月曜日の夜FMを聴いていたらどこからともなく虫の音が聞こえてくる。耳障りなのでガラス戸を開けてみるが虫の居場所がはっきりしない。不思議だなと思っているうちに、これは幻聴ではないかと気づいた。つまり耳鳴りがしているのであった。それ以来耳鳴りがやまないので、とうとう医者に行った。聴力検査のあと、鼻から耳に空気を流して「これで治りませんかな」と言われたけれど変化なし。「年をとりますとどうしても高音が聞き取れなくなるんですよ」と訳のわからない説明があって「気になるようでしたら1週間後にまたいらっしゃい」と追い返されてしまった。まだ依然として耳の中で虫が鳴いている。
7月に刈り込んだカイズカやヒトツバが伸び放題でみぐるしいのでことしになって3度目の剪定作業。夏場とちがっていまからは新芽がでないので来年の初夏のころまでは世話いらず。冬支度が完了して庭がすっきりとなった。これからは山茶花の季節。
立冬までまだ間があるというのこの寒さはどうしたことだろう。炬燵がほしいが11月まではと我慢している。それでも夜に火の気がないのはさびしいので毛布を足に巻いて日本シリーズの観戦。
我が町では今年になって交通事故死亡者が急増(現在まで9人)しているということで緊急の市議会が開催され300万円の予算で対策を講じることになった。つらつら私なりに原因を考うるに交通事故多発はクルマが増えたから。一家に一台どころか一人に一台というぐらいになっている。とりわけ女性の所有者が多くなり近所のスーパーに行くのでも車に乗って出かける有様で必然的に事故の発生の原因になっている。司馬遼太郎さんの作品に「むかしの中流以上の家の女性というものは、信じがたいほどの出ぎらいだった」という一節があるがいまでも心ゆかしい女性はクルマには乗ってはいけないのである。
昨夜の独占スクープと銘打ったフジテレビのキム・ヘギョンち ゃん会見記を見ながら違和感を覚えた。実際放送中に批判的な意 見が殺到したらしいがいまなぜあのような抜け駆け的な報道にな るのか理解できなかった。批判に答えてフジテレビは「国民の知 る権利に答え、知らせる義務を果たせたのではないか」と話して いるらしい(ZAKZAK)。拉致問題の報道にあたっては家族会が過剰 な取材をつつしんでもらいたいとメディアには釘をさしていたと 思う。心配していたとおり節度のない取材がはじまったようだ。 とりわけ拉致議連の平沢さんがコメンテーターとして昨夜の番組 に出演しフジテレビの節度のない番組作りの後押しをしていたの にはあきれてしまった。おじいさんは怒ったゾ!!
北朝鮮は信用がおけないということで5人を永住させることを決定したが残された家族が帰されるという保証もない。日本が約束を破ったと北が態度を硬化させ子どもたちをいつまでも帰さないということになったら家族をふくめ5人には新たな苦悩が生まれることになる。拉致問題では日本に大局的な見通しがなくドロナワでクルクル対応が変わることに不安がある。日朝交渉で有利なカードは依然北朝鮮にある。
予算委員会質疑。野党が一斉に大森大臣の口利き疑惑を追及。大森大臣慇懃な口ぶりながらシドモドロの説明で完全否定。文相などを歴任し自民党では良識派と思っていただけに「大森、お前もか」と裏切られた思い。
寝付きのわるいカミさんがせせらぎや波の音に催眠効果があるらしいと聞いて「CDを1枚買って」というのでレコード店に行ったら2000円もするので「オレが録音してやろう」と近くの川に行った。町がゲンジボタルを保護している川なので清流だ。流れを石でせきとめて段差を作って録音機を吊しておいたら思いがけなくいい音がとれた。「どうだ眠れたか?」と聞いたら「あまりいい音なのでおしまいまで聞いたわ」
2002年10月22日(火) |
シューベルティアーデ |
今週の夜のNHK-FMは「シューベルテイアーデ」。毎年夏オーストリアの小村シュバルツェンベルクで行われるシューベルト記念音楽祭のことしのコンサートの録音放送。短い生涯で書き残した600曲の歌曲の中から当代一流の歌手が歌い歌曲の王をしのぶ。あしたが「白鳥の歌」、最終日が「美しき水車小屋の乙女」。シューベルトがたっぷり聴ける夜が楽しみだ
1850年21歳になった吉田松陰は藩許を得て江戸に遊学する。しかし藩からの生活費はかつかつで1日米4合1勺が支給されるだけ。このころの暮らしぶりを故郷への手紙でこう書いた。「料理は金山寺(みそ)と梅干し類にかぎり、式日だけは鰹魚と制度をきめ、また外出して食事時になっても外食したことはありません。お国の金銭をお国で浪費するならまだしも、江戸で使うことは藩経済の上からものぞましからぬことであります」。以上の典拠は司馬遼太郎さんの「世に棲む日々」。若者の食事としてはきわめて粗食。長生きはできないが精神は強靱に育つ。
雨の日曜日、ワールドシリーズの第1戦で新庄選手の活躍を見る。WS出場日本人選手初と書いている記事が目立つが、98年のシリーズに当時ヤンキースにいた伊良部投手がメンバーに入っている(出場機会なし)から、厳密にいえば2人目なのだが9番DHとはいえヒットも飛ばしたからえらいものだ。
○「米国とわが方のどっちが優位か、核戦争をやってみなければわからない」(日朝首脳会談における金正日発言) ○「米国は特使派遣で不純な政治目的を達成しようと画策したが、水泡に帰し、米国の政策立案者たちはますます窮地に陥った」(労働党機関紙)
拉致を認め、謝罪し、一時帰国を認めるなど北朝鮮が国際社会へ復帰かと思わせた一方で核開発をめぐって米国に対して開き直りにも似た挑発的な行動(上掲引用文)をとっているのは依然その狂気は何にもかわっていないということか。北に帰る被害者たちのこれからの処遇が心配だ。
ちくま文庫版の日本文学全集から宮本常一集を読む。古書店で200円でもとめたもの。民俗学者として全国を歩き、名も無き庶民の暮らしのあとを訪ね日本人の原像というべきものを記録しつづけたひと。中の一編に「土佐源氏」という作品があった。孤児として馬喰にひろわれ馬喰として生計をたてながら放蕩三昧に生き病を得て盲目となり橋の下の掘っ建て小屋で死を待つ男から聞き取った半生記。読みようでは艶笑譚でもあるが、正直に生きた人間の実相が描かれている。 「ああ、目の見えぬ三○年は長うもあり、みじこうもあった。かもうた女のことを思い出してのう。どの女もみなやさしいええ女じゃった」(本文より)
日本シリーズにそなえて宮崎で合同合宿中、紅白戦を前にした松井選手に聞く。 ――三冠王残念だったね。 「いやいや、まだ力不足だったんですよ」 ――いよいよ日本シリーズだが。 「緊張しますね。カブレラがいますから、なんとか彼の鼻をあかすようなホームランを打ちたいですね。目標はシリーズ5本かな。そうすると今年55本になりますから、なんとかかっこうのつく1年になりそうです」 ――ところで大リーグはどうなっているの。 「シリーズがおわってから発表しますが、チャンスはいつでもっていうわけじゃないですからね」 以上スポーツ各紙の記事を合成した架空対談。 ちなみにきょうの紅白戦での松井の成績は中安(上原)、二飛(上原)、左安(河原)であった。
帰国者が金日成のバッジをつけているかどうかが関心を持たれていたが驚いたのはバッジとともに青のリボンを全員つけていたこと。このリボンは家族会が解放の願いをこめて作ったシンボルカラーだったから。独裁国家に忠誠を宣言する立場と自由社会の一員でありたいというメッセージをこめた意思表示であった。しかし5人にはこれから二つの祖国に翻弄されながらの苦悩の生活が待っているだけに完全帰国を実現させるための外交努力がのぞまれる。
蹴る殴るはては殺してしまう、そんな内容のテレビゲーム。このようなバーチャル体験を刷り込んで育った子どもがどのような人間になるか、だんだん現実に現れだしたらしい。週刊文春のレポートによると目に生気がなくポカンとしキレやすくかたづけができないこどもたちがふえているという。名付けて「若年痴呆症」俗に「ゲーム脳」。治療法はお手玉が有効とか。
アジア大会での日本の金メダル獲得数が意外と少ない。65個を目標にしていたらしいがきのう現在44個。中国韓国に大きく水をあけられてしまった。球技種目は全滅に近いし陸上も期待された朝原、為末もダメでマラソンも清水、弘山がかろうじて銀をとっただけ。アジアの盟主だった日本の凋落がさびしい。プロ野球も日韓、日台の交流が活発にならないのも彼我の差がはっきりして日本が勝てないことがわかったからかな。
田中耕一さんの情報がくまなく伝えられる。役員昇格から朝食の献立、奥さんとの再会にいたるまで。そこまで書かなきゃいけないのと思う。それよりも田中さんの業績が世にあらわれるまで15年もかかったという日本の学会の閉鎖性ということをもっと検証すべきではないか。学者同士が足を引っ張り合っているということがなければいいのだが。
9月の末に蒔いた大根がみずみずしい葉になっている。まだ虫もついていないので抜き取ってみそ汁の具や一夜漬けの漬け物にしている。豪華な食材ではないけれど季節を感じさせてうまい。寒くなるにつれて太く育つ大根がたのしみ。大根はいまではいつでも食べられるけれどやはり冬のものだ。俳句でも冬の季語。「流れゆく大根の葉の早さかな 虚子」。
虫も殺さぬような顔をした竹中平蔵大臣だが銀行や大企業はつぶすつもりらしい。週刊ポストによれば第一候補は大スーパーのD。我が町のDは目下リニューアルオープンに備えて内部改装工事中。しばらく休業しているが再建はあるか?
サラリーマンがノーベル賞をもらった、博士でもないのにノーベル賞をもらった、だったら俺も頑張れば…と田中耕一さんの受賞がしがないサラリーマンたちに夢を与えたなどと騒いでいるが才能天分などというものは努力で得られるものではない。努力できるのも才能のうちであってバカに生まれついた者はもともと頑張ることなどできないのだ。
きのは雨だったが寒かったので読書はやめて温泉に行く。はやりの第三セクター(実際は市が全額出資)経営のクア施設。霧島山麓にある。霧島温泉郷は坂本龍馬がお良さんと新婚旅行に来たことでも知られており、全山いたるところに温泉が湧きだしておりよりどりみどりで入浴を楽しめるが我が家からは40分ばかりかかるので簡単には行けない。
韓国のテレビやラジオ番組がすべて視聴できるサイト(下記)が韓国にあります。その中には日本のテレビ放送も含まれていてNHKのBS1が見れます。BSは国内では有料ですからネットで見るとタダになるという海賊放送。国際法にかなっているのかどうかわかりません。 http://my.dreamwiz.com/finklzz0/tv.htm
朝日新聞の世論調査によると日朝交渉再開に対する国民の反応は賛成反対ほぼ同率(賛成44%、反対43%)。拉致家族の立場に立てば賛成しがたいし、世界平和をめざせば反対もできないという国民の悩ましい思いがのぞいている。同じ朝日は日曜日の論壇で二つの立場を識者に論じさせている。つまり「感情を超えて歴史的選択を」というのが豪州国立大のT・モーリス・スズキ教授、「焦眉の課題は被害者の救出」と叫ぶのが作家の萩原遼さん。難しい外交課題となってきた。どうする小泉さん?
「津波にのまれた」とアサヒ・コムが見出しにつけたのがヤンキースの敗退。1回戦も逆転勝ちというきわどい勝利だったが2回戦から3連敗。ついに6年連続ワールドシリーズで戦うというリーグ優勝を逸してしまった。レギュラーシーズンで他を圧倒したクレメンス、ウェルズ、ペティートらの投手陣がエンゼルスに打ち込まれて完敗。「盛者必衰のことわり」はここにもあった。
アジア大会女子ソフトボールの日本台湾戦をいま中継している。シドニー五輪で大活躍の猛女たちの懐かしい顔が見える。猛女らしく真っ黒に日に焼けて男以上の顔立ちばかりだ。水泳や体操の選手たちが妖精のようなのと対照的。ヨメさんにはしたくないなぁ。
金正日から一箱2万円はするという松茸を300箱もお土産にもらったというニュースが流れて、 記者「本当ですか?」 福田さん「マッタケ(全く)知らない」 お後がよろしいようで。
夏の間ひとしきりなった茄子の枝を落として秋茄子がなるのを待っていたがきょうようやく一つ食べられる大きさになったのでみそ汁の実にした。「秋なすは嫁に食わすな」というけれど姑のいない我が家はカミさんも気をおくこともなく秋の味を賞味できる。
――今回の調査で今後の拉致事件の真相究明に道筋が付いたと判断できれば、今月中の再開で合意している日朝国交正常化交渉の具体的な日程調整に入る方針だ。(ZAKZAK 2日 afternoo版)
この記事はすこし気がかりだ。調査団が持ち帰った報告にまだ納得していない拉致被害者家族の心情を無視するように政府や外務省は国交正常化にシフトを移そうとしている姿勢が見えるからだ。「平壌合意」はたしかに国交回復を目指したものだが正常化交渉の日程をつめるのに国民感情はまだ熟していない。
「私は、大部分の時間をひとりで過ごすのが健康的だと思っている。相手がいくら立派でも、ひとときつきあえばすぐに退屈するし、疲れてしまうものだ。私はひとりでいるのが好きだ。孤独ほどつきあいやすい友達には出会ったためしがない」(ソロー「森の生活」)。――定年後の生活も似たようなものだ。きょうもひとりで畑仕事(春菊とほうれん草の種まき)と芝かりをした。
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