moonshine  エミ




2003年01月29日(水)  隗より始めよ

 雪の朝。
 細かい雪が強風で斜めに降っていて、視界が白く、町全体がぼんやりとけぶっているよう。
 鹿児島でも愛媛でも、じゃんじゃん降ったらしい。
 
 会社の帰りに紀伊国屋に行く。
 探している『殿下の料理番』(小学館文庫)、ここでも見当たらない。
 もう、自分の書店で買っちゃうぞ〜〜〜!
 別の本を2冊ほど、一生懸命に立ち読みする。バッグと傘を持ったままグッと集中して読んでいて、棚に戻して「さあ、帰ろうか・・・」というときには、何だか妙に脱力感というか、疲れを感じた。
 
 やっぱり、もっと自分を追いつめて煮詰まって行動しないと、みすみす後悔するかも、と思った。
 自分自身ととことん向き合うのは、意外と難しい。

 珍しく、自己啓発ぽい本を買って、帰途に着く・・・と、なんとJRさんがまたまたまた!遅れている。
 いや、雪だしさ・・・。確かに、JRは私鉄と違って、路線も長いし複雑だしさ・・・。大変なのかもしれないけどさ・・・。
 でもさー、毎回毎回、どうにかならんのかねーーー!!
「45分の遅れ」と、平然と(?)電光で表示されてる。
 頭にきて、猛然とタクシーに乗ろうかとすら思ったが、一瞬後にお財布の寒さを思い出す。すごすごとバスと私鉄で迂回して、帰る。

 まず隗より始めよ。
 という、故事成語がありますね。
 高校の漢文の授業で習った。確か、宮城谷昌光の小説『重耳』でも紹介されたエピソードじゃないかな。
 ちょっと前までの私は、会社の幹部とか横柄な男性社員とかに対して怒りでみちみちていて、
「ったく、隗より始めよってんだ!」
 といつも腹の中で叫んでいたけれど、
 最近はそうじゃない。
 業務が落ち着いているというのもあるけど、私自身が、あんまりがんばってないから。
「こんなとこで、まあいっか・・・。早く帰ろう」という感じでさっさと切り上げて、プラスアルファの意欲を出してない。
 関係ねーや、そう思えば、これほど楽なことってない。 
 ほんと、会社が「薄い」のなんの。
 会社生活も長くなれば、情熱の方向が変わってきたり、ガスの抜き方もわかってくるものだろうから、
 2年目が終わろうとしている私の今の感じってのは、まあそれほど珍しい心境じゃないのかもしれないけど、
 あんまり良くないなって、自分のこと思う。
 でも、かといって、会社や他の人の悪いところばっかりあげつらってた自分も、良くなかった。
 というか、それは、乗り越えなきゃいかんとこ。
 
 じゃあ、自分はどうなの? どう思ってる? これからどうするの?
 悪口ばっかり言って、不満の原因を外にばかり見つけても、状況はなんにも変わらないよ。
 心に軋みを感じたときに、その問題点を「自分の内側」に求められるかどうか。
 単純に自分のほうを責めればいいって意味じゃないよ。
「あれが悪い、これが気にくわない」って、言い捨てるのは簡単なこと。
 本当に“自分の問題として”とらえることが出来るかどうか?
 
 や、ちょっと固かこと書いとらすね。
 ま、ま、そげな感じに、思えるごとなってきたごたぁったい。
 いやー、むずかしかばってんね。
 
 あ、日記に書いとうことは、私自身の問題についてやけん、
 他の人のいろんなシチュエーションにも絶対あてはまるとは、いえんことやけん。
 やっぱ、人の話とか聞きよったら、
「そらァあんたは、どげんもこげんもしよんのなかたい。
 はがいかろうばってん、ガマンするしかなかたい、今は。
 ちかっぱ愚痴って、気ィば晴らしんしゃい」
 ってことも、あるけんねー。

 まぁとにかく私の場合は、「隗より始めよ」の「隗」は、自分なのだ。きっと。





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