500文字のスポーツコラム(平日更新)
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2001年10月09日(火) 扇の要

 セ・リーグの優勝がようやく決まった。終わってみれば投打がかみ合ったヤクルトの順当な優勝だったが、終盤もたついてファンをやきもきさせた。
 もたつきの原因は、優勝のプレッシャーももちろんあるだろうが、古田の戦線離脱がやはり大きかったと思われる。古田は投手陣からの信頼が絶大である。古田の言うとおり投げていれば打たれないという確信が投手の球に力を与える。打線も、中核に古田がいるのといないのとでは、相手投手に与えるプレッシャーが全く違う。たとえ打てなくてもそこにいるだけで「重し」のようにチームに安心感を与える存在なのだ。
 普段の古田は理詰めの攻めを得意とするいわばボクサータイプのキャッチャーである。対照的に、闘志を前面に打ち出すファイタータイプの代表格はホークスの城島だろう。しかし、終盤ケガをおして強行出場し続けた古田は、間違いなく闘志でチームを引っ張っていた。泣き言一つ言わずに平静を装う姿は、チームの結束力を何倍にも高めたことだろう。
 「扇の要」では、一本の芯がたくさんの竹を貫いて束ねている。ナインの心を束ねる古田という芯なくして、扇が風を起こすことはできなかったに違いない。

(パート2は本業多忙につき更新できず。あしからずご了承を…)


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