わはは・・・☆ちょっと脱線。 PS2にて開発予定の『ジョジョの奇妙な冒険・第5部(仮)』に、ぬわんと愛しの広瀬康一が(多分チョットだけだけど)出演予定と知って、すっかりJOJO熱再発しちゃいましたわ☆(手元にコミックないのに・・・物置から発掘しないとな) で、以前から読んでみたかった(そしてついに無かった≪涙≫)、第4部の他のキャラから見た康一、と言うのを書いてみようと思います。ただし、掟破りにも康一視点で。 むろん、いわゆる女性的な表現はなし!ですよ。 ではいざ! ********************* 時々、『あの時』の戦いが夢だったんじゃないか、と思う事がある。 でもあれは確かに存在した、僕らの誇りをかけた戦いだったんだ・・・。 いつものようにボリスとの散歩を終え、汗をふきふきリビングに戻ってきた僕は、姉さんに声をかけられる。 「康一、あんたに電話よ」 「え?誰から?」 「クージョージョータローって男の人から」 承太郎さんだ! 僕は急いで受話器を取った。 「・・・康一くんか?」 懐かしい声がする。2年ぶりだろうか。 「はい!お久しぶりです、承太郎さん。お元気ですか?」 「ああ。君も元気そうで何よりだ」 あれ?承太郎さんの静かな声にかぶさって、雑踏の気配が伝わってくる。てっきり自宅から電話してるんだと思ってたけど・・・今どこにいるんだろう? 「ところで明日の放課後、時間が空いているか?」 「え?」 「・・・実は今、杜王町に向かっているところだ。明日には到着すると思う」 ここで承太郎さんは一旦言葉を切り、思いもよらぬ事を言い出したんだ。 「君に頼みたい事がある。明日、杜王グランドホテルまで来てくれないか?」 ・・・あの承太郎さんが僕に頼みたい事?一体どんな事なんだろう? 彼は露伴先生とは違って、ワガママとか人を顎で使うとか、そう言った事とは無縁の人だ。よほどの事がない限り、何事も自分でやりとおすタイプだと思う。(吉良吉影を探していた時も、聞きこみみたいなことを自分でやってたし) その承太郎さんが、わざわざ僕を訪ねて来て僕に頼みたいことって・・・? 疑問には思ったけど、断る理由はあまりない。できることなら、承太郎さんの期待に応えてあげたいとも思ったし。 「分かりました。じゃあ明日、何時に行けばいいですか?」 手早く打ち合わせをし、承太郎さんは実に彼らしく、余計なことは一切喋らないまま電話を切った。 「康一・・・あんたの交友関係って、一体どうなってるわけ?」 いつの間にか姉さんが、僕の後ろに立っていた。 今の電話、立ち聞きされたかな? 「どうって?」 「だってあんた、高校に上がってから変な友達増えたじゃない?あの変な髪形した男のコとか」 「・・・姉さん、変な髪って言うの、絶対仗助くんの前では言わないでよ?」 ここが家で、ホントによかったよ。友達に殴られるなんて、絶対ヤだよ僕は。 「それに、仗助くんたちのこと変な友達だなんて、ひどい事言うなあ。いい人たちだよ。優しいし」 「まあ確かに、あんたが苛められてるってわけじゃないのは確かだけど」 ああ・・・そうか。 姉さんは僕がイジメか何かに遭ってるかと思って、心配してくれてたわけか。 「心配してくれてありがと。でもそんなこと、全然ありえないって」 死にかけた事なら何度かあったけど、人に言っていい話じゃないしなあ・・・。 「そ、そんなんじゃないわよ。自惚れないでよ。・・・たださ、さっきのコとかなら同級生ってコトで分かるんだけど、さっきの人なんて結構年齢、離れてたりしない?」 「承太郎さん?うーん確か28歳とか言ってたような・・・」 「でしょ?それに・・・」 そこで何故か姉さんは、ちょっと顔を赤らめて口篭もった。 「あのステキな人とも、友達なんでしょ? 康一」 ステキな人って・・・もしかして露伴先生のこと?そう言えば以前、母さんと一緒に露伴先生と会った時、そんなこと言ってたっけ。 うーん、女の人ってああ言うのがステキって思うものなのか。よく分からないや。 「う、うん、まあ、そうだと思う」 本当は『親友』呼ばわりされてるんだけど・・・言わない方がいい気がする・・・。 「だから不思議なのよ。普通、歳の離れてる人たちと友達づきあいなんてしないじゃない。一体どうやって知り合ったの?」 「・・・ま、人徳ってヤツでしょう」 僕はそう言って、さっさと自分の部屋へ引っ込んだ。 ───普通、歳の離れてる人たちと友達づきあいなんてしないじゃない・・・。 そうなんだよな。 僕はベッドの上に身体を投げ出して、姉さんのさっきのセリフを反芻した。 これが仗助くんや億泰くんなら、学校が一緒だからまあありふれてると思う。 だけど承太郎さんは海洋冒険家で、露伴先生はマンガ家だ。それもかなり有名な。ごくごく平凡に暮らして来た一学生が、知り合えるような人たちじゃない。 それもこれも・・・。 『エコーズAct・1!!』 僕の求めに応じて、久しぶりに姿を現したのは長い尻尾を持ったスタンド・エコーズ。 それは決して普通の人間の目には見えることはない、自分の意思で動かせる守護神のようなもの。 そして・・・これこそが、承太郎さんや露伴さんと知り合いになるきっかけを作ったものなんだ。 ───2年前の下校中、僕は虹村形兆って人に『矢』で射抜かれた。何でもその『矢』は『スタンド』能力を引き出す道具らしいんだけど、万能じゃなかった。『スタンド』の素質がなくって、『矢』に刺されたまま死んでしまう人もいたから。 その時の僕はと言うと・・・危うく死にかけるところだった。仗助くんが自分のスタンド、『クレイジーダイヤモンド』で治してくれたから、助かったけど。 幸か不幸かそれから僕は『スタンド』能力に目覚め、杜王町に潜む殺人鬼を倒すべく、闘い始める事になったのだった・・・。 (不思議だよな・・・) あの時、『矢』に射ぬかれていなかったら、今の僕はなかった。仗助くんとはその前から友達だったけど、億泰くんや露伴先生と知り合ったのも、『スタンド』絡みだった。 承太郎さんとは? 知り合った時期は仗助くんと同じ頃だけど、あの寡黙で孤高な雰囲気の彼と親しくなれるとは、ちょっと想像できない。 だけど、僕らは巡り合った。そしてみんなと一緒に殺人鬼を倒し、この街を守る事が出来た。 あの時の誇らしい気持ちは、未だに僕の心の中に生きている。 「・・・・・・」 僕はエコーズを消して、パジャマに着替えた。ちょっと切ない気持ちになったから。 (続)
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