白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2002年12月31日(火) イェローペーパー

 一般紙のWeb版は報道記事が無機質で表情に乏しいがGendai NetやZAKZAKなどの夕刊紙はセーセーショナルで過激な記事でいかにも人間くさい。いわゆるイェローペーパーで、一般紙が伝えない真実に迫っている記事も多い。ところがいまそれらの夕刊紙が年末年始の休刊にはいっているのでいささかさびしい。其れに代わるのが2ちゃんねるだがこちらは猥雑すぎて品がない。



2002年12月30日(月) 動画

 BROBAなど映画を中心としたエンタテインメント系の動画配信サイトが続々と誕生しているがいずれも有料で月額基本料やペイパービューの料金がバカにならないのでIDを貰うのも財布と相談しなければならない。しかも画像がいまいち。高画質をうたっているが画面がなんとも小さい。フルスクリーンにするとフォーカスが甘くなるしひどいのになるとモザイクがかかったようになる。これで2時間もの映画を見るのはつらい。動画はまだ発展途上である。



2002年12月29日(日) ネーミング

 田中秀征さんが「WAKE UP」(28日 日テレ)でおもしろいことを言っていた。保守新党などというネーミングは猫が猫と名乗るようなもので安直でいいかげんなものであると。英国にも保守党というのがあるのだが、だいたい保守党ということばは普通名詞であってこれを固有名詞としてつかうのは猫をタマとかミケとよばないで猫という名前をつけるようなものだというのである。年内に政党届けをださないと政党助成金をもらえないからじっくり名前を考える余裕もないドタバタだった。しかしシンボルマークは手早くとできあがっていたからこっちの準備は間に合った(なんだか五線と音符の組み合わせで楽団のマークめいているけれど)。



2002年12月28日(土) 命乞い

 保守新党の結成をめぐる議員の離合集散ほど政治家たちの私利私欲をむき出しにした自己保身の行動ほど醜いものはない。とりわけ「自民党復党はない」と宣言して舌の根も乾かないうちに復党を決めた野田氏、民主党の国対委員長として舌鋒鋭く自民党攻撃をくりかえしていた熊谷氏がこともあろうか政権与党の保守新党の党首として小泉政権にすり寄った変節。過去の言動について小泉さんにわびを入れたというが昔でいえば「命乞い」をしたこと。我が身可愛さのためにはプライドもかなぐりすてるってことだ。



2002年12月27日(金) 年末特番

 このところテレビは長時間編成の年末特番で埋め尽くされている。「1カ月1万円生活」「あなたは目撃する脳ミソ直撃100%」など。よくまあこんな企画を思いつくものだとなかばあきれている。極めつけは「紅白歌合戦」、ことしは厳寒の黒部からの生中継も企画されているらしい。そんなことのために高い聴取料を払っているんじゃないぞ。



2002年12月26日(木) イチロー不快

 松井のヤンキース入団決定にコメントを求められたイチロークン、「グラウンドで会うのが楽しみです」と殊勝に答えたが真意は年俸が倍以上、あこがれのピンストライプのユニフォームを着るのを先に越された悔しさがにじみ出たことば。以上はゲンダイネットがソースだが「両雄並び立たず」は歴史の定説である



2002年12月25日(水) クリスマスイブ

 「ローストチキン」とカタカナで書けば豪華なメニューに見えるが昔のことばでいえば「モモ焼き」。「違うわよ。タマネギやニンジンの香味野菜を加えてオーブンで焼いたんだから」というわけで二人だけのささやかなクリスマスイブ。食事が終わった後は「私はものまね大会が見たいわ」「オレはドボルザークが聴きたい」で仲違いしてふたりは家庭内別居。



2002年12月24日(火) ムクドリ来襲

 10月に苗を移植したブロッコリーやカリフラワーがようやく花芽をつけるころになってムクドリの大群が来襲して葉を食いちぎりはじめた。不要になったCDで嚇しにしようとしたが役に立たなかった。飛来するのは日中だからカミさんと交代で見張り役だ。同じ場所に植えてあるダイコンやホウレンソウには目もくれないからエサになるのとそうでない種類があるようだ。



2002年12月23日(月) まず安否情報を

 スポーツ紙が来年1月訪ロする小泉首相が拉致被害者家族と面会するというウルトラCが水面下で交渉されていると報じているがならず者の北朝鮮が簡単に「ウン」というか。それよりもフジテレビや週刊金曜日が過去の実績で取材攻勢をかけて家族を危険な目に合わさないように監視すべきではないか。また社民党や共産党など北朝鮮にパイプのある政党も安否確認に行動をおこすべきだ。



2002年12月22日(日) 検索の迷人

 検索の鉄人たちがその技を競う「ITキング決定戦」(BS2)は夏の高校生大会に続いて昨夜日韓の代表が国の名誉をかけて熱戦を展開日本チームがホームアドバンテージで辛勝。日韓の紙幣の歴史的人物を生存年数の順に並べよというような難問をアッという間に調べ上げる腕前に感心。私はクロスワードパズルの難問に挑んでいたカミさんに「竹馬に乗ること。この年といえば幼年期をさす」という問題のこたえを検索してよといわれているがまだ見付けられないでいる。



2002年12月21日(土) 失言

 国会が終わって議員たちの遊説活動が活発だが調子に乗りすぎて失言妄言もあちらこちらで。首相在任当時も失言の多かった森さんこんどは「学力より人格を」と教育論をぶってまた物議。サメの脳みそとヤユされたこともあるが教育哲学を「学力か人格か」の二者択一で論じようとするアサハカさでまた物笑いになった。



2002年12月20日(金) 米朝戦わば

 AP通信が消息筋の話として、今年2月に行われた米韓首脳会談で、金大中・韓国大統領はブッシュ大統領に対し、朝鮮半島で軍事衝突が発生した場合、ソウルが軍事境界線に近いなどの地理的条件などから、3万7000人の在韓米兵だけでなく、多くの韓国在住米国人に生命の危険が及ぶと説明、軍事衝突回避の必要性を訴えたと伝えた。(19日「ZAKZAK」)



2002年12月19日(木) 賭け

 拉致被害者5人の記者会見を見た。質問はバッジをはずしたことに集中した。蓮池薫さんの答え。「北朝鮮の公民として行動することはないのだからつけていることは無意味。決して北に敵対するとか政治的な意味をあらわしているのではない」。なかなか質の高い言語表現だが道理の通用しない北朝鮮がこのように理解するのか。脱北者として家族を地獄の政治犯収容所にぶち込むことはないのか。5人の決意は大きな賭けでもある。



2002年12月18日(水) ミサイル

 追いつめられた北朝鮮が「暴発」するかも知れないというわけで石破防衛庁長官はアメリカからミサイルの導入を決めた。イージス艦派遣など朝飯前、軍事については何でもありの日本になってしまった。「核武装だって憲法違反ではない」という福田官房長官の発言もなつかしい。「日本は素晴らしい国ですね。戦争をやってはいけないという法律があるそうですね」(天声人語による)――世界は日本をこういう目でも見ている。



2002年12月17日(火) イージス艦出航

 世論が賛否真っ二つに割れる中で「過程はどうであれ、決定されたことに即応することが我々の本分」という司令官の激励を受けてイージス艦「きりしま」が出航した。続々と乗船する乗組員たちをニュースでみたが中にはハンカチで目頭を押さえる隊員も(ニューステーションの映像)。いささか軟弱すぎないかという気もするけれど愛する家族との別れには涙も流れよう。「大君の命かしこみ磯に触り海原渡る父母を置きて(大君の御命令をおそれおおくもおしいただいて危険な航海に出た。故郷に父母を残して)」(「万葉集」防人歌)。



2002年12月16日(月) ワドル元艦長

 今、世界で一番不幸な男はワドル元艦長ではないだろうか。針の筵の謝罪旅行はさぞかしつらいだろうと同情する。沖縄の海兵隊少佐やひき殺し事件をおこした在韓米軍兵士が地位協定に守られて頬かむりしているのに比べると同じアメリカでもこんなに違うのかと思う。補償問題も解決したことだし宇和島水産高校もワドル元艦長の贖罪の行動を受け入れる寛容さがあってもいいのではないか。



2002年12月15日(日) ガラス拭き

 朝は霜も真っ白で寒かったが日が高くなるにつれて気温も上昇しポカポカ陽気になったので一年の汚れを落とすためにガラス拭きをする。濡れた新聞紙で一次拭き、その後乾いた新聞紙で仕上げ拭きと新聞の生活欄で読んだ掃除法でやってみるがなかなか汚れがとれない。しかも軽作業のようだが意外と肉体労働で疲れてしまい仕上がり不満のままやめてしまった。



2002年12月14日(土) 3大テノール

 W杯の記念イベントになっている「3大テノールコンサート」はドジャースタジアムで行われたアメリカ大会から録画で見ているが日韓大会の横浜公演「ジャパン2002」は今夜ようやくBS-hiが見せてくれた。山賊の首領のようなパバロッティ、肉屋の親父ドミンゴ、信用組合の金庫番のカレーラスと風貌はいまいちだが神様はなぜこんなに人間を不公平に作りたもうのかと恨みたくなるような美声の持ち主。こんどの公演が最後らしいので特別な思いで見た。日韓の女性歌手も賛助出演してコンサートを盛り上げた。会場S席で見た人は12万円らしいがテレビ桟敷はタダ。



2002年12月13日(金) 洪害悲禍

 今朝の天声人語でことしの「創作四字熟語」の入選作が紹介されていた。元になった四字熟語はほとんどわかったが「洪害悲禍」がわからず一日中モンモンと過ごしたが思いあまって新聞社に電話したら「慷慨悲歌」という答えがあった。「悲憤慷慨」までは考えたが語順が違うのしっくりいかなかった。しかし「慷慨悲歌」は広辞苑(5版)にもない。



2002年12月12日(木) 黙秘権

 判決では「黙秘したことを被訴追者に不利益に扱ってはならない」と異例の「黙秘権」解釈の一項をはさんだが常識的に考えて黙秘というのは無実の証明ではなくて犯意や犯行を隠蔽する唯一の手段としか思われない。動機を解明できなかった裁判が死刑という極刑を導き出したのは一貫して黙秘を通したという林真須美のふてぶてしさ(うすら笑いも同じ)とそれを教唆した弁護団の法廷戦術に対する国民の常識による審判だったとはいえないか。



2002年12月11日(水) 落語全集

 大型店進出が相ついでいる我が町にこんどは100円ショップがオープン。同じ商域で3店舗が軒を並べるという狂乱状態になっている。100円ショップの品は無ければ無くても済むというようなものばかりだが大人の駄菓子屋というような夢のある品がそろっている。新しい店には各種CDがあってポピュラークラシック盤などが魅力。きのうは「落語全集」を買った。全5巻で500円也。痴楽、伸治、柳昇といった懐かしい噺家の古典落語が聞けてたのしい。



2002年12月10日(火) ナスカ

 ナスカの地上絵は古代人たちが気球を飛ばして様々な模様を地上に描いたのだという仮説を古代の素材を使用して実験したというのが昨夜の「人類飛行伝説」(テレ朝)。熱源はガスではなく薪を燃やした煙だが見事に気球はふくらみ飛行に成功するというクライマックスは感動的。進行役の江口洋介クンもときどきエッセイ風のコメントをはさむのだがキーワードは「すごい」。いまどきのこの世でこんな企画ができるのは不景気知らずのテレビだけ。



2002年12月08日(日) 大衆社会

 大衆社会の特質。「仏教や陰陽五行説などに仮託したさまざまな迷信あるいは現世利益宗教の氾濫、また手相、四柱推命、星座占いなどの流行」。これらは「戦前にはなかった。まして文明度の高かった江戸時代にはわずかしかなかった」この大衆社会は「未開返りの要素も濃いのではないか」。――「」内の引用文は司馬遼太郎の「この国のかたち」より。



2002年12月07日(土) 江藤隆美

 このところよくテレビは江藤・亀井派のボス江藤隆美氏の発言をとりあげる。ところがこの老人のコメントはいつもピントはずれでしかも低次元で品がない。道路公団民営化委の答申には「無礼者!」。高速道路建設に批判的な猪瀬氏への怒りをあらわにしたが建設大臣などの要職を経験しながら地元選挙区(宮崎1区)に高速道路はおろか道路一本も作れなかった無能さを棚にあげて吠えている。



2002年12月06日(金) チラシ

 暮らしのムダを切りつめるために新聞はWebで読めるから購読をやめようと提案したら「ダメよ。チラシはどうすんのよ」とカミさんに却下された。生活情報としてチラシは女にとっては大切なものらしい。折しもわが町には九州一の売り場面積をもつ大型DIY店がオープンし巨大なチラシが朝刊にはいった。くまなく見ていたカミさん、「思ったほどやすくないわね」とポイ捨て。安売り情報でないとチラシも価値はないらしい。



2002年12月05日(木) イージス艦

 混沌とした状況を乱麻を断つごとくスバッと裁いてくれるような能力を持った指導者を歴史は望んでいる。小泉さんに託した国民の期待もいってみればそういう指導者であってほしいということではなかったかと思うのだがだんだん独裁者という名の指導者になりつつある。イージス艦派遣決定については与党内部からも反対の声が高い。民主党が内紛から野党として小泉独走にブレーキをかけられないことも政治状況の悲惨さに拍車をかけている。



2002年12月04日(水) トヨタカップ

 トヨタカップには年甲斐もなく興奮した。さんまも「すごい」「最高」を連発していたがサッカーがあんなにおもしろいと思ったのは初めてだ。それに比べるとJリーグなど子どものゲームだ。世界中からかき集めたスーパースターが勢揃いするというのは本場スペインでもなかなか見られないらしい。巨人軍も真っ青のドリームゲームだった。



2002年12月03日(火) 燃料電池自動車

 夢の車燃料電池自動車が完成し試作車が政府公用車として実験に供されるという。国はリースで使用するが1台につき月額120万円とか。もし購入するとなったら2億円は下るまいというのは久米宏の見立て。庶民が買えそうになるのは15年後ぐらいらしい。このニュースを伝えた朝日の記事には自転車タクシーが東京で人気をよんでいるというのもあった。環境を守るためには車を捨てて歩きましょう。



2002年12月02日(月) 大根

 9月に蒔いた大根がようやく食べ頃になってこのところ毎日が大根料理。朝はみそ汁の具や大根おろし、夜はイカやブリと煮込んでメインディッシュ。豪華ではないけれど実にうまい。ふろふきやおでんもいい。煮なますは寒い夜ポカポカと暖まって元気が出る。下手な役者を大根というが本物の大根は野菜の王様だ。



2002年12月01日(日) 食料査察

 ドイツ人医師フォラツェン氏が「イラクの核査察を行うのと同じように北朝鮮の食料査察を実施せよ」という提案は現実的で緊急の課題である。国連は早速この提案を受け入れるべきである。先日出港した万景峰号に積み込まれた米や野菜などは金正日への貢ぎ物だと石原慎太郎氏は暴露したが飢える国民へ行き渡るように世界が監視すべきだ。


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