2001年10月05日(金) |
ハングリーになれる才能 |
日米ともに、プロ野球のレギュラーシーズンが終わりに近づいている。今シーズン最大のトピックは何といってもイチローの活躍だろう。現在打率首位。盗塁も今日で55となり、トップのセデーニョ(タイガース)に並んだ。2つのタイトルのみならず、MVPまで獲得しそうな勢いだ。 イチローは、ハングリー精神の塊である。収入の話ではない。野球に対してどこまでも貪欲という意味だ。メジャー初シーズンで故障もせずに活躍できるのは、スポーツクラブ並みのトレーニング機器を買い込み、理にかなったトレーニングを欠かさないからである。技術面でも、オリックス時代の終盤にメジャーを想定したシミュレーションをゲームの中で行ない、渡米してからもフォームの「仕様」を変えて適応してみせた。そこには「うまくなる」ことへの渇望感が感じられる。つまり、気持ちは常に「ハングリー」なのである。 サッカーの中田は言う。「マラドーナが左だけでなく右でも同じように蹴れたらとてつもない選手になったはず。技術の探求には終わりはない」と。天才と呼ばれる2人の最大の才能は、ハングリーになれる才能のことなのだ。
急がれるフィジカル対策(10/5)
きのうトルシエを支持する内容のコラムを書いたが、その夜のゲームは見事な負けっぷりになってしまった。まずボールの支配率がいつもと全然違う。当然、シュートも望めない(なんと前半ゼロ!)。 要因はただ一つ、フィジカル面で優るチームへの対応が遅れていることに尽きる。中盤で当たり負けしてボールをキープされると、DFはズルズルと引かざるを得なくなる。コンパクトなサッカーができない分、左右の上がりも制限され、攻撃のオプションも乏しくなる。 それでも、中田や名波などフィジカルの強い選手や小野のように卓越したテクニックを持つ司令塔がいれば局面打開も可能だが、昨日はその誰もいない非常事態。しかしW杯本番で彼らが削られてケガをすることは十分ある。図らずもレギュラー陣が壊れた時のスペアに不安があることを露呈し、「噛ませ犬」に噛み殺されたこのゲームを教訓に、対策を練り直す必要がある。
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