2001年10月22日(月) |
ノーヒットでの投手交代 |
ア・リーグ・プレイオフ第4戦はヤンキースが接戦を制した。 このゲーム、5回までマ軍・アボットは被安打0、ヤ軍・クレメンスは1という息詰まる投手戦。しかし6回から両軍ともリリーフを送った。クレメンスは右脚裏痛をおしての登板なので予定通りの交代だろうが、アボットは「投球数」を考慮したと思われる。 アボットの投球数は5回までで97球。100球メドのメジャーでは交代機だ。しかし被安打0は日本なら続投のケース。ここに日米の投手起用の「思想」の違いを見る。 投球数を堅持するメジャー式の分業制に対し、日本では調子次第では130球を超えても続投させたりする。しかし、分業本来の趣旨はシーズン総体で1つでも多く勝つ事で、目先の1勝の為に先発を酷使しては意味がない。ポストシーズンも同様だ。 酷使でローテーション投手が壊れ、代わりの投手で穴埋めすれば「谷間」を増やすのと同じ事。かえって勝ち星は減る。ならば予め先発が負うべき負担をリリーフ陣に分散させた方が合理的だ。逆に言えば、ノーヒットで先発を代えても抑え切れるスタッフを揃えられるかどうかも、監督の手腕のうちなのだ。
石井がもしノーヒットを続けていたら(10/22)
きょうのコラムは、日本シリーズ第1戦のヤクルト・石井のケースと比較して考えてみて欲しい。石井は7回1死までノーヒットピッチング。北川の右前打で夢は潰えたが、もしノーヒットが続いていたら恐らく交代はなかっただろう。なぜなら、記録が途絶えた後の8回でさえ石井はマウンドに上がり、結果として143球も投げることになったからだ。 メジャー式に今後の試合に影響を及ぼさない事を中心に考えるなら、4点差になった6回裏(この時点で球数はかなり多かった)か、最低でもヒットを打たれた後の8回は継投がセオリーだろう。日本シリーズの緊張感を中継ぎ陣に一度経験させておく意味でも、その方が合理的だと私は思う。 「いてまえ打線」を初戦で完全沈黙させて勢いをそぐ意図も理解できなくはないが、反面、この投球数が石井の次の登板に影響しなければいいがとも思う。
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