のづ随想録 〜風をあつめて〜
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【のづ写日記 ADVANCE】

2002年05月08日(水) コレは果たしてどうなのか?

 わが家にまたひとつ“21世紀”がやってきた。

 先日、俺の実家に帰省した帰りに、ツマの要望もあって道すがらの家電店に立ち寄った。最近は郊外に大型の家電店がいくつも出来ていて、俺の通勤途中にも巨大な『ケーズデンキ』があって、時々寄り道をすることがある。
 ツマはこれまで懸案事項にしていたMD・CDラジカセを遂に買うことを決意、お手ごろ価格で希望に添った商品を手に入れた。あと、トースター。わが家のキッチンにはオーブンレンジはあるのだが、ツマのいろいろな検討の結果トースターも必要である、ということで、これも購入。
 そして、“21世紀的家電”をも買ってしまったのである。

 電動歯ブラシ――。

 皆さんの中で電動歯ブラシを使っている人、はい、手を上げて。想像するに2、3割の人は使っているような気もする。特に女性の“電動歯ブラシ使用率”はなかなか高いのではないか――と勝手に想像もしているのだが、どうだろう。
 で、この電動歯ブラシ。使ってみるとイロイロなことが判明してきた。
 知らなかったのだが、電動歯ブラシには歯磨き粉は付けないんですね。直径1センチくらいの円形のブラシ部分に洗面所のアクアフレッシュを付けようとしたら、早速ツマに注意されてしまった。ツマはすぐに取り扱い説明書をとり出し、洗面所で電動歯ブラシを使わんとする俺の横でアレコレと説明してくれる。
 スイッチを入れると、ブーンという震動音と共に円形のブラシが高速回転を始める。俺はこの回転した状態の電動歯ブラシを“普通の歯ブラシと同じ感覚で”口の中で上下左右にゴシゴシと動かした。
「ああ、動かしちゃダメ」
 ツマのダメ出しを受ける俺。幼稚園児じゃないんだから、なんで歯を磨いている様子を見張られなければならんのだ。
「――回転したブラシを歯一本々々に当てて、一本ずつ丁寧に磨くようにするのよ」
「ゴシゴシしたらだめなの?」
「だめ」
 洗面所の鏡の前で、震動音を脳天に響かせつつ、直立不動で、ぼーっと突っ立ちながら、歯を磨いている俺。どうも間抜けな姿である。やはり男らしくたっぷり歯磨き粉を付けた歯ブラシを口の中で忙しくガシガシやったほうが、歯を磨いている気分になってよいと思うのだが。
 とにかく、退屈なのだ。
 俺と同じように電動歯ブラシが退屈に思っている男性が出てくる漫画があったが、それをふと思いだした(けらえいこの漫画です)。
 そして、電動歯ブラシで歯を磨き終わっても、どうも口の中が気持ち悪い。歯磨き粉を付けずに歯ブラシで歯を磨いた経験が誰しもあるだろうが、あの口の中の感覚なのである。
「口の中がどうも、こう、気持ち悪いよ」
 そう言うと、ツマは説明書を見ながら言った。
「そういう時は、電動歯ブラシの後に普通の歯ブラシで歯磨き粉を使って歯を磨け、ってことよ」
 ――本末転倒というのではないか、それは……?

 電動歯ブラシを使っている人。正直な使用感をゼヒ教えて下さい。


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