竜の爺の戯言日記
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2005年05月05日(木) |
連休の午後の陽だまりぬくぬくと 雑草抜き取り選別思案 |
実際には毎日の生活と言うのは常識の連続であって、非常識的な出来事にぶつかることは稀で、そういうことを平和と考えている人たちがいる。つまり平和とは保守的な体制の持続で、それが悪いと言うのではない。手を加え改良する余地のない体制と言うものが存在するわけがないと思いつつも、実際に毎日の生活の繰り返しにその繰り返しを阻む出来事が出現したり、変化が起こったりすることを忌み嫌う感情が存在する。政治的な権力闘争の話ではなく、極く些細な個人的生活の常識の連続を維持していたいと願う感情は誰にでもあるのではないかと思ったりするのだが、今日は国民の日だった。え? 国民の日って、なんだ。(笑)
苧環(オダマキ)という花がある。竜の爺の常識の中にはこの花はいつも青紫色で、東京に在したうちの20年間、初夏にこの花を見続けてきたから、青紫色でない苧環などというものは存在しなかった。それが、常識はいつも再新される、再新しなければならない、という赤いオダマキの出会いだ。このオダマキはキンポウゲ科の多年草。観賞用に栽培される。根生葉は長い柄をもち、掌状の三小葉に分かれ、白緑色。四〜五月頃、長い花茎の先に青紫色の花を開く。花弁は基部が距(きよ)となってかぎ状に曲がる。萼片は花弁状で平開する、と言うのがこの花に持つ常識的な知識であるが、垣根越しに真っ赤な「オダマキ」らしき花を通行中に発見して、後ずさりし、庭で雑草取り作業をしていた初老の家人の背中に思わず声をかけてしまった。
家人は怪訝そうに私を眺め、私の指差す花を見て首をかしげ「あれは、妻のものですから」と少しはにかんで答え、家の中の奥様を優しい声で3度ばかり呼んだ。「西洋苧環」と名札が付いていました、と洗物をしていたらしい奥様は手を拭き拭き縁側から庭に下りて作業を中断させた非礼をわびる私に笑顔で答えてくださり、そして、園芸店で思わず買ってしまった話を面白おかしく付け加えてくれた。出先の用事で園芸店の前を通行中にこの赤いオダマキに出会って財布の中身を確かめもせず精算所に鉢を運んでしまった、と。衝動買いです、と思い出してころころと笑った。それから、こちらに和風の白いオダマキがあります、と裏庭に案内してくれた。これもカメラに収め、帰り際の庭戸の前で、そういえば、冬のクリスマスローズは見事でしたね、と感想を述べると「あら・」と奥様は顔を輝かせて、「主人の手入れの賜物です」とご主人を振り返った。ご主人は恥ずかしそうに手にしていた小さなスコップを慌てて振ってコホンと小さく咳き込んだ。
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