moonshine  エミ




2003年09月23日(火)  日常

 もうすぐ始まる新しい部屋での生活を思うとき、
 希望って言葉がキラリと光る。
 小さなことだけど、自分で決めたことだ。
 愚かなことをしようとしているという自嘲とか、味わうだろう葛藤とか、
 そういうものも含めて、大げさな言い方だけど体の中に力が湧いてくる。

 センチメンタルもある。
 今の家のそばの親水公園。
 失うのが本当に寂しいと思えるもののひとつ。

 池の周りに遊歩道が整備されていて、緑もたくさん植わってて、
 ゆるい坂になったり、石敷きのスペースがあったり、
 一日何度か噴き出す水の仕掛けもあって、
 犬の散歩とか、老夫婦のウォーキングとか、夏休みには子供の虫捕りとか、
 ゆるやかな時間が流れるとこだった。
 私がランニングで走っていたのも、ここ。
 1週が650mで、「今日は6.5km走った」て日記に書いている日は、
 ここを10周していたということなのです。
 
 春には桜がうわっと咲いて、お盆前にはトンボが狂ったように飛んで、
 秋は水と空とがとても遠くて、寒くなると冬枯れの木たちがいた。
 走らなくても、会社の帰りにふらっと寄って、
 大きな階段のところに腰かけて、しばらくウォークマンを聞いたり、
 ハナウタしたり、ぼーっと空を眺めたりしていた。
 季節感みたいなものを、とても正しく感じられるのが好きだった。
 せまくはないけど、650mは、一周が一望で見渡せるのも何か安心だった。
 おうちはもうすぐそこだ、という感じも、何とも、よかった。

 こんど住むところは今より都心にだいぶ近いからね。
 そばに川は流れてる。
 川とお月さまかな。
 夏にもつくづく思ったけど、私、川とか池とか滝とか、水辺が好き。
 自転車で足を伸ばして、大濠公園とか、舞鶴公園とかに、行こう。
 とは思っているけど、毎日毎日、行くことはできないからね。
 
 でも人間て、慣れたサイズを、「一番いい」と思いがちで
 なかなか変わろうとしないとこがあるけど、
 新しいものにも、いつかは慣れる。
 変わっても、気持ちいいと思う方向に必ず歩いてく。
 そういうものでしょう。

 さて、今日は月に一度の、不燃物のゴミだし日だった。
 いろんなものを捨てに行った。
 暗いしんとしたゴミたちの場所に思い出のものを静かに置いて、
 サヨナラ、私の青春、と小さくつぶやいた。(←ウソです。)
 部屋の中のものをかなり減らしている今日このごろ。
 身軽になるのは、ちょっと、泣き笑いのような感触だ。
 淋しいけど、その先に何か、晴れ晴れとした道がひらけていくような。
 
 それで私は明日25歳になります。





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