moonshine  エミ




2003年09月21日(日)  眼下10,000mの煌き

 遠足から帰ってきた感じです。
 
 遠くの恋人に会いに行った週末。
 嵐との遭遇はなし、しかし関東のほうに向かっているようなので、
 そちらの皆さん、どうぞよろしく。いや、気をつけてくださいね!
(註:これ書いてたの、日曜日の夜です。)
 
 広い広い名古屋での模様はまた後日に書き残すかもしれませんが、
 ひとまず光のことを。

 名古屋駅でしん氏と別れ、バスに乗って空港まで行った。
 早々と搭乗手続きをして、行きは取れなかった窓際の席を確保する。
 飛行機に乗るのが久しぶりだった今回の旅だが、
 離陸がかなり好きだと発見した。
 広い滑走路、一直線、力強い助走、
 これから飛び立つのだ、という意志みたいな感じがして。

 19時20分発の飛行機が見せた名古屋の夜景はすごかった。
 それまで見上げていた派手派手しいネオンサインだって、
 またたくまに小さなきらめきの一つになる。
 小さなきらめきが、無数に、小さな窓の外、一面に広がっていく。
 どこまでもどこまでもずっと・・・
 なんておとぎ話のようなフレーズが浮かぶほど。
 やがて高度は上がり、奥に暗い海が見え始めた。

 なおも高みを目指した機体は、
 雲の上なのか雲の中なのか、手触りのない闇をゆく。
 そんなときは、飛び続けているのかどうかさえ判然としなくなる。
 ただ、地に足がついていないのははっきりとわかるのだ。

 高度10,000m。
 光の島と島。折れながら曲がりながら、それを結ぶ光の線。
 こういう微生物だかウイルスだか細胞だか、いるよなあ、と思う。
 夜の地上は生き物みたいだった。
 地上の光に希望を感じたとか、別にそんなのはないけど、
 見飽きない風景だった。だって生き物だもんね。

 言ってみれば、まさに文字通り『違う視点』という、そういうことなんでしょう。
 でも、見るということは、考えるのなんかとは全然次元の違う。
 ものすごい説得力で迫ってくるもの。
  
 そして雲の下に、福岡の夜の町並みが見え始めた。やはりきらきらと。  降り立ったらもちろん、いつもの夜です。 
 “地上の夜”(by 小沢健二)に戻ってきたのです。





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