2001年09月19日(水) |
子規の愛したベースボール |
久方のアメリカ人のはじめにし ベースボールは見れど飽かぬかも
今やかの三ツのベースに人満ちて そゞろに胸の打ち騒ぐかな
春風やまりを投げたき草の原
明治35(1902)年9月19日、歌人・正岡子規は35年の生涯を閉じた。今日は百年忌に当たる。 子規は無類の野球好きで、「ベースボール」に関する句や歌を数多く残している。雅号も幼名の升(のぼる)をもじって「野球(の・ぼうる)」と名乗る熱の入れよう。冒頭の3編は彼の作品だが、俵万智の「サラダ記念日」ばりにカタカナ用語を巧みに織り込んで野球の魅力を詠んだ作品群は、日本最初の「野球文学」の名にふさわしい。 大学時代国文学を専攻していた私は、子規の作品に興味を持ち、卒論のテーマに選んだ。子規の享年・35を過ぎ、再び草野球に興じるようになって作品を見返すと、死の床にあってもなお、まりを投げたかったであろう子規の思いが、100年の時を超えてしみじみと偲ばれる。 歌以外にも、野球解説書「松蘿玉液」、日本初の野球小説「山吹の一枝」など、魅力的な作品がある。 読書の秋、一度子規の作品に触れてみてはいかがですか。
Do the BEST!(9/19)
大リーグ再開2日目。マジック2のマリナーズも試合に臨み、イチローは3安打。野茂も11三振を奪う力投で勝利投手。新庄は2日連続で4番に座り2安打を放ち、チームも連勝した。 ニューヨークを本拠地とするメッツの4番を任された新庄。時期が時期だけに普段以上の緊張を強いられただろうが、こういう時にこそ彼は真価を発揮する。新庄が緊張していないと言いたいのではない。一見チャランポランなようで、実は繊細な感受性の持ち主だと私は思う。だが逆に、極限状況で人一倍燃える性格も持ち合わせている。彼は、かつて経験した大震災と重ね合わせ、「傷ついた人々のために何かしたい」とアメリカ人以上に強く思い、プレッシャーを撥ね返したのだろう。 「仕事に戻ろう」と大統領は言った。「戻るからには、ベストを尽くそう」と彼は思ったはずだ。内心激しく燃えながらもそういう切り替えを素早くできる所に、彼の真骨頂がある。
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