500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2001年12月14日(金) スケルトンを知っていますか

 「スケルトン」という競技をご存知だろうか。簡単に言えばソリの一種。リュージュが仰向けに寝転んで操作するのに対し、スケルトンは腹ばいで頭を前にした姿勢で乗る。スケルトンとは骨格という意味で、鉄の骨組みとランナー(刃)だけのシンプルな形状が名前の由来だ。
 このスケルトンがソルトレークシティ五輪では正式種目として行なわれる。とはいえ、最近できた競技というわけではない。日本でこそ知名度が低いが欧州では盛んで、第2回と第5回の冬季五輪では正式種目として採用されてもいた。
 この競技で去年W杯総合2位に輝いた日本人がいる。越和宏、36歳。アスリートとしては高齢だが、巧みなソリ操作で世界のトップクラスに君臨する。今月5日からの五輪会場での公式練習では、2組に分かれたB組で2位のタイムを叩きだす等、その実力は今年も健在である。
 バックアップ企業も少なく、練習環境も悪いソリ競技。長野五輪の時に「スパイラル」ができるまでは、札幌手稲山に500mほど(公式戦=1.3−1.5km)の短いコースがあるだけだった。そんな中、並々ならぬ努力でトップアスリートになった越の活躍に期待したい。


支持したい、柳沢の選択(12/14)

 鹿島アントラーズのFW・柳沢が、イタリア・セリエAのペルージャへの移籍を取り止め、残留する事になったという。W杯を前に代表入りを最優先に考えてという事だが、私はこの選択を支持したい。
 海外クラブ所属選手たちの置かれた環境は厳しい。稲本や高原は試合出場のチャンスさえ乏しく、司令塔として期待された中田でさえ最近はサブに甘んじるケースが目立っている。
 こうした状況が続くと、ゲーム勘が鈍る上、90分を戦い切るスタミナがそがれていく。そのまま代表に召集されても、本来のポテンシャルを出し切ったパフォーマンスは難しいし、故障の可能性も高まる。かつて名波がこれで苦しんだ。また、クラブの日程と代表戦がかち合う事もありうる。何より、試合に使われないという事実そのものが、直接見る機会の少ない代表監督の印象を悪くする可能性さえある。W杯前にそうしたリスクを冒す事を避けたのは正しいと私は思う。


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でんちゅ [MAIL]

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