからは和田クンと大山サンの繰り広げるストーリーです




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2004年09月27日(月) 半生な季節


急に寒くなってきました
昨日までタオルケットで寝ていたんだけど
夜中に2度ほど寒さで目が覚めてしまい
もうそろそろ限界なんだって思ったり
まあ10月にならんとしてるから
当然といえば当然なんですけどね

雨模様の東京
秋の気配が漂う昨日の帰り道
なにやら不思議な人をちらほら見かけました




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最初目にした時に
なんだか違和感感じたんですけど
足元見てあぁ真夏の格好にアレかーって思って
足元だけはもう秋に突入してるんですね
というか
ノースリーブは見てるほうが寒いって…

続いて駅から出て歩いていたら
歩道に乗り上げて止まってる車が1台
なんだか通行の邪魔だなって思って
チラと中を見てみると



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まあなんでもよいのですが
大丈夫ですか?アナタ
だいたいそんなたるんだモノを
どうどうとさらしてないでください
って思わずアタマの中でツッコミ入れてしまったり(笑)

目にした不穏なモノをアタマから振り払い
歩き続けていると
ふと前を行く中年男性二人の会話が耳に入ってきます
「おまえねー、バカでないの?
 西武なんていう田舎でそんな朝早くバスは走ってないよー」
「だってオメー、ここは東京だぜ」
「バスなんて朝の6時半過ぎに決まってだ」

どこの国の話をしているんだろう?
って考えながら歩いてましたけど
だいたい西武っていう場所はドコにあるんでしょうか?
なんとも生半可な会話

バス談義に燃える二人を追い越すと
前にはなにやらフワフワとしながら歩く
おばーさま1名



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んー珍しいものをつけてます
何かのおまじないでしょうか?

たった10分ほどの間ですけど
なんとも半生な気分
季節の変わり目っていうことでしょう

と自分で納得させとこう(笑)





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2004年09月26日(日) 二人の行く末-10


年度末試験の真っ最中
翌日の必修科目である英語の勉強をしていたら
突然アパートのドアをノックする音が
そうまたしても和田クンの登場です

「バア!試験中で寂しいと思って来てやったぞ」
なにやらまたバカなことほざいてます
「明日朝1限から試験だから今日はダメ」
そう答えるボクに
「今日はどうしても重要な用事があるんだ
 すぐ帰るからちょっとだけ」
と答えるので




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ズンズン部屋の中に進んで
ちゃっかりテレビの前に座ってます
かー信じられない
アタマにきたボクは
「2時間で帰れよ」と声をかけ
彼の存在を無視して一人で英語の勉強をしていました

そして2時間後
「もういいだろ。約束の時間だから帰ってくれ」と
声をかけました



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「そんなことオレに関係無いから帰れ」って怒ると
「オマエはなんて冷たいヤツなんだ
 このまま中途半端に帰ったら気になって眠れないじゃないか」
もちろんそんなこともボクには関係ありません
そもそも自分の試験が終わったからって
まだ試験中の人間の家に来て
のんびり映画見てるほうどうかしてると思うんですけど…



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そしたらヤツは黙って最後まで見て
スーっと帰っていきました
なにやら腹立たしくて
眠れなくなってのはボクの方で
おかげで徹夜で一夜漬けしてました

これで彼が現れなくなったら
なんとも平穏な日々が訪れるはずだったんですけど…
そんな一筋縄でいく相手ではありませんでした





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2004年09月24日(金) 二人の行く末-9

新車購入後約半年で3回事故を起こして
廃車にしてしまった和田クン
さすがに家の人にひどく叱られて
車厳禁をくらったそうです

そうして電車通学に変わった和田クンは
以前に比べて極端に行動が落ち着いて
(当たり前ですよね。電車のある時間に生活しなくちゃいけないんですから(笑)
周囲の人間も
「やっと普通に戻ったよね。よかったー」と
言い合っていたのもつかのまの話




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あいかわらずギラギラさせた目が
ちょっと恐かったんです
せっかく買ったんだからちょっとドライブ行こうっていわれて
前回の合宿での件があったから
丁重にお断りしたんだけど
なんだかんだいう彼に辟易して
「仕方ない乗るか」
と意を決しました

乗ってみると
いきなり気付いたのは
何か赤いランプがついてます
故障かなって思ったら
よかったガソリンでした
いやよくないってば
ガス欠で止まってまうよ

それを指摘すると
和田クンはああっていって
早速ガソリンスタンドに向かいました



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思わず目が点になってしまいました
これまでの人生でそんなガソリンの入れ方する人に
初めてあったもので
普通は満タンにするんじゃないんですか?



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もともと図太いヤツだとは
思ってましたけど
なんだかとっても不快な感じ
もしかして財布がわりに乗せられた?

このころから
もう普通の友人としてのつきあいはできないなって
感じ始めていて
全てはネタになっていくのでした




なんだか全然タイトルと違うじゃん!(笑)


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2004年09月22日(水) 二人の行く末-8


和田クンの車は2週間ほどの入院で
完治して帰ってきました

夏休みも終わり
秋になって確か10月
ボクたちは新宿のアルタでバイトが入っていて
午後1時に集まりました
メンバーは和田クン、ボクそしてもう一人の同級生

和田クンがきません
確かに普段から時間にルーズな彼
バイトが始まって30分…1時間…1時間30分…




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そして2時間ほどたって現れた和田クン
なにやら異様にギラギラしてます



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とさりげなく語り出しました

実は前日の夜
和田クンはボクたちと徹夜で麻雀したんです
朝の5時過ぎに終わって
ボクをアパートまで送ってくれました

眠いだろうから泊まってそのままバイトにいったら?
って提案したんですけど
シャワーあびないと気持ち悪いってことで
そのまま帰っていったんです
まさかそれがあの車の最後になるとは…

当時ボクが住んでいたのは大田区
そして和田クンの自宅は世田谷区
環状八号線を北上していて
意識が飛んでしまって
気が付くと車は
センターライン上の金網を50メートルほど破壊して
対抗車線に飛び出しおまけに
右のドア側を下に横転していたそうです

たまたま対抗車線に車がいなくて
他の車を巻き込むことはなかったそうですが
車の修理にかかる費用80万円
その時の車の価値はそれ以下だとのことで
全損
本人はいたってピンピンしてるんですけど…



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踏んだり蹴ったりとはこのことです

でも和田クンは雄々しく活躍を続けるのでした




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2004年09月20日(月) 二人の行く末-7



実はボクもこの時
生まれて初めての事故体験
思いの外簡単に事故って起きるんだなーっていう
なんとも場違いな感想と

突っ込んだ先が
もしそれまでのように
コンクリートで固められていたら
どうなっていたんだろうっていう恐怖

なんとも複雑な気持ちに揺れながらも
親切に車を引っ張りだしてくれた
大型の運転手さんに御礼を述べて
さてこれからどうしようということになりました




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少しだけ動かしてみると
ぶつかった左の前輪が少し接触しているようで
シュカシュカと音をたてています
仕方ないのでみんなで引っ張ってなんとか動けるようになりました
(意外に車のボディってヤワなんだって知りました)

さあ合宿所に向かおうとすると



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一挙に緊迫する空気
なぜならボクもこの年の3がつに免許を取得したばかりで
バリバリの初心者だったんです
オマケに東京では一切車の運転をしたことがありませんでした

そりゃ運転するのはやぶさかではありませんでしたけど
一応人様の命を預かるわけで
多数決をとりました
事故直後の和田クンか
免許取得半年以内のボクか



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いやいや
決して笑い事ではありませんでした
おりしも雨足が強まり
ワイパー最速でも前がほとんど見えない上
あたり一面キリにつつまれて
本当に視界ゼロ

いくら笑われようと
無事故を誓ったボクは
時速30キロというノロノロ状態で
なんとか合宿所にたどりつきました
予定時刻よりもおよそ4時間遅れで…

ホッとしたのもつかの間
こんな事故で終わる和田クンでは
ありませんでした
ボクたちはまだまだ彼のことを甘く見ていたのでした






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2004年09月17日(金) 二人の行く末-6

和田クンの華麗な事故から1か月ほどだった夏休み
クラブの夏合宿があり
和田クンの車に3人が同乗して
奥軽井沢方面へ向かいました
合宿っていっても
泊まりがけで飲み倒し
麻雀したおしみたいな世界で
何のために合宿するの?って感じでしたけど(笑)

和田クン号は軽井沢から鬼押し出しを抜けて
合宿の地へ向かっていました
天候は雨模様
キリも出てなにやら面妖な雰囲気




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これ聞いてなんだかヘンだなって思いました
だってほとんどのドライバーって
そう思って運転してません?
でも世の中に事故が多いのは
その感じる能力が低いからじゃないかって
思うんですよね

しばらく前から和田クン号の前を
大型トラックがのったりのったり走っています
雨だしワインディングだし
仕方ないなーって思っていたら



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さてその問題の場所は
下りのワインディング右へのカーブ
だいたい120度くらい
助手席に座っていたボクは
思わず緊張しました

下りにあわせて踏み込んだアクセル
加速する和田クン号
なんとかカーブの直前で大型ダンプをかわし
カーブの突入します

するとまた隣から今度は「あれ?」っていう
マヌケな声
続けて「あぁあぁぁあぁあぁぁぁっ」っていう
マヌケな絶叫

そうです
車は急に曲がれなかったんです
助手席に座るボクの目に
土手がどんどんせまってきます
「やった」って思った瞬間
ボクはダッシュボードに手を突っ張って
迫り来る土手を一心に見つめてました

ドンという軽いショックとともに
車が土手に突き刺さりました
幸いだったのは
その土手がたまたまブロックて補強されていない
文字通り土が露出した場所だったことで
もしこれがコンクリートで固められていたら
結構ひどい事故になったでしょう

外に出て様子を確認すると
左の鼻先が土にささってます



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なんたる素晴らしい人なんでしょう
こんなバカにも
こんなやさしさ
ワイヤーをリヤに引っかけて
引っ張り出してくれました

長くなってしまいましたので
続きはまた





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2004年09月16日(木) 二人の行く末-5


さて和田クン
実は猛烈果敢な性格であることが
このころから徐々に判明してきました

ある水曜日大学近くのクラブのたまり場だった
喫茶店に現れた和田クン
なんだか妙に難しい顔をしています
どうかしたのかって聞いてみると
いきなり憑かれたように話始めました

前の日曜日
車で晴海に出掛けた和田クン




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んーなんだか状況がよくわかりません
どうしたらそんなことできるのでしょうか
普通縦列駐車するときって
ノソノソやりますよね
もしぶつけたとしても
ドスンというより
コツンって感じですよね



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うはー衝撃
で何が起こったかというと
こういうことでした

路肩に車を止めようと思った和田クン
いったん歩道に沿ってまっすぐ止まってから
バックしようと思って
思い切りアクセル踏んだら
たまたま後続車が同じく路肩に車を止めていたそうです

いや
たまたまってアナタ
普通はバックするときに後ろ見ながらするでしょ?



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そりゃ無理ってもんです
目をつむって運転してるようなもんじゃない

こうして車を2週間の入院させた和田クン
4月に買ってまだ3か月もたってなかったそうですけど



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この先どうなるんろうって
チラっと思った予感は
あたることになるんですけど
まさか自分がそれに巻き込まれるとは
思いもしませんでした(笑)

いや
笑えない話だったんですけど…





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2004年09月13日(月) 秋の音


やっと昼の暑さがおさまった夕べを
虫の音が支配する
重なりあういろんな音は
あたかも苦しみを紡ぎ出し
さらけ出す綴り文のよう

ある人は別れた相手を忘れられなくて
またある人は想いを持てあまし
日々一喜一憂する
そんな言葉に接しているうちに
いつしか自分の中に宿る
ほのかな気持ちに気付いたりする

希望と諦め
このどちらとも言い難い
緩やかで苛烈な感情に揺られ
生あることを恨み
生あることを喜ぶ




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いずれにしろ
自分で決められない何かが
こんなにもどかしいとは


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2004年09月12日(日) 二人の行く末-4


とまあ舞い上がってしまった和田クン
一回生の女子二人組にいいように使われてます
こーいうのが世にいう
アッシーとかメッシーとかいうんだなって納得しました

周囲の輩はどうしてそんなに貢ぐのかな?
なーんて不思議に思いながらも
その展開を愉しみにしていました
なぜってこの和田クン




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おかげでこちらが何もいわなくても
全ては白日の下に
っていうか
そんな風になんでもいってたら
普通はみんなイヤになるよねえ
特に女性はそうだと思うのだけど
そんなことない?

小学生じゃないんだから
今日朝起きてから何して何してっていう話から
その子としたこと話したことまで
ぜーんぶ報告するの
やめんかーい!って何度思ったことか
だってボクのアパートにきては
ほとんど毎日そんな話してくんですもの

当時はボクと和田クンは親友だと
周囲に思われていた感じもありますが
決してそうではありませんでした
来るモノは拒まずという
ボクのポリシーゆえの結果だっただけです
まあこれが後で酷い目にあう要因にも
なってしまうんですけどね

ある日の和田クン
なにやら沈鬱な声で電話してきました
「今日いっていい?」
んーまあいいかって思って
その旨告げると
早速現れた和田クン



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うはははは
やっぱりなーとうなずくボク
彼は「オマエのいう通りの女だったよ、もう女なんて信じない」
ってボクの部屋で力説してます



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きつく断られたそうです
見損なったともいわれたと

まあそんなもんでしょ
キス仕掛けたんならまだしも
その程度で怒るなら
金と時間を浪費させたらいけません
というより
そういう女だってわかんないキミが
お馬鹿さんなんだよっていっちゃいました

さて
これじゃ全然行く末になってませんよね
本命はここから始まるんです

懲りない人って
なんだか素敵!(笑)



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2004年09月11日(土) 二人の行く末-3


とまあ
こんな調子ではじまった
大学のクラブ生活だったんだけど

2回生になった時
新たにクラブに入部してきた酔狂なヤツ3人
男2人に女1人
このウチの二人が主人公になるんだけれど…

男のウチの一方の名前を仮に和田クンとしましょう
この和田クン
ウチのクラブがどんなトコかも知らないで
迷い込んできたみたい
だって例会(週1回開かれていたんだけど)に
ブレザー着てきてたもんな
飲み会&徹マンでボロボロになるとも知らず(笑)

一見格好いいというか
良家のおぼっちゃま風の和田クン
一緒に入部してきた一回生の女の子に人気のご様子

入部した途端に人気モノになってしまって
舞い上がってしまったようです




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気持ちはよくわかるけど
あの手の子はさけた方が無難だって感じたボクは
彼に軽く忠告めいたものもしちゃいました



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ボクの忠告をもてない男の
嫉妬と勘違いした和田クン(笑)
いや
アレに手をだすほど困ってないから
っていうのはボクの中だけの話

そして和田クンのアタックは
どんどん加熱していくのでした


アーメン








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2004年09月10日(金) 二人の行く末-2


そう
目覚めはなぜかニンニクの匂いだった

昨日はどうしたっけ?
目が覚めて
フトンに寝ている自分を意識した瞬間
そんなことを考えていた

目を覚ましてからも
しばらくボーッとしていて
ノドが渇いているのに気付いて




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一瞬何が起きたのか理解できなかった
通りでボクの周りにフトンが無いはずだった
みんなボクを避けるように
遠くにフトンをひいていた

なんだか酷い
二日酔いと寝不足で朦朧としたまま
水道へと向かい
エィやっとアタマを洗い始めた
冷たい水が気持ちよかった…

ん?
何かヘンだぞ



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あとで聞いた話によれば



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いや
真剣な話
その時は笑えなかったんだけど…

ふと気づき
目の前を鏡をのぞき込んで驚いた
顔にマジックで落書きが…
こりゃいかんと思って
ついでにゴシゴシ洗って
さっぱりとすると
途端にアタマの中味も冴えてきた

もしかしたら…
その予感は悪い意味であたっていたんです



なんだか
メインストーリーになかなかたどり着きません
でもこーいうクラブの雰囲気を
事前に書いておかないと
後の話が今ひとつわからないと思いますので
もう少しだけ…






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2004年09月09日(木) 二人の行く先-1


これは架空のお話です
実在の人物・その他団体に似ていたとしても
あくまでフィクションなんです


フィクションっていってるでしょ!(笑)




さて
ボクが入ったクラブは
想像していたものとは全く違うところだった
高校まで運動部に所属していたんだけど
大学に入ったら
適度に遊ぶクラブに入ろうって思っていたんだ

大学までいって
先輩後輩の上下関係にわずらわされるのもイヤだったんだけど
実は高校までやってた柔道のクラブ見学までいって
そこに結構白帯の人がいたから遠慮しました
だって先輩が弱いと
なんかやりにくいんだもの

なんだか話がずれてしまいました

話をもとに戻して
実際に入ったのはマンガ研究会
てっきりいろんなマンガを読んで
品評会とかするトコだとばっかり思って
そしたらそこはマンガを描く人のためのクラブだった

一緒に入った新入生は1人
残念ながら男だった…

なんだかここまで書いてきて
タイトル間違えたかと…

決して男色のお話じゃありませんので
念のため(笑)

まあボチボチ進行するでしょう

そして恒例の新入生歓迎合宿




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いや
正直笑えませんでした




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2004年09月07日(火) 忘れえぬ人々-4


さて彼の告白爆笑大会は続きます

季節はまだ春先で
シャワーだけでは肌寒く
湯船につからないとなかなか身体が暖まらない
そんな季節でした

梅山クンが酔っぱらって
ポツリとつぶやきました
まだシャワーだけじゃ寒いですよね
そりゃそうだ
湯船につからないとね
なんて答えたら
ウチはできないんですよー
って答えます




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っていうんです

思わず「???」
もの問いたげなボクに向かって
自慢げにつけくわえます
だって西洋式の湯船って汚いじゃないですか

なぜだろう
ってユニットバスのついた部屋で
生活したことないボクは素朴に思って
その理由をたずねます



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ますますもって意味がわかりません



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うはははは
そりゃ確かに汚いよねえ
でもそんな人
この世に一人もいないんじゃない?
と突っ込んでしまいました

確か今年で20歳になるはず
この人はこれまでどんな生活をおくってきたのでしょう

実はあまり人付き合いもなく
聞くに聞けないまま大学生になって
クラブに入って初めて先輩に聞いたのが
レンゲの使い方と
ユニットバスの使い方だったそうな

そんな大嘘を教えた先輩のことを
アクマと呼んでました

それを知らなかった事も
充分ニュースバリューあるって
思いません?(笑)


次からは純愛物語の始まりです
ププッ



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2004年09月06日(月) 忘れえぬ人々-3


その日
ボクは彼と初めて飲み会で同席していた
入部して1か月たらずの彼だったけど
すでに他の部員とは1度飲みにいっていたようで
飲み会ではすでに彼を囲んで
質問大会になってました

その日は
メインの料理が鍋で
みんな思い思いにつついていたんですが
彼の行動が何かヘンだなって思って眺めていると
そうレンゲを使わないで
取り分け小鉢から直接ツユを飲んでいるんです




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思わず目が点になりました
それまで20年ほどの人生でしたが
レンゲに関してそのような答えを聞いたことは
皆無だったので…

途端に興味がわいてきて
なぜそう思うのかって尋ねたら



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とのこと
そして
あれってなかなかうまくいかなくて
こぼれて手が熱いんですー
ですって

思わず大笑いしてしまいました
スマヌ大笑いしてって心の中で思いながらも
これまで飲み会で滅多にとらない鍋が
最初からテーブルに乗っていた理由がやっとわかってきました
彼のその奇怪なる使用法を見るためだったんですね

梅山クン
キミは不幸だ
だって周りにそんなウソを
平然と教える悪いヤツがいるんだから…

というか
自分で思いつかないっていうのが
やっぱ致命的だよ(笑)

この酒席で
彼はもう一つ爆弾発言をしてました…。



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2004年09月04日(土) 忘れえぬ人々-2


さて
くだんの梅山クン
彼はなかなかお茶目な性格で
さまざまな話題を提供してくれました

そもそも
当時まだ日本で発売されていなかった
(発売されていたかもしれないけど、学生にはとても高価で手がでなかった)
APPLEのパソコンをもってました
たしか日本ではNECのPC6001が発売になったあたりだと思います

このAPPLEのパソコン自体
キットで買って組み立てたっていってましたけど
当時はキットで売ってたんでしょうか?
というか
おそらく違法コピー商品だったんじゃないかって思います
それで毎日ゲーム三昧の生活をしていました

彼の部屋に遊びにいくと
まずこの見慣れないパソコンなるものに心うばわれ
そして冷蔵庫の中にも…




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うまれて初めてみる
この大量のごちそう
そう
考えてみたら彼の実家のメシのタネだったんです

肉が食べられないのに
牛丼屋が好きな彼は
立派に自炊していたんです



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贅沢なんだか
貧しいんだかよくわからない彼です



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こんな不思議な彼が
飲み会で披露したお話は
次回のお楽しみということで(笑)





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2004年09月03日(金) 忘れえぬ人々-1


さて
また懲りずにシリーズものを書こうなんて
考えてます

今回はいつものと違って
恋愛関係ではなくて
これまで出会った人で
どうしても忘れられないエピソードを
提供してくれた人のお話です



彼の名前はなんてしとこうかな
とりあえず梅山クンとしておこう

この梅山クン
大学のクラブの一年後輩なんだけど
なぜか2年生になってから
入部してきました

彼は大阪のまむし屋の一人息子
入部してすぐの飲み会の後
なんとなく二人で渋谷の街をブラブラ歩いていると
梅山クンがお腹がすいたっていいだしました

ボクも飲んだあとで小腹がすいたなって思ったから
目の前にあった牛丼屋にいくことにしたんです
店に入った二人はそろって大盛りをたのみます
さっそくでてきた時に彼が一言

先輩!肉好きですか?
おお、好きだよなんで?って聞き返すと




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この意味不明な行動に
よくよく事情を聞いてみると



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っていいます
これまでそんな人きいたことありません(笑)

じゃあなんで牛丼屋に入るんだよーってきいたら
この味が好きでよく食べますって平然と答えてます
牛丼屋に入って牛肉食べないなんて…

彼はそれからしばらく「汁飯」と呼ばれてました




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2004年09月02日(木) 去る夏


あれほどまでに
疎ましく感じた
その暑き風は
いつの間にか遠く

気が付くと
今年の夏は
なんともすれ違いを思わせるように
消え去っていた

携帯のカメラの中に残された
ポーズをとるキミを眺めながら
過ぎ去った時間を思うのは
徐々に長くなっていく
虫の音の宵がふさわしいのかもしれない




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そして一つの季節が終わる


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2004年09月01日(水) 止まった時間-17


ボクの友人はなぜか海外へ留学したり
また海外へ赴任していたヤツが多い
特に仲のよかったヤツラが
スウェーデンとアメリカとイギリスにいっていた

中でもイギリスにいってたヤツは
小学校以来の友人で
中学、高校と同じ学校にいって
大学は違ったけど
同じ上京組だったんだ

その彼がつい今年の初めに連絡をくれた
彼曰く
今年の初めに同窓会があって
たまたま帰国していた彼は
出席したとのこと

そこで彼は彼女にあったということで




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とのこと



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「前の」って
まさかまさか
ボクじゃないよなって
思わず彼に確認してました



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もちろんその真意は
誰も確認してませんので
どんな話かはわかりません

もう時効だよなって
思っていたのはボクだけなんでしょうか

彼女の中で止まった時間は
永遠に動き始めることはないんだろうか

ボクの勘違いであることを
祈らずにはいられません

なんとなく宙ぶらりんな結末で
すみませんでした


長らくのご愛読ありがとうございました





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