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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1997年10月10日(金) ■ |
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「ルール違反」より「マナー知らず対策」を(39歳) |
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建通新聞 朝刊(遊歩道)連載2
最近、生活をしていて気になるのは「ルール違反」より 「マナー知らず」である。 ルール違反はスポーツで言えば審判、 交通で言えば警察などが取り締まり、罰則が与えられる。 違反する人もルールを知っていながら、 どうしてもルールが守れず違反してしまったというケースが多い。 しかし、マナーは違う。 知らないので、当然悪いことをしたとは 本人も気付いていないから問題である。 例えばボウリング。 ボウルを投げようとしてレーンに立った時、 右側のレーンの人が投げようとしていたら先に譲る。 同時に投げると集中できないし、危ない。 しかしそんなマナーはお構いなし。 自分だけ楽しければイイ、という態度が見え隠れする。 美術館の鑑賞も同様で、 せっかくガラスもはめずに展示している原画を、 小さい子供たちがお菓子を食べた手で触ろうとしている光景、 お母さんは知らん顔。 世間話など大騒ぎしながら、絵の鑑賞はそっちのけで、 ただ順路を観光コースのように歩いている主婦三人組。 お金を払っているんだから、では済まされない マナー知らずが多いような気がする。 マナーの基本は「人に迷惑をかけない」ではないかと思う。 さらに言えば、トイレットペーパーが無くなれば、 次の人のために取り替える程度の 「人に対する思いやり」なのかも知れない。 街中、ルールとマナーを訴える看板が溢れている。 素敵な花壇の中に「缶のポイ捨てはやめましょう」という標語が 常識のように立っている景観を、 なんとか無くしたいと思う今日この頃である。
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