moonshine  エミ




2007年06月14日(木)  だらだらいかせて

久しぶりに早く帰ってきました。(とは言っても20時半。)
家のこまごましたこともとりあえず終わりましたので、なんとなくだらだら駄文を書き連ねていこうかと思います。ビール片手に。

最近、よしもとばななの『なんくるない』(新潮文庫)を読んだ。すべて、観光客として沖縄を訪れる人が主人公になっている短編集。表題作「なんくるない」は、短編というには少し長く、読み手によっては冗長だと思うかもしれないけれど、なんだかとてもぐっときた。ひとつの恋、というか、真面目なお付き合いが終わると、恋愛でできた傷というよりも、ひとつの生活が破綻したことによって自分という存在自体が危うくなるような喪失感を抱きながら、しばらく生活しなきゃいけないってこと。でも、必要な別れというのはきっと厳然と存在するもので、別れたことによって、長い目でみると結果的に自分を取り戻すことができるんだってこと。そして、つらい別れがあっても、それを凌ぐような、新しい出会いがまたあるんだっていうこと。おとぎ話のようにファンタジックに、悪くいえば「きれいごと的に」書かれてあるそういうことが、私にはとってもリアルに感じられた。

少しずつの違和感が積み重なって取り返しのつかないところまでいく感じとか。それでお互いに息苦しくなってどうしようもなくて別れてしまって、そのことに後悔はないしやり直そうとも思わないけど、その人の良さはとっても好きだと思える感じとか。そして、また次に、なんの根拠もないのに「この人だ。」っていう人に出会う感じとか。あるある、って思う。

で、いま好きな人、というかおつきあいをしているところである人は、2年間の東京生活を終えてもうすぐ福岡に帰ってくる。今週以降は、ほうぼうで送別会と銘打たれた飲み会三昧のようだ。銀座、丸の内、京橋、神保町、有楽町。異次元のように遠いと思っていた街の名も、まいにち聞いてるとだんだん馴染んできました。そして帰ってきたら、私の家から徒歩5分くらいのところにその人の会社はある。当然、そこからほど近いところにその人は居をかまえることになる。どんな日々になるのかな、と思います。近しくありつつ、節度あるおつきあい。というのが私の理想です。

彼を見ていて素直にすごいなーと思うのは、とてもオープンマインドなところ。もちろんいい意味で自分の核だとかプライドとかはあるしっかりした人なんだけど、それに固執して見栄をはったり逆に卑屈になったりするところがほとんど見られない。だからこそ、菱地所なんてあんだけ大きくて財閥系で高学歴お坊ちゃんお嬢さんがうようよしてる会社に福岡から出向していって2年間しかいなくても、飲み仲間に事欠かない(?)んだろうなーと思う。彼の話には、しょっちゅう、いろんな個人名が出てくる。客観的で、でも肯定力にあふれたルポタージュ。時にはその人たちが電話口に出てくる。おもしろい。そして感嘆する。彼の、人を責めない感じが、私はとても好きだ。心が健やかだなあと思う。そして、健やかでないと自認している私としては、このねじまがった本性を、彼はどれだけ知ってるのだろう?と時々思う。彼は受け容れてくれる気がする。問題は、私が健やかなる者とそうでない者との意識のギャップを受け容れられるかどうかなんじゃないか、って気がしてならなかったり。自分にないものを持っている人にどうしようもなく惹かれるけれど、でも結局、自分と似たような人としか過ごし続けられなかったりするから。

うーん、まさにだらだら書き。しかも酔っぱらってきましたね。風呂にでも入るか。
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