500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2001年09月18日(火) 若乃花とマイケル・ジョーダン

 若乃花がファンの前に帰ってきた。と言っても土俵にではない。社会人アメリカンフットボールリーグ「Xリーグ」のフィールドに、である。
 17日、元横綱・若乃花の花田勝はオンワード・スカイラークスのディフェンスラインとして第2Qに初出場。たったワンプレイだったが、中学時代からの夢だったアメフト選手に、彼はなった。
 このニュースを聞いて、バスケットボールのカリスマ、マイケル・ジョーダンの事を思い出した。93年秋に突然引退を発表したジョーダンは、一転大リーグへの挑戦を宣言した。マイナー・リーグ球団の選手として1シーズン戦ったが、翌年の大リーグのストライキで夢を断念。でも、目標に向かって真摯に努力する姿は清々しかった。
 一つの世界で頂点を極め、栄光を勝ち得た選手が、全く違う競技に挑むのは勇気がいるに違いない。しかし、リスクを恐れず、ただ「スポーツをしたい」という衝動と自らの「夢」に素直に従った彼らに、私は好感を覚える。
 ジョーダンはこの秋、2度目の現役復帰をするという。スポーツを心から愛し、限界に挑み続ける日米2人の男にエールを送りたい。


上を向いて歩こう(9/18)

 大リーグが再開された。悲惨なテロの舞台となったニューヨークを本拠地とするメッツは、新庄の活躍もあって4−1で勝利。その瞬間、選手たちは優勝でもしたかのように抱き合って喜んだという。
 スポーツは被災地の人々に勇気を与えるはずだと、14日のこの欄で書いた。カージナルスのマグワイアは「ニューヨークの事を思えばスポーツゲームには意味がない」と言い、ダイヤモンドバックスのシリングは「ベースボールはあくまで娯楽。今は楽しむべき時ではない」と批判的だ。でも彼らは自分たちの役割や価値をわかっていない。新庄が口にしたように、野球選手にとっては野球をすることが唯一にして最大の事。悲しむだけでは、社会に貢献することはできない。

♪上を向いて歩こう 涙がこぼれないように…

 悲しくても自らを奮い立たせて笑顔を作る・・・それがやがて本当の勇気に変わる日が来ると、私は信じたい。


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