500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年05月15日(水) 「ふらふらっと」スリー

 10日のこの欄で、「ふらっと」してこの所頼りないフラット3について、あえて弁護するコラムを書いた。だが昨夜行なわれたノルウェー戦では、明らかなDF陣のミスがいくつも見られた。
 コーナーキックでは、キッカーのフェイントにつられてラインを上げたところで、2列目から飛び出した選手に得点された。ゴール前でのオフサイドトラップは、失敗した時のリスクが大きすぎると私は思う。むしろ、きちんとマンマークをする方が堅実ではないか。もちろんその場合には高さを含めたフィジカル面の強さも必要だが、うかつにラインを上げて裏を取られるよりはいい。
 流れの中での失点も、やはり中盤で素早くボールを奪い、DFの裏に出そうという相手の徹底した意図が実を結んだといっていいだろう。いずれにせよ、フラット3が研究され、その研究成果を相手が発揮し切ったようなゲームが2つ続いたことは、W杯本大会で当たる相手にとって日本攻略の大きなヒントになっただろう。それは取りも直さず、改善なくして上位進出はありえないことを意味する。永遠の課題である決定力不足を含め、残された日数の中でどこまで調整する事ができるだろうか。

こんな時、彼なら(5/15)

 昨夜のサッカー日本代表の試合を見ていて、システムのほころびや、敗戦の事実以上に気になった点。それは各選手からのエネルギーを感じないという事だ。
 パスで凡ミスを犯し、最終ラインが抜かれて得点を許しても悔しさが今一つ表に出てこない。もちろん頭では色々考えているのだろうが、こうした国際試合では、何よりファイトを前面に出して「戦う」姿勢が大事だ。そう思った時、ある選手の顔が脳裏に浮かんだ。そうだ、こんな時やっぱり彼が必要だと。
 中山雅史。代表入りの当落線上にいる彼のパッションは沈滞ムードの時には欠かせない。戦術を整える事が出来る選手はあまたいるが、チーム全体にエネルギーを与えるダイナモは彼をおいて他にいない。それに何といっても、日本で唯一W杯で得点を決めた事のある選手なのだ。17日発表のメンバーの中に彼の名があることを、昨日の試合を見たからこそ切に願う。


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