2001年12月17日(月) |
義を見てせざるは・・・ |
阪神の新監督に星野仙一氏の就任が決定した。「人間というのは、助けてくれと言われて助けないと、悔いが残る」。これが決断の理由だという。「義を見てせざるは勇無き也」という言葉があるが、まさに今の星野氏の心境そのものであろう。 義に厚い男は人心を重んじる。長年世話になった中日球団や地元関係者・ファンに対しては、直接彼の地に足を運びつつ、誠意に満ちた言葉を尽くして理解を求めた。阪神球団と交渉した同じホテルで上坂外野手の結婚披露宴があると知るや、交渉を中座して飛び入りスピーチ。さらにはその席にいた岡田二軍監督と15分間の即席会談をして協力を求めた。「岡田はコミュニケーションに飢えてたみたいやな」という言葉通り、前監督辞任問題の勃発以来放っとかれた格好になっていた岡田に最大限の配慮を見せたのは、まさにファインプレーと言えよう。 近日中に、もう一人の「コミュニケーションに飢えた男」・FA片岡と、メジャーに傾きつつある田口とも交渉を持つという。彼らにも「義を見てせざるは…」と思わせられるかどうか。暮れも押し詰まり、新監督の「心の大掃除」が急ピッチで進む。
心痛む、ムース解散(12/17)
新聞の片隅に心痛む記事を見つけた(15日付・東京新聞)。野村沙知代容疑者がオーナーの少年野球チーム「港東ムース」が、加盟する「リトルシニア関東連盟」から14日付で除名されたというのだ。理由は、同容疑者の行為が連盟の名誉を傷つけたというもの。「港東ムース」は除名により解散するという。 野村容疑者はこのチームも自身の錬金術に組み込み、父母らから集めた大金を税申告しなかったという。その事は責められてしかるべきだ。しかし、野球に打ち込んできた選手たちまでが、その罪の巻き添えを食ってプレーする場を奪われてしまった。チームメイトとももう同じグラウンドで汗を流す事はない。その心情を思うと切ない。 かつて全国優勝も飾ったことのあるこのチームで、プロを夢見た子供もいるだろう。その夢は今度の事で軌道修正を迫られるかも知れない。卑しい欲のために彼らを食い物にしてきた野村容疑者に対する怒りは尽きない。
|