白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2002年05月30日(木) 検察秘録

 本会議に出席した鈴木宗男議員がひそかに読みふけっていたのが「検察秘録」と題して政治家逮捕の舞台裏を記録した本であることをすっぱ抜いたのがニュースステーション(5/23)だが、それ以来宗男氏は国会に姿を見せず国政を放棄している。Xデーが迫っている中で支持者や旧島民に対して「(疑惑は)事実無根」だとか「初心に返ってがんばる」とか文書を通じて虚勢を張り続けているが居座り続けるのならまず国会に出ることが議員としての義務ではないのか。逃げ隠れしている議員に懲罰動議も提出できない国会も問題だ。



2002年05月29日(水) 達川の炯眼

 九回表松井のホームランで均衡が破れて、河原の救援で巨人の勝ち、と誰しもが思ったのに解説の達川さんは突然の登板で河原のテンションが上がっていないために逆転の可能性があると冷静に戦局を分析していたが結果はその通りになった。さすが百戦錬磨の勝負師。こんな炯眼の解説者はあまりいない。



2002年05月28日(火) 芝刈り

 梅雨入り前のつかの間の五月晴れ。庭の芝刈りで汗を流す。ローラー式のカッターなら高さを一定にして刈れるが、我が家のはナイロンカッターで高さをそろえるのがなかなかむずかしい。ナイロンが根元に当たって地肌がむき出しになることもある。「だから雑草が生えやすいのよ」とカミさんが嫌うのだが、ローラー式は三万円(電動)もするので簡単には買えない。



2002年05月26日(日) 高校選抜がんばる

 ドイツチームが本番前に唯一練習試合相手に選んだのがなんと宮崎県の高校選抜(U-18)。試合開始直後宮崎が強烈なシュートを放ちGKカーンを横っ飛びにさせる場面が場内を沸かせたが宮崎が持ちこたえたのは15分間だけ。以後はドイツに赤子の手をひねられるようにゴールを蹂躙され結果は10-0(前半4-0)。心配された観客も続々と入場し1万5千人。この試合はドイツ国内にも生で中継されたとか。



2002年05月25日(土) 荒唐無稽

 「被告は真摯な修行と教典等の研究を行い、自己の霊感によって宗教的確信を確立させ、これを他者に広めていったのであり、その目的は、すべて衆生の救済であった」(麻原裁判における弁護側の冒頭陳述の冒頭部分 23日)。
 若者風に表現すれば「マジかよ」と叫びたくなるような反証文。オウムの悪行をすべて弟子たちの責任に押しつけようとする弁護団の認識は荒唐無稽だ。



2002年05月24日(金) PowerToys

 PowerToysのページがようやく再開されたのでDownloadをした。ところが日本語化キットのインストールがうまくいかないので苦心惨憺。あらためてReadmeをよみなおしたらZipファィルの右クリックから「すべてを展開」という操作を抜かしていたことがわかってようやく日本語化ができてめでたしめでたし。でもまだDesktop ManagerのMSVDMツールバーがうまく操作できないでいる。



2002年05月23日(木) スピーカー

 「Plus!」には「スピーカーの拡張」という機能があって「音の透明度と広がりを簡単に高めることができ」(ガイド)る。パソコンに付属するスピーカーの性能はいまいちだと思っていたがこの拡張機能で確かに音質が向上したように思える。科学的なデータはないがWMPのサウンドが生まれ変わった。



2002年05月22日(水) 伯母さん

 でも、(黒柳徹子さんには)妹さんのお孫さんがいて、徹子さんには大叔母さんにあたるわけです。その子には「叔母さん」ではなくて、「徹子さん」って名前で呼ばせて可愛がっているんです(永六輔「六輔の遠近メガネ」)。
 これはすこし変。「伯母さん」じゃないの。



2002年05月21日(火) 大奥の美顔術

 江戸城大奥の女性たちが若さと美貌を保つためにせっせと行っていた美顔術。
 両手の掌を合わせて数十遍すりあわせ、掌が熱くなった時、その掌で額をよくなでこすり、それから鼻の両脇、頬、口のあたりを幾十遍もよくなでさすり、最後に両目の瞼をなで、耳の両脇から耳をよくよくなでさする。この法を五年間毎日行えば、「顔貌(かお)の色形、少女(おとめ)のごとくになり、誠に老いをかえして嫩(わかやか)となる」(「都風俗化粧伝」1813年)。
 以上は山本博文さんの「サラリーマン武士道」(講談社現代新書)からの引用。つまり現代風にいえば顔マッサージですな。



2002年05月20日(月) Plus!

 3Dのアクアリウムをスクリーセーバーにしたくなって「Plus!」を買った。見事な画像だがなんだか人工的すぎてすぐ飽きそう。1500円の製品版を買うと魚の種類も増やせるそうでこっちの方がよかったかなと後悔しても後の祭り。



2002年05月18日(土) あなただったら

 「あなたが領事館員だったらどうした」「あなただったらシュンスケ(中村俊輔)をどうする」などとカミさんは「あなただったら」としての判断を私に求めて来る。傍観者としてなら無責任になんとでもいえるが当事者の立場に立つと考える視点が違ってくる。瀋陽事件で領事館員や大使への風当たりは厳しいが予期せざる事態に遭遇すると結局何もできないのが人間なのかも知れない。それでもシュンスケ選手は私だったら選ぶなあ。



2002年05月17日(金) トルシェ監督

 トルシェ監督のわがまま気まぐれにおどろいた。日本代表発表にあたって監督は欠席、フランスからコメントを寄せただけ。そればかりでなくフランスの記者団には「日本チームの8強入りはムリ」とホンネを語っている(サンスポ)。もう5年も日本チームを率いているのに一言も日本語をしゃべらないのも日本をバカにしているフランス人の傲慢さを表している。



2002年05月16日(木) 親善試合

 W杯のドイツチームがキャンプをはる宮崎で地元高校生チームと親善試合をすることになって主催団体が観戦を呼びかけているが2万人も収容できる会場なのにまだ3500人しか申し込みがないとあわてているという記事が新聞に出た。世界に冠たるドイツでも相手が高校生となると横綱に初土俵の力士が挑戦するようなものだから盛り上がらないのかも知れない。勝敗は問題外なのだが遠来のチームに声援を送るのも国際親善になるのではないかと思って観戦申し込みをした。往復ハガキで申し込むだけで入場料はタダ。



2002年05月15日(水) 虞美人草

 三年前、景品でもらった花の種に虞美人草があった。畑の隅に種を蒔いておいたらきれいな花を咲かせた。薄い和紙を真紅に染めたような色合いでこれが虚飾と驕慢に身を滅ぼした甲野藤尾のイメージかと納得したのだったが、そのときできた種子からかパセリの根本に芽が一本でたのでそのままにしていたら三年前と同じように咲いた。虞美人草といえば物々しいが実はヒナゲシの別名で雛芥子と書くとアグネス・チャンのデビュー時のかわいらしいイメージにつながる。



2002年05月14日(火) 虫歯

 ひとつきくらい前奥歯がひどく痛んだが二三日でおさまったのでそのままにしていたら最近かみ合わせで軽い痛みが出るようになり熱もあり「顔が腫れていますね」と人にいわれるようになったのでとうとう歯医者に行った。年も年だからおそらく歯周病であり抜歯をして義歯か差し歯にするのが治療だろうと見当をつけていたが単なる虫歯という診断でひとまず安心。抜歯ということになったら「ヨダキイナ(億劫だ)」と思っていたので助かった。



2002年05月13日(月) 掏摸

 W杯で一儲けしようと世界中からスリがやって来ているらしい。彼らは決してひとりでは行動しない。三人で組んで実行する。「ワン、ツー、スリー」。三味線漫談の玉川スミさんのネタ。昨夕の「笑点」から。



2002年05月12日(日) 母の日

 ことしの母の日には思いがけなくあちらこちらから花束やプレゼントが届いてカミさんはいつになく上機嫌。ただし晩飯はご馳走なし。「母の日は常のままなる夕餉かな」という小沢昭一さんの句(句集「変哲」より)の通り。



2002年05月11日(土) 首位決戦

 昨夜の巨神戦を朝日のスポーツ記者西村欣也さんは「濃密な時間が流れていた」と評しているが両チームの投打に雲泥の差があって阪神の一方的なゲームで終わった。解説の川藤が試合の中盤で阪神の勝ちを予言していたがシロート目にもホワイトの長打で試合が決まったように見えた。打てない守れないで首位決戦での巨人の三連敗は避けられない。



2002年05月10日(金) ならず者を許すな

 鈴木宗男氏が辞職しようとしない。そればかりか「逮捕されても徹底抗戦、獄中からでも出馬する」と周囲の人に語っているという。自民党も依然として宗男氏をかばいつづけている。衆院予算委員会で偽証告発を提起した野党の要求を否決したが、宗男氏に引導を渡したいのだが返り討ちにあうことをおそれて鈴をつけられないのだという。真紀子女史の秘書給与問題もうやむやのうちに「疑惑なし」で幕引きになったのも自民党の内幕を暴露されることをおそれているのだという。国政の場で我が物顔で跳梁跋扈するならず者に鉄槌をくだすことのできない自民党はもはや政権政党の体をなしていない。



2002年05月09日(木) 写真は語る

 APが配信した写真を「へェ」と感心して見たが、この写真を撮るにはカメラマンがあらかじめ中国の警察が亡命者が日本領事館に駆け込むの拘束するのを知っていたからだというのを後から教えられてまた「へェ、なるほど」とうなってしまった。だとしたら日本がこの情報を事前に知らなかったという説明はどうも説得力がない。外務省の中国政府に対する生ぬるい抗議もうさんくさい裏取引があるように感じられる。1枚の写真が語る真実は奥深い。



2002年05月08日(水) 完敗

 日本が優勝すれば代金は全額返すといってテレビを売っているのがカルフール・ジャパン。日本チームもなめられたものだが今朝の対リアル・マドリード戦での完敗を見ていると優勝どころか予選突破も危なくなってきた。W杯史上開催国で決勝トーナメント進出を果たさなかった国はないうだがひょっとしたら日本がジンクスを破ってしまいそうだ。ニッポンがんばれ!



2002年05月07日(火) 有事三法

 重要法案目白押しでGW明けの国会審議に興味しんしん。きょうは有事三法をめぐっての委員会審議を見る。「治にいて乱を忘れず」とか「備えあれば憂いなし」といったカビのはえたようなことわざを使って有事法の整備を強調する小泉さんだが差し迫った有事の可能性もないので法案もあいまいさや矛盾が目立ち野党側の攻撃材料になっていた。それよりも6日に朝日がスクープした「海幕幹部がイージス艦派遣を対イラク開戦前に米に対日要請を促す」というニュースにはびっくり。有事三法そこのけの制服組の独走がおそろしい。



2002年05月05日(日) 雨と野球

 降り続く雨で庭仕事や畑仕事ができないのを嘆いたのは4月21日だったが、それ以来天気は回復せずGWにはいってからも連日の雨。今朝は止んでいたので早々と朝食をすませ外に出ようとするとまた降り出した。仕方がないのでテレビで大リーグ中継を見る。早朝から新庄(ケガで欠場)や石井のゲームをやっている。メジャーリーグがごく日常的になってきた。



2002年05月04日(土) ハイビジョン

 NHKが国民にハイビジョンを売りつけようとして一大キャンペーンを展開している。いま行われている「BSデジタルまつり」でハイビジョンがいかに魅力的かを体験させるとともに番組を通じて朝夕会場のイベントを紹介している。はたしてハイビジョンはテレビに革命をもたらすものであるか。私も95年にハイビジョンを購入したが喧伝されていたほど画像がすばらしいものとは思われなかった。野球中継も広角の画面構成で球場がくまなく見渡せるといわれたが実際の画像は標準サイズと同じカメラを使う場合が多く「まるで球場にいるような」臨場感を味わったことはあまりない。



2002年05月03日(金) サッカー戦争

 昔、サッカーが原因で戦争が あったということは知っていたが当事国のひとつが昨夜のホンジュラスであったことは中継を見るまでは知らなかった。なるほど試合ぶりを見ているとカリブの暴れん坊らしく荒っぽい。日本のチームプレイに対して個人技でかき回して3点も奪い日本チームをあわてさせた。日本が勝たなくてよかったよかった。



2002年05月02日(木) 美わしの五月に

 花開く 美わしの五月に
 わが心には 愛が萌え出で
 鳥歌う 美わしの五月に
 あの女(ひと)に打ち明けた わが心の思慕(おもい)
   (ハイネ詩/角倉一朗訳「美わしの五月に」)

 シューマンの歌曲集「詩人の恋」の第一曲。私の好きな曲のひとつ。でも「人前では絶対に歌ってはいけません」とカミさんにクギをさされている。



2002年05月01日(水) 五月頌

五月は好い月、花の月、
芽の月、香の月、色の月、
女の服のかろがろと
薄くなる月、恋の月、
何やら物に誘(そそ)られる、
官能の月、肉の月
(与謝野晶子「五月礼賛」)


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