500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2001年11月30日(金) 大丈夫? 素人丸出しの野球機構

 横浜球団の経営権譲渡問題で、日本野球機構は29日臨時の実行委員会を開き、15日のマルハからニッポン放送への筆頭株主の変更承認を白紙に戻すと発表した。これによってニッポン放送がオーナーになる芽は事実上消滅し、横浜がそのまま経営権を持ち続けるか第三者への株式譲渡を模索するという。
 川島コミッショナーは委員会後、「ニッポン放送がフジテレビの株を34.1%も持っているとは知らなかった」と述べた。ニッポン放送は横浜株の他にフジテレビの持つヤクルト球団株を間接所有する事になり、複数球団の株式の同時保有を禁じた協約に違反するので、知っていたら承認しなかったというのだ。
 ちょっと待て。あなた自身、15日の会見で「両社は独立した株式会社だから問題ない」と言明しているではないか。これは両社の資本関係を精査した上でなければ出しえない結論だ。コミッショナーの一言は野球機構の調査能力のなさを認めたに等しい。問題が表面化してから慌ててヤクルトに株式割合の調査書を出させたのも、今まで何もしていなかった証ではないか。こんな素人集団が率いるプロ野球の先行きが案じられる。


大山鳴動してナベツネ一匹(11/30)

 球団経営権譲渡の白紙撤回でマルハは窮地に追い込まれた。マルハは現在、100億とも言われるリストラ計画の真っ只中。株式売却もその過程で出たものだ。球団単体では黒字なのでこのままオーナーで居続ける選択肢もなくはないが、引き受け先があれば譲渡したいのが本音だろう。
 第三者に譲渡となれば、新オーナーは加盟金30億円を納める必要が生じる。だが、不況で企業スポーツの休廃部も相次ぐ中、大枚はたいてプロ野球球団経営に乗り出す酔狂な企業があるとは思えない。だとすれば球団の叩き売りか、さもなくば消滅か…。
 ともあれ、今回の件は大山鳴動した割には渡辺オーナーの発言力をこれまで以上に高めただけの様な気もする。ん、でも待てよ。そもそも川島コミッショナーは渡辺氏自身の肝いりで誕生したはずだし、セ・リーグ会長だって「燦燦会」(長嶋の後援会)のメンバーでしたよね。もしかして、あなたにも任命責任があるんじゃ…?


 < 過去  INDEX  未来 >


でんちゅ [MAIL]

My追加