| 2002年06月05日(水) |
ワールドカップ・リポート<01> |
さあ、ワールドカップサッカーネタです。あまりにもタイムリーすぎるけれど、なかなか面白い経験をしたので、そいつを御紹介しましょう。
先日の日曜、さいたまスタジアムというところで『ノルウェー―イングランド戦』が行なわれた。 このさいたまスタジアムの最寄り駅は埼玉高速鉄道・浦和美園駅というところになるのだが、このワールドカップ期間限定で、この駅前にウチの会社が(つまりFMが)出店したのですね。で、直接の関係のない社員も、店舗販売応援に駆り出されたわけで。 ま、いちおうウチの会社はワールドカップの“オフィシャル・サポーティングカンパニー”ということになっているので、会社あげての応援体制である。 そして俺は、直接“ワールドカップを体感する”ことになったのです。
朝の8時半くらいにはその店に到着し、早速アレコレ指示されるままに店頭販売商品の準備などをしておりました。時間が11時近くになってくると、突如として駅前のロータリーは人手が増えてきた。試合開始は18時と聞いているのに! 日曜日ということもあったのだろうが、何より、外国人の姿が異様に増えてきたんですね。見れば、店内は外国人も含めたお客さんであふれ返っており、駅前ロータリーも黒山の人だかりになっている。 俺、正直なところ、ナメてたんですよ、日本で行なわれるワールドカップってやつを。 確かに世界的イベントで、各国からサポーターが大挙してやって来る――なんて報道をあちこちで見聞きしていたけれど、どうも実感が沸かなかった。特に開幕する前までは、結局は応援むなしく日本代表は決勝トーナメントに進むことも出来ず、なんか、あれれ……という雰囲気で何となく盛り上がりに欠けたまま終わってしまうような気もしてた。 しかししかし、この日の試合前からの盛り上がりでそんな気分は吹き飛んでしまった。 兎に角、外国人サポーターは本当に大量にやってきている。自国のユニフォームを着たり、国旗をマント代わりに首に巻いている、顔にペインティングなんてのはもはや珍しくもなんともない。上半身ハダカも見慣れたものだったし、奇妙な形の帽子をかぶったり、国旗の色をモチーフにしたアフロヘアーのカツラをかぶったりしているのもいる。ちょっと油断していると、あちこちで外国人サポーター達が『うぉううぉううぉー、うぉううぉううぉー』とサッカー風応援歌を唄いだすし、そんな彼らを捕まえて、日本人の若者たちが一緒に写真に収まったりしている。もう、スゴい。
俺はワールドカップの現場にいる、そんな気分だった。
俺はFMの店頭で飲料の販売をしていた。よく花火大会などで見かけるでしょう、大きな水槽に水と氷を張った中にジュースなどを冷やして販売している、アレ。当然、店内の飲料の冷蔵庫だけでは対応できるわけがないので、こんなふうに始めから店頭販売をしていたのだ。 この店頭販売にも外国人は客としてやってくる。 外国人はやはりミネラルウォーターを買うね。驚いたのは「アクエリアス」が結構外国人に認知されていること。「コカコーラ」を手にして『ダイエットコークはないの?』と何人にも聞かれたのは成程、である。 この飲料店頭販売部隊には俺を含めて7、8人の社員が配備されていたが、皆、最初のうちは外国人客にかなりビビっていた。ちょっとでも彼らに質問されようものなら、社員の笑顔は渇き、目は泳ぎ、取りあえず『サンキュー』を連呼しておけばなんとかなるだろう、という空気だった。 もう十数年前の話になるとは言え、腐っても留学経験のある俺である。発音はでたらめだっただろうし、文法もテキトーだったが、“外国人に臆することはない”という部分だけで他の社員よりは外国人客に対してココロの余裕はあった。だから、『150円です』と言うところを、他の社員は最初のうちは丁寧(?)に、 『ワン ハンドレッド アンド フィフティ エン』 と言っていたが、俺がこれを『ワン フィフティ エン』で対応していたら、いつしか他の社員も同じように言っていた。 『酒はないのか?』 と外国人客に聞かれることもしばしばだった。当然フーリガン対策だかなんだかで、スタジアム外でアルコールは一切販売されていない。FMももちろんそれにならっている。この質問に対しての答えも簡単だ。 『ノー ビア』 こう言っておけばとりあえずはあきらめてくれる。『他の場所でも売っていないのか?』とさらにツッコんでくる外国人客も少なくなかったが、『ワールドカップだから、酒はどこでも買えないよ』と説明してやる。 そういえば、面白い外国人客がいたな。そろそろ外国人客への対応にも慣れてきたある社員とイングランド・サポーターとの会話。 「(ビールはないのか?)」 「ノー ビア」 「(別のところで買えるか?」 「ノー。ノー ビア」 「(なんでだ? 俺はフーリガンじゃないぞ!)」 彼の叫びに周辺は大爆笑であった。
あれま、長くなっちゃったな。続きはまた今度。しばらくワールドカップネタが続きそうです。
|