500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2001年11月14日(水) アビスパはJ1を去って再出発を

 Jリーグの川淵チェアマンは13日、「児童買春」の容疑で逮捕されたアビスパ福岡DF(19歳)の問題について、対応を明らかにした。リーグとしては司法判断とクラブの処分が確定した時点で、「クラブに対する処分」を裁定委員会に諮るという。選手本人については未成年であるため処分は諮問せず、サッカーでの更生の余地を残す方針だ。
 今回の事件は、中学生の衣を被った売春婦(援助交際なんて表現は死んでも使わない)とその親にも責任の一端はあるが、プロスポーツ選手の側が負うべき社会的責任はその比ではない。Jリーグは地域密着を理念に掲げ、クラブは当該地域社会の文化の担い手としての役割を期待されている。所属選手もまた地域の「良き隣人」である事が求められる。Jクラブは単なる収益事業ではなく「公共財」なのだ。そうした意識を選手に伝え切れなかったアビスパはそれだけでJ失格である。事件の舞台が選手寮だった事は余禄に過ぎない。
 現在J2降格の危機に瀕しているアビスパ。公式HPで「始めから出直す覚悟」とコメントしているが、ならばこの際自らJ1を去り、文字通り再出発を期すべきではないか。


H君よ(11/14)

 児童買春事件の当事者H君よ。君は10月下旬のゲームではチーム唯一の得点をたたき出し、勝利に貢献した。将来は代表入りも嘱望される逸材だった。それだけに惜しい。
 まだ19歳。遊びたい気持ちはわからないでもない。私も同じ男だ。だが決して踏み越えてはならない一線だけはわきまえる必要がある。
 今回のJリーグの処分には賛否両論があろう。だが私は、コラムと矛盾するようだが、処分自体は妥当なものだと思う。勝ち点を剥奪しなかったのも、それをすればチームのJ2降格を確定的にし、君自身がその責を感じてチームを、さらにはサッカー界を去ると見越しての措置だろう。未成年である君に更生の余地を残したというのはそういう事だ。
 ただ、それでも君が将来代表のユニフォームに袖を通せるか、そうなったとして素直に応援できるかはわからない。
 H君よ。君の行為の代償はかくも重い。だが頑張れ。今言えるのはそれだけだ。


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