2001年10月18日(木) |
誰が彼をシャブ漬けにしたか |
JRA調教師の田原成貴容疑者が、8日に覚せい剤取締法違反と銃刀法違反で現行犯逮捕された。覚せい剤の水溶液や注射器、それに刃渡り19センチのナイフを所持していたという。 田原調教師は通算1112勝、G1だけで15勝の元名ジョッキー。端正なルックスから「ターフの玉三郎」などと呼ばれるスターだった。 だが、引退後調教師になった彼の挙動はこのところ不審で、関係者の間ではクスリの噂もあったらしい。しかし人権問題などで検査に踏み切れなかったのだという。 だが、私が気にしているのは彼自身の転落の物語ではない。一番の問題は「誰が彼をシャブ漬けにしたのか」である。つまり、クスリの見返りに有益な情報を得たり、レースへの細工を依頼したりしていた人物の存在を否定できないのだ。 田原容疑者は今年7月、オーナーや厩務員にも内緒で管理馬の耳に発信機を装着していたのが見つかり、50万円の過怠金が科せられている。もしこれが前述の「細工」のテストだったとしたら辻褄が合う。 彼は覚せい剤については現在も否認しているそうだが、今後の捜査の行方次第では、公営賭博の根幹に関わる問題にも発展しかねない。
|