500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2001年10月02日(火) 最後のひと葉

 昨夜、引退試合を迎えた阪神・和田。堅実なセカンドの守備も、巧みな流し打ちも、もうこれで見られなくなってしまうのかと思うと寂しい思いで一杯だ。
 和田は、チームという「空間」を安定させる存在だった。経験の乏しい選手ばかりの小粒なチームでも、和田がいるだけで締まった印象になった。相手にとって最も嫌がられたのは、長打力のある外国人よりも、「うるさい」和田だったろう。
 和田が入団した1985年、阪神は17年ぶりの優勝を果たした。その喜びを、大学生だった私も神宮球場のスタンドで共有した。しかし以後は低迷が続き、その間に優勝を知る選手が和田一人になっても、チームが再び美酒に酔う事はなかった。引退セレモニーで和田が流した涙にこめられた一抹の悔しさは、私自身の思いでもある。
 長く厳しい冬。今、最後のひと葉が静かに散った。しかし、落ち葉は土に返り、やがて芽吹く若葉の糧となる。これから指導者となる和田もいつの日か、若い木を葉の生い茂る立派な大樹に育て上げてくれる・・・そして、再び暖かな春の日差しを体一杯に浴びる日がきっと来る・・・私はそう信じている。


さよならダイエー(10/2)

 近鉄・ローズに対する醜い四球攻めから一夜。川島広守コミッショナーは「フェアプレーを至上の価値とする野球の本質から外れている。」と、不快感をあらわにした。当然である。
 昨日も書いたが、本当にそう思うなら関係者を厳罰に処すべきだ。特に王は再犯である。「選手に任せている。個人的には彼に頑張って欲しい」などという言い逃れは、罪を秘書に押し付ける政治家同様、実に見苦しい。
 また、若菜バッテリーコーチは「王・長島は野球の象徴だから記録は残したい。彼ら(外国人)はいずれ国に帰るんだから」と人種差別的な発言までする始末。「うちから打とうというのが間違い」とも・・・。それが彼らの品性なら言うべき言葉はないが、ただ一つ確かなのは、私が王ダイエーを応援する事は二度とないということだ。
 素晴らしいものになる「はずだった」今年のペナントレースに、大きな汚点を残した彼らを、私は決して許さない。


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