去年の暮れ、イチローのインタビューを中心とした番組を見た。その中で彼はしきりに「準備」という言葉を口にした。その示す所は、打席で投球に備えるといったものから、試合前のウォーミングアップ、さらに長いシーズンに対する長期的なものまで包括する。もちろん、肉体=フィジカル面だけではなく、精神=メンタル面も含まれる。 彼が1年目から驚異的な活躍をする事ができたのは、あらゆる点で周到な準備がされていたからだ。その度合いは、どのメジャーリーガーをも凌いでいたに違いない。ある意味彼の活躍は、準備段階から決まっていたと言っていい。 イチローは「天才」と称される。だが、彼の野球技術は生まれつきのものではなくたゆまぬ努力によって培われたものであるから、むしろ「秀才」という方が適当だ。あえて天才と表現するなら、それは「準備することにかけて」である。 的確な状況分析と自己目標の設定。そこへ向けた完璧な準備。その才能は、凡人とかけ離れている。教育学における「レディネス」という言葉は学ぶ前の心の準備を意味するが、イチローもまさに「準備のための準備」に長けていたということになるだろう。
ストライクゾーンが変わる?!(1/16)
今季からプロ野球のストライクゾーンが高めに拡大されるという。表現上は「ルールに忠実に則って」ということらしい。あれあれ? ってことはこれまでルールに忠実でなかったってこと? ストライクゾーンって、そんなに恣意的に変わっちゃうもんだっけか? ストライクゾーンは86年と96年にも「広げられた」ことがある。そのいずれもが、今回同様「規則どおり適用」ということである。ルールの条文自体が変わったわけでは決してない。ということはつまり、時が経つにつれて、審判の判定が辛くなる傾向があるということか。もしかして、その方が「よく見ている」と思われて権威が増すなんて、審判の皆さん、勘違いしてたりして。 ゾーン拡大で試合時間が短縮されたり、投手の完投が増えたりするのは喜ばしいけど、こうした意識の改革も必要なんじゃないですかねぇ。でないとまた、同じ事の繰り返しになっちゃいますよ。
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