2002年01月10日(木) |
サムシング(something) |
オリックスからFA宣言していた田口壮選手が大リーグに行く事が決まった。外野手としてはイチロー、新庄に次いで3人目となる。 田口は新聞報道などでは新庄よりは上と評されている。しかし、私は必ずしもそうは思わない。新庄には、日本人選手としては並外れた優れた身体能力がある。走力や肩の強さといった外野手に不可欠な要素を高いレベルで備えている上、打撃でも長打力がありチャンスに強いという特徴もある。一方田口も足が早く、捕殺数(送球で走者を殺した数)も毎年のように2ケタを記録するなど守備の上では文句なしにトップクラスであるが、こと打撃に関しては、これといった特徴がない。トータルパッケージとしては優れていても、メジャーでレギュラーを掴むにはsomething=人より抜きん出た「何か」が必要だ。谷繁に声が掛からなかった理由も実はここにある。 投手では、同じトータルパッケージ型の長谷川が成功を収めている。彼は卓越した適応能力と頭脳的な投球術で活路を開いた。野手の田口はどんなsomethingを見つけるのか。それが彼の成否のカギを握っている。
もう少し田口について・・・(1/10)
少々、田口についてネガティブな書き方をしたが、成功の可能性を示すデータもある。 コラムで触れた守備面での特徴は、外野の広いメジャーの球場にマッチするだろうし、イチローのような「レーザービーム」を見せ付ければ、外野の一角を占める事は十分可能だ。何と言ってもカージナルスは、ほとんど守備だけでメジャー初の100万ドルプレーヤーになった名遊撃手、オジー・スミスを生んだ球団なのだ。 また、田口の打撃を分析すると、ストレートやシュートに対する打率が高いが、カーブ・スライダー系、それに落ちる球への打率が低いのがわかる。つまり速球派の多いメジャー向きとも考えられるのだ。 いずれにせよ、彼を含めた日本人選手の活躍を願う気持ちに変わりはない。
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