2001年09月10日(月) |
「痛みに耐えて頑張る」のは美徳ではない |
大相撲夏場所千秋楽、横綱・貴乃花が右ひざを亜脱臼しながら決定戦で武蔵丸を下した相撲には、ある種の感動があった。しかし、結論から言えば、あの強行出場は間違いだったと私は思う。 貴乃花は名古屋場所に続き、きのう始まった秋場所も休場。7月にフランスで手術を受け、リハビリ中である。大相撲は「観客に見せてお金を取る」プロスポーツというビジネスの一つ。横綱はその興行の核である。だから本来、毎場所出場してファンに姿を見せることが横綱に課せられた義務だろう。1つの取り組みと引き換えに2場所を棒に振るほど故障を悪化させてしまったのなら、それは義務をはき違えていることになる。 また決定戦の相撲は、本人が万全でないだけでなく、武蔵丸にも「人気横綱をスクラップにできない」という精神的ハンデを負わせてしまった。本割はともかく、決定戦は辞退する方が「フェアプレー」だったとは言えまいか。 ケガを押して戦うことは、決して美徳ではない。最高のパフォーマンスを見せられないなら、それはプロとしてファンに見せるに値しない。私は満身創痍の貴乃花よりも「憎たらしいほど強い」横綱を、毎場所見たい。
これまで書いた文章のフォローです。(9/10)
これまで書いてきた文章について、事後の情報が加わったものなど、いくつか整理しておきます。 8/27に書いた、アルペンスキーのヘルマン・マイヤー選手の交通事故については、復帰まで1年ほどかかるとのことですが、最悪の状況は脱したようでホッとしています。 9/3には、『(歌舞伎町の火災に)居合わせた人の心がけが悪かったわけではないだろう』と書きました。その後マージャンゲーム店が賭博に関与していたことや、「飲食店」がいわゆる「抱きキャバ」だったことがわかってきましたが、死者を悼む気持ちには変わりありません。 日南学園・寺原のW杯メンバー入り。選出過程には疑問を呈しました(9/6)が、彼個人に関しては豊かな才能を大舞台で発揮し、国際経験も積んで欲しいと思います。(ちなみに宮崎はカミさんの故郷。思い入れも強いので、出たら目一杯応援します。頑張れ、寺原!)
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