500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2001年10月17日(水) 「退部届」の是非

 11月6日から台湾で野球のワールドカップ(W杯)が開かれる。高校生として唯一代表メンバーに選ばれた日南学園の寺原隼人投手は、プロ選手とチームメイトになるにあたり、高野連から「特別に」退部届を出さなくてもプロと話ができるお許しを頂いたそうだ。
 高校の野球部に所属し高野連の支配下にある選手たちは、プロ関係者との会話を禁じられている。たとえ親子であってもである。その主旨は、平たく言えばウブな高校生が狡猾なプロ関係者に騙されないようガードすることにある。
 夏の大会が終わり高野連主催の大会がなくなると、プロ志望の選手たちは卒業後の進路選びのため、プロとも自由に話ができるよう退部届を出して高野連の支配を離れる。しかしそれは、以後好きな野球が実際上できなくなる事でもある。
 私は寺原に限らず全ての高校生が、夏以降はプロと接触できるように改めてはどうかと思う。卒業後も野球を続ける選手であればなおさら、ブランクを作って体をなまらせるのは良くない。希望すれば練習や後輩達の手伝いができるようにすべきだ。何より、「3年間」部活を全うさせる方が、よほど「教育的」だと思う。


高校生は高校生(10/17)

 今日のコラムは、高野連への意見であると同時に、打算的な大人たちへの批判も込めたつもりです。
 例えば、甘い条件で誘われて「野球留学」し、学校の広告塔になっている選手たち。彼らは、故障すればお払い箱という現実があります。このようにプロとの接触よりもよっぽど打算的で非教育的な現実がゴマンとあります。
 要は、プロ・アマに関わらず、子供たちが甘い言葉や法外な条件に踊らされないよう、周囲の大人が「責任を持って」ガードしてやること。これは理念の問題であって、退部届を出したから高野連や学校の責任の範疇ではないという規定の問題とは次元の違う話なのです。高野連の傘の下を離れても、彼らは相変わらず高校生なのです。
 そもそも、打算ずくの大人たちがいるせいでこうした規定が作られ、子供たちが、最高の技術集団であるプロの指導を直接受けられない状況にあることの方が悲劇的だと私は思うのですが・・・。


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